- ゲーミングPCの電気代はモデルによって異なります。例えば、エントリーモデル(500W)では約15.5円/時間、ハイエンドモデル(1000W)では約31円/時間が目安となります。
- ゲーミングPCの電気代を抑えるためには、効率的なパーツ選びが重要です。特にGPUは消費電力が高いため、TDP(熱設計電力)や解像度の値を注視する必要があります。
ゲーミングPCの消費電力と電気代
ゲーミングPCの消費電力と電気代について、順を追って解説します。
消費電力の目安
ゲーミングPCの消費電力は、一般的に280Wから850W以上と幅広く、使用するパーツや構成によって異なります。エントリーレベルのゲーミングPCは約300Wから500W、ミドルレンジは600Wから800W、ハイエンドモデルでは1000Wを超えることもあります。
各パーツの消費電力
CPU: 一般的なゲーミングPCのCPUは、約65Wから150W程度の消費電力があります。ハイエンドモデルでは200Wを超えることもあります。
GPU: グラフィックボードは最も電力を消費するパーツで、エントリーレベルのものは約75Wから150W、中級モデルは200Wから300W、高性能モデルでは400W以上になることもあります。
その他のパーツ: マザーボード、ストレージ、冷却ファンなども消費電力に寄与しますが、これらは通常、合計で50Wから150W程度です。
一般的なPCとの消費電力の違い
一般的なデスクトップPCの消費電力は約50Wから150W程度であるのに対し、ゲーミングPCはその約5倍から6倍の消費電力を要します。これは、ゲーミングPCが高性能なCPUやGPUを搭載しているためです。
ゲーミングPC | 一般的なPC(オフィス用途) | |
---|---|---|
CPU | 高TDP(100W~) | 低TDP(15~65W) |
GPU | 高性能(150W~) | 内蔵または低消費電力(10~50W) |
総消費電力 | 300~1,000W | 50~200W |
ゲーミングPCは、GPUの消費電力が圧倒的に高く、総消費電力の50%以上を占める場合もあります。また、冷却システムやRGB照明なども、全体の消費電力を押し上げています。
消費電力と電気代の関係
電気代は以下の計算式で求められます。
電気代 = 消費電力(kW) × 使用時間(h) × 料金単価(円/kWh)
消費電力はキロワット(kW)で表し、1kWは1000Wに相当します。料金単価は地域や契約によって異なりますが、一般的には31円/kWh程度です。
スペック別の電気代目安
例えば、300WのゲーミングPCを1時間使用した場合の電気代は次のように計算されます。
消費電力をkWに変換:300W = 0.3kW
電気代の計算:0.3kW × 1h × 31円/kWh = 9.3円
1日4時間使用した場合は、
9.3円 × 4時間 = 37.2円
となります。
同様に、スペック別の電気代を計算します。
スペック | 計算式 | 電気代 |
---|---|---|
エントリーモデル(500W) | 0.50×31 | 約15.5円/時間 |
ミドルモデル(750W) | 0.75×31 | 約23.25円/時間 |
ハイエンドモデル(1000W) | 1.00×31 | 約31円/時間 |
注意すべき点は、ゲーミングPCの電気代が各モデルにより異なることです。また、上記はあくまで目安であり、実際の使用条件によって変動します。
一般的なPCとの電気代比較
一般的なデスクトップPCと比較する場合、例えば以下のようなケースがあります。
ゲーミングPC:
消費電力: 400W
年間電気代(3h/日×300日): 9,720円
一般的なPC:
消費電力: 100W
年間電気代(3h/日×300日): 2,430円
差額:約 7,290円/年(ゲーミングPCの方が3倍以上高くなる場合もある)
ゲーミングPCは高性能であるがゆえに、消費電力と電気代が高くなる傾向があります。そのため使用する際は、必要に応じて節電対策を講じることが重要です。
使用状況に応じた電気代のシミュレーション
ゲーミングPCの電気代は、使用時間や使用目的(消費電力)によって大きく変わります。以下に、具体的なシミュレーションと比較をまとめました。
プレイ時間別の月間電気代
ゲームプレイ時間が増えると電気代も比例して増加します。以下は、消費電力500WのゲーミングPCにおける電気代の概算です。
1日あたりのゲーム時間 | 月間消費電力 | 月間電気代 |
---|---|---|
1時間 | 15kWh | 465円 |
2時間 | 30kWh | 930円 |
4時間 | 60kWh | 1,860円 |
8時間 | 120kWh | 3,720円 |
使用目的別の電気代比較
使用目的によっても電気代は異なります。以下は、ゲーム・配信・動画編集の各目的における電気代の概算です。
使用目的 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 |
---|---|---|
ゲーム(高負荷) | 500W | 15円 |
配信(ゲーム+エンコード) | 700W | 21円 |
動画編集(4Kレンダリング) | 600W | 18円 |
Web閲覧 | 150W | 4.5円 |
さらに、月間比較を行います(1日4時間使用の場合)。
使用目的 | 月間電気代 |
---|---|
ゲームのみ | 1,800円 |
ゲーム+配信 | 2,520円 |
動画編集メイン | 2,160円 |
このように、ゲーミングPCの電気代はその使用状況や目的により異なるため、自身の実際のプレイスタイルに基づいたシミュレーションが重要です。
ゲーミングPCの電気代を左右する要因

ゲーミングPCの電気代は、さまざまな要因によって影響を受けます。以下に、特に重要な観点から詳しく解説します。
ハードウェア性能の違い
ゲーミングPCの中で最も電力を消費する部品の一つが、GPU(グラフィックボード)です。GPUがゲームのグラフィックスの高負荷な処理を担当し、その消費電力はモデルによって大きく異なります。
GPU | 消費電力 |
---|---|
NVIDIA GeForce RTX 4090 | 最大450W |
NVIDIA GeForce RTX 3080 | 最大320W |
NVIDIA GeForce RTX 3060 | 最大170W |
このため、特にゲームを高い解像度やフレームレートでプレイする場合、GPUは電気代に大きな影響を与えます。
次に重要なのがCPUです。CPUはゲームの処理やバックグラウンドでのタスクを効率的に行うために電力を消費します。例えば、MMORPG(マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロールプレイングゲーム)やシミュレーションゲームをプレイする際は、CPU負荷による消費電力が増加します。
また、ハードウェアから発生する熱を管理するための冷却ファンも、消費電力に影響を与えます。高性能なハードウェアは発熱が大きく、冷却のためにファンが頻繁に高回転で回る必要があります。特にケース内の空気の流れが良くない場合、ファンの稼働が増え、電気代がかさむ要因となります。
使用時間と頻度の影響
ゲーミングPCを使用する時間や頻度も電気代に大きな影響を与えます。例えば、毎日4時間プレイする場合、月に120時間に達します。これに対して、週末だけのプレイや、数時間の軽いプレイの場合、総稼働時間は大幅に短縮され、結果として電気代も抑えられます。
また、長時間の使用では、シャットダウンしないで放置することが多いため、常に電気代が発生します。最後まで使用しない場合はシャットダウンやスリープ状態に設定することがコスト削減につながります。
ゲームタイトルによる電力差
ゲームの種類も消費電力に影響します。3Dグラフィックスや高解像度が要求されるリソース集約型のゲームでは、CPUおよびGPUの使用率が高くなり、結果として消費電力が増加します。
ゲーム種類 | GPU使用率 | 消費電力比 |
---|---|---|
eスポーツタイトル | 60-70% | 基準値 |
オープンワールド | 80-95% | プラス35% |
VR対応タイトル | 95-100% | プラス50% |
2D/インディー | 30-50% | マイナス40% |
オープンワールド型ゲーム(例:Cyberpunk 2077 ※RTX ON)やMMORPGなど常に多くの情報を処理するゲームは、プレイ中の負荷が高くなり、消費電力が増える傾向にあります。一方で、2Dゲームや軽量なインディーゲームなどは相対的に低いリソースで動作するため、消費電力は抑えられます。
このように、ゲーミングPCの電気代はハードウェアの性能や使用時間、ゲームの種類によって大きく変動します。それぞれの要因を考慮することで、より効率的に電気代を管理することが可能です。
電気代を賢く節約!今日からできる簡単テクニック
ゲーミングPCは高性能なため電力消費が大きく、その結果、電気代も高くなりがちです。しかし適切な設定や対策を講じることで、その消費を抑えることが可能です。以下に各方法について詳しく解説します。
- 省電力設定を活用
- 不要なアプリは終了
- 適切な電源管理
- 電源ユニットの最適化
- モニターの輝度調節
- ファン回転数を制御し発熱防止
- イヤホン、ヘッドホンから音声出力
- ケースファン、マザーボードのLED調節
省電力設定を活用
省電力設定を利用することで、PCが負荷のかかっていない時に消費電力を抑えることが可能です。Windowsの「電源オプション」から、省電力モードを選択することで、CPUやGPUの動作クロックを自動的に下げ、アイドル時(PCが次の作業指示やデータを待つ時間、または何の処理も行っていない状態)の電力消費を抑えることができます。
不要なアプリは終了
PCで動作している不要なアプリケーションは、バックグラウンドでCPUやメモリを使用し、電力消費を増やします。定期的にタスクマネージャーを確認し、使用していないアプリやプロセスを終了することで、電気代の節約につながります。
適切な電源管理
PCを使わない時間が短い場合は「スリープモード」を利用し、長時間使用しない場合は「シャットダウン」を選択するのが効果的です。スリープ状態では、必要な電力のみを消費し、迅速に再開できます。一般的には、90分以内の離席であればスリープモードを使用することが推奨されています。
電源ユニットの最適化
電源ユニットは、コンセントから供給される電力をPCの各パーツが使用できる状態に変換する役割を持っています。変換効率が悪いと、余計な電力を消費してしまいます。そこで「80PLUS認証」を受けた電源ユニットを選ぶことで、変換効率を高め、電気代を抑えることができます。
なお「80PLUS認証」は効率の良さに応じて複数のグレード(STANDARD、BRONZE、SILVER、GOLD、PLATINUM、TITANIUM)に分かれており、ゲーミングPCであれば「80PLUS Gold」以上がおすすめです。
モニターの輝度調節
モニターの明るさが高いほど、消費電力も増加します。使用する環境に合わせてモニターの輝度を適切に調整することで、消費電力を削減できます。例えば、室内が明るい場合には明るさを少し下げるなど、作業に支障がない範囲で明るさを調整することが重要です。
ファン回転数を制御し発熱防止
ゲーミングPCは、ゲームをしている時や高負荷の処理を行っている時に発熱が増加します。発熱が高いと冷却ファンが過剰に回転し、余分な電力を消費します。ファンの回転数を抑えつつ、適切な冷却環境を維持するために、ケース内のエアフローを改善することが重要です。
定期的に内部のホコリを掃除し、冷却のためのエアダクトを確保することで発熱を抑えられます。また、PCを高温になる場所や直射日光の当たる場所に置かず、通気性の良い場所に設置することも効果的です。
イヤホン、ヘッドホンから音声出力
スピーカーを使用するよりもイヤホンやヘッドホンを使用することで、わずかですが電力消費を抑えることができます。特にノイズキャンセリング機能付きの製品を使用することで、ゲーム内の音をよりクリアに聞くことができ、没入感も向上します。
ケースファン、マザーボードのLED調節
ゲーミングPCには装飾的なLEDライトが搭載されていることが多いですが、これらも電力を消費します。LEDをオフにすることで、わずかですが電気代を節約できます。また、ケースファンのLEDも消すことで、全体の電力消費を抑えることが可能です。
これらの方法を実践することで、ゲーミングPCの電気代を効果的に節約することができます。日常的に意識して取り組むことで、長期的なコスト削減が期待できます。
電気を「最安値」で使う方法とは?
電気を「最安値」で使うためには、まず電気料金プランを見直すことが重要です。電気料金プランは、各電力会社によって提供している契約内容や料金体系が異なるため、プランの選択によって長期的なコスト削減が期待できます。
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電気代を抑えるためのパーツの選び方
ゲーミングPCの選び方では「性能」と「省電力」のバランスが重要です。以下に、効率的なパーツ選びのポイントや、おすすめの省エネモデルについて解説します。
効率的なパーツ選びのポイント
省電力型のCPUを選ぶことで、エネルギー消費を抑えながらも十分なパフォーマンスを得ることができます。例えば、Intelの「Core i」シリーズやAMDの「Ryzen」シリーズには、効率的な消費電力と良好なパフォーマンスを兼ね備えたモデルがあります。特に、いくつかのモデルは「TDP(熱設計電力)」が低く、これにより消費電力を抑えています。
CPU | TDP | 特徴 |
---|---|---|
Intel Core i5-13400 | 65W | 14コア/20スレッド、ゲームに最適なバランス |
AMD Ryzen 7 7800X3D | 120W | 3D V-Cache搭載でゲーム性能が高く、電力効率も優秀 |
Intel Core i7-13700T | 35W | 低消費電力版(Tシリーズ)、性能はやや劣るが省エネ向け |
・TDP(熱設計電力)が低いものを優先(35W~65Wが目安)
・ゲーム用途なら「Core i5 / Ryzen 5」以上で十分
・マルチタスク(配信・動画編集)するなら「Ryzen 7 / Core i7」を検討
GPUも同様に、消費電力が少なく効率的なモデルを選ぶことが重要です。NVIDIAの「GeForce GTX」や「RTX」シリーズ、またはAMDの「Radeon」シリーズの中から、省エネ性能の良いモデルを選ぶと良いでしょう。特に、GPUの省電力機能「NVIDIA Optimus」や「AMD PowerTune」を搭載しているものは、負荷に応じて自動的に消費電力を調整します。
GPU | TDP | 特徴 |
---|---|---|
NVIDIA RTX 4060 | 115W | DLSS 3対応、1080pゲームに最適で省電力 |
AMD RX 7600 | 165W | RDNA 3アーキテクチャで効率良く、価格も手頃 |
NVIDIA RTX 4070 | 200W | 1440p(2K)ゲームで高性能、比較的省電力 |
・NVIDIAは「40シリーズ」、AMDは「RX 7000シリーズ」(最新アーキテクチャで効率化)
・解像度の目安は1080p、1440p(4Kは消費電力が高く省エネ向きではない)
・アンダーボルト可能なモデルを選ぶ(グラフィックカードの電圧を下げて、消費電力を減らしながらパフォーマンスを維持する操作)
おすすめ省エネゲーミングPCモデル
省エネ性能に優れたゲーミングPCのおすすめモデルを紹介します。
【BTOメーカー別おすすめ】
メーカー | モデル例 | 特徴 |
---|---|---|
HP | OMEN 25L (RTX 4060) | 省電力設計、クリーンなファン制御 |
Lenovo | Legion T5 (Ryzen 7 + RTX 4070) | サーマル設計が優秀で高効率 |
Dell | Alienware Aurora R15 | カスタム冷却で低騒音・省電力 |
【自作PCのおすすめ構成例】
パーツ | モデル例 | 価格目安 |
---|---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 7600 | 30,000円 |
GPU | NVIDIA RTX 4060 | 50,000円 |
PSU | Corsair RM750x (80PLUS Gold) | 15,000円 |
ケース | Fractal Design Meshify C | 12,000円 |
合計 | - | 107,000円 |
・CPU/GPUのTDPを比較(低消費電力モデルを選ぶ)
・80PLUS Gold以上の電源ユニットを搭載しているか確認
・冷却性能の評価(熱暴走すると電力消費が増える)
・必要以上の高性能パーツを避ける(4Kゲーム以外ならRTX 4070以上は不要)
以上のポイントを考慮しながらゲーミングPCを選ぶことで、快適なゲーム環境を維持しつつ、電気代を抑えることが可能です。自分の使用スタイルに合ったモデルを選び、長期的なコスト削減につなげてください。
まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
ゲーミングPCの電気代の目安とは? |
---|
ゲーミングPCの電気代の目安は以下の通りです。エントリーモデル(500W):約15.5円/時間。ミドルモデル(750W): 約23.25円/時間ハイエンドモデル(1000W):約31円/時間。 |
ゲーミングPCの電気代が高い理由とは? |
ゲーミングPCは一般的なデスクトップPCの約5~6倍の電力を消費します。これはゲーミングPCが高性能なCPUやGPUを搭載しているためです。特にGPUの消費電力が圧倒的に高く、総消費電力の50%以上を占める場合もあります。 |
ゲーミングPCの電気代の節約方法とは? |
ゲーミングPCの電気代を節約するためには、以下の方法を組み合わせること重要です。①省電力設定を活用②不要なアプリは終了③適切な電源管理④電源ユニットの最適化⑤モニターの輝度調節⑥ファン回転数を制御し発熱防止⑦イヤホン、ヘッドホンから音声出力⑧ケースファン、マザーボードのLED調節。 |