賃貸物件のガス会社は変更できないの?と疑問に思っている方へ。本記事では、賃貸物件でガス会社が決まっている理由や、それに伴う手続き、費用面での注意点をわかりやすく解説します。

また、賃貸物件でガス代が高いと感じている場合、その理由と対策について解説します。これから賃貸物件への引越しを控えている方も、ぜひ参考になさってください。

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ガス料金を比較したい物件は?

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どちらでガスを使用しますか?

  • 賃貸物件のガス会社の変更は、都市ガスの場合は簡単ですが、プロパンガスの場合は設備交換の費用がかかるため難しいです。
  • 賃貸物件のガス会社を変更したい場合は、管理会社や大家さんと相談しながら進める必要があります。

賃貸物件のガス会社は決められている?

一般的に賃貸物件ではガス会社が決まっています。その主な理由を説明します。

プロパンガスの場合

プロパンガスは建物ごとに設置されたガスボンベを通じて供給されます。そのため、契約しているプロパンガス会社を変更するには既存の設備を撤去し、新しいプロパンガス会社の設備を設置する必要があります。これには費用と手間がかかるため、現状のプロパンガス会社のまま使用されることが多いです。

都市ガスの場合

都市ガスは公共のガス管を通じて供給されるため、複数のガス会社がこの共有インフラを利用できます。賃貸であっても分譲であっても、原則ガス会社の変更が可能です。

ただし、物件の所有者または管理会社がガス会社を指定している場合は、都市ガスでも変更ができないことがあります。また、他のガス会社がない地域や、ガスメーターが各戸についていない場合も変更不可です。

賃貸物件におけるガス会社の契約手続き

賃貸物件に入居する際の指定ガス会社との契約手続きについて、一般的な流れを説明します。

①不動産会社からの情報確認:
契約時に不動産会社から指定ガス会社の連絡先を受け取ります。

②ガス会社への連絡:
入居予定日の1週間から10日前までに、指定ガス会社に契約を申し込みます。以下情報の提供が必要なので、事前に準備してください。

・物件の住所と部屋番号
・入居者の名前
・連絡先(電話番号、メールアドレス)
・入居予定日およびガスの開栓希望日

③ガスの開栓手続き:
指定日時にガス会社の担当者が来訪し、ガスメーターの開栓・ガス漏れ点検・機器の安全確認を行います。なお、ガスの開栓には立ち会いが必須となります。

④契約書類の確認と提出:
ガス会社から契約書や利用規約が提供されるので、内容を確認します。また契約書に署名し、必要な書類(身分証明書のコピーなど)を提出します。

⑤支払い方法の設定:
ガス料金の支払い方法(口座振替・クレジットカード払い・コンビニ払いなど)を選択します。初回の請求書や支払い情報を確認し、適切に支払いを行ってください。

以上の手続きを踏むことで、指定のガス会社と契約し、安全にガスを使用する準備が整います。

なお、引越し時のガスの手続きはこちらの記事で解説しています。ガスの閉栓から開栓作業まで詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
【引越し準備】ガスの開始と停止、手続きと必要なものって何?

賃貸物件でガス会社を変更できるケースとは?

選択のイメージ

賃貸物件のガス会社の変更について、3つのケースに分けて整理します。

  • プロパンガス会社の変更
  • 都市ガス会社の変更
  • プロパンガスから都市ガス(またはその逆)の切り替え

各ケースごとに、ガス会社を変更する難易度を説明します。

プロパンガス会社の変更

プロパンガス会社の変更は、賃貸物件の借主単独では基本的に不可能です。これには以下のような理由があります。

  • ガスボンベや配管設備は特定のガス会社が所有していることが多い
  • 大家さんと特定のガス会社間に長期契約が存在することが多い
  • 特定のガス会社による一貫した管理が安全性確保に重要

ただし、ガス会社の変更が全く不可能というわけではありません。他の入居者と協力し、大家さんや管理会社と交渉することで、変更の許可を得られるかもしれません。

交渉のポイントは、大家さんや管理会社の負担を最小限に抑える工夫をすることです。例えば、手続き代行や費用の肩代わりをしてくれるガス会社を提案すると、交渉の成功率が高まります。

都市ガス会社の変更

都市ガスの場合、2017年4月からの「ガス自由化」により、一定の条件下でガス会社の変更が可能になりました。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 地域によっては選択肢が限られる場合がある
  • 大家さんや管理会社の同意が必要な場合がある
  • 建物の構造上、個別に変更できない場合がある

いずれにせよ、まず大家さんや管理会社に相談し、変更の可否や手続きについて確認することが大切です。

プロパンガスから都市ガス(またはその逆)の切り替え

プロパンガス・都市ガスの切り替えは、単なるガス会社の変更以上に困難です。理由は以下の通りです。

  • ガスの種類が異なるため、配管や機器の大規模な変更が必要
  • 建物全体での変更が必要となり、個人での対応は不可能
  • 多額の工事費用が発生する

このような変更は通常、大規模なリノベーションや建て替えの際に検討されるものです。賃貸住宅の借主の判断でこの種の変更を行うことは、ほぼ不可能と言えます。

いずれのケースにおいても、賃貸住宅でのガス会社の変更・切り替えは借主単独では難しく、大家さんや管理会社との協力が不可欠です。ガス会社に不満がある場合は、まず現在のガス会社のプラン変更を試みるのが現実的な対応策といえます。

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どちらでガスを使用しますか?

戸建と集合住宅の違いについて

戸建の場合、アパートなどの集合住宅よりもガス会社を変更できる可能性が高くなります。集合住宅では建物全体で一つのガス会社を使用することが多いためです。

ただし賃貸物件である以上、大家さんの許可が必要不可欠です。また以下のようなケースでは変更が難しくなります。

・大家さんがガス会社を指定している
・物件がプロパンガスを使用している
・地域に他のガス会社の選択肢がない

いずれにせよ、まず大家さんと相談し、変更の可能性を探ってみることをおすすめします。

賃貸物件でガス会社を切り替える方法

前述のとおり、アパートやマンションなどの賃貸物件でガス会社を切り替えるためには、その物件の所有者や管理会社の承諾を得る必要があります。

そこで、ただ「ガス会社を切り替えたい」と申し出るだけではなく、相手を納得させるための準備と交渉を行うことが大切です。以下に、具体的な手順を紹介します。

ガス会社切り替えの交渉手順

①ガス種類の確認:
現在使用しているガスの種類を確認します。物件周辺にガスボンベがあればプロパンガス、なければ都市ガスです。

②物件種別の確認:
契約している物件が民間住宅か公営住宅かを確認します。民間住宅の場合は大家さんや管理会社、公営住宅の場合は地域の自治体と交渉します。

③切り替えの申請:
ガス会社の切り替えを申請します。大家さんや管理会社にどんなメリットがあるのか伝えてください。

④大家さんとガス会社との交渉:
より条件の良いガス会社を選定します。ただ、最終的には大家さんとガス会社との交渉になることが多いです。

⑤ ガス設備の交換工事:
新しいガス会社と設備の交換や工事の日程を調整します。場合によっては立ち会いが必要です。

このように、賃貸住宅でガス会社を切り替える際は、契約確認から設備工事まで段階的に手続きを進めることが重要です。それぞれのステップで関係者と十分に連絡を取り合い、慎重かつスムーズな切り替えを行ってください。

ガス会社を切り替えるメリット・デメリット

ガス会社を切り替えることにはメリットとデメリットの両方があります。それらを把握した上で、本当にガス会社を切り替えるかどうか、最終的な判断をしてみてください。

ガス会社を切り替えるメリット

コストの削減:
複数のガス会社の料金プランを比較し、安い会社に切り替えることで、月々のガス代を削減できます。

サービスの向上:
新しいガス会社が提供するオンラインサービスやメンテナンスなど、より充実したアフターフォローを受けられます。

他サービスとの連携:
電気やインターネットとのセット割引など、他サービスとの組み合わせでさらなる節約が可能です。

ガス会社を切り替えるデメリット

手続きの煩雑さ:
ガス会社の変更には、大家さんや管理会社の許可が必要な場合があり、手続きが煩雑になる可能性があります。

一時的な供給停止:
工事期間中はガスが使用できなくなります。配管や機器の大規模な変更が必要となる場合は注意が必要です。

初期費用の発生:
配管工事やメーターの交換などの初期費用が発生する場合があります。また、現在のガス会社との契約内容によっては、途中解約に伴う違約金が発生することもあります。

ガス会社の切り替えを検討する際は、これらのメリットとデメリットを総合的に考慮し、長期的な視点で判断することが大切です。また、大家さんや管理会社との良好な関係を維持するためにも、事前の相談と承諾を得ることを忘れないでください。

賃貸物件のプロパンガスはなぜ高い?

ガス代が高いイメージ

一般的にプロパンガスは都市ガスに比べて料金が高くなる傾向があります。これは、プロパンガスがガスボンベをトラックで配送するため、配送コストがかかるためです。対して、都市ガスは地下のパイプを通じて供給されるため、輸送コストが発生しません。

ただし賃貸住宅においては、このほかの理由によってプロパンガスの料金が割高になっている場合があります。

一つは、大家さんが相場より高いガス会社と契約しているためです。他社より料金が高いにもかかわらず、長年の付き合いを重視して契約を続けることがあります。

もう一つは、過度な設備料金が上乗せされているためです。プロパンガス業界では、ガス機器以外の設備提供や無償での配管工事など、過大なサービスを賃貸住宅へ提供することで、その後不当に高い料金を入居者に請求するケースが報告されています。

そこで、このような設備料金の上乗せは「ガス会社の過大な営業行為」として規制されることになりました。したがって今後は、プロパンガスの供給に関する透明性が向上し、不適切な営業行為が減少することが期待できます。

参照:LPガスの契約を透明化!私たちにも影響する、法制度改正の中身とは?

プロパンガス代の平均はいくら?

ここでは住宅種別ごとにプロパンガス代の平均額を紹介します。賃貸物件でプロパンガスを使用する際は、ガス代の目安として参考にしてみてください。

地域戸建て集合住宅
北海道¥9,967¥12,715
宮城県¥10,077¥10,431
東京都¥9,228¥7,160
愛知県¥9,743¥8,536
大阪府¥9,385¥7,344
広島県¥9,206¥8,552
福岡県¥8,615¥8,438

このように、戸建てと集合住宅(アパート・マンション)ではガス代が異なりますが、どちらが高いかは地域によって変わります。詳しく知りたい方は以下のページをぜひご覧ください。
全国のプロパンガス(LPガス)の平均利用額はココでチェック!

賃貸物件で使えるガス代節約術!

賃貸物件でガス代を安くする方法をいくつか紹介します。ただし賃貸物件では選択肢が限られる場合もあるため、実行可能性とあわせて検討してください。

ガス会社との交渉

現在のガス会社に連絡し、料金プランの見直しを依頼します。特に、周囲のガス料金と比較して高い場合は、その旨を伝えて交渉することが効果的です。近隣の他のガス会社から見積もりを取得し、それを元に現在のガス会社と交渉することで、料金を下げてもらえる可能性があります。

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使用量の見直しと節約

調理時に蓋を使う、短時間で調理する、給湯温度を適切に設定する、シャワーの使用時間を短くするなど、日常生活でのガス使用量を見直す工夫を行います。また、エネルギー効率の高い給湯器やガスコンロを導入することで、ガスの消費量を減らすことができます。

ガス代の節約方法34選!必ず知っておくべき『節約の極意』とは?
ガス代の節約方法34選!必ず知っておくべき『節約の極意』とは?

代替エネルギーの活用

ガスコンロの代わりに電気調理器(IHクッキングヒーター)を使用することで、ガスの使用量を減らすことができます。さらに、オール電化や太陽光発電システムの導入も有効です。ただし、これらは賃貸物件を選ぶ段階で検討する必要があります。

以上が、主なガス代の削減方法です。賃貸物件では設備の変更や契約内容の変更に制限がある場合が多いため、必ず大家さんや管理会社、ガス会社と相談しながら進めてください。

まとめ

ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。

賃貸物件でガス会社が決まっている理由とは?
賃貸物件でガス会社が決まっているのは、主にプロパンガスの場合です。プロパンガスはガス会社ごとに供給設備が異なります。そこで設備の交換費用を防ぐために、入居者は従来のガス会社との契約を求められます。
賃貸物件でガス会社を変更できるケースとは?
都市ガスの場合は共有インフラがあるため、原則ガス会社の変更が可能です。プロパンガスの場合は大家さんや管理会社と交渉し、許可を得ることができれば変更できますが、可能性は相当低いです。
賃貸物件でガス代を安くする方法とは?
賃貸物件でガス代を安くする方法は「ガス会社との交渉」「使用量の見直しと節約」「代替エネルギーの活用」などがあります。ただし賃貸物件では設備・契約の変更に制限がある場合が多いので、大家さんなどに相談しながら進めることが大切です。
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Step1

ガス料金を比較したい物件は?

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どちらでガスを使用しますか?

今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。