最近、中部電力から発表された値上げのニュースが注目を集めています。この値上げは、私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか。本記事では値上げの背後にある理由や具体的な内容、そして私たちがどのように対応すべきかなど、中部電力の電気料金値上げに関する重要な情報を網羅的に解説します。家庭の電気代の増加を抑えたい方の参考になれば幸いです。

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  • 中部電力の電気料金は2024年12月請求分から値上がりする見通しです。これは政府の補助が2024年10月使用分で終了するためです。
  • 中部電力は2024年4月より料金プランの見直しを実施しました。具体的な値上げ・値下げ額は料金プランによって異なります。

中部電力の値上げの理由

中部電力の電気料金値上げには複数の要因が絡んでいます。以下に主な理由を説明します。

  • 燃料費の高騰
  • 地政学的要因
  • 政府補助金の廃止
  • 原子力発電所の稼働率低下

燃料費の高騰:
中部電力の値上げの大きな理由は燃料費の高騰です。2022年から2023年にかけて原油価格が急激に上昇しました。これにより火力発電所で使用する燃料コストが大幅に増加し、電気料金に直接影響を与えています。中部電力は燃料費調整額を通じて、この上昇分を電気料金に反映させています。

地政学的要因:
中東情勢の緊迫化が原油価格の高騰の背景にあると指摘されています。武力衝突は世界的なサプライチェーンを混乱させ、発電に必要な設備や部品の調達を困難にします。また衝突によって経済活動が停滞すると、需要が減少する一方で、供給サイドのコストは上昇し、電力会社の経営を圧迫します。

政府補助金の廃止:
政府は、燃料費の高騰による電力会社への影響を緩和するため、さまざまな支援策を実施しています。しかし、これらの制度は一時的なものであり、政府の財政状況やエネルギー政策の変化によって補助金が廃止される可能性があります。

例えば、2024年6月使用分(7月検針分)で政府の「激変緩和措置」が終了しました。この措置は燃料費調整額の増加を軽減するために実施されていましたが、その終了により電気料金が上昇しました。

原子力発電所の稼働率低下:
地震が頻発する日本では原子力発電所の運転が一時停止することが多く、特に福島第一原発事故以降は安全性を重視した運転停止や定期検査が増加しました。また新たな安全基準への適合のための工事や検査が必要となり、稼働率が低下しています。

日本の電力構成において原子力発電は約3割を占めており、これが稼働しないことによって、他の発電方法、特に火力発電への依存度が高まりました。火力発電は燃料費が高騰しているため発電コストが増加し、それが直接的に電気料金の上昇につながっています。

参考:日本経済新聞時事通信NTT東日本

中部電力の値上げの影響は?

中部電力の電気料金は、2024年12月請求分から値上がりする見通しです。これは、政府による電気料金の補助が2024年10月使用分で終了するためです。

政府の補助終了により、平均的な家庭では前月よりも約595円の値上がりが予想されています。これにより、電気料金は3か月連続で上昇することになります。

2024年12月以降、現時点では電気料金に対する新たな政府補助は発表されていません。そのため消費者は節電対策や省エネ設備の導入など、自主的な対策を検討する必要があります。なお、これらの具体的な方法については詳しく後述します。

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中部電力の料金プランの見直し

電気料金プランのイメージ

中部電力は2024年4月1日より電気料金単価の見直しを実施しました。具体的な値上げ・値下げ額は料金プランによって異なります。

主な家庭用プランの値上げ・値下げ額は以下のとおりです。

【ポイントプラン、おとくプラン、とくとくプラン】

基本料金:
10A +24.14円
15A +36.21円
20A +48.28円
30A +72.42円
40A +96.56円
50A +120.70円
60A、6kVA +144.84円

電力量料金:
使用量に関わらず1kWhあたり -0.13円

【スマートライフプラン】

基本料金:
最初の10kVAまで +241.40円
10kVAを超える場合は1kVAにつき +24.14円

電力量料金:
昼間時間 (デイタイム) 1kWhあたり -0.15円
軽負荷時間 (ホームタイム) 1kWhあたり -0.15円
夜間時間 (ナイトタイム) 1kWhあたり -0.11円

出典:2024年4月 低圧電気料金およびその他の供給条件の見直しについて

なお各プランの料金単価は、中部電力の公式サイトで公開されている最新情報をご確認ください。

月額電気代の増加について

2024年4月の電気料金の見直しによって、家庭の電気代がいくら増減するのかを確認してみます。以下は、平均的な3人家族(契約容量:40A、月間使用量:464kWh)の場合のシミュレーション結果です。

見直し前見直し後
2024年4月¥13,607¥13,643
2024年5月¥14,642¥14,678
2024年6月¥15,324¥15,360
2024年7月¥15,941¥15,977
2024年8月¥15,802¥15,838
2024年9月¥13,904¥13,940
2024年10月¥14,043¥14,079
2024年11月¥14,762¥14,799
2024年12月¥15,825¥15,861

※おとくプラン
電気料金シミュレーションより

このように、基本料金の値上げと電力量料金の値下げによって、結果として月間電気代が約36円上昇する見込みです。

中部地方の電気料金の推移

まずは、2022年から2024年における中部地方の電力市場(低圧)のデータを示します。このグラフから、2024年の電気料金が上昇傾向にあることが分かります。

中部地方の電気料金単価の推移

出典:新電力ネット

中部地方での電気料金は今後も変動し続けることが予想されます。特に燃料費が安定しない限り、燃料費調整額が市場価格に大きく影響されるため、電気代が高騰する恐れがあります。

それでは続いて、中国地方の電気代のデータを示します。都道府県別に、家庭の月間電気料金の平均をまとめています。

エリア夏季冬季
新潟県¥14,610¥18,055
富山県¥12,019¥18,554
石川県¥12,431¥17,550
福井県¥14,200¥18,373
山梨県¥9,794¥16,483
長野県¥10,401¥16,399
岐阜県¥13,429¥15,862
静岡県¥12,341¥14,779
愛知県¥11,700¥15,260

※エネピ調べ

ちなみに、電気代には「平均価格」と「適正価格」の2つの目安があります。適正価格とは、電力会社が赤字になることなく運営していける程度の価格、また消費者に不利益でない料金帯を示すものです。

電気代が高いと感じている方は、適正価格以上の金額を支払っている場合が多いです。適正価格はエリアによって異なります。ご自宅の適正価格が知りたい方は以下のページから確認してみてください。
全国の電気の平均利用額はココでチェック!

家庭でやるべき値上げ対策とは

電気料金の値上げが続く中、何かしらの対策を打っている人は多いと思います。ここでは、基本的な3つの対策を紹介します。

  • 省エネ、節電対策
  • 創電、蓄電システム導入
  • 電力会社、料金プラン見直し

では、それぞれの対策について詳しく説明します。

対策1:省エネ・節電対策

省エネ・節電の基本は、エネルギー効率の良い機器を選ぶことです。新しい家電は省エネ性能が高いものが多いので、買い替え時に注意してみてください。例えば、照明をLED照明に変えることで、電気代をぐっと節約できます。

また、待機電力の削減も大切です。使用していない機器はコンセントを抜くか、電源タップでまとめて切ることを習慣にしてください。必要のない部屋の照明を消すことも基本です。

電気代を安くしたい!節約のコツとは?
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対策2:創電・蓄電システム導入

家庭における一般的な創電システムは太陽光発電です。自宅に太陽光パネルを設置し、日中に発電します。家庭での使用を優先することで電力会社からの購入を減らすことができ、また余剰電力は売電も可能です。

さらに、蓄電池と太陽光発電を組み合わせることで、日中発電した電力を夜間に使用することができます。これにより、夜間電力料金が高い時間帯に備えることができます。

対策3:電力会社、料金プラン見直し

電力自由化により電力会社の競争が進む中、料金プランは多様化しています。複数の会社のプランを比較して、よりお得なプランに乗り換えることも検討してみてください。自分の使用パターンに合ったプランを選ぶことで、電気代を大幅に削減できる可能性があります。

エネピでは、お客様一人ひとりの家族構成やライフスタイルに適した電気料金プランの無料相談を実施しております。これまでにも毎月1万名のお客様に提案させていただいており、平均で年間21,071円※の電気代を削減しています。ぜひこの機会に相談してみてください。

※エネピのユーザー様の削減実績データから算出した金額です
※3~4人暮らしの場合の金額です

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まとめ

ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。

中部電力の値上げの理由とは
中部電力の値上げの理由は燃料費の高騰や地政学的要因、政府補助金の廃止、原子力発電所の稼働率低下などです。特に燃料費が安定しない限り、燃料費調整額が市場価格に大きく影響されるため、電気代が高騰する恐れがあります。
中部電力の値上げの影響とは
中部電力の電気料金は、2024年12月請求分から値上がりする見通しです。平均的な家庭では前月よりも約595円の値上がりが予想されています。これにより、電気料金は3か月連続で上昇することになります。
家庭の電気代を節約する方法とは
家庭の電気代を節約する方法は大きく分けて3つあります。一つは省エネ機器への買い替えなどによる節電対策。もう一つは太陽光発電などの創電・蓄電システムの導入。もう一つは自分に合った電力会社・料金プランへの切り替えです。

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今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。