- 電気ストーブの消費電力は約300~1200Wまで様々ですが、例えば600Wの電気ストーブの場合、1時間あたりの電気代は約18.6円です。
- エアコンは電気ストーブよりも電気代が安くなることが多いです。例えば14畳用のエアコンの場合、1時間あたりの電気代は約8.3円です。
電気ストーブの種類と電気代の違い
電気ストーブは、電気を利用して熱を発生させ、室内を暖める暖房器具です。小型で持ち運びやすく、さまざまな場所で使用可能であることや、温まるまでの時間が短く、即暖性が高いことから、多くの家庭で使用されています。
以下に、電気ストーブのメリット・デメリットをまとめます。
メリット:
・燃料を必要としないので、運転音が静か
・排気ガスの発生がなく、室内の空気を汚さない
・安全機能付きのモデルが多く、転倒時の自動オフ機能などが備わる
デメリット:
・部屋全体を暖めるには向かないことがある
・消費電力が高く、電気代がかかる場合がある
・長時間の使用は電気代の面で負担になることがある
種類別の特徴とメリット・デメリット

電気ストーブには主に以下の種類があります。
ハロゲンヒーター:
・特徴: ハロゲンランプを発熱体として使用し、遠赤外線によって暖をとる。即暖性が高く、スイッチを入れた瞬間から熱を発生する。
・メリット: 空気を汚さず、温まるのが早い。小型で持ち運びやすいモデルが多い。
・デメリット: 部屋全体を暖める効果は薄く、直接光に当たると熱い。消費電力が高め。
カーボンヒーター:
・特徴: 炭素繊維を発熱体とし、遠赤外線を多く放出する。暖房効率が良く、体を芯まで温める。
・メリット: 省エネ性能が高く、電気代を抑えられる。即暖性も良好 。
・デメリット: ハロゲンヒーターよりも価格が高めで、電気代には注意が必要。
シーズヒーター:
特徴: ニクロム線を絶縁体で包み、金属管で覆った構造。安定した発熱が可能。
メリット: 長時間にわたって安定した暖かさを提供し、連続使用に適している。
デメリット: 温まるまでに時間がかかり、すぐに暖を取るのが難しいことがある。
グラファイトヒーター:
特徴: グラファイト(黒鉛)を利用した発熱体で、瞬時に高温に達する特性がある。
メリット: 省エネ性能と速暖性に優れている。
デメリット: 特化した大型の機器は価格が高めであること。
石英管ヒーター:
特徴: 石英管内の電気を走らせて熱を発生させる仕組み。
メリット: 比較的安価に購入でき、即暖性も期待できる。
デメリット: 取り扱いに注意が必要で、熱伝導に限界があるため、遠くまで暖かさが届きにくい。
種類別の消費電力と電気代

電気代は使用時間や設定温度によって変動しますが、1時間あたりの電気代は約7.8~37.2円の範囲になることが多いです。購入を検討する際は、長期的な電気代を考慮すること、また使用目的や部屋の広さに応じて最適なタイプを選ぶことが重要です。
電気代の計算方法とシミュレーション
電気ストーブの電気代を試算するためには、消費電力や使用時間を元にした計算式が必要です。以下に、具体的な計算方法と目安の電気代を示します。
具体的な計算式
電気代は以下の式で計算できます。
電気代 = 消費電力 (kW) × 使用時間 (h) × 電力量料金単価 (円/kWh)
消費電力は通常ワット(W)で表示されるため、キロワット(kW)にするためには1000で割ります。
1時間あたりの電気代
電気ストーブの消費電力は300Wから1200Wまで様々ですが、例えば600Wの電気ストーブの場合、1時間あたりの電気代は次のように計算できます。
消費電力:600W = 0.6kW
電力料金単価:31円/kWh(家電公取協より)
電気代 = 0.6 × 1 × 31 = 18.6円
さらに、消費電力ごとの1時間あたりの電気代を計算します。
消費電力(W) | 計算式 | 電気代(1時間あたり) |
---|---|---|
300 | 0.3×1×31 | ¥9.3 |
600 | 0.6×1×31 | ¥18.6 |
800 | 0.8×1×31 | ¥24.8 |
1000 | 1.0×1×31 | ¥31.0 |
1200 | 1.2×1×31 | ¥37.2 |
以上より、電気ストーブを1時間使用した場合の電気代は約9.3~37.2円の範囲になります。
1ヶ月使用した場合の電気代
一般的に、1日の使用時間を8時間と仮定した場合、1ヶ月(30日)間の電気代は次のようになります。
消費電力(W) | 1日の電気代 | 1ヶ月の電気代 |
---|---|---|
300 | ¥74 | ¥2,232 |
600 | ¥149 | ¥4,464 |
800 | ¥198 | ¥5,952 |
1000 | ¥248 | ¥7,440 |
1200 | ¥298 | ¥8,928 |
このように、電気ストーブを毎日8時間使った場合、1ヶ月の電気代は約2,232~8,928円となります。ただし、実際の電気代は使用時間や設定温度、室温などによって変動するため、これはあくまで目安となります。
エアコン、他の暖房器具との電気代比較
電気ストーブと他の暖房器具の電気代を比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
電気代の比較
各暖房器具の1時間あたりの電気代(目安)は以下の通りです。
暖房器具 | 1時間あたりの電気代 |
---|---|
電気ストーブ | 約9.3~37.2円 |
エアコン | 約5.0~8.3円 |
石油ストーブ | 約10.7円 |
こたつ | 約1.4~4.2円 |
電気毛布 | 約0.8~2.3円 |
エアコンは部屋全体を暖める能力がありますが、期間消費電力は14畳用で約769kW程度で、1時間あたりの電気代は約8.3円、1ヵ月で約4,470円となることがあります。設定温度や運転モードによって異なりますが、自動運転にすると電気ストーブよりも安くなることが多いです。
各暖房器具のメリット・デメリット

エアコンは温風の循環により広い空間も効率的に暖めることができます。しかし、運転モードや部屋の広さによっては電気代が高額になることがあります。
石油ストーブは短時間で部屋を暖めることができ、また電気に依存しないため災害時や停電時でも使用可能です。しかし、燃焼により二酸化炭素や一酸化炭素が発生するため定期的な換気が不可欠です。また灯油の補充や保管が必要で手間がかかります。
こたつと電気毛布は電気代が安く、短時間の使用で効率よく暖を取ることができます。特にこたつは密閉された空間を暖めるため極めて効率が良いです。しかし、限られた範囲しか暖めることができず、部屋の温度を上昇させることには向いていません。
電気ストーブ、エアコン、こたつ、電気毛布それぞれの暖房器具には、それぞれ特徴、メリット、デメリットがあります。使う場所や目的によって、どの暖房器具を選ぶかが重要です。例えば、以下のようなポイントで選ぶことができます。
・広い部屋を暖めたい → エアコン、石油ストーブ
・局部暖房で済む → こたつ
・即効性と手軽さを重視 → 電気ストーブ、ガスストーブ
・ランニングコストを抑えたい → こたつ、エアコン
以上を参考とし、ご自身のライフスタイルや予算も考慮した上で、最適な暖房器具を選んでください。
電気代を節約!効率的な使用法とは?

電気ストーブの電気代を節約するためには、以下の方法を実践することが有効です。
- エアコンと併用
- 適切な温度設定
- タイマー機能の活用
- 部屋の断熱対策
- 効果的な配置
エアコンと併用:
電気ストーブは局所的に暖めるのが得意です。そこでエアコンのような全体を暖める暖房器具と併用することで電気代を節約できます。例えば、エアコンが部屋全体を温めるまでの間、電気ストーブを使って足元や脱衣所などの狭いスペースを暖めるのが効果的です。
適切な温度設定:
温度設定を高くすると当然ながら電気料金も上昇するため、必要な範囲内で設定するよう心掛けると良いです。例えば、脱衣所やトイレなどの狭い空間や、足元をピンポイントで暖めるためには低めの設定で十分な場合があります。
タイマー機能の活用:
多くの電気ストーブにはタイマー機能があります。これを活用することで使用しない時間帯を自動で電源オフにできるため、無駄な電力消費を防ぐことができます。例えば、夜間や外出時に電源を切ることを忘れてしまう方は、タイマーを設定して自動に切れるようにすると便利です。
部屋の断熱対策:
部屋の断熱性を高めることは、電気ストーブの効果を最大限に引き出し、使うエネルギーを減らすためにも重要です。例えば、窓に遮熱フィルムを貼る、厚手のカーテンを使用する、床にカーペットを敷くなどの対策があります。これにより暖かい空気が逃げにくくなり、ストーブの暖房効果が持続し省エネが期待できます。
効果的な配置:
電気ストーブを配置する際には、暖めたい対象に直接熱が当たるように配置することが重要です。例えば、ストーブを壁から少し離して置くことで、周囲の空気を直接暖めることができます。また、ストーブの前方には障害物を置かず、周囲の空気が循環しやすい環境を整えることもポイントです。
これらの方法を組み合わせることで、電気ストーブの暖房能力を最適化し、電気代を節約しながら快適な冬を過ごすことができます。
電気料金プランの切り替え
電気代を削減するためには、契約している電力会社や電気料金プランの見直しも非常に重要です。特に、冬季の暖房使用が増える時期には、適切なプランを選ぶことで大きな節約が期待できます。
エネピでは、お客様一人ひとりの家族構成やライフスタイルに適した電気料金プランの無料相談を実施しております。これまでにも毎月1万名のお客様に提案させていただいており、平均で年間21,071円※の電気代を削減しています。ぜひこの機会に相談してみてください。
※エネピのユーザー様の削減実績データから算出した金額です
※3~4人暮らしの場合の金額です
電気ストーブを選ぶ上での注意点
電気ストーブは選び方を誤ると電気代が高くついたり、十分な暖かさを得られなかったりすることがあります。電気ストーブを選ぶ際は、以下のポイントを考慮すると良いです。
- 省エネ機能
- 適切な暖房能力の選択
- コスト性能比の考え方
省エネ機能
省エネ機能は、エネルギー効率の良い製品を見分けるために欠かせない要素です。省エネ性能の高い電気ストーブを見分けるポイントは以下の通りです。
・エコモードや人感センサー:これらの機能により無駄な電力消費を抑えることができます。
・温度調節や風量調整機能:必要な暖かさを効率的に得られるため省エネに貢献します。
・IoT技術を活用したスマート制御機能:スマートフォンアプリと連携し外出先から電源のON/OFFや温度設定ができるため、無駄な稼働を避けられます。
・電力消費量の可視化機能:使用状況や電力消費量を確認できる機能は省エネ意識を高めるのに役立ちます。
適切な暖房能力の選択
部屋の広さに合わせた適切な暖房能力を選ぶことが重要です。製品のカタログや説明書に記載されている「暖房範囲」を確認し、部屋の広さに合ったモデルを選びます。また、局部暖房に特化したモデルか、広い空間を暖めるモデルかを確認してください。
ちなみに、暖房範囲の目安は以下の通りです。
6畳以下:600W~800W
6畳~8畳:800W~1000W
8畳~10畳:1000W~1200W
なお、部屋が広い場合はエアコンを併用するか、複数の暖房器具の使用を検討すると良いです。
コスト性能比の考え方
快適さと経済性のバランスを取るためには総合的な判断が必要です。主に以下の点を考慮します。
・初期費用とランニングコスト:購入時の価格だけでなく、長期的な電気代も考慮に入れて選択します。
・省エネ機能の充実度:人感センサーやタイマー機能、温度自動調節機能などが搭載されているモデルは、無駄な電力消費を抑えられます。
・使用頻度と使用時間:長時間使用する場合は安定した暖かさを維持できるシーズヒーターが有利です。
・暖房範囲:部屋全体を暖めたい場合はエアコンの方が効率的ですが、局所的に暖を取りたい場合は電気ストーブが適しています。
・安全機能:転倒時自動電源オフや過熱防止機能など安全面の機能を確認します。
近年の電気ストーブは省エネ性能が向上し、様々な機能が搭載されたものが増えています。これらのポイントを踏まえて、自分のニーズに合った電気ストーブを選んでください。
まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
電気ストーブの電気代の目安とは? |
---|
電気ストーブの消費電力は約300~1200Wまで様々です。したがって、電気ストーブを1時間使用した場合の電気代は約9.3~37.2円の範囲になります。ただし、電気代は使用時間や設定温度によって変動します。 |
電気ストーブとエアコン暖房の比較とは? |
エアコンの期間消費電力は、14畳用で約769kW程度です。したがって、1時間あたりの電気代は約8.3円となります。エアコンの電気代は設定温度や運転モードによって異なりますが、自動運転にすると電気ストーブよりも安くなることが多いです。 |
電気ストーブの節約方法とは? |
電気ストーブの電気代を節約するためには、以下の方法を組み合わせることが重要です。①エアコンと併用する②適切な温度に設定する③タイマー機能の活用し無駄な稼働を減らす④部屋の断熱対策を行う⑤電気ストーブを効果的に配置する。 |