「天日干しする時間がない」「雨の日でも気にせず洗濯したい」そんな時に便利な洗濯乾燥機。 しかし、その一方で「毎月の電気代が高くなるのではないか」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

洗濯乾燥機の電気代は、実は機種の乾燥方式や日々の使い方によって大きく変わります。この記事では、以下の点を分かりやすく解説します。

  • 洗濯乾燥機の具体的な電気代の目安
  • 電気代を左右する「ヒートポンプ式」と「ヒーター式」の違い
  • 今日からすぐに実践できる電気代の節約術
  • 購入や買い替えで後悔しないための賢い選び方

この記事を最後まで読めば、ご自身のライフスタイルに合った洗濯乾燥機の使い方や、長期的に見てお得な機種の選び方がわかります。

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洗濯乾燥機の電気代、1回・1ヶ月あたりはいくら?

洗濯乾燥機の電気代について、漠然とした金額のイメージだけでは最適な選択はできません。本章では、具体的な最新モデルのデータを基に、「洗濯から乾燥まで」の運転1回あたりにかかる電気代を分析し、その目安を明らかにします。

「洗濯から乾燥まで」1回あたりのコスト分析

洗濯乾燥機の電気代を算出する際の基本式は「消費電力量(kWh) × 電気料金単価(円/kWh)」です。本記事では、公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会が定める目安単価である「31円/kWh」を基準に計算します。

洗濯工程のみの電気代は、どの機種でも1回あたり約2円から3円程度と非常に小さく、コスト差はほとんどありません。したがって、電気代の差を決定づけるのは「乾燥」工程です。ここでは、最も一般的な使用ケースである「洗濯から乾燥まで」の一貫運転にかかるコストを、乾燥方式と運転モード別に見ていきましょう。

ヒートポンプ式ドラム洗濯乾燥機:
パナソニックの「NA-LX127D」を例にとると、標準の乾燥モードでは消費電力量が890Whで、電気代は約27.6円です。一方、より時間をかけて優しく乾かす「省エネ乾燥モード」では620Whまで抑えられ、電気代は約19.2円となります。
東芝の「TW-127XP4」では、標準モードが約1330Whで約41.2円、省エネモードが約720Whで約22.3円と、モード選択によってコストが大きく変動することがわかります。

ヒーター式洗濯乾燥機:
ヒーター式は消費電力が格段に大きくなります。例えば、東芝の縦型モデル「AW-10VP4」は、洗濯から乾燥までで2450Whを消費し、電気代は約76.0円にも達します。
同じヒーター式でも、パナソニックのドラム型モデル「NA-SD10HAL-W」では1980Wh、約61.4円となり、形状による差も見られます。

これらの具体的な数値は、単に「ヒートポンプ式は安い」「ヒーター式は高い」という大雑把な理解から一歩踏み込み、ユーザーが日々どのボタンを押すかによって、1回あたり10円以上の差が生まれるという事実を示しています。この差を明確にするため、以下の表に主要モデルのコストをまとめました。

メーカーモデル名乾燥方式運転モード消費電力量 (Wh)1回あたり電気代 (円)
パナソニックNA-LX127Dヒートポンプ式標準890約27.6
パナソニックNA-LX127Dヒートポンプ式省エネ620約19.2
日立BD-STX130KLヒートポンプ式標準1,150約35.7
日立BD-STX130KLヒートポンプ式省エネ680約21.1
東芝TW-127XP4ヒートポンプ式標準1,330約41.2
東芝TW-127XP4ヒートポンプ式省エネ720約22.3
東芝AW-10VP4ヒーター式(縦型)標準2,450約76.0

モデルケース別・月間および年間電気代シミュレーション

1回あたりの差は数十円でも、積み重なると年間で大きな金額差となります。ここでは、具体的なライフスタイルを想定したシミュレーションを行います。

モデルケース① 4人家族のデイリーユーザー(毎日1回、月30回利用)

  • ヒートポンプ式(省エネモード)を選択した場合:
    1回あたり約21円と仮定
    月間電気代: 約21円 × 30日 = 約630円
    年間電気代: 約630円 × 12ヶ月 = 約7,560円
  • ヒーター式(縦型)を選択した場合:
    1回あたり約70円と仮定
    月間電気代: 約70円 × 30日 = 約2,100円
    年間電気代: 約2,100円 × 12ヶ月 = 約25,200円

このケースでは、乾燥方式の選択だけで年間約17,640円もの差額が発生する可能性があります。

モデルケース② 単身・共働き世帯の週末・雨天時ユーザー(週2回、月8回利用)

  • ヒートポンプ式(省エネモード)を選択した場合:
    月間電気代: 約21円 × 8日 = 約168円
  • ヒーター式(縦型)を選択した場合:
    月間電気代: 約70円 × 8日 = 約560円

利用頻度が低くても、月々約400円、年間で約4,800円の差が生まれます。

このシミュレーションから明らかになるのは、洗濯乾燥機の電気代は、機種の技術(モデル)だけでなく、ユーザーの日々の使い方(モード)に大きく依存するということです。特にヒートポンプ式において、省エネモードは標準モードに比べて乾燥時間が長くなる傾向があります。

例えば、日立の「BD-STX130KL」では、標準コースの乾燥時間が約93分であるのに対し、省エネコースでは約200分と倍以上の時間を要します 。これは消費者が「時間」と「お金」のどちらを優先するか選択できることを意味しており、このトレードオフを理解することが賢い運用の第一歩となります。

電気代を左右する「乾燥方式」を深掘り解説

洗濯乾燥機の電気代を決定づける要因の一つは「乾燥方式」です。この技術的な違いを理解することは、自身のライフスタイルや価値観に合った最適な一台を選ぶための指標となります。本章では、主要な乾燥方式の仕組み、それぞれの長所と短所について詳しく解説します。

ヒートポンプ式:省エネの仕組みと特性

現在、省エネ性能で他をリードするのが「ヒートポンプ式」です。この方式は、エアコンや除湿機にも利用されているヒートポンプ技術を応用しています。

仕組み:

  • ヒートポンプユニットが、機内の空気から熱を効率的に集め、冷媒を使ってさらに高温の乾いた温風を作り出します。
  • この温風(約60℃〜65℃)をドラム内に送り込み、衣類の水分を奪います。
  • 水分を含んで湿った空気は、再びヒートポンプユニットに戻され、今度は冷却されることで水分が結露し、排水されます。
  • 除湿されて乾いた空気は、再び加熱されてドラム内に送られます。このサイクルを繰り返すことで、衣類を乾燥させます。

長所(メリット):

  • 優れた省エネ性能: ヒーターで直接熱を発生させるのではなく、空気中の熱を再利用するため、消費電力を大幅に削減できます。
  • 衣類への優しさ: 約60℃台の低温で乾燥させるため、熱による衣類の縮みや傷みを最小限に抑えます。
  • 節水効果: 乾燥工程で冷却水を使用しないため、水道代の節約にも繋がります。
  • 快適な室内環境: 機外に熱気や湿気をほとんど放出しないため、設置場所の室温や湿度が上がりにくいです。

短所(デメリット):

  • 高額な本体価格: 高度で複雑な機構を持つため、ヒーター式に比べて本体価格が高価になる傾向があります。
  • 構造の複雑さ: 部品点数が多く、構造が複雑であるため、ヒーター式に比べて故障のリスクが相対的に高いと指摘されることもあります。

ヒーター式:初期費用を抑える選択肢とその種類

「ヒーター式」は、ドライヤーのように電熱ヒーターで高温の風(約80℃以上)を作り出し、衣類を乾かすシンプルな方式です 。本体価格が比較的安価なため、初期費用を抑えたい場合の選択肢となります。このヒーター式は、乾燥時に発生する湿った空気をどう処理するかによって、主に2つのタイプに分類されます。

水冷除湿タイプ

  • 仕組み: ドラム内で衣類から奪った高温多湿の空気を、水道水を使って冷却し、水蒸気を水滴に変えて(結露させて)機外へ排水します。
  • 長所: 湿気を機外に放出しないため、部屋の湿度を上げることなく設置できます。
  • 短所: 乾燥のたびに冷却用の水道水を使用するため、電気代に加えて水道代もかかります。

排気タイプ

  • 仕組み: 高温多湿の空気を、フィルターを通してそのまま機外へ排出します。
  • 長所: 冷却水を使わないため、水冷除湿タイプに比べて水道代がかかりません。
  • 短所: 熱と湿気を直接室内に放出するため、設置場所の室温と湿度が大幅に上昇します。そのため、窓を開ける、換気扇を回すといった十分な換気対策が必須となります。

今日から始める、電気代を下げる9つの節約術

すでに洗濯乾燥機をお持ちの方でも、日々の使い方を少し見直すだけで、電気代は確実に削減できます。本章では、基本的ながら効果の大きい方法から、一歩進んだ応用テクニック、そして見落としがちな安全上の注意点まで、9つの具体的な節約術を紹介します。

【基本】効果最大化の3大原則

まずは最も効果が高く、すべてのユーザーが実践すべき3つの方法を紹介します。これらを習慣化することが、電気代節約への最短ルートです。

  • 乾燥・排水フィルターの毎回清掃: これが最も重要かつ効果的な節約術です。乾燥フィルターにホコリや糸くずが詰まると、温風の通り道が妨げられ、乾燥効率が著しく低下します。結果として、乾燥時間が不必要に長引き、余計な電力を消費することになります 。同様に、排水フィルターの詰まりも乾燥効率の低下に繋がるため、定期的な清掃が不可欠です。
  • 定格容量の8割で「まとめ洗い」: 少量の洗濯物を毎日何度も運転するよりも、洗濯機の容量の8割程度まで溜めてから一度に洗う「まとめ洗い」の方が、水と電気のトータルコストを削減できます 。ただし、容量以上に詰め込みすぎると、洗剤が均一に行き渡らず洗浄力が落ちるだけでなく、乾燥ムラやシワの原因にもなるため、「8割」を目安にすることが肝心です。
  • 脱水時間を少し長めに設定: 乾燥工程におけるエネルギー消費は、衣類に含まれる水分を熱で蒸発させるために使われます。したがって、乾燥運転の前に、できるだけ多くの水分を物理的に取り除いておくことが極めて有効です。洗濯機の脱水時間を通常より少し長めに設定することで、乾燥機が消費するエネルギーと時間を削減できます 。遠心力で水分を飛ばす方が、熱で蒸発させるよりもはるかにエネルギー効率が良いのです。

【応用】さらなる節約を目指す工夫

基本の3つをマスターしたら、次のステップとして、さらに効果を高める応用テクニックを取り入れてみましょう。

  • 自然乾燥との組み合わせ(ハイブリッド乾燥): 全ての衣類を完全に乾燥機で乾かすのではなく、天日干しや部屋干しと組み合わせる「ハイブリッド乾燥」は、電気代を大幅に削減する強力な手段です。例えば、ある程度自然乾燥させた後の仕上げとして短時間だけ乾燥機を使用したり、乾きにくい厚手の衣類やタオルのみを乾燥機にかけたりする方法が有効です。
  • 乾いたバスタオルを1枚投入: 洗濯済みの濡れた衣類と一緒に、乾いた清潔なバスタオルを1枚投入するテクニックです。乾いたタオルが乾燥剤のように機能し、他の衣類の水分を効率的に吸収するため、全体の乾燥時間を短縮する効果が期待できます。
  • 「省エネコース」の積極活用: 前章で示した通り、多くのヒートポンプ式洗濯乾燥機には「省エネ(エコ)」モードが搭載されています。このモードは、センサーが衣類の量や乾き具合を検知し、時間をかけて低温でじっくり乾かすことで、標準モードに比べて消費電力を30%〜40%も削減できる場合があります 。急いでいない時は、積極的にこのモードを活用しましょう。
  • 電力会社のプラン見直しとタイマー活用: ご家庭の電気料金プランが、夜間など特定の時間帯の単価が安くなる「時間帯別料金プラン」である場合、洗濯乾燥機のタイマー予約機能の活用が絶大な効果を発揮します。電気代が安い時間帯に合わせて乾燥運転が終了するように設定すれば、日中の運転に比べて電気代を大幅に節約することが可能です。

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【注意】見落としがちな要因と安全確認

節約術の中には、あまり知られていないものの効果的な方法や、安全に直結する重要な注意点もあります。

  • 重い衣類を先に入れる: 特に縦型洗濯機において、ジーンズやバスタオルなどの重い衣類を洗濯槽の底(一番下)に入れると、重心が安定し、回転効率が向上することがあります。これにより、モーターへの負荷が軽減され、結果的に消費電力の削減に繋がる可能性があります。
  • フィルター清掃は「安全」のために: フィルターの清掃は、単なる節約術にとどまりません。これは、火災を予防するための重要な安全対策です。製品評価技術基盤機構(NITE)などの公的機関は、実際に発生した製品事故について報告しています。
    その中には、洗濯乾燥機の乾燥フィルターや排気ダクト内に溜まった糸くずなどが、ヒーターの熱や静電気、あるいは電気部品のショートによって発火し、火災に至ったという事例が複数報告されています。

購入・買い替えで後悔しないための選び方

洗濯乾燥機は、10年以上にわたって使用することも珍しくない高価な買い物です。目先の価格だけで判断すると、長期的に見てかえって損をしてしまう場合もあります。本章では。後悔しないための戦略的な選び方について解説します。

トータルコストで比較する

賢明な購入判断のためには、「本体価格」だけでなく、長期間にわたる「ランニングコスト(電気代+水道代)」を合算したトータルコストで比較することが不可欠です。ヒーター式は本体価格が安いものの、日々の電気代が高く、ヒートポンプ式はその逆の特性を持ちます。

以下の表は、毎日1回洗濯〜乾燥を行うと仮定した場合の、10年間のコストシミュレーションです。この分析により、初期投資の差が将来どのように逆転するかが明確になります。

項目ヒートポンプ式ドラムヒーター式ドラムヒーター式縦型
代表モデル例Panasonic NA-LX127DPanasonic NA-SD10HAL-WToshiba AW-10VP4
本体初期価格250,000円180,000円150,000円
1回あたり電気代20円62円76円
年間電気代7,300円22,630円27,740円
3年間の総所有コスト271,900円247,890円233,220円
5年間の総所有コスト286,500円293,150円288,700円
10年間の総所有コスト323,000円406,300円427,400円

※電気代は省エネモード(ヒートポンプ式)や標準モード(ヒーター式)の実測値に基づき、毎日1回(年365回)利用を想定して算出。本体価格は市場価格の目安。水道代の差は大きな影響を与えないため簡略化。

このシミュレーションが示すように、最も安価な「ヒーター式縦型モデル」は、購入後5年目あたりまでは最も経済的です。しかし、5年半を過ぎたあたりで、初期費用が10万円も高かった「ヒートポンプ式ドラム」のトータルコストが逆転し、それ以降はヒートポンプ式の方がお得になります。10年というスパンで見れば、その差は10万円以上にも拡大します。

2025年注目モデル・スペック徹底比較

ここでは、主要メーカーが市場に投入している2025年時点のフラッグシップモデルを横断的に比較し、購入を検討している方々へ具体的な選択肢を提示します。各モデルのスペックを一覧化することで、簡易的かつ客観的な比較を可能にします。

メーカーモデル名市場想定価格乾燥方式洗濯/乾燥容量洗濯〜乾燥 消費電力量(Wh)洗濯〜乾燥 標準使用水量(L)主な特徴
PanasonicNA-LX129D約32万円ヒートポンプ12kg / 6kg890 (標準) 620 (省エネ)55LnanoeX、洗剤・柔軟剤・おしゃれ着洗剤のトリプル自動投入、スマホ連携
日立BD-STX130KL約30万円ヒートポンプ13kg / 7kg1,150 (標準) 680 (省エネ)65Lらくはや風アイロン、液体洗剤・柔軟剤自動投入、大容量13kg洗濯
東芝TW-127XP4約23万円ヒートポンプ12kg / 7kg1,330 (標準) 720 (省エネ)61L抗菌ウルトラファインバブル洗浄W、UV温風除菌、液体洗剤・柔軟剤自動投入
シャープES-X12C約24万円ヒートポンプ12kg / 6kg- (非公開)- (非公開)ハイブリッド乾燥NEXT、COCORO WASHサービス、乾燥フィルター自動掃除

※価格は2025年時点での一般的な家電量販店価格の目安。スペックは各社公式発表に基づく。シャープは一部スペックを非公開。

この表から、各社が「液体洗剤・柔軟剤の自動投入」や「スマートフォン連携」といった利便性向上機能を標準搭載しつつ、パナソニックは「衛生機能(nanoeX)」、日立は「仕上がり(風アイロン)」、東芝は「洗浄力(ファインバブル)」といった独自の強みで差別化を図っていることが読み取れます。

ライフスタイル別・最適モデル診断

最終的にどのモデルが最適かは、個々のライフスタイルに依存します。以下のポイントを参考に、ご自身のニーズに最も合致するタイプを見つけてください。

ヒートポンプ式が最適な方:

  • ほぼ毎日、乾燥機能まで利用するご家庭(特に小さなお子様がいるなど洗濯物が多い)。
  • 長期的なランニングコストを重視し、トータルコストを最小限に抑えたい方。
  • デリケートな衣類が多く、衣類の傷みや縮みを極力防ぎたい方。
  • マンションなど集合住宅にお住まいで、運転音や排気による室内の温湿度上昇を避けたい方。

ヒーター式も選択肢になる方:

  • 購入時の初期費用を最優先で抑えたい方。
  • 乾燥機能は雨の日や梅雨時期など、補助的にしか使用しない方(週1回未満など)。
  • 洗濯機の設置スペースが限られており、コンパクトなモデルを求めている方(特に縦型モデル)。
  • 排気タイプを検討する場合、十分な換気が可能な設置環境が確保できる方。

他の乾燥方法との徹底比較

洗濯乾燥機の導入を検討する際、他の衣類乾燥方法との比較も気になると思います。。コスト・時間・労力という3つの観点から評価することで、洗濯乾燥機が持つ独自の価値を明らかにします。

コスト・時間・労力の3点比較

単に「1回あたりのコスト」だけでなく、「乾燥にかかる時間」と「利用者が費やす労力」を含めて比較することが、生活全体を考慮した上での最適な選択に繋がります。

乾燥方法1回あたりコスト目安乾燥時間目安手間(労力)メリットデメリット
洗濯乾燥機 (ヒートポンプ)約20円~40円約2.5~3.5時間極小 (ボタンを押すだけ)圧倒的なタイムパフォーマンス、天候不問、衣類に優しい本体価格が非常に高い
洗濯乾燥機 (ヒーター)約60円~80円約3時間極小 (ボタンを押すだけ)天候不問、本体価格が比較的安い電気代が高い、衣類が傷みやすい
浴室換気乾燥機 (電気式)約30円~90円2~4時間 (冬場は長くなる傾向)中 (洗濯物を干す・取り込む手間)浴室のカビ防止にもなる、シワになりにくい乾燥に時間がかかる、電気代が変動しやすい
除湿機+サーキュレーター約15円~40円約1.5~5時間大 (干す、機器設置、取り込む手間)ランニングコストが最安、部屋干し臭を抑制干す手間と場所が必要、5時間以内に乾かす必要あり
コインランドリー約300円~500円約30~40分特大 (移動、待ち時間、持ち帰りの手間)大物(布団・毛布)も乾燥可能、パワフルで速い1回あたりのコストが非常に高い、時間的拘束が大きい

この比較から、いくつかの重要な点が見えてきます。コスト面で最も優れているのは「除湿機+サーキュレーター」の組み合わせです。しかし、この方法は「洗濯物を干す」「除湿機とサーキュレーターを適切な位置に設置する」「乾いたら取り込む」という一連の手間を要します。

さらに、生乾き臭の原因となるモラクセラ菌の増殖を防ぐためには、洗濯後5時間以内に乾燥を完了させることが推奨されており 、時間的な制約も伴います。 一方、コインランドリーは乾燥時間が短いものの、往復の移動時間や待ち時間を含めると、利用者の時間的・身体的負担は最も大きくなります。

洗濯乾燥機の価値:タイムパフォーマンス

ここで注目すべきは、「タイムパフォーマンス」という価値基準です。洗濯乾燥機の最大の利点は、洗濯から乾燥までを「ボタン一つで」「完全に自動で」完結させる能力にあります。利用者は、洗濯物を投入してボタンを押せば、あとは乾いた服を取り出すだけです。その間、他の家事をしたり、仕事をしたり、あるいは休息を取ったりと、時間を自由に使うことができます。

洗濯乾燥機の導入にかかるコストは、この「家事労働からの解放」と「自由な時間の創出」に対する対価と捉えることができます。特にヒートポンプ式洗濯乾燥機は、ランニングコストを抑えつつ、このタイムパフォーマンスを最大化できる選択肢と言えるでしょう。日々の生活において「いかに時間を有効活用できるか」という視点が、乾燥方法を選択する上で重要な判断基準となります。

まとめ

今回は、洗濯乾燥機の電気代について、具体的な金額から節約術、賢い選び方までを解説しました。 最後に、重要なポイントを振り返ります。

  • 乾燥方式によるコスト差: 電気代は省エネ性能に優れた「ヒートポンプ式」と、旧来の「ヒーター式」とで異なります。この差は日々の利用で積み重なり、年間で数万円単位の差額となる可能性があります。
  • 節約術と安全対策: 最も効果的な節約術は「乾燥フィルターの清掃」です。これは乾燥効率を維持し無駄な電力を削減するだけでなく、ホコリの蓄積による火災リスクを低減するための重要な安全対策でもあります。これに加えて、詰め込みすぎない「まとめ洗い」の実践が基本となります。
  • 総コストが選択の鍵: 購入時の本体価格だけで判断してはいけません。乾燥機能を頻繁に利用する場合、高価なヒートポンプ式モデルでも、5〜6年で安価なヒーター式モデルとの総コストが逆転し、長期的には経済的に有利になる傾向があります。
  • 日々の運用と電力プランの見直し: 「省エネモード」の積極的な活用や、夜間電力プランとタイマー機能を組み合わせることで、ランニングコストはさらに削減可能です。日々の使い方を見直すとともに、ご家庭の生活スタイルに最適な電力料金プランを選択することも、家計全体の電気代削減に繋がります。

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※エネピのユーザー様の削減実績データから算出した金額です
※3~4人暮らしの場合の金額です

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エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。