家庭の電気代は日常生活において不可欠な支出の一つです。その中でも基本料金は電気料金の重要な要素の一つであり、家計に影響を及ぼす大事なポイントです。電気代の基本料金を理解することは、無駄な支出を削減し、家計を健全に保つために必要不可欠といえます。そこで今回は、電気料金の仕組みについて詳しく解説します。

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電気料金の仕組み

家庭の電気代は一般的に以下の3つの要素で構成されます。

  • 基本料金
  • 電力量料金
  • 賦課金(ふかきん)

それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。

基本料金とは

基本料金は電力会社が供給する電力網を利用するための固定費用です。つまり家庭が電気を使わなくても支払わなければならない料金であり、家庭の電力使用量とは無関係です。電力会社や契約プランによって異なる基本料金が設定されます。

基本料金に含まれる費用は主に設備費と人件費です。設備費は発電所や送電線、変電所などを維持・管理するための費用であり、人件費は設備の点検・修理を行う技術者や作業員を雇用するための費用です。

電力量料金とは

電力量料金は電力量に応じて計算される変動費用です。つまり、家庭で実際に使用した電気の量が多いほど電力量料金は高くなります。なお、通常1kWh(キロワット時)あたりの単価が設定されています。

さらに、電力量料金には「燃料費調整額」が含まれます。これは電力会社が発電に使用する原油・LNG(液化天然ガス)などの価格変動や為替レートを考慮して、電気代に反映させるための制度です。つまり、原油価格の高騰や円安の影響により発電に必要な燃料費が上がると、電気代も高くなる場合があります。

賦課金(ふかきん)とは

賦課金は電気料金に加算される追加料金であり、国や地方自治体が決めた特別な負担金などが含まれます。つまり賦課金は家庭が支払う電気料金に影響を与えますが、直接的に電力使用量とは関係ありません。

一般的な賦課金は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」です。これは電力会社が再生可能エネルギーで発電した電気(太陽光発電など)を買い取る費用の一部を、消費者の電気代に上乗せする制度です。電力会社は「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」により、事業者や個人が再生可能エネルギーで発電した電気を国が定めた単価で買い取っているのです。

電気料金の料金制度について

家庭用の電気料金には、アンペア制と最低料金制の2つの料金制度があります。それぞれどのようなものなのか、確認しておきましょう。

アンペア制

アンペア制は一度に使用できる電力量を先に決めておく料金制度です。アンペア数が高ければ高いほど基本料金は上がるため、適切なアンペア数を選ぶことが大切です。また、電力使用量が多いほど電力量料金の単価が高くなります。一般的に単価は3つに分かれるため「3段階料金制」と呼ばれます。

アンペア(A)は電気が流れる量を表す単位で、家庭で一度に使える電気の総量でもあります。例えば、エアコンなど基本的な電化製品のみ使用する一人暮らしの場合は20A、電子レンジやIHクッキングヒーターなどの電化製品も使用する場合は30A、家族4人でエアコンを使う部屋が複数あり、電化製品が充実している家庭では40A以上が適切でしょう。

最低料金制

最低料金制は契約アンペア数に関係なく基本料金が固定されています。一定の使用電力量までは基本料金のみがかかり、一定の使用電力量を超えた分が電力量料金として計算される料金制度です。なお、電力量料金についてはアンペア制と同様、一般的に「3段階料金制」が採用されています。

【エリア別】電気代の基本料金はいくら?

電気料金は地域によって異なります。ここでは全国の大手電力会社を取り上げ、各社の家庭向け料金プランの一部を紹介します。

北海道電力

エネとくポイントプラン(アンペア制)

内訳区分料金単価
基本料金10A292.60円
15A493.90円
20A695.20円
30A1,097.80円
40A1,500.40円
50A1,903.00円
60A2,305.60円
電力量料金~120kWh35.35円
121kWh~280kW41.64円
281kWh~45.36円

出典:北海道電力

東北電力

よりそう+eねっとバリュー(アンペア制)

内訳区分料金単価
基本料金10A314.60円
15A499.40円
20A684.20円
30A1,053.80円
40A1,423.40円
50A1,793.00円
60A2,162.60円
電力量料金~120kWh29.62円
121kWh~300kW36.37円
301kWh~40.32円

出典:東北電力

東京電力

スタンダードS(アンペア制)

内訳区分料金単価
基本料金10A311.75円
15A467.63円
20A623.50円
30A935.25円
40A1,247.00円
50A1,558.75円
60A1,870.50円
電力量料金~120kWh29.80円
121kWh~300kW36.40円
301kWh~40.49円

出典:東京電力

中部電力

ポイントプラン(アンペア制)

内訳区分料金単価
基本料金10A321.14円
15A481.71円
20A642.28円
30A963.42円
電力量料金~120kWh21.20円
121kWh~300kW25.67円
301kWh~28.62円

おとくプラン(アンペア制)

内訳区分料金単価
基本料金40A1,284.56円
50A1,605.70円
60A1,926.84円
6kVA1,926.84円
電力量料金~120kWh21.20円
121kWh~300kW25.67円
301kWh~28.62円

出典:中部電力

北陸電力

従量電灯ネクスト(アンペア制)

内訳区分料金単価
基本料金10A302.50円
15A453.75円
20A605.00円
30A907.50円
40A1,210.00円
50A1,512.50円
60A1,815.00円
電力量料金~120kWh30.82円
121kWh~300kW34.71円
301kWh~36.42円

出典:北陸電力

関西電力

従量電灯A(最低料金制)

内訳区分料金単価
基本料金~15kWh522.58円
電力量料金16kWh~120kWh20.21円
121kWh~300kW25.61円
301kWh~28.59円

出典:関西電力

中国電力

スマートコース(最低料金制)

内訳区分料金単価
基本料金~15kWh669.92円
電力量料金16kWh~120kWh32.01円
121kWh~300kW39.43円
301kWh~41.55円

出典:中国電力

四国電力

おトクeプラン(最低料金制)

内訳区分料金単価
基本料金~11kWh666.89円
電力量料金12kWh~120kWh30.65円
121kWh~300kW37.27円
301kWh~38.58円

出典:四国電力

九州電力

スマートファミリープラン(アンペア制)

内訳区分料金単価
基本料金10A316.24円
15A474.36円
20A632.48円
30A948.72円
40A1,264.96円
50A1,581.20円
60A1,897.44円
電力量料金~120kWh18.37円
121kWh~300kW23.97円
301kWh~25.87円

出典:九州電力

沖縄電力

グッドバリュープラン(最低料金制)

内訳区分料金単価
基本料金~10kWh643.05円
電力量料金11kWh~120kWh40.20円
121kWh~300kW45.26円
301kWh~46.59円

出典:沖縄電力

電気代の確認方法

電気代の確認は、一般的に以下の方法で行うことができます。

明細・請求書で確認する

電力会社から送られてくる請求書を確認することで、電気代を把握できます。請求書には電力使用量や料金の詳細が記載されており、基本料金・電力量料金・賦課金などの項目が含まれています。また、請求書には前月の使用量や料金との比較や、支払い期限などの情報も記載されています。

Web・ホームページで確認する

電力会社の公式Webサイトやオンラインアカウントにログインして、電気代を確認することができます。マイページや利用状況の確認ページから、使用量や請求額、支払い履歴などを確認することができます。なお一部の電力会社では、電力使用量のグラフや料金の推移など、より詳細な情報を提供しています。

電気料金の検針票の見方・契約プランの確認方法について解説します
電気料金の検針票の見方・契約プランの確認方法について解説します

電気代の節約方法

前述のとおり電気代は地域によって異なるため、お住まいのエリアで最適な料金プランを選ぶことが、電気代の節約に大きく貢献します。

そこで、enepi(エネピ)では『電気料金比較サービス』を運営し、お客様の使い方に合わせた最適な料金プランをご提案しております。

ちなみに、当サービスは平均月間1,500円の電気代削減という確かな実績に裏打ちされています。ぜひあなたも試してみてください。

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まとめ

ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。

電気代の内訳とは?
一般的な電気代の内訳は、基本料金・電力量料金・賦課金の3つです。基本料金は各契約による固定料金、電力量料金は使用電力に対応する変動料金、賦課金は再エネ発電などを促進するために国が定めた追加料金を指します。
電気代の料金制とは?
一般に電気代はアンペア制と最低料金制の2つに分かれています。アンペア制では契約アンペア数に対応した基本料金が設定されています。一方、最低料金制では契約アンペア数に関係なく基本料金が固定されています。
電気代の基本料金はいくら?
電気代の基本料金は電力会社や契約プラン、アンペア数によって異なります。自宅の条件に合った契約プランの基本料金を確認してみてください。なお、全国の電気代の平均額はこちらのページで確認できます。
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エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。