本記事では、賃貸物件での電気契約のポイントをわかりやすく解説します。自分の状況に最適な電気契約を選ぶことで、より良い暮らしを実現してください。
- 賃貸物件の電気契約は自分で決めることができます。自分に合った料金プランを選択し、電気代を削減できる可能性があります。
- 賃貸物件の電気契約を変更する際は、管理会社や大家さんへ連絡し、必要な手続きや制限事項があるか確認するとよいです。
賃貸の電気契約の基礎知識
賃貸物件で暮らす方が、電気契約について知っておくべきことは、大きく分けて3つあります。
- 電気料金の仕組み
- 電力会社と契約プランの選択
- 電力会社を切り替えるメリット
では、それぞれのポイントについて詳しく説明します。
電気料金の仕組み
電気料金は主に「基本料金」と「従量料金」の2つで構成されています。基本料金は契約しているアンペア数によって決まり、従量料金は実際に使用した電力量に基づいて計算されます。
契約アンペア数とは、同時に使用できる電気の最大量を示します。一般的な契約アンペア数は10Aから60Aまであり、アンペア数が大きいほど基本料金が高くなりますが、多くの家電を同時に使用できます。
電力会社と契約プランの選択
2016年4月から始まった「電力自由化」により、消費者は自由に電力会社を選べるようになりました。これにより、多くの新しい電力会社が市場に参入し、様々な料金プランやサービスを提供しています。
ただし、賃貸物件によっては個別に電力会社を選択できない場合もあります。例えば、電気契約の名義が自分ではなく大家さんや管理会社になっている場合(高圧一括受電契約など)です。なお、電気契約の名義は検針票で確認することができます。
高圧一括受電契約とは
高圧一括受電とは、集合住宅全体で電力会社と1つの高圧電力契約を結び、各戸に電力を分配する方式のことです。各戸の電力使用量は個別に計測され、各戸が実際に使用した分の電気代を支払います。
高圧電力は低圧電力よりも単価が安いため、全体の電力コストを削減することができますが、各戸で電力会社を自由に選択できなくなります。
電力会社を切り替えるメリット
電力会社を切り替えることで、より安い料金プランを選択でき、電気代を削減できる可能性があります。また、使用量や生活スタイルに合わせたプランを選ぶことで、より効率的に電気を使えます。
賃貸物件に入居する際は、一般的に不動産会社や管理会社が指定した電力会社と契約しますが、これが必ずしも最適な料金プランでないこともあります。ぜひ一度、他の電力会社や料金プランを比較検討してみてください。
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※エネピのユーザー様の削減実績データから算出した金額です
※3~4人暮らしの場合の金額です
電力会社を切り替える方法
電力自由化以降、各電力会社はサービスの質を向上させるために切磋琢磨しています。そのため、積極的に電力会社を選択することで、よりお得に電力サービスを利用できます。
そこで、電力会社を切り替える方法を把握してください。全体の流れは以下のとおりです。
①現在の契約状況の確認
②新しい電力会社の選択
③賃貸物件の管理会社や大家さんへの確認
④新しい電力会社への申し込み
⑤切り替え日の調整
⑥現在の電力会社への解約連絡
⑦切り替えの完了(供給開始)
以下に各ステップの内容を説明します。
現在の契約状況の確認:
現在の電力会社と契約プラン、月々の使用量と料金を確認します。
新しい電力会社の選択:
複数の電力会社の料金プランを比較し、自分の使用パターンに合ったプランを探します。
賃貸物件の管理会社や大家さんへの確認:
電力会社の切り替えに必要な手続きや制限事項があるか確認します。
新しい電力会社への申し込み:
以下の情報を準備し、オンラインまたは電話で申し込み手続きを行います。
・現在の電力会社名
・お客様番号(検針票に記載)
・供給地点特定番号(検針票に記載)
・使用場所の住所
・契約者の氏名、連絡先
・支払い方法の情報(口座情報やクレジットカード情報など)
切り替え日の調整:
現在の電力会社との契約終了日、新しい電力会社との供給開始日を決定します。
現在の電力会社への解約連絡:
解約の意思を伝え、必要な手続きや最終請求について確認します。(新しい電力会社が解約手続きを代行してくれる場合があります)
切り替えの完了(供給開始):
切り替えの日が来ると、自動的に新しい電力会社に移行されます。切り替えに伴う停電や特別な作業は通常ありません。
このようなステップを順に進めることで、賃貸住宅でも問題なく電力会社を切り替えることができます。
電力会社の設備工事について
賃貸住宅で電力会社を切り替える際に、大規模な設備工事は必要ありません。これは電力自由化により、既存の送電網を利用して異なる電力会社からの電力供給が可能になったためです。
ただし、従来のアナログメーターが設置されている場合は、スマートメーター(遠隔で電力使用量を測定できるデジタルメーター)に交換する必要があります。スマートメーターの設置工事は電力会社の手配で行われ、費用も無料です。工事も簡単で、通常は立ち会いの必要もありません。
【1人暮らし】電気契約のポイント
1人暮らしの場合、契約アンペア数は「30A(アンペア)」が目安となります。冷蔵庫・テレビ・エアコンなどの基本的な電化製品を使用する程度であれば30Aで十分です。電化製品をあまり使用しない場合は20Aでも十分かもしれません。
また、契約プランは基本料金が低く設定されている「従量電灯プラン」がおすすめです。1人暮らしの場合は電気使用量が比較的少ないため、毎月固定でかかる基本料金を抑えることがポイントになります。
【4人家族】電気契約のポイント
4人家族の場合、契約アンペア数は「40〜50A(アンペア)」が目安となります。ただし住宅が広く、多くの電化製品を同時に使用する家庭では60A以上が必要になることもあります。
また、契約プランは電力量料金(従量料金の単価)が低く設定されている「従量電灯プラン」がおすすめです。4人家族の場合は電気の使用量が比較的多くなります。そのため使用量に比例する従量料金を抑えることが重要です。
電力会社を切り替える際の注意点
電力会社を切り替える際は、以下の点に注意が必要です。
- オール電化への対応
- アンペア数の変更手順
それぞれ詳しく説明します。
オール電化への対応
オール電化住宅は、調理や給湯、暖房などのすべてのエネルギーを電力で賄う住宅のことです。ガスを使わず、電気のみで生活するため、電気料金プランの選び方が非常に重要です。
オール電化向けのプランは、深夜電力が安く設定されていることが多いです。これはオール電化住宅が夜間に電気を多く使用するためです。例えば電気給湯機(エコキュート)や洗濯乾燥機などを夜間に使用する家庭が多いです。
アンペア数の変更手順
賃貸物件でアンペア数を変更する場合、管理会社や大家さんの許可が必要になるかもしれません。特に集合住宅では利用できる電気容量に制限がある場合があるため、事前に確認することが重要です。
また、電力会社の切り替えとアンペア数の変更を同時に行うことができない場合があります。そのため、まず現在の電力会社でアンペア変更を行い、その後に新しい電力会社に切り替えるのが安全です。
引越し時の電気契約の手続き
賃貸物件で電力会社を切り替える手続きは、基本的に現在の契約を維持しつつ、新しい電力会社に切り替えるための手続きです。一方、引越し時の手続きは、現住所での契約を解約し、新住所で新しい契約を結ぶための手続きです。
つまり、引越し時の電気契約はアンペア数の選定や新住所の通知など、通常の電気契約の切り替え手続きよりも準備が必要になります。ちなみに、引越しの1週間前には手続きを済ませるのが理想的です。それ以降になると引越し当日から電気を使用できない可能性があるので注意してください。
まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
賃貸の電気契約の仕組みとは |
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賃貸物件に入居する際は、一般的に不動産会社や管理会社が指定した電力会社と契約します。ただ、電力会社およびプランは変更可能です。使用量や生活スタイルに合わせたプランを選ぶことで、より効率的に電気を使えます。 |
賃貸で電力会社を切り替える方法とは |
賃貸物件で電力会社を切り替える手順は次のとおりです。①現在の契約状況の確認②新しい電力会社の選択③賃貸物件の管理会社や大家さんへの確認④新しい電力会社への申し込み⑤切り替え日の調整⑥現在の電力会社への解約連絡⑦切り替えの完了(供給開始)。 |
賃貸で電力会社を選ぶときのコツとは |
電力会社を選ぶときのコツは、自宅の使用量や使用パターンに適したプランを探すことです。例えば、1人暮らしの場合は基本料金が低いプラン、4人家族の場合は電力量料金(従量料金の単価)が低いプランがおすすめです。 |