電気代の請求額に違和感を覚えたことはありませんか?
去年と比べて2倍近い請求額になっている……。
エアコンの使用時間に大きな変化はないのに、急に高くなった……。
このような場合に確認すべき点について、今回は解説します。例えば、毎月の使用量や電気代の計算方法、請求額が増加する原因などを把握することが必要です。
電気代の請求がおかしい!と感じたら、ぜひ本記事を参考に理由を調べてみてください。
電気代が高額になる原因とは
電気代が高くなる原因はさまざまですが、近年では以下の理由が特に影響しています。
- 政府補助金の終了
- 電力会社の値上げ
- 使用量の増加
- 家電の効率が悪い
- 使用時間の変化
- 漏電
- メーター誤作動
ではそれぞれの理由について詳しく説明します。
政府補助金の終了
2023年1月から実施されていた「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による電気代の補助金制度が、2024年5月をもって終了します。この制度では、電力会社に補助金を支給することで、一般家庭の電気料金が値引きされていました。
また、再生可能エネルギーの買取費用として一般家庭の電気料金に上乗せされる「賦課金(ふかきん)」の値上げもあります。2024年度は2年ぶりの大幅な値上げとなり、従来の1kWhあたり約2円から3.49円に引き上げられます。
電力会社の値上げ
多くの電力会社は、石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料を利用して発電しています。日本はこれらの燃料を外国から輸入しているため、国際的な供給不足や為替レートの変動により燃料価格が高騰すると、電力会社の発電コストが上昇し料金の値上げにつながります。
使用量の増加
電気代は使用量に比例して高くなります。使用量が増える背景には以下のような理由が考えられます。
世帯人数の変化:
世帯人数が増えると、家電の使用時間や台数が増え、消費電力も自然と増加します。子供が産まれたり、親が同居したり、家電を使う人数が増えることで、電気の使用量は確実に上がります。
在宅時間の増加:
在宅時間が長いほど照明やパソコンなどの使用時間が長くなり消費電力が増加します。
家電の大型化:
テレビや冷蔵庫などを大型のものに買い替えると消費電力が大きくなることがあります。
エアコンの使用増加:
エアコンは消費電力が大きいため長時間使用すると電気代が跳ね上がります。そのため、エアコンの使用が増える夏季や冬季は注意が必要です。なお、冬季はエアコン以外の暖房器具でも電気を多く使うため、特に使用量が増えやすいです。
以上が、使用量が増加する主な理由です。ただ、新たな家電を購入したり、家電の使用回数が増えたり、無駄遣いが多くなったりなど、他の理由も考えられます。
消費電力が大きい家電とは
使用量は各家電の消費電力によって決まります。消費電力に比例して使用量も増えるため、消費電力が大きい家電を把握しておくことが大切です。
一般的な家電の消費電力の目安は以下のとおりです。
家電 | 消費電力 |
---|---|
電子レンジ | 1400W |
電気炊飯器 | 1300W |
洗濯乾燥機 | 1100W |
洗濯機 | 400W |
ドライヤー | 1000W |
エアコン(10~15畳用) | 750~1100W |
エアコン(6畳用) | 450W |
冷蔵庫 | 200~300W |
液晶テレビ | 50W |
出典:クール・ネット東京
このように電子レンジ・電気炊飯器・洗濯乾燥機なども、エアコン同様に消費電力が大きい家電です。
家電の効率が悪い
家電の省エネ性能は段々向上しているため、古い家電ほどエネルギー効率が低く、消費電力が大きくなりがちです。また、定期的なメンテナンスや掃除を怠ることによって、余計な電力を消費している場合があります。
使用時間の変化
電気の使用パターンと契約プランが合っていないため、電気代が高くなるケースがあります。例えば、使用時間が深夜帯に変化した場合、夜間料金が安く設定されているプランに切り替える必要があります。
漏電
漏電とは電気が本来通るべき経路以外のところに流れてしまう現象です。漏電が発生すると、無駄な電力が消費され電気代が高くなります。
漏電の原因は、配線の損傷や老朽化、工事のミスなどによって起こります。漏電が疑われる場合は、専門の電気工事店に点検を依頼してください。
メーター誤作動
メーターが故障や経年劣化により誤作動を起こし、電力使用量を過剰に計測することがあります。特に古いアナログメーターは劣化や誤差が生じやすいです。
多くの電力会社は、無料でメーターの点検を行ってくれるので、誤作動が疑われる場合は連絡してみてください。
電力会社の請求内容の確認方法
電力会社から請求された電気代の内容を確認する上で、注目すべき点は以下の通りです。
- 使用量
- 料金単価
電気代の請求額は、使用量に応じて変動します。そのため、請求された使用量と実際の使用状況を照らし合わせ、ズレがないか確認することが重要です。
また、同量の使用量でも、料金単価が異なれば請求額は変わってきます。適切な料金単価をもとに計算しているか確認する必要があります。
では、それぞれの確認方法について詳しく説明します。
使用量の確認
電力会社から送付される請求書で、使用量を確認することができます。また、電力会社のウェブサイトから「Web検針票」にアクセスする方法もあります。
前月や前年同月の使用量と比較し、大きな変動がないか確認してください。家族構成や生活パターンの変化がなければ、使用量が大幅に増えることはありません。
使用量に疑問がある場合は、メーターの誤作動や漏電の可能性があるため、電力会社に確認を求めましょう。
料金単価の確認
料金単価は、1kWhあたりの電気料金を示します。同様に請求書・Web検針票にて確認できます。電力会社がホームページで公表している料金単価(電力量料金)と照らし合わせてみてください。
例えば、従量制プランの場合は、使用量に応じて適切な料金単価が適用されているか。時間帯別プランの場合は、昼夜の使用量に合わせて正しい単価が適用されているかがポイントになります。
なお、請求書の見方やWeb検針票の利用について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
電気料金の検針票の見方・契約プランの確認方法について解説します
電気代の計算方法
電気代は使用量と料金単価を掛け合わせた金額に、基本料金と賦課金(ふかきん)を足し合わせることで求められます。
電気代 = 基本料金 + (使用量 × 従量単価) + 賦課金
基本料金は契約プランによって決まる固定料金、賦課金は再エネ普及や省エネ支援のために徴収される追加料金です。
ただ、基本料金も賦課金も月ごとに大きく変動することはありません。一方、使用量は諸条件(季節の変化など)により変動しやすいため、従量料金(使用量 × 従量単価)が電気代変動の要因となることが多いです。
請求額を平均額と比較してみよう
電気代の請求額に疑問がある場合、平均額と比較することは有用です。請求額が適正かどうか、また異常があるかどうかを判断する手助けになります。
ただし、電気代は世帯人数や季節によって差があるため、それらの条件をそろえて比較することが重要です。以下に、世帯人数別・季節別の電気代の平均額を紹介します。
1人世帯の平均電気代
時期 | 戸建住宅 | 集合住宅 |
---|---|---|
5月(中間期) | 5,857円 | 3,911円 |
8月(冷房期) | 8,197円 | 5,850円 |
1月(暖房期) | 11,739円 | 7,187円 |
2人世帯の平均電気代
時期 | 戸建住宅 | 集合住宅 |
---|---|---|
5月(中間期) | 7,861円 | 6,153円 |
8月(冷房期) | 11,638円 | 9,274円 |
1月(暖房期) | 18,270円 | 11,939円 |
3人世帯の平均電気代
時期 | 戸建住宅 | 集合住宅 |
---|---|---|
5月(中間期) | 8,546円 | 7,500円 |
8月(冷房期) | 13,085円 | 11,643円 |
1月(暖房期) | 19,394円 | 14,929 1円 |
4人以上世帯の平均電気代
時期 | 戸建住宅 | 集合住宅 |
---|---|---|
5月(中間期) | 10,072円 | 8,561円 |
8月(冷房期) | 15,194円 | 13,020円 |
1月(暖房期) | 23,041円 | 16,431円 |
出典:クール・ネット東京
ちなみに、電気代の平均額は地域によって多少違います。地域別の詳しい情報はこちらのページから確認できます。
全国の電気の平均利用額はココでチェック!
電気代を節約する方法
電気代を長期的かつ効率的に節約するためには、以下の2つの対策が有用です。
- 家電の使い方を改善する
- 適切な電気料金プランに変更する
それぞれの節約方法について詳しく説明します。
家電の使い方を改善する
家電の使用方法を見直すことは、日常生活において電気代を節約するための基本的かつ効果的な方法です。ここでは一般的な家電の節約方法をいくつか紹介します。
エアコンの節約方法
エアコンは設定温度の調整が重要です。夏は28度、冬は20度を目安に設定することで、快適な室温を保ちつつ電力消費を抑えることができます。また、自動運転モードを利用すると過度な冷暖房を防げるため、節電につながります。
冷蔵庫の節約方法
冷蔵庫は扉の開閉時間・回数を減らすことが重要です。冷気の漏れを防ぎ、効率的に冷やすことができます。また、食品を詰め込みすぎず適度な空間を保つことで、冷気が循環しやすくなります。これらの工夫により消費電力を抑えることが可能です。
洗濯機の節約方法
洗濯機は一度にまとめて洗い、稼働回数を減らすことが重要です。また、乾燥機能は消費電力が大きいので、節電のためには使用を控えるべきです。天気の良い日など、なるべく自然乾燥させる機会を増やしてください。
適切な電気料金プランに変更する
契約している電気料金プランが、家庭の使用状況に合っていないと、電気代が高くなる恐れがあります。家族の人数や使用パターンに応じて、より適切なプランに変更することで電気代を抑えられます。
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※3~4人暮らしの場合の金額です
まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
電気代の高額請求の原因とは |
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電気代が高くなる原因はさまざまですが、例えば次のような理由があります。①政府補助金の終了②電力会社の値上げ③使用量の増加④家電の効率が悪い⑤使用時間の変化⑥漏電⑦メーター誤作動。 |
電気代の計算方法とは |
電気代は使用量と料金単価を掛け合わせた金額に、基本料金と賦課金(ふかきん)を足し合わせることで求められます。なお使用量は諸条件(季節の変化など)により変動しやすいため、従量料金(使用量 × 従量単価)が電気代変動の要因となることが多いです。 |
電気代の節約方法とは |
電気代を長期的かつ効率的に節約するためには2つの対策が有用です。一つはエアコンや洗濯機などの家電の使い方を改善すること、もう一つはenepi(エネピ)などの電気料金比較サービスを利用して適切なプランに変更することです。 |