• エコキュートの電気代は世帯人数によって大きく変動します。例えば4人家族の場合、月額電気代の目安は3,483円となります。
  • エコキュートはガス給湯器に比べてランニングコストが安く、特に家族人数が多いほどその差が大きくなる傾向があります。

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エコキュートの仕組みとメリット・デメリット

エコキュートは「ヒートポンプ技術」を採用した給湯システムです。ヒートポンプは、空気中の熱を効率的に利用してお湯を沸かす省エネ技術です。エコキュートではこの技術を活用することで、従来の給湯器に比べてエネルギー効率が高く、環境に優しい給湯が可能になります。

給湯の具体的な流れは以下のとおりです。

エコキュートの仕組み

①熱の吸収:ヒートポンプユニットが空気中の熱を吸収します。外気温が低くても、空気中にはわずかな熱が含まれています。

②圧縮:吸収した熱を圧縮機で圧縮し、高温に変換します。圧縮することで熱の温度が上がります。

③熱交換:高温になった熱を水に伝え、お湯を沸かします。この過程で熱交換器が使われます。

④貯湯:沸かしたお湯は貯湯タンクに貯められ、必要な時に使えるようになります。

メリットとデメリット

エコキュートには以下のようなメリットがあります。

エコキュートにのメリット

省エネ性:空気中の熱を利用するため、従来の給湯器に比べてエネルギー効率が高く、電気代を節約できます。

環境に優しい:二酸化炭素の排出量が少なく、環境負荷が低いです。

夜間電力の利用:夜間の安い電力を利用してお湯を沸かすため、光熱費を抑えることができます。

災害時に強い:貯湯タンクに大量のお湯を貯めておけるため、災害時にも利用可能です。

一方、以下のようなデメリットもあります。

エコキュートにのデメリット

初期費用が高い:従来型の給湯器に比べて導入コストが高くなります。

設置スペースが必要:ヒートポンプユニットと貯湯タンクの両方を設置するため、ある程度のスペースが必要です。

沸かすのに時間がかかる:お湯を沸かすのに時間がかかるため、大量にお湯を使う場合には注意が必要です。

寒冷地での効率低下:外気温が低いと効率が低下するため、寒冷地では性能が落ちることがあります。

導入にかかる初期費用

エコキュートの初期費用は機種や設置条件によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。

機器費用: 15〜35万円
工事費用: 10〜20万円
合計: 25~55万円程度

なお、補助金制度を利用することで初期費用を抑えられる場合があります。ちなみに「給湯省エネ2025事業」の補助金額は、エコキュート1台につき6~13万円です。

従来型給湯器との違い

エコキュートと従来型給湯器の違い

従来型給湯器(ガス・石油)はガスや石油を使用するため、ランニングコストが高くなりがちです。また二酸化炭素の排出量が多く、環境への負荷が大きいです。

一方で、従来型給湯器は必要な時にすぐにお湯を沸かすことができます。また、貯湯タンクなどを必要としないため設置スペースが少なくて済みます。

このように、エコキュートは従来型給湯器と比べて、長期的には経済的かつ環境にも優しい選択肢となる可能性があります。初期費用は高くなりますが、補助金制度を活用することで軽減できるケースもありますので、ぜひ検討してみてください。

エコキュートの電気代を左右する4つの要素

エコキュートの電気代を左右する要因は多岐にわたりますが、特に以下の4つの要素が大きく影響します。

  • タンク容量と家族構成
  • 給湯温度設定
  • 使用時間帯と電力プラン
  • 地域や季節による影響

それぞれについて詳しく説明します。

タンク容量と家族構成

タンク容量が大きいほど、一度に多くのお湯を貯めることができますが、そのぶん沸かすための電気代がかかります。家族構成に合った適切な容量を選ぶことが重要です。

家族人数タンク容量の目安
2~3人約320L
3~5人約370L
4~7人約460L

タンク容量が小さすぎると、頻繁にお湯を沸かす必要が生じ、昼間の高い電気代がかかる時間帯に沸き増しを行うことになり、結果的に電気代が高くなる可能性があります。逆に容量が大きすぎると、余分な保温電力が必要になり、これも無駄なコストにつながります。

給湯温度設定

給湯温度が高いほど冷水を温めるための稼働時間が長くなり、電気代が増加します。最適な温度設定は50℃〜60℃とされており、この範囲だと快適性と節約効果のバランスが良いです。なお高温設定の場合、タンク内のお湯を保温するための再加熱が頻繁に行われるため、余分な電気代が発生することが多いです。

使用時間帯と電力プラン

エコキュートは夜間の割安な電力を利用してお湯を沸かす設計になっています。そのため使用時間帯と契約している電力プランが非常に重要です。多くの電力会社では夜間の電気代が安くなる「時間帯別プラン」を提供しており、同プランを利用することで電気代を大幅に削減できます。ただし、昼間にお湯を使うことが多い家庭では昼間の電気代が高くなるため、使用パターンを見直すことも重要です。

地域や季節による影響

エコキュートの電気代は、地域や季節によっても変動します。例えば、寒冷地では外気温が低いため空気中から熱を取り込む効率が下がり、その分消費電力が増加します。また、冬季は給湯器の稼働時間が長くなるため、年間で見ると冬場の電気代が高くなる傾向があります。一方、夏季は外気温が高いため効率的にお湯を沸かせます。

これらの要素を把握し、最適な設定やプランを選択することで、エコキュートを効率的に運用することができます。

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エコキュートの電気代をシミュレーション!

シミュレーションのイメージ

エコキュートの電気代は、世帯人数や季節によって大きく変動します。以下に、具体的なシミュレーションを示します。

世帯人数別の目安

エコキュートを導入した場合の電気代は世帯人数によって異なります。以下は一般的な目安です。

世帯人数月額電気代1人あたりの電気代
2¥2,542¥1,271
3¥3,017¥1,006
4¥3,483¥871
5¥4,975¥995
6¥5,558¥926

出典:三菱電機 給湯光熱費かんたんシミュレーション(東京電力エリア)

エコキュートの電気代は世帯人数が増えるほど上昇しますが、1人あたりの電気代は逆に減少する傾向にあります。

季節による変動

エコキュートの電気代は季節によっても変動します。具体的には以下のような傾向があります。

季節月間コスト
夏場(6月~9月)¥1,792
冬場(12月~2月)¥5,028
春・秋(3月~5月、10月~11月)¥3,265

このように、冬場は特に電気代が高くなる傾向があります。ヒートポンプは外気の熱を利用するため、夏場は効率が高く、冬場は効率が低下します。

ガス給湯器との比較

ガス給湯器とエコキュートのランニングコストを比較します。ガス料金と電気料金の単価によって変動しますが、一般的な目安として以下のように試算できます。

世帯人数月額コスト年間ガス代
2¥5,900¥70,800
3¥6,942¥83,300
4¥7,967¥95,600
5¥8,992¥107,900
6¥10,008¥120,100

出典:三菱電機 給湯光熱費かんたんシミュレーション(東京電力エリア)

エコキュートとの比較は以下のとおり。

世帯人数 年間コストの差額
2人 エコキュートの方が年間約40,300円安い
3人 エコキュートの方が年間約47,100円安い
4人 エコキュートの方が年間約53,800円安い
5人 エコキュートの方が年間約48,200円安い
6人 エコキュートの方が年間約53,400円安い

エコキュートはガス給湯器に比べてランニングコストが安く、特に家族人数が多いほどその差が大きくなる傾向があります。初期費用はエコキュートの方が高めですが、長期的に見ると給湯コストの節約効果が期待できます。

なお、今回のシミュレーションはあくまで目安であり、実際の電気代やガス代は地域や契約プラン、機種や使用状況によって異なります。特にプロパンガスを使用している場合は、地域や会社によってガス代が大きく変わるため注意が必要です。

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電気代を抑える!エコキュートの節約方法

エコキュートの電気代を抑えるための具体的な節約方法について、詳しく説明します。

  • お湯をためる時間帯を工夫する
  • お湯の使用量を見直す
  • 高温のお湯を使用しない
  • 定期的なメンテナンス
  • 太陽光発電、蓄電池との併用

お湯をためる時間帯を工夫する

エコキュートは、電気代が安い夜間電力を使ってお湯を沸かすことでコストを大幅に削減できます。したがって、以下のような「夜間電力プラン」を活用するのが基本です。

【東京電力・夜トク8/12】

内訳区分料金単価
基本料金1kW※¥255.69
電力量料金午前7時~午後11時¥42.60
午後11時~翌午前7時¥31.64

※30分ごとの使用量のうち最も大きい値を2倍した値(最大需要電力)により決定

内訳区分料金単価
基本料金1kW※¥255.69
電力量料金午前9時~午後9時¥44.16
午後9時~翌午前9時¥33.33

参照:※同上

【関西電力・はぴeタイムR】

内訳区分料金単価
基本料金最初の10kWまで2,409.40円
10kWをこえる1kWにつき416.94円
電力量料金デイタイム(夏季)28.87円
デイタイム(その他季)26.24円
リビングタイム22.80円
ナイトタイム15.37円

このように夜間と日中で明確に料金差があるため、エコキュートを使用する際は夜間の沸かしを徹底することが重要です。なお「夜間電力プラン」については詳しく後述します。

お湯の使用量を見直す

お湯の使用量を最適化することで、無駄な沸き上げを防ぎ、電気代を節約できます。例えば、以下のポイントを考慮してください。

家族人数に合わせた湯量設定:エコキュートのタンク容量を家族人数に合わせて調整します。1〜2人なら200〜300リットル、3〜4人なら370〜460リットル程度が目安です。

生活スタイルに合わせた沸き上げ量:毎日シャワーやお風呂を使う時間帯を把握し、必要な量だけ沸かすように設定します。朝シャワーを多用する場合は、朝の使用量に合わせて深夜に沸き上げます。

このように、家族人数や生活スタイルに応じて適切な湯量を設定することでエネルギー消費を防ぎます。また、節水型のシャワーヘッドを使用するなど、お湯の使用量を減らす工夫も大切です。

高温のお湯を使用しない

お湯の温度設定を適切に調整することで電気代を節約できます。特に夏場は外気温が高く放熱ロスが少ないため、お湯の温度設定を下げることを検討してみてください。具体的には、以下のような設定が推奨されます。

夏場 :40~50℃
春・秋:50〜55℃
冬場 :60℃程度(寒冷地では少し高めに設定)

冬場は外気温が低いため、保温性を高める工夫を行い、エネルギーの消費を減らすことが重要です。例えば、浴槽に蓋をすることで熱の逃げを防ぐ、配管の保温材を追加する(特に外気にさらされている部分)などの方法があります。

なお、食器洗いなどで高温のお湯が必要な場合は、その都度温度を上げる運用が効率的です。

定期的なメンテナンス

エコキュートの性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスのポイントは以下のとおりです。

フィルターの清掃:エコキュートのフィルターが汚れると、ヒートポンプの効率が低下します。月1回程度、フィルターを清掃してほこりやゴミを取り除いてください。

配管のつまり予防:配管に水垢がたまると、お湯の流れが悪くなり、無駄な電力を使います。定期的に配管の点検を行い、水垢がたまっている場合は洗浄剤で除去してください。

専門業者による点検:専門業者に年1回点検を依頼し、ヒートポンプやタンクの状態を確認してもらいます。不具合を早期に発見することで、長期的なコスト削減につながります。

太陽光発電、蓄電池との併用

エコキュートを太陽光発電や蓄電池と併用することで、さらに電気代を削減できます。具体的には、以下のようなメリットがあります。

太陽光発電:自宅で発電した電力を利用してエコキュートを稼働させることで、電気代を大幅に削減できます。

蓄電池:太陽光発電で余った電力を蓄電池に貯め、夜間にエコキュートを稼働させることで電気代を抑えることが可能です。

これらの方法を組み合わせることで、エコキュートの運用コストを効率的に抑えることができます。特に深夜電力の活用と温度設定調整は手軽かつ効果的な対策です。

お得に使える!電気料金プランの選び方

エコキュートは夜間の安い電力を利用してお湯を沸かすことができるため、各電力会社が提供する夜間電力プランを活用することが重要です。以下に、主要な電力会社の夜間電力プランを紹介します。

これらのプランは夜間の電気使用を促進するために設計されており、エコキュートの稼働時間を夜間に設定することで、電気代を大幅に削減できます。

プラン選びのポイント

エコキュートに適した電気料金プランを選ぶ際は、以下のポイントを考慮することが重要です。

生活スタイルに合った時間帯:夜間電力プランは、夜間(例:23:00~7:00)の電気代が安くなりますが、昼間の電気代は高くなる場合があります。昼間に電気を多く使う家庭では、総合的なコストを計算してプランを選ぶ必要があります。

季節変動への対応:関西電力の「はぴeタイム」のように、季節に応じて時間帯区分が変更されるプランもあります。年間を通じての使用パターンを考慮することで、より効率的なプランを選択できます。

電力会社の切り替え:新電力会社の中にも、夜間電力が安いプランを提供している場合があります。例えば「Looopでんき」や「オクトパスエナジー」などは、独自の夜間割引プランを提供しています。従来の大手電力会社だけでなく、新電力会社のプランも比較検討してみてください。

エコキュート利用を考えている方は、これらのポイントを参考にして最適な電気料金プランを見つけてください。

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※エネピのユーザー様の削減実績データから算出した金額です ※3~4人暮らしの場合の金額です

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まとめ

ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。

エコキュートの電気代はいくら?
エコキュートの電気代は世帯人数によって異なります。一般的な目安は、世帯人数が2人で月額5,900円、3人で6,942円、4人で7,967円、5人で8,992円、6人で¥10,008円となります。
エコキュートはガス給湯器と比べて経済的?
エコキュートはガス給湯器に比べてランニングコストが安く、特に家族人数が多いほどその差が大きくなる傾向があります。初期費用はエコキュートの方が高めですが、長期的に見ると給湯コストの節約効果が期待できます。
エコキュートの電気代を節約する方法は?
以下の方法を組み合わせることで、エコキュートの運用コストを効率的に抑えることができます。①お湯をためる時間帯を工夫する②お湯の使用量を見直す③高温のお湯を使用しない④定期的なメンテナンスを行う⑤太陽光発電や蓄電池を利用する

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今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。