床暖房は冬にあると助かりますよね。特に3世代同居をされている家庭や、高齢者施設などでも利用されていて、欠かせない設備となりつつあります。床暖房の電気代も注目すべきポイントになります。
エアコンと床暖房、どちらの方がよりお得なのでしょうか?どれほどお得であるかについて、コストパフォーマンスの視点で以下のように考え、エアコンと床暖房を比較してみましょう。
コストパフォーマンス=リターン(成果)/インプット(投資)
床暖房とは?床暖房の温め方
床暖房とは、床を加温することで生じる熱伝導、対流および放射を利用した暖房方法です。熱は熱い部分から冷たい部分に移動する性質を持っています。温まった床から冷たい天井の方へ熱が移動します。また、温かい熱は軽く、冷たい熱は重いことから、部屋の中を熱が循環するようになります。さらに、暖められた床からは赤外線が出ています。その赤外線が天井や壁に反射して、部屋全体をジワジワと温めることができるのです(これを「ふく射熱」と言います)。
なお、床暖房は、電気ヒーター式と(ガス)温水式の二種類に分類されます。
電気ヒーター式は、発熱体に電気を通し放熱する方式です。熱源機が必要ないので比較的設備費が安く、一室のみの床暖房に適しています(ただし、ランニングコストは割高になります)。
一方、温水式は、電気・ガス・灯油などの燃料で温水をつくり放熱する方式です。熱源機によってコストや特徴が異なり、排ガスを出さないヒートポンプ式やガスエンジンで発電するものまで自由に選択ができます。
インプット(投資)…エアコンと床暖房の電気代の比較
エアコンと床暖房、それぞれどの程度の電気代が発生するのでしょうか?初期費用とランニングコスト(月々の光熱費)の2点で比べてみましょう。なお、エアコンも床暖房も、各製品の性能や使用する部屋の大きさによって、かかる電気代が大幅に変動します。そのため、今回は12畳1間(リビングタイプ)と仮定しました。あくまで一例として、ご覧くださいませ。
エアコン
エアコンの初期費用
ピンからキリまでありますが、おおよそ100,000~150,000円程が相場と言えそうです。もちろん、数万円の商品もあれば、200,000円を超える物もあります。
エアコンのランニングコスト
1日8時間使用した場合、エアコン単体で発生する電気代は、1ヶ月間で約5,000円です。
床暖房
床暖房の初期費用
電気(ヒーター)式床暖房の場合は、約60万程度が目安となります。内訳としては、床暖房工事、200V電線工事、リモコン設置工事の費用が必要となります。
一方、ガス温水式床暖房では、約80万円程度が目安となります。こちらは、床暖房工事、熱源機設置工事、リモコン設置工事、ふろ追焚配管工事などが発生します。
床暖房のランニングコスト
1日10時間使用した場合、電気(ヒーター)式床暖房では、約13,000円/月です。また、ガス温水式床暖房の場合は、約8,000円/月となります。
総じて、初期費用・ランニングコストともに、床暖房の方が、費用が高くなっていることが分かります。コストだけで見る限り、エアコンの方が、金銭的なメリットが大きいと言えそうです。
リターン(成果)…エアコンと床暖房の温暖効果の比較
リターンについて、「部屋が暖まるスピード」「部屋の温まり方」「部屋の空気への影響」の3点から考えてみましょう。
部屋が暖まるスピード
エアコンは、温風によりスピーディーに部屋を暖めることが出来ます。また、暖房は止めてしまうと、室温の低下が速いという特徴もあります。
一方で、床暖房の場合は、部屋全体が暖まるまでに、約1時間かかります。床からのふく射熱によって室温が上がるまでに時間を要するためです。床はすぐに暖かくなるので、最初はエアコンも併用されることをオススメします。
部屋の温まり方
エアコンは天井から温風を吹きつけますが、天井から吹きつける暖かい気体は天井付近に溜まりやすいため、足元が寒くなる傾向があります。そのため、設定温度を高くしてしまいがちですが、カラカラに乾いた温風のため、空気は乾燥しやすくなります。
床暖房では、暖められた床の熱が、壁や天井に伝わり、部屋全体を均一にジワジワと暖めます。「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」という、健康に良いと言われる状態を保ちやすくなるでしょう。
部屋の空気への影響
エアコンは、温風が吹きつけることにより、空気が乾燥し、肌がカサカサになりがちです。また、床や衣服などに付いているチリやホコリを舞い上げてしまうため、ハウスダストや花粉といったアレルギーにも注意が必要です。
一方、床暖房は、エアコンと違って室内の燃焼や空気の対流が発生しないため、部屋の湿度が変わらず、乾燥しません。また、チリやホコリが部屋を舞うことはないので、空気はクリーンだと言えるでしょう。
エアコンと床暖房のコストパフォーマンスまとめ
以上、エアコンと床暖房のコストとリターンを比較してみました。コストパフォーマンスという意味では、床暖房は、初期費用およびランニングコストはかかりがちですが、その分、快適な暮らしの実現という「リターン」は高そうです。
特に、エコキュート(ヒートポンプ)を熱源とした温水式の床暖房は、床暖房の中でランニングコストが最も安いと言われています。オール電化住宅を目指されている方にとっては、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。
ちなみにエコキュートとは、大気の熱を利用してお湯を沸かす、地球環境への負荷をおさえた自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機のことです。
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