家庭へのエネルギー供給には、大きく分けてガスと電気の2つがあり、更に細かく分類するとプロパンガス・都市ガス・オール電化に分けることができます。
そして、これらはすべて費用や特徴が違います。
「新築を建てる予定だけど、どのエネルギーを利用するか迷ってる……」
「光熱費が高いから、もっとお得な方法がないか探したい……」
そんな方のために、総合的に見た時にどのエネルギーがオトクなのかをまとめました。
今回は供給エリアの多いプロパンガスとオール電化で比較しています。
これを機に、ぜひ一度お家のエネルギーについて改めて考えてみてください。
それでは、プロパンガスとオール電化のランニングコストを見ていきましょう!
プロパンガスの年間光熱費とメリット・デメリット
プロパンガスの年間光熱費
月平均 | 年間 | |
---|---|---|
ガス料金 ※1 | 9,596円 | 115,154円 |
電気料金 ※2 | 10,868円 | 130,416円 |
合計 | 20,464円 | 245,570円 |
出典:
※1 日本エネルギー経済研究所石油情報センターのデータを基にエネピが独自で算出(東京都)
※2 総務省/家計調査
上記は、二人以上の世帯におけるガス代と電気代をまとめたものです。
年間で245,570円、一月あたり平均で20,464円が光熱費として使われています。
これは年間3,371,220円の消費支出合計の7.3%に相当します。
プロパンガスの導入費用
ガスコンロと給湯器両方にプロパンガスを使用する場合、工事費用はお家の規模にもよりますが約15万円前後です。
ただしプロパンガスの場合、工事費用を利用開始前に一括で支払うことはあまりありません。最初にお金を払う必要がないところがほとんどです。
完全に導入費用が無料なわけではなく、多くは10年~15年の契約期間の縛りをおいた上で、月々のガス料金に上乗せして少しずつ払っていく契約になっています。
プロパンガスのメリット
①対応エリアが広く、どこでも使える
プロパンガスは、ガスボンベを運ぶことができる場所であれば、基本的にはどこでも使用することができます。実際に、都市部はもちろん離島などにも供給されています。
同じガスでも都市ガスの日本の国土内での供給エリアが約6%のみであることを加味すれば、プロパンガスの対応エリアの広さが分かるかと思います。
②導入に初期費用がかからない
先程もお伝えしたとおり、プロパンガスを導入するための工事は、多くの場合月々のガス代に上乗せして10年ほどかけて払っていくことになります。
初期費用が一切かからないわけではありませんが、イニシャルコストを抑えたい方にとっては大きな魅力の一つですよね。
③料理をする上で利点が大きい
プロパンガスはガスコンロの火を直接使って料理をするため、どの調理器具でも料理をすることができます。また、熱量が高いため、都市ガスやオール電化に比べて短時間での熱調理が可能です。
例えば、パラパラのチャーハンを作りたいときなどは、火力の強いプロパンガスが便利です。レストランなどでは、料理の質を追求するために都市ガスの供給エリアでもあえて火力の強いプロパンガスを使っているところも少なくありません。
④災害時の復旧が早い
日本は地震大国なので、エネルギーを見直すなら災害時の復旧スピードも重視したいですよね。2011年に発生した東日本大震災において、一番早く全面復旧したライフラインは、約40日で全面復旧したプロパンガスでした。
出典:
経済産業省「東日本大震災を踏まえた今後のLPガス安定供給の在り方に関する調査」(平成24年2月)
経済産業省「電力及びガスの小売全面自由化について」(平成29年3月)
プロパンガスのデメリット
反対に、プロパンガスを使うデメリットは下記のようになります。
①適正価格で使わないと料金がかなり高い
都市ガス・電気が公共料金扱いで金額設定に法律があるのに対して、プロパンガスは完全な自由料金です。
そのため、同じガス会社でも家庭ごとに料金プランが全く異なっていたり、あるいは提示されている価格が地域の相場価格の2倍だったり……ということも珍しくないのが現実です。
そのため、しっかりとお住まいの地域の適正価格を把握しておかないと、高すぎるガス料金を払い続けて損をしてしまうリスクがあります。
②使用するガス会社によっては不当な値上げが行われる可能性がある
①でもお伝えしたとおり、プロパンガスは自由料金なので、価格設定はもちろん値上げ・値下げも自由に行うことができます。
その仕組みを悪用し、中にはろくな告知もせずにどんどん値上げを繰り返して、一世帯あたりの売上単価を上げていくガス会社もいます。
このようにプロパンガスのデメリットは、いずれも料金に関連しています。
しかし料金の問題は、ある方法により解決できます。
それは、ガス会社の切り替えです。
ただ、ガス会社を切り替えるにあたり、次のような声がよく聞かれます。
「どのガス会社を選べばいいのかわからない」
「本当に無料で切り替えられるのか不安……」
「実際にいくら安くなるのか知る方法はないの?」
「切り替え先でも値上げをされたらどうしよう……」
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オール電化の年間光熱費とメリット・デメリット
オール電化の年間光熱費
月平均 | 年間 | |
---|---|---|
ガス料金 | ☓ | ☓ |
電気料金 | 14,049円 | 168,588円 |
合計 | 14,049円 | 168,588円 |
上記は、二人世帯におけるオール電化の光熱費をまとめたものです。
オール電化の場合ガス代は一切かからないので、光熱費の内訳は電気料金のみです。
年間で168,588円、一月あたり平均で14,049円が光熱費として使われています。
これは年間3,371,220円の消費支出合計の5%に相当します。
オール電化の導入費用
自宅をオール電化にする場合、IHクッキングヒーターとお湯を沸かすエコキュートなどの夜間蓄熱式の給湯機器を取り付けることが多いです。
この2つを新たに取り付ける場合、IHクッキングヒーターの設置に10万円から30万円、エコキュートの設置に50万~70万円ほどかかります。
工事業者にもよりますが、一般的にオール電化の導入費用としては60万円~100万円ほどの費用がかかると覚えておきましょう。
オール電化のメリット
①ガス代がかからない
オール電化に変えると、ガスを一切使う必要がなくなります。
ガスは都市ガス・プロパンガスに関わらず、原則「基本料金」がかかります。
これはガスを一度も使用しなくてもかかってしまう費用で、都市ガスは約700~800円、プロパンガスは1500円~2000円ほどです。
オール電化にしてガスの契約をやめれば、この費用をすべて浮かせることができます。
また、光熱費の内訳が電気代のみになるので家計の管理が楽になるという利点もあります。
②深夜電力を活用できる
オール電化には、通常の電力プランとは異なる「オール電化向けプラン」が提供されています。これは、深夜の電気料金を割引するというもの。
エコキュートなどの夜間蓄熱式機器を使用する場合、深夜の安い時間帯にお湯を沸かしたり蓄熱をしたりできるので、通常の電力プランよりも光熱費を削減することができます。
東京電力のオール電化向けプラン「スマートライフS」を例にすると、am1:00~am6:00は1kwhあたり約18円、am6:00~翌am1:00は1kwhあたり約26円で電気を使うことができるので、深夜電力のほうが1kwhにつき8円ほどオトクに電気を使えます。
③火災のリスクがない
オール電化の場合、料理はガスコンロ・暖房機器はエアコン・あるいは床暖房などになるため、生活する上で火を用いる機会がほとんどなくなりなります。
お年寄りのみのご家庭などでは、万が一の時のことを考えて火事が起きる心配がないオール電化に変えるのはとてもおすすめです。
④IHクッキングヒーターの手入れが楽ちん
IHクッキングヒーターはガスコンロと違ってフラットなデザインになっているため、料理をしたあとのお手入れが簡単になります。
ガスコンロのごとくを取り外してコンロをキレイにするのは想像以上に手間なので、ふきんで拭くだけで掃除の終わるIHは魅力的です。
⑤非常時に貯水した水を使える
オール電化で用いられるエコキュートなどの貯湯タンクのお湯は、非常時に生活用水などとして使用することができます。災害が発生して水道が使えなくなってしまった時に使える水があるのは心強いですよね。
オール電化のデメリット
①初期費用が高い
ローンなどを使用しない場合、オール電化の導入にかかる費用は基本的には工事前に支払う必要があります。
いざ「オール電化に変えたい!」と思っても、60万~100万円の導入費用を用意する必要があると考えると少しハードルが高くなりますよね。
②調理器具を選ぶ必要がある
IHクッキングヒーターは、アルミ・耐熱ガラス・土鍋などでできた調理器具は使えないほか、底の形が平らでないものも使用できません。
ガスコンロから変更する場合、以前から使っていたお鍋やフライパンがすべて使えない……ということもありえます。
また、調理中底面を浮かすことができないので、フライパンの中身をまぜるためにフライパン本体を揺らすことはできません。
③お湯を飲用水にできない
オール電化の貯湯タンクは夜間にあらかじめ沸かした水をタンク内に一度貯めて使用するので、衛生面の問題で飲用水としての使用はできません。
④一日に使える湯量に上限がある
オール電化のお湯はタンクに貯められているお湯なので一日に使える量に上限があります。上限を超えてしまうとお湯がでなくなってしまうので、お湯をたくさん使うご家庭には、上限のないガス給湯器のほうが良いかもしれません。
このようにオール電化のデメリットの半分は、設備費用に関連しています。
オール電化の設備は高額ですが、相場よりも安い販売施工会社に依頼することで、費用をぐっと抑えることができます。
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光熱費が安いのはオール電化
プロパンガスとオール電化のランニングコストを比較すると以下のとおりです。
月平均光熱費 | 年間光熱費 | |
---|---|---|
プロパンガス | 20,464円 | 245,570円 |
オール電化 | 14,049円 | 168,588円 |
差額 | 6,415円 | 76,982円 |
月々にかかる光熱費の安さという観点で見ると、6,415円の差をつけてオール電化の方が安く使用できることがわかります。
プロパンガスは熱量は高いですが、ガスボンベの配送費用がかかってしまうこと、業者間の価格競争がほかのサービスほど活発でないことから、都市ガス・オール電化よりも平均価格が高いのです。
導入費用が安い上に最初にお金を払わなくてよかったり、料理をする時に便利だったりと良い部分も多くありますが、単純な光熱費の比較だと他のエネルギーに軍配があがります。
ただしプロパンガスの料金は、ガス会社を切り替えることで大幅に削減できる可能性があります。
ちなみに下記は、enepiでガス会社を切り替えた場合の試算です。
ガス使用量/月 | ガス代/月 | ||
---|---|---|---|
切り替え前 | 切り替え後 | ||
2人世帯 | 12㎥ | 9,400円 | 5,800円 |
4人世帯 | 20㎥ | 12,500円 | 7,700円 |
6人世帯 | 30㎥ | 20,300円 | 11,600円 |
「ガス代が高い!」とお悩みの方は、いちどガス会社の切り替えを検討してみてください。
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プロパンガスの光熱費を安くする方法は?
「でも節約のためにオール電化にするのは初期費用が高くて大変……」と思われる方も多いと思います。
そんな方のために、プロパンガスのままで光熱費を大幅に節約できる方法をお伝えします!
都市ガスへの変更は基本的に難しい
先述の通り、都市ガスの配管は日本の国土の約6%しかカバーできていません。
これはなぜかと言うと、都市ガスの配管が地下に通っており、その配管の設置工事を行うために行政を巻き込んで工事を行う必要があり莫大な費用がかかること、そして、その費用の回収のために人口の多い都市部にしか作れないことが理由です。
現在お家でプロパンガスを使用している方の多くは、都市ガスの対応エリア外であることがほとんどかと思います。 また、仮に運良く都市ガスの対応エリア内であっても、プロパンガスと都市ガスは配管・給湯器・ガスコンロのすべての規格が異なるため、導入するための費用がかなり高くなります。
具体的には、下記の金額が初期費用として必要になります。
都市ガスの配管工事 | 10~15万円(配管と自宅との距離により変動) |
---|---|
ガスコンロ買い替え | 10~20万円 |
給湯器買い替え | 10~20万円 |
合計 | 30〜55万円 |
節約のための初期投資としてはかなり高めですよね。
でも諦める必要はありません!
お金をかけずにプロパンガス代を節約する方法もあるんです。
プロパンガス節約術①ガス会社へ直接値下げ交渉する
プロパンガスは自由料金なので、家庭によって料金プランに差があることも珍しくありません。
そこを逆手に取り、ガス会社に直接「ガス料金が高すぎるので安くしてほしい」と交渉してみるのも手段の一つとしてあります。
ただ、成功するかどうかは交渉力やガス会社によるところが大きく、また一度値下げされても後から少しずつ値上げをされてしまうケースも多々あるので注意しましょう。
なお、ガス会社に直接値下げを迫るのであれば、交渉材料としてガス代の相場を把握しておくべきです。
enepiのシミュレーターを使えば、お住まいの地域のガス代を今すぐチェックできます。
プロパンガス節約術②ガス会社を切り替える
プロパンガスの節約術で特におすすめなのが「ガス会社の切り替え」です。
プロパンガスは自由料金制なので、相場から大きく離れた料金を提示しているガス会社も少なくありません。
そのようなガス会社と値下げ交渉をしても、良い結果は期待できないでしょう。
したがって、「値下げ交渉」よりも「ガス会社の切り替え」の方が節約に結びつきやすいのです。
プロパンガスの切り替えは無料で行える上、早ければ一週間ほどで手続きが完了します。
まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
プロパンガスとオール電化との違いとは? |
---|
プロパンガスはオール電化と比べて、「対応エリアが広い」「初期費用がかからない」「災害時の復旧が早い」といったメリットがあります。しかし一方で、「料金が高い」「値上げされやすい」といったデメリットもあります。 |
プロパンガスの光熱費を安くする方法とは? |
プロパンガスの料金を節約したいなら「ガス会社の切り替え」がおすすめです。プロパンガスの切り替えは無料で行える上、早ければ一週間ほどで新しいガス会社への変更が完了します。 |
ガス会社の「失敗しない選び方」とは? |
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