「ガス会社を乗り換える」という方法は、一度手続きをするだけで永続的な節約効果が期待できる最も効率的な手段です。
「手続きが面倒そう」「工事が必要なのでは?」といった不安を感じるかもしれませんが、実はガス会社の切り替えは、ネット上の手続きだけで完結し、工事も原則不要なケースがほとんどです。
本記事では、ガス会社の乗り換えで料金が安くなる仕組みや、失敗しないための選び方、特にトラブルになりやすい賃貸物件での注意点について徹底解説します。
この記事でわかること
- ガス会社の乗り換えで料金が安くなる仕組みとメリット
- 「品質・安全性」や「手続き」に関するよくある不安の解消
- 賃貸住宅やプロパンガス(LPガス)でも乗り換えができるのか
- 失敗しないガス会社の選び方と、申し込みから切り替えまでの手順
なぜガス会社を乗り換えるだけで安くなるの?
2017年の都市ガス自由化により、私たちは自由にガス会社を選べるようになりました。多くの企業が参入し、価格競争が起きていることが、料金が安くなる最大の理由です。 具体的に安くなるパターンは、大きく分けて以下の2つです。
1. 基本料金・従量単価の設定が安い:従来の地域大手ガス会社よりも、割安な料金単価を設定している新電力・新ガス会社を選ぶことで、使用量が変わらなくても請求額が下がります。
2. セット割引が適用される:「電気+ガス」や「インターネット+ガス」など、他のサービスとまとめて契約することでセット割引が適用されます。 特に、現在契約している電力会社や通信会社がガスプランを提供している場合、支払先を一本化できるだけでなく、ポイント還元率がアップするなどのメリットも享受できます。
本当に大丈夫?乗り換えの「3つの不安」を解消
「安い会社に変えて、ガスの品質が悪くなったら困る」という懸念を持つ方も少なくありません。ここでは、乗り換えに関するよくある3つの不安について解説します。
1. ガスの品質や安全性は変わらない?
変わりません。 ガス会社を変えても、ガスを運ぶ導管(パイプ)はこれまでと同じ地域のガス導管網が使われます。そのため、火力が弱くなったり、ガス漏れのリスクが高まったりすることはありません。品質はそのままに、料金プランと請求元だけが切り替わるとお考えください。
2. 手続きが面倒くさいのでは?
「今のガス会社へ電話して、解約の引き止めにあうのが嫌だ」という心配をされる方も多いですが、都市ガスかプロパンガスかによって事情が少し異なります。
都市ガスの場合:ネットだけで完結!連絡不要
都市ガスは非常にシンプルです。新しいガス会社へ申し込みをすれば、解約手続きはシステム上で自動的に行われます。
- 今の会社への連絡:一切不要です。
- 工事・立ち合い:原則不要です。(※スマートメーター未設置の場合のみ、メーター交換の立ち合いが発生することがあります)
プロパンガスの場合:代行してもらえるが注意点あり
基本的には、新しいガス会社が解約手続きを「代行」してくれますが、都市ガスとは違う点が2つあります。
- 委任状が必要:新しい会社に「解約手続きを任せます」という書類(委任状)への署名・捺印が必要です。
- 引き止めの可能性:今のガス会社に解約通知が届くと、「料金を下げるので契約を続けてほしい」といった引き止めの電話が利用者にかかってくることがあります。トラブルを避けるため、「解約の連絡はすべて新しい会社を通してください」と伝えておくとスムーズです。
3. 解約金や違約金はかからない?
都市ガスの場合、多くの会社では契約期間の縛りや解約金は設定されていません。 ただし、プロパンガス(LPガス)の場合や、一部の特典付きプラン(高額キャッシュバックキャンペーンなど)では、短期解約による違約金が発生するケースがあります。申し込み前に契約条件の「解約条項」を必ず確認しましょう。
【重要】持ち家と賃貸、都市ガスとプロパンの違い
ガス会社の乗り換えを検討する際、住居形態(持ち家か賃貸か)とガスの種類(都市ガスかプロパンガスか)によって、自由度が大きく異なります。ここが最も重要なポイントです。
▼ 住居タイプ別・乗り換え可否 早見表
| 都市ガス | プロパンガス (LPガス) | |
|---|---|---|
| 持ち家 | 〇 自由に切り替え可能 | 〇 自由に切り替え可能 |
| 賃貸 | 〇 切り替え可能な場合が多い※入居者が直接契約している場合 | × 原則不可※大家さん・管理会社の権限 |
都市ガスとプロパンガスの見分け方
日本の住宅には「都市ガス(メタン主成分)」と「プロパンガス(LPG)」の2種類が混在しており、これらは配管も機器も全く異なります。乗り換え検討の第一歩は、自宅のガス種別を正確に特定することです。
▼ 都市ガス・プロパン見分け方 早見表
| 項目 | 都市ガス(13A/12A) | プロパンガス(LPG) | 解説 |
|---|---|---|---|
| 供給地点特定番号 | 17桁(地点番号)または10桁(お客様番号) | 17桁(01から始まることが多い) | 申し込み時に必須となる番号です。都市ガスは7から始まる地点番号などが一般的です。 |
| ガス機器シール | 「12A」「13A」「都市ガス用」 | 「LPG」「プロパンガス用」 | コンロや給湯器の側面に貼付されています。間違ったガスを通すと不完全燃焼や火災の原因になります。 |
| ガス警報器の設置位置 | 天井付近(天井から30cm以内) | 床付近(床から30cm以内) | 都市ガス(メタン)は空気より軽く、プロパンは空気より重いため、漏れた際の滞留場所が異なります。 |
| ガスホースの色 | 白色(以前は青色) | オレンジ色 | ご自身でホースを購入・交換する際、色で判別可能です。 |
| 建物の外観 | ガスボンベがない(導管供給) | ガスボンベが設置されている | プロパンガスは建物の裏手などに灰色のボンベが設置されています(集合住宅の場合は集中プロパン庫の場合もあり)。 |
賃貸マンション・アパートの場合
都市ガス物件の場合:
- 原則: 入居者は自由にガス会社を変更可能です。検針票さえあれば、Webサイトから数分で手続きが完了します。
- 例外: マンション全体で「一括受ガス契約」を結んでいる場合や、大家が特定のガス会社と特別な契約を結んでいる場合は変更できません 。管理会社への確認が確実です。
プロパンガス物件の場合:
- 原則: 契約主体は物件オーナーであるため、入居者個人の意思でガス会社を変更することは不可能です 。これがプロパンガスが高い理由の一つ(競争が働かない)でした。
-
2025年の対策: 法改正により、入居者は不当な料金(エアコン代の上乗せ等)を拒否する法的根拠を得ました。ガス会社を変えることはできなくても、検針票の「設備料金」を確認し、不当な項目があれば消費者センターや資源エネルギー庁の窓口を通じて是正を求めることが可能になります。
また、これから引っ越す場合は、重要事項説明書で「設備料金」の有無を必ず確認し、納得できない場合は契約しない(入居しない)という選択が推奨されます
持ち家で「プロパンガスが高い」と感じている場合
プロパンガスは自由料金制であり、都市ガスに比べて割高な設定になっているケースが散見されます。 もし「プロパンガスの料金が高すぎる」と感じている場合は、地域の適正価格と比較してみることをおすすめします。
エネピの「ガス料金比較サービス」を利用すると、ご自宅のガス料金が適正かどうかがひと目でわかります。また、ご自宅の近くにある優良ガス会社のお見積もりを一括比較できます。こちらは完全無料のサービスですので、ぜひお気軽にご利用ください。
失敗しないガス会社の選び方
数あるガス会社の中から、自分に合った会社を選ぶための3つの軸を紹介します。
- 電気とまとめる(セット割):まずは、現在契約している電力会社にガスプランがないか確認しましょう。セット割に加え、請求書が1つにまとまるため家計管理も楽になります。
- 経済圏で選ぶ:普段貯めているポイント(楽天ポイント、dポイント、Pontaポイントなど)が貯まる会社を選ぶと、実質的な節約効果が高まります。
- 使用量に合わせて選ぶ:一人暮らしでガス使用量が少ない場合、「基本料金」が安い会社を選ぶとメリットが出やすくなります。逆に大家族の場合は、「従量単価」が安い会社の方が総額を抑えられる傾向にあります。
特定の会社だけを見るのではなく、複数の会社の料金シミュレーションを行い、ご自身のライフスタイルで最も安くなるプランを比較してみてください。
申し込みから切り替えまでの流れ
乗り換えの手順は非常にシンプルです。以下の3ステップで完了します。
1. 検針票(またはWeb明細)を用意する:現在契約しているガス会社の「お客様番号」と「供給地点特定番号」が必要です。これらは検針票やマイページに記載されています。
2. Webで申し込み:乗り換え先の公式サイトから、住所や検針票の情報を入力します。所要時間は5分程度です。
3. 切り替え完了:次回の検針日などにあわせて、自動的にガス会社が切り替わります。新しい会社から供給開始のお知らせが届きます。
まとめ
ガス会社の乗り換えについて解説しました。ポイントは以下のとおりです。
- ガス会社を変えても、品質や安全性は変わらない
- 都市ガスなら、賃貸でも手続きのみで乗り換えが可能(工事不要)
- 今のガス会社への解約連絡は原則不要(新会社が代行)
- まずは「電気とのセット割」や「ポイント還元」を確認するのがおすすめ
「今のままだと損をしているかもしれない」と感じた方は、まずはご自宅のガス料金がどれくらい安くなるのか、シミュレーションをしてみてください。
特にプロパンガスをご利用の方は、業者によって価格差が大きいため、適正価格を知ることが節約への近道となります。ぜひエネピの「無料一括見積もりサービス」を活用して、最適なプランを見つけてみてはいかがでしょうか。

