戸建て住宅でプロパンガスを使用する場合に、家計の負担を減らしつつ、安全で快適な暮らしを実現するためのヒントをお届けします。料金の仕組みやガス会社の選び方、都市ガスとの比較など、プロパンガスユーザーに必要な情報が満載です。プロパンガスに関する疑問や悩みがある方はぜひ参考になさってください。
- プロパンガスは都市ガスやオール電化に比べて料金が高いが、供給エリアや災害時の復旧など利点も多い。
- プロパンガスの料金はガス会社によって異なるため、複数の料金プランを比較し慎重に選ぶ必要がある。
一戸建てのプロパンガス契約の仕組み
プロパンガスは国土のほぼ100%をカバーする広範な供給ネットワークを持つため、都市ガスが利用できない地域において広く利用されています。ただしコストや設置スペースの確保といった課題もあるため、これらを考慮しながら利用方法を検討することが重要です。
プロパンガス導入の初期費用
多くのプロパンガス会社では「無償貸与契約」という契約形態をとっています。この契約では、プロパンガスの配管工事やボンベ・メーターの設置工事を無償で提供する代わりに、消費者に長期間(通常10〜15年)の契約を義務付けるものです。
このため、プロパンガス導入の初期費用は実質的に毎月のガス料金に上乗せされる形で回収されることになります。つまり初期費用は無料ではなく、ガス料金に含まれます。長期契約となり違約金が発生するケースもあるため、契約内容をよく確認し、信頼できるガス会社を選ぶことが重要です。
料金の仕組みと請求書の見方
プロパンガスの料金は、主に基本料金と従量料金の2つで構成されます。基本料金はガスボンベ配送や保守管理の費用で、毎月一定額がかかります。従量料金は実際に使用したガスの量に応じてかかる料金です。
請求書にはこれらの料金に加えて使用量や従量単価などが記載されています。もし料金が高いと感じる場合には、基本料金や従量単価を見直し、他のガス会社との比較を行うことが重要です。
ガス会社の料金差と切り替え
プロパンガスは自由料金制であるため、どのガス会社から供給を受けるかで料金が変わります。そこで消費者は、料金やサービスを比較してガス会社を選ぶことが可能です。特に一戸建て住宅の所有者は、比較的容易にプロパンガス会社を切り替えることができます。
プロパンガス会社を切り替える手順は以下のとおりです。
①現在の契約内容の確認:
契約書を確認し、最低契約年数や違約金の有無を把握します。
②新しいガス会社の選定:
地域で供給を行っているガス会社を調査し、料金プランやサービス内容を比較します。
③切り替え手続き:
新しいガス会社に申し込みを行います。ガス会社によっては解約手続きを代行してくれます。
このように切り替え手続きは比較的簡単ですが、違約金や契約条件に注意が必要です。また、契約内容をよく確認し、適正価格のガス会社を選ぶことが重要です。
適正価格のガス会社に切り替えたことで、実際にガス代を削減できた事例をいくつか紹介します。
【ガス会社切り替え前】
基本料金:1,809円 従量単価:608円
↓ ↓ ↓
【ガス会社切り替え後】
基本料金:1,650円 従量単価:341円
月間で3,668円のガス代を削減できました。
【ガス会社切り替え前】
基本料金:1,949円 従量単価:728円
↓ ↓ ↓
【ガス会社切り替え後】
基本料金:1,850円 従量単価:400円
月間で3,835円のガス代を削減できました。
【ガス会社切り替え前】
基本料金:2,100円 従量単価:810円
↓ ↓ ↓
【ガス会社切り替え後】
基本料金:1,500円 従量単価:419円
月間で1,929円のガス代を削減できました。
このように、プロパンガスの基本料金や従量単価は会社ごとに差があり、切り替えによって削減できる可能性があります。
プロパンガス会社の選び方
ガス会社の選択は料金の削減だけでなく、サービスの向上や不当な値上げの回避に寄与します。ただしこれらのメリットを得るためには、いくつかのポイントをおさえ、慎重にガス会社を選ぶ必要があります。
①料金プランの比較:
現在の料金プランを確認した上で、複数のガス会社の料金プランを比較します。特に基本料金と従量単価を重視してください。
②適正価格の理解:
地域ごとに異なるプロパンガスの適正価格を事前に把握します。料金プランを比較する際の目安としてください。
③保安体制の確認:
ガス漏れなどの緊急時に迅速に対応してくれるか、設備の点検やメンテナンスを定期的に行っているかなどを確認します。
④口コミや評判のチェック:
他のユーザーの評価を確認することで実際のサービスの質を把握できます。特に料金の透明性や顧客対応について参考にしてください。
⑤極端に安い料金には注意:
契約時の安さに釣られて契約すると、後に不当な値上げが行われる可能性があります。料金改定の基準や通知方法についても確認しておくことが重要です。
これらのポイントを考慮することで、より好条件なプロパンガス会社を選択でき、長期的なコスト削減につながります。料金プランの比較については、enepi(エネピ)の「プロパンガス料金比較サービス」をぜひご利用ください。
中古物件は「無償貸与契約」に注意する
中古の一戸建てに入居し、プロパンガス会社を切り替える場合は、特に「無償貸与契約」に注意する必要があります。実は、物件の前所有者が結んだ無償貸与契約は新所有者が引き継ぐことになります。
もし引き継がない場合は、違約金が発生する可能性があります。また「貸付配管」で設備提供を受けていた場合、ガス配管が撤去されるかもしれません。つまり他人の無償貸与契約によって、自分のガス会社の選択が制限される恐れがあります。
ちなみに「貸付配管」とは、プロパンガス会社が所有する配管設備を顧客に貸し出している状態を指します。多くの場合、これは無償貸与契約の一部として提供されています。
中古物件を購入する際は、前所有者が無償貸与契約を結んでいないか、また契約を結んでいる場合は条件と残り期間を必ず確認してください。
プロパンガスと都市ガスの比較
都市ガスはプロパンガスに比べて一般的に料金が安いとされています。プロパンガスは運搬や設置にかかるコストが料金に反映されるため、相対的に高くなる傾向があります。
環境負荷の面では、都市ガスの方が優れています。都市ガスは主に天然ガスを原料としており、燃焼時の二酸化炭素排出量が少なく、地球温暖化への影響が低いです。
供給方法については、都市ガスは地下のガス導管を通じて供給されますが、導管の敷設が必要なため主に都市部での供給に限られます。一方プロパンガスは可搬性が高く、ボンベと簡単な装置があれば全国どこでも供給が可能です。
災害時の対応では、プロパンガスの方が優れています。プロパンガスは建物ごとに独立した供給システムを持っているため、地震や津波が発生しても供給が途切れにくく、また復旧も比較的速やかに行えます。
以上のように、プロパンガスと都市ガスにはそれぞれメリットとデメリットがあります。住んでいる地域やライフスタイルに応じて、どちらが適しているかを検討することが重要です。
都市ガス切り替えの手間と費用
プロパンガスから都市ガスへの切り替えを検討する際は、まず供給エリアの確認や現地調査などを都市ガス会社に依頼します。そして実際に切り替える場合は、配管工事やガス機器の交換が必要です。配管工事は総額で10万〜15万円程度かかりますが、複数の見積もりを取得し比較検討することが重要です。
プロパンガスとオール電化の比較
オール電化はプロパンガスより月々の光熱費が安くなる傾向があります。これは、オール電化住宅では夜間の電気料金が割安に設定されている専用プランを利用できることや、太陽光発電などの再生可能エネルギーを効果的に利用できることなどが理由です。
ただしオール電化は高額な設備投資が必要です。初期費用と月々の光熱費を合わせて考えると、必ずしもオール電化が有利とは言えません。
環境負荷はオール電化の方が低いと考えられます。プロパンガスは化石燃料を直接燃焼させるためCO2排出量が多くなります。一方オール電化は電力会社の発電方法に依存しますが、再生可能エネルギーの割合が増えれば環境負荷は低下します。
供給方法についてはオール電化は電力会社からの一括供給であり、電力の供給が届く地域ならどこでも利用可能です。一方プロパンガスは個別のボンベ供給ですが、対応エリアが広く離島などでも使用できます。
災害時の対応はプロパンガスの方が優れています。地震などでボンベが倒れる・破損するリスクはありますが、個別のボンベ供給のため迅速に代替することが可能です。一方オール電化は地震や台風による停電のリスクがあります。また電力会社の復旧作業に依存するため時間がかかる可能性があります。
以上のように、プロパンガスとオール電化にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、個々の状況や優先事項に合わせて選択することが重要です。
オール電化切り替えの手間と費用
オール電化の導入は長期的な光熱費の削減、生活の利便性・安全性の向上が期待できますが、相当な初期投資が必要です。例えばエコキュート(電気給湯器)とIHクッキングヒーターを設置する場合、総額で100万円以上の費用がかかる可能性があります。
ただし、既存の設備状況や住宅の構造によって費用は大きく変動します。いずれにせよ導入を検討する際は、複数の業者から詳細な見積もりを取り、長期的なコストシミュレーションを行うことをおすすめします。
最後に、自宅のプロパンガス料金が高いとお困りの方に朗報です。
プロパンガスは料金設定に縛りがない自由料金制のエネルギーなので、どのガス会社からプロパンガスの供給を受けるかで料金が大きく変わります。年間でガス代が数万円変わることも珍しくありません。
ぜひ一度、enepi(エネピ)の「プロパンガス料金比較サービス」を利用し、プロパンガス会社の切り替えを検討してみてください。
まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
プロパンガス会社の選び方とは |
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プロパンガス会社を選ぶ際は以下のポイントをおさえてください。①料金プランを比較する②適正価格を理解する③保安体制を確認する④口コミや評判をチェックする⑤極端に安い料金には注意する。 |
プロパンガスと都市ガスの違いとは |
一般にプロパンガスは都市ガスよりも料金が高いです。一方で都市ガスは供給インフラが都市部周辺に限定されるため使用できない地域がありますが、プロパンガスは日本全国で使用可能です。 |
プロパンガスとオール電化の違いとは |
一般にプロパンガスはオール電化よりも光熱費がかかります。ただしオール電化は電気給湯機などの高額な設備を導入する必要があります。そのため必ずしもオール電化がコスト的に有利とは言えません。 |