電気料金の値上げは、私たちの生活に直接的な影響を及ぼしています。この記事では、電気料金値上げの要因から見通しまで詳しく解説します。また、電気料金値上げに対する具体的な対策として、電力使用の節約方法や電力会社の変更方法を紹介します。
電気料金の値上げの理由
近年、日本で電気料金の値上げが起こっている主な理由はいくつかあります。
- 燃料価格の高騰
- 賦課金の上昇
- 電力需要の増加
燃料価格の高騰については、近年、円安傾向が続いていることが影響しています。電力会社は発電に使用する燃料を海外から輸入しており、石炭や天然ガスなどの燃料はドル建てで取引されています。そのため、円安になると燃料費が高くなるのです。
賦課金の上昇については、再生可能エネルギーの導入量が増えているため、再エネ賦課金が値上がりしています。2024年度の再エネ賦課金は2023年度に比べて1.40円/kWhの値上げとなっています。
電力需要の増加については、新型コロナウイルス感染症の収束に伴う経済活動の回復が大きく影響しています。供給力が追いつかず、電気料金値上げの一因となっています。
値上げによる電気料金の推移
前述のとおり、電気料金はさまざまな要因によって変動します。では、近年の電気料金は実際にどれくらい上昇しているのでしょうか。
値上げの推移を示すグラフを見てみると、2021年から2023年にかけて電気料金は上昇傾向にあることがわかります。
【エリア別】電力会社の最新料金
電気料金は地域や電力会社、料金プランによって異なります。ここでは全国の大手電力会社を取り上げ、各社の料金プランの一部を紹介します。
北海道電力(エネとくポイントプラン)
内訳 | 区分 | 料金単価 |
---|---|---|
基本料金 | 10A | 292.60円 |
15A | 493.90円 | |
20A | 695.20円 | |
30A | 1,097.80円 | |
40A | 1,500.40円 | |
50A | 1,903.00円 | |
60A | 2,305.60円 | |
電力量料金 | ~120kWh | 35.35円 |
121kWh~280kW | 41.64円 | |
281kWh~ | 45.36円 |
出典:北海道電力
東北電力(よりそう+eねっとバリュー)
内訳 | 区分 | 料金単価 |
---|---|---|
基本料金 | 10A | 314.60円 |
15A | 499.40円 | |
20A | 684.20円 | |
30A | 1,053.80円 | |
40A | 1,423.40円 | |
50A | 1,793.00円 | |
60A | 2,162.60円 | |
電力量料金 | ~120kWh | 29.62円 |
121kWh~300kW | 36.37円 | |
301kWh~ | 40.32円 |
出典:東北電力
東京電力(スタンダードS)
内訳 | 区分 | 料金単価 |
---|---|---|
基本料金 | 10A | 311.75円 |
15A | 467.63円 | |
20A | 623.50円 | |
30A | 935.25円 | |
40A | 1,247.00円 | |
50A | 1,558.75円 | |
60A | 1,870.50円 | |
電力量料金 | ~120kWh | 29.80円 |
121kWh~300kW | 36.40円 | |
301kWh~ | 40.49円 |
出典:東京電力
中部電力(ポイントプラン/おとくプラン)
内訳 | 区分 | 料金単価 |
---|---|---|
基本料金 | 10A | 321.14円 |
15A | 481.71円 | |
20A | 642.28円 | |
30A | 963.42円 | |
電力量料金 | ~120kWh | 21.20円 |
121kWh~300kW | 25.67円 | |
301kWh~ | 28.62円 |
内訳 | 区分 | 料金単価 |
---|---|---|
基本料金 | 40A | 1,284.56円 |
50A | 1,605.70円 | |
60A | 1,926.84円 | |
6kVA | 1,926.84円 | |
電力量料金 | ~120kWh | 21.20円 |
121kWh~300kW | 25.67円 | |
301kWh~ | 28.62円 |
出典:中部電力
北陸電力(従量電灯ネクスト)
内訳 | 区分 | 料金単価 |
---|---|---|
基本料金 | 10A | 302.50円 |
15A | 453.75円 | |
20A | 605.00円 | |
30A | 907.50円 | |
40A | 1,210.00円 | |
50A | 1,512.50円 | |
60A | 1,815.00円 | |
電力量料金 | ~120kWh | 30.82円 |
121kWh~300kW | 34.71円 | |
301kWh~ | 36.42円 |
出典:北陸電力
関西電力(従量電灯A)
内訳 | 区分 | 料金単価 |
---|---|---|
最低料金 | ~15kWh | 522.58円 |
電力量料金 | 16kWh~120kWh | 20.21円 |
121kWh~300kW | 25.61円 | |
301kWh~ | 28.59円 |
出典:関西電力
中国電力(スマートコース)
内訳 | 区分 | 料金単価 |
---|---|---|
最低料金 | ~15kWh | 669.92円 |
電力量料金 | 16kWh~120kWh | 32.01円 |
121kWh~300kW | 39.43円 | |
301kWh~ | 41.55円 |
出典:中国電力
四国電力(おトクeプラン)
内訳 | 区分 | 料金単価 |
---|---|---|
最低料金 | ~11kWh | 666.89円 |
電力量料金 | 12kWh~120kWh | 30.65円 |
121kWh~300kW | 37.27円 | |
301kWh~ | 38.58円 |
出典:四国電力
九州電力(スマートファミリープラン)
内訳 | 区分 | 料金単価 |
---|---|---|
基本料金 | 10A | 316.24円 |
15A | 474.36円 | |
20A | 632.48円 | |
30A | 948.72円 | |
40A | 1,264.96円 | |
50A | 1,581.20円 | |
60A | 1,897.44円 | |
電力量料金 | ~120kWh | 18.37円 |
121kWh~300kW | 23.97円 | |
301kWh~ | 25.87円 |
出典:九州電力
沖縄電力(グッドバリュープラン)
内訳 | 区分 | 料金単価 |
---|---|---|
最低料金 | ~10kWh | 643.05円 |
電力量料金 | 11kWh~120kWh | 40.20円 |
121kWh~300kW | 45.26円 | |
301kWh~ | 46.59円 |
出典:沖縄電力
値上げはいつまで?今後の見通し
電気料金の値上げはいつまで続くのか、いくつかの要点をもとに考えてみたいと思います。
一つは、政府の補助金終了です。2024年5月以降、政府の補助金が終了するため、標準的な電力使用量の家庭では、最大で910円の値上がりが予想されています。
もう一つは、再エネ賦課金の値上げです。2024年度の再エネ賦課金は1kWhあたり3.49円に設定されており、前年度(1.40円/kWh)に比べて2.09円の値上げとなっています。
もう一つは、電力会社の対応です。大手電力会社の半数以上で電気料金が値上がりする見通しです。具体的な値上げ幅は各社によって異なりますが、標準的な家庭の電気代は、1月あたり5〜65円の値上げとなる見込みです。
これらの要点を踏まえると、電気料金は2024年以降も上昇することが予想されます。
値上げに対する補助金制度について
2023年1月以降、政府は「電気・ガス料金の激変緩和措置」を実施しています。これは、燃料費の高騰による国民の負担を軽減するための特別措置であり、家庭の電気料金については1kWhあたり7円の補助金(2023年10月からは3.5円/kWhに減額)が支給されていました。しかし、同補助金は2024年5月に終了することが決定したのです。
つまり、2023年1月から補助金により電気料金が一時的に値下がりしているが、2024年5月から再び値上がりが予想されるということです。消費者としては補助金終了後の値上がりに備えて、節電対策や電力会社の見直しなどを検討する必要があるでしょう。
誰でも使える!電気料金の値上げ対策
電気料金の値上げに対する具体的な対策をいくつか紹介します。
対策1:節電の実践
家庭内での電気の無駄な使用を減らすことで、電気料金を節約できます。具体的には、不要な照明や家電の消し忘れを防ぐ、エアコンや暖房器具の設定温度を適切に保つ、省エネ性の高い家電を導入するなどの方法があります。
対策2:再エネ・創エネ設備の導入
太陽光発電や風力発電、蓄電池などの再生可能エネルギー設備を導入することで、自家発電による電気料金の削減が可能です。ただし同設備は高額な初期費用がかかるため、販売施工会社を慎重に選ぶ必要があります。
対策3:電力会社・料金プランを見直す
電力会社が提供する料金プランや割引サービスを比較し、自宅の使用状況に合った最適なプランを選択することで、電気料金を節約することができます。ピークタイムとオフピークタイムの料金差を活用するなど、料金プランの見直しは効果的な節約策の一つです。
また、現在の電気会社と他の電気会社の料金やサービスを比較し、より条件の良い会社に切り替えることで、電気料金をぐっと抑えられることがあります。競争が激化しているエネルギー市場では、新規顧客獲得のために料金の割引や特典が用意されています。
まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
電気料金の値上げ理由とは? |
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近年の電気料金の値上げ理由には、燃料価格の高騰・賦課金の上昇・電力需要の増加などが挙げられます。日本は石油などの燃料を輸入でまかなっているため、特に燃料価格の高騰に影響を受けています。 |
電気料金の最新価格とは? |
電気料金は各地域の電力会社や料金プランによって異なるため、契約している電力会社のホームページや請求書を確認してみてください。なお、全国の平均的な電気料金はこちらのページで確認できます。 |
電気料金の今後の見通しとは? |
電気料金の値上げは2024年以降も続くと言われています。理由は、政府の補助金終了や再エネ賦課金の値上げがあるためです。標準的な電力使用量の家庭では、最大で910円の値上がりが予想されています。 |