四国電力の電気料金に関する値上げのニュースが報じられ、多くの家庭に影響を及ぼしています。この変動がどのような理由で起きているのか、そして私たちがどのように対応していけば良いかを考えることが重要です。本記事では、四国電力の値上げの詳細をお伝えし、電気料金を節約するための具体的な方法について解説します。

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  • 四国電力は2024年11月の電気料金を値上げすると発表しました。これは政府の家庭向け補助金が縮小されたことが原因です。
  • 政府は電気および都市ガス料金の値上げを緩和するために「酷暑乗り切り緊急支援」を実施しました。これは2024年8月から10月までの制度です。

四国電力の値上げの実態は?

四国電力は、2024年11月の電気料金が平均374円値上がりし、7,945円になると発表しました。これは、政府の家庭向け補助金が縮小されたことが原因で、2カ月連続の値上がりです。

電気料金は燃料価格に基づいて毎月見直されますが、四国電力は燃料価格の将来動向は不透明であると述べています。ちなみに、燃料価格の変動は「燃料費調整額」として電気料金に反映されます。

電気料金の燃料費調整額とは?毎月の算定方法や各電力会社の単価について解説
電気料金の燃料費調整額とは?毎月の算定方法や各電力会社の単価について解説

四国電力が近年実施した値上げ・値下げの一部を紹介します。

・託送料金の値下げ(2024年4月)
・規制料金の値上げ(2023年6月)


2024年4月、四国電力は託送料金の値下げを受けて、低圧自由料金を値下げしました。 5月請求分から適用され、例えば「おトクeプラン」は3円/月、「でんかeプラン」は6円/月、「季節別時間帯別電灯」は6円/月の値下げとなりました。

2023年6月、四国電力は平均28.74%の値上げを実施しました。これは、ウクライナ侵攻などによる燃料価格の高騰や円安の影響によるものです。 例えば「従量電灯A」の場合、260kWh/月の使用量で、7,382円/月から9,537円/月に値上がりし、2,155円/月(29.2%)の増加となります。

このように、電気料金の値上げ・値下げはさまざまな要因によって発生します。これらの要因については後ほど詳しく説明します。

四国地方の電気料金の推移

まずは、2022年から2024年における四国地方の電力市場(低圧)のデータを示します。このグラフから、2023年以降は電気料金の上昇傾向が続いていることが分かります。

四国地方の電気料金単価の推移

出典:新電力ネット

続いて、四国地方の電気代のデータを示します。都道府県別に、家庭の月間電気料金の平均をまとめています。

徳島県香川県愛媛県高知県
1月¥14,398¥14,622¥20,456¥16,624
2月¥19,402¥18,992¥15,666¥13,447
3月¥17,915¥15,811¥13,841¥12,771
4月¥11,851¥12,571¥11,982¥12,104
5月¥14,241¥10,569¥11,604¥10,842
6月¥13,876¥10,298¥10,835¥12,793
7月¥15,337¥11,382¥11,976¥14,140
8月¥17,345¥12,873¥13,544¥15,992
9月¥17,163¥12,737¥11,109¥15,823
10月¥16,982¥11,841¥7,922¥15,657
11月¥16,803¥15,860¥9,293¥9,795
12月¥12,707¥13,748¥16,641¥11,258

※エネピ調べ

なお、2024年10月に政府の補助金が減額となり、11月には補助金自体が無くなるため、電気料金の上昇が予想されます。具体的なシミュレーションを行うと、以下のような結果となります。

【2024年10月】四国電力の平均電気代&シミュレーション

※エネピ調べ

さて、今後は電気料金が家計の大きな負担になるかもしれません。この機会に、電力会社や料金プランを見直し、自分の使用パターンに合った効率的なプランへの切り替えを検討してみてください。

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四国電力の値上げの理由

値上げの理由のイメージ

四国電力が電気料金を値上げする背景には複数の要因がありますが、主な理由として以下の点が挙げられます。

主な電気料金の値上げ理由

原油価格の高騰:
四国電力は火力発電を主に利用しており、その燃料である原油や液化天然ガス(LNG)の価格が急激に上昇しています。これは、世界的な需要の回復や地政学的リスク(ウクライナ情勢など)によるものです。

燃料費調整制度の改定:
四国電力は燃料費調整制度を改定し、調整額の上限を撤廃しました。これにより、燃料費が高騰するとその影響が直接的に電気料金に反映されることになります。

再エネ賦課金の増加:
再生可能エネルギーの普及に伴い、再エネ賦課金が増加しています。この賦課金は、再生可能エネルギーで発電した電気を買い取るための費用であり、その負担が家庭や企業に転嫁される形で電気料金が上昇します。

政府の補助金縮小:
補助金政策により、電気料金は値下げと値上げを繰り返しています。例えば、政府は物価高対策として2023年1月から電気料金の負担軽減措置を開始しましたが、この措置は段階的に縮小され、2023年5月使用分をもって終了しました。

このように、燃料費の高騰と政府の介入が四国電力の電気料金に大きな影響を与えていると言えます。なお世界情勢を考慮すると、2024年以降も燃料費の高騰が続く可能性があるため、さらなる値上げが実施されるかもしれません。

政府の補助金制度について

政府は、電気料金などの値上げを緩和するために「酷暑乗り切り緊急支援」を実施します。これは、2024年8月から10月までの電気・都市ガス料金を値引きする制度です。

この支援について申請などの手続きは不要です。電気・都市ガス会社が毎月の料金から自動的に値引きを行います。対象は家庭と年間契約量1,000万㎥未満の企業等です。

値引き単価は電気と都市ガス、そして月によって異なります。

電気料金の値引き単価

2024年8月・9月使用分:
低圧4.0円/kWh、高圧2.0円/kWh

2024年10月使用分:
低圧2.5円/kWh、高圧1.3円/kWh

都市ガス料金の値引き単価

2024年8月・9月使用分:17.5円/㎥
2024年10月使用分:10.0円/㎥

では電気料金がどれくらい安くなるのかを、一般的な世帯人数別の使用量に基づいて算出しました。

世帯人数使用量値引き額(8~9月)値引き額(10月)
1人暮らし219kWh¥876¥548
2人暮らし331kWh¥1,324¥828
3人家族386kWh¥1,544¥965
4人家族436kWh¥1,744¥1,090

この支援は電気料金の値下げに寄与しますが、10月は値引き単価が減額となります。また11月は支援が終了するため、電気料金の変動に注意してください。

なお、この支援に関して個人情報や手数料を求める不審な電話が発生しています。値引きを受けるために個人情報や手数料の提供は不要です。不審な電話には対応せず、お問い合わせ窓口(0120-013-305/平日9:00〜17:00)にご相談ください。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁/電気・ガス料金支援

家庭で出来る値上げ対策とは

電気料金の値上げが続く中、何かしらの対策を打っている人は多いと思います。ここでは、基本的な3つの対策を紹介します。

  • 省エネ、節電対策
  • 創電、蓄電システム導入
  • 電力会社、料金プラン見直し

では、それぞれの対策について詳しく説明します。

対策1:省エネ・節電対策

省エネ・節電の基本は、エネルギー効率の良い機器を選ぶことです。新しい家電は省エネ性能が高いものが多いので、買い替え時に注意してみてください。例えば、照明をLED照明に変えることで、電気代をぐっと節約できます。

また、待機電力の削減も大切です。使用していない機器はコンセントを抜くか、電源タップでまとめて切ることを習慣にしてください。必要のない部屋の照明を消すことも基本です。

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対策2:創電・蓄電システム導入

家庭における一般的な創電システムは太陽光発電です。自宅に太陽光パネルを設置し、日中に発電します。家庭での使用を優先することで電力会社からの購入を減らすことができ、また余剰電力は売電も可能です。

さらに、蓄電池と太陽光発電を組み合わせることで、日中発電した電力を夜間に使用することができます。これにより、夜間電力料金が高い時間帯に備えることができます。

対策3:電力会社、料金プラン見直し

電力自由化により電力会社の競争が進む中、料金プランは多様化しています。複数の会社のプランを比較して、よりお得なプランに乗り換えることも検討してみてください。自分の使用パターンに合ったプランを選ぶことで、電気代を大幅に削減できる可能性があります。

エネピでは、お客様一人ひとりの家族構成やライフスタイルに適した電気料金プランの無料相談を実施しております。これまでにも毎月1万名のお客様に提案させていただいており、平均で年間21,071円※の電気代を削減しています。ぜひこの機会に相談してみてください。

※エネピのユーザー様の削減実績データから算出した金額です
※3~4人暮らしの場合の金額です

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まとめ

ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。

四国電力の値上げの影響とは
四国電力は、2024年11月の電気料金が平均374円値上がりし、7,945円になると発表しました。ちなみに、2024年8月~10月は、政府の補助金により電気料金が抑えられていました。
四国電力の値上げの理由とは
四国電力が電気料金を値上げする背景には複数の要因があります。主な理由としては、原油価格の高騰・燃料費調整制度の改定・再エネ賦課金の増加・政府の補助金縮小などが挙げられます。
四国電力の値上げの対策とは
電気料金の値上げの対策は、大きく分けて3つあります。一つは省エネ機器への買い替えなどによる節電対策。もう一つは太陽光発電などの創電・蓄電システムの導入。もう一つは自分に合った電力会社・料金プランへの切り替えです。
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エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。