都市ガスとプロパンガス(LPガス)の料金比較

【世帯人数別】都市ガスとプロパンガスの料金比較

まずは世帯人数別で、プロパンガスと都市ガスの平均月間料金を比較してみましょう。
なお以下は東京都の統計です。

【1人世帯】

夏季 冬季
プロパンガス※1 5,424円 9,197円
都市ガス※2 3,819円 5,930円
差額 1,605円 3,267円

【2人世帯】

夏季 冬季
プロパンガス※1 6,780円 11,496円
都市ガス※2 4,582円 6,982円
差額 2,198円 4,514円

【3人世帯】

夏季 冬季
プロパンガス※1 8,974円 15,216円
都市ガス※2 5,693円 8,914円
差額 3,281円 6,302円

【4人世帯】

夏季 冬季
プロパンガス※1 10,687円 18,350円
都市ガス※2 6,298円 10,032円
差額 4,389円 8,318円

※1 一般社団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターのデータを基にエネピが独自で算出
※2 東京ガス/東京地区等/一般契約料金/22年9月検針分


以上のように、プロパンガスは都市ガスよりも1.5~2倍ほど割高です。

ただし、じつはプロパンガスの平均料金は適正価格よりも高くなっています。

そのため、適正価格のプロパンガス会社と契約することで、都市ガスとの料金差を縮めることは可能です。

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Step1

ガス料金を比較したい物件は?

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どちらでガスを使用しますか?


【地域別】都市ガスとプロパンガスの料金比較

つぎは地域別で、プロパンガスと都市ガスの平均月間料金を比較してみましょう。
なお以下は2人世帯の統計です。

【北海道】

夏季 冬季
プロパンガス※1 5,509円 6,698円
都市ガス※2 3,303円 3,816円
差額 2,206円 2,882円

【東北地方】

夏季 冬季
プロパンガス※1 7,062円 12,213円
都市ガス※3 5,284円 8,999円
差額 1,778円 3,214円

【関東地方】

夏季 冬季
プロパンガス※1 5,860円 11,018円
都市ガス※4 3,969円 6,788円
差額 1,891円 4,320円

【中部地方】

夏季 冬季
プロパンガス※1 6,162円 10,854円
都市ガス※5 4,235円 6,294円
差額 1,927円 4,560円

【近畿地方】

夏季 冬季
プロパンガス※1 5,544円 10,671円
都市ガス※6 3,328円 5,435円
差額 2,216円 5,236円

【中国地方】

夏季 冬季
プロパンガス※1 5,284円 10,946円
都市ガス※7 4,358円 7,937円
差額 926円 3,009円

【四国地方】

夏季 冬季
プロパンガス※1 5,389円 10,343円
都市ガス※8 5,675円 8,346円
差額 286円 1,997円

【九州地方】

夏季 冬季
プロパンガス※1 5,182円 10,239円
都市ガス※9 4,594円 7,983円
差額 588円 2,256円

【沖縄県】

夏季 冬季
プロパンガス※1 5,058円 7,667円
都市ガス※10 4,104円 5,821円
差額 954円 1,846円

※1 一般社団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターのデータを基にエネピが独自で算出
※2 北ガス/一般料金
※3 東北ガス/供給約款料金
※4 東京ガス/東京地区等/一般契約料金/22年9月検針分
※5 中部電力ミライズ/カテエネガスプラン1
※6 関西電力/なっトクプラン
※7 広島ガス/一般料金/ガス種13A
※8 四国ガス/ベーシックプラン
※9 西部ガス/一般料金
※10 沖縄ガス/都市ガス(小売供給約款)料金


以上のように、地域によってプロパンガスと都市ガスの料金差は異なります。
とはいえプロパンガスの方が割高であることに変わりはありません。

「プロパンガス料金が高い!」と感じている方は、いちどガス会社を見直してみるとよいかもしれません。
今のガス会社が適正価格なのかどうか、他のガス会社の料金と比較してみてください。

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ガス料金を比較したい物件は?

Step2

どちらでガスを使用しますか?


プロパンガスが都市ガスより高い理由

都市ガスとプロパンガスの料金比較をご覧になり、
「なぜ同じガスなのに都市ガスとプロパンガスの値段はここまで変わるのだろう」
と疑問に思われた方もいるかもしれません。

都市ガスとプロパンガスの平均料金に大きな差がある主な理由は「料金制度」「配送コスト」です。
この2つの理由について、以下で詳しく解説します。

都市ガスとプロパンガスの料金制度

料金

都市ガスとプロパンガスは料金制度が全く異なります。

都市ガスは公共料金に含まれるため「総括原価方式」によって料金設定が行われます。これは「ガス事業法」という法律で義務付けられています。
つまり料金設定に一定の縛りがあるため、原価に対して高すぎる料金設定を行うことはできません。

一方、プロパンガスは「自由料金制」を採用しているため、小売業者が自由に料金を設定できます。

かつてプロパンガス業界は「自由料金制」にあぐらをかき、原価に対して高すぎる料金を請求する業者が横行していました。
さらに業者間で結託してガス料金の相場を引き上げたり、ガス料金の内訳を消費者に公開しなかったり、非常に閉鎖的な状態でした。

しかし、今は消費者にガス料金が公開されるようになり、「ガス会社の切り替え」も一般的になりました。そのためプロパンガス料金の相場も徐々に下がっているのです。

とはいえ、依然として「プロパンガスは都市ガスより高い」ことに変わりはありません。

都市ガスとプロパンガスの配送コスト

配送コスト

都市ガスは地下に設置されたガス管を通じて各家庭に供給されるため、配送コストが不要です。
一方、プロパンガスは家庭ごとにガスボンベを設置する必要があるため、そのぶんの配送コストがかかります。

ちなみに、ガスボンベの配送コストはプロパンガスの基本料金に含まれます。
このためプロパンガスは都市ガスよりも基本料金が高く設定されているのです。

都市ガスとプロパンガスの違い

日本における都市ガス(town gas, city gas)とは、広域的に供給販売されるメタンを主成分とした液化天然ガスを指します。
日本で供給されている都市ガスには、13A・12A・6A・5C・L1・L2・L3の7種類が存在します。
この区分は、ウォッベ指数(ガスの単位体積当たりの総発熱量(MJ/㎥)を空気に対する比重の平方根で除した値)と燃焼速度の掛け合わせで決められており、現在は13Aが主流です。
主に都市部の地下に設置されたガス管を通して供給されます。

一方、プロパンガスとは液化石油ガス(英名:liquefied petroleum gas)の別名です。
また、LPガス・LPGとも呼ばれます。
原料となるのはプロパン・ブタンなどの天然ガスです。
ガスの充填されたボンベを各家庭に配送し、各家庭ごとの配管を通じて供給されます。

ちなみに、ご自宅のガスが都市ガスかプロパンガスかを見分けるには、以下の内容を確認してみましょう。

・自宅の敷地内にガスボンベがある
・ガス漏れ警報器が床付近に設置されている
・ガスコンロ・ガスメーターに「LPG」「プロパンガス用」の記載がある

いかがでしょうか。
いずれか一つでも当てはまる場合には、ご自宅はプロパンガスです。
または、いずれも当てはまらない場合には都市ガスの可能性が高いでしょう。


以上のように、都市ガスとプロパンガスは原料・供給方法・料金などが異なるほか、実は熱量も違います。
熱量とは、ガスが燃えた際に発生する熱の量を指します。
この熱量が、都市ガス1㎥あたり10750kcalなのに対し、プロパンガスは1㎥あたり24000kcalとなっています。
つまり、プロパンガスは都市ガスよりも熱量が約2.23倍高いということです。
そのため、ガスの使用量もプロパンガスと都市ガスでは大きく異なります。

ちなみに、ガス使用量とガス料金の関係は以下の通りです。

基本料金 + 従量単価×使用量 = 請求金額


さて、ここまでの内容をまとめると以下の通りです。

都市ガス プロパンガス
原料 メタンを主成分とする液化天然ガス(LNG) プロパン・ブタンを主成分とする液化石油ガス(LPG)
性質 -162度まで冷却すると液体になる(体積は1/600になる) -42度まで冷却すると液体になる(体積は1/250になる)
熱量 10,750Kcal/㎥ 24,000Kcal/㎥
供給方法 ガス導管を通じて供給 ガス会社がボンベを配送して供給
重さ 空気よりも軽い 空気よりも重い
ガス漏れ時の避難方法 態勢を低くして避難 態勢を高くして避難
事業者数 193社 16,825社
料金制度 総括原価方式 自由料金制

出典:
日本ガス協会「都市ガス事業について」
経済産業省「LPガスの安全・規制」

都市ガスとプロパンガスのメリット・デメリット

メリットとデメリットを提示する人

都市ガスとプロパンガスの違いは前述の通りです。
では実際に使用する上で、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
ここで確認しておきましょう。

メリット デメリット
都市ガス 料金が安い
自宅にボンベを置く必要がない
災害時の復旧に時間がかかる
対応エリアが狭い
プロパンガス 熱量が高い
災害時の復旧が早い
対応エリアが広い
価格が高い
ボンベを置く場所が必要になる

プロパンガスから都市ガスに変更できるのか

現在プロパンガスを使用している方の中には、料金の安い都市ガスへの変更を考えている方も多いかと思います。

プロパンガスから都市ガスに変更することは可能なのか、またどのくらいの費用で変更することができるのか、解説したいと思います。

都市ガスは対応エリアが限られている

都市ガスは、その名の通り基本的に都市部にしか配管が通っていません。

これは、都市ガスの配管の設置費用が非常に高額で、人の少ない地域に配管を設置すると元をとれなくなってしまうためです。

以下は、日本の都市ガスの主要導管網を示した地図です。

日本のLNG基地と主要導管網

出典:日本ガス協会「都市ガスが届くまで」


現在プロパンガスを利用されている方の多くは、都市ガス対応エリア外の地域にお住まいかと思います。その場合ですと、都市ガスへの変更はできません。

ご自宅のご住所の近くまで配管が通っている場合には、別途配管工事を行うことで都市ガスへの切り替えを行える可能性があります。

ちなみに、都市ガスの契約口数は26,526,051件、日本の世帯数は55,705,000件です。

つまり、日本では約48%の世帯が都市ガスを利用していることになります。

出典:
新電力ネット/ガス契約口数の推移
総務省統計局

都市ガスの開通にかかる費用

プロパンガスから都市ガスへ切り替える場合、自宅に都市ガスを引き込むための配管を新しく取り付ける必要があります。

地下に設置された都市ガスの配管から自宅までの距離によってかかる費用は変わります。

一般にガス管を1㎥引き込むのに対して10,000円前後の費用がかかります。つまり10~20万円くらいの費用がかかることが多いようです。

また、都市ガスとプロパンガスは使用できるガス機器が異なるので、ガスコンロ・給湯器の出力変更を行う必要があります。

出力変更を行うためには、各ガス機器のメーカーに問い合わせて、専用部品(4000円〜7000円前後)を取り付けてもらいます。

ただし、ガス機器が古いと専用部品の生産が終了しいる場合もあるので、一度メーカーに確認しておきましょう。

出力変更が行えない場合は、ガス機器の買い替えが必要になります。

プロパンガスを都市ガス並みに安くする方法

プロパンガスを都市ガス並みに安くした人

都市ガスへの変更ができない地域にお住まいの方でも、ガス代を安くする方法はあります。
特におすすめの方法は「ガス会社の切り替え」です。

プロパンガス会社を切り替えればガス代は安くなる

プロパンガスは料金設定に縛りがない自由料金制のエネルギーなので、どのガス会社からプロパンガスの供給を受けるかで料金が大きく変わります。

もしかすると、みなさんはプロパンガス料金を払いすぎているかもしれません。

まずは、ご自宅のプロパンガス料金が高いかどうか確認してみましょう。

確認する方法は簡単です!
プロパンガス料金比較サービスを利用してみてください。

当社が運営するenepiを利用すれば、WEB上で今すぐ、お住まいの地域にあるプロパンガス会社の料金プランを比較できます。

ぜひ「今より安いガス会社」があるかどうか確認してみてください!

プロパンガス料金比較でガス代をお得に!

Step1

ガス料金を比較したい物件は?

Step2

どちらでガスを使用しますか?

まとめ

ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。

都市ガスとプロパンガスの料金はいくら違うの?
都市ガスとプロパンガスの料金差は世帯人数によって異なります。一般に世帯人数が多いほど料金差は大きくなります。またお住まいの地域によっても料金差は異なります。
なぜプロパンガスは都市ガスよりも料金が高いの?
プロパンガスが都市ガスより料金が高い理由は2つあります。1つは料金制度の違い、もう1つは供給方法の違いです。
プロパンガスの料金を安くする方法はあるの?
プロパンガスはガス会社によって料金が大きく変わります。そのため「ガス会社の切り替え」によってガス料金を大幅に安くできる可能性があります。今より安いガス会社を探すなら、ぜひenepiを活用してみてくださいね。
プロパンガス料金比較でガス代をお得に!

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どちらでガスを使用しますか?

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今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。