今回は都市ガスに焦点を当て、その基本的な特徴からメリット・デメリットまでを説明します。また、プロパンガス(LPガス)との違いについても解説します。

都市ガスは暖房や調理に使用される身近なエネルギーですので、ぜひ理解を深めていきましょう。

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都市ガスとは?

都市ガスは都市部で暮らす人々に供給されるエネルギーであり、主に天然ガスを原料として製造されます。ガス会社から管路を通じて家庭やビルなどに供給され、ガスコンロや給湯器、暖房器具などの燃料として使用されます。

都市ガスは無臭ですが、安全のために微量の付臭剤が添加されており、ガス漏れを検知しやすくしています。また、石油・石炭よりも二酸化炭素排出量が少なく、環境に比較的やさしいエネルギーとされています。

都市ガスの原料・主成分

都市ガスの主な原料は天然ガス、主成分はメタンです。都市ガスは天然ガスをベースにして加工・調整を経て不純物が取り除かれ、均一で安定して利用できるエネルギーとなります。要するに、都市ガスは天然ガスをより使いやすくしたものと考えることができます。

都市ガスの供給方法・対応地域

都市ガスは地下の配管を通じて供給されます。製造所から高圧で送られた都市ガスは中圧に減圧され、大規模工場や施設に供給、さらに低圧ガスとして一般家庭や商業施設に届けられます。

都市ガスの供給エリアを確認するには、一般社団法人日本ガス協会のガス事業者検索ページを利用するとよいでしょう。自宅が都市ガスの供給エリアに含まれているか確認できます。

都市ガスとプロパンガスの違い

都市ガスとプロパンガスは、以下のような点で違いがあります。

  • 原料
  • 供給方法
  • 料金

都市ガスは天然ガスが原料ですが、プロパンガス(LPガス)は、プロパン・ブタンを主成分に持つ液化石油ガス(LPG)が原料です。

また、都市ガスは地下パイプラインから一斉に供給されますが、プロパンガスは各家庭に設置したボンベから供給される仕組みです。

また、都市ガスは「公共料金」ですが、プロパンガスは「自由料金」です。したがって都市ガスはプロパンガスよりも料金のばらつきが小さく、相場も安くなる傾向があります。

プロパンガスの料金を抑える方法

一般に、プロパンガスは都市ガスよりも1.7~1.8倍の料金がかかります。原因は、プロパンガスが自由料金であることを利用し不当に高い料金設定にしているガス会社がいるためです。

さらに、そのような悪徳ガス会社のせいでプロパンガスの料金相場はつりあがっています。そのため、プロパンガスユーザーの皆様はガス料金の「適正価格」が分かりにくい状況にあるのです。

そこで、『enepi(エネピ)』は「プロパンガス料金比較サービス」を提供しております。複数のプロパンガス会社の料金プランを比較することで、プロパンガスの適正価格を判断できるサービスです。

実際に、適正価格のガス会社に変更することで年間ガス代が数万円安くなることも珍しくありません。ぜひ一度「プロパンガス料金比較サービス」を利用し、ガス代の節約を検討してみてください。

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都市ガスのメリットとデメリット

続いて、都市ガスメリットとデメリットについて説明します。プロパンガスとの違いを踏まえてあると理解が深まりますよ。

都市ガスのメリット

メリット1:料金が安い

都市ガスはプロパンガス(LPガス)よりも料金が安い傾向があります。公共料金として設定されているため、急激な値上げがなく、安定した価格で利用できます。

メリット2:環境にやさしい

都市ガスは燃焼時に発生する二酸化炭素の排出量が石炭や石油より少ないため、安全性が高く、クリーンなエネルギーと言われています。

メリット3:スペースを取らない

都市ガスは地下に張り巡らされたガス導管を通じて供給されるため、ガス設備のための場所をあまり取りません。ガスボンベやタンクを設置する必要がないため、スペースを有効に活用できます。

都市ガスのデメリット

デメリット1:利用できる地域が限定される

都市ガスの供給は都市部や人口密集地域に限定されており、農村部や遠隔地域では利用できません。これは都市ガスの供給網を敷くのに高額な費用がかかるためです。つまり、その費用に見合う収益が見込める地域でしか整備されないのです。

デメリット2:災害復旧に時間がかかりやすい

都市ガスの供給網であるパイプラインは地域全体で繋がっているため、災害時には復旧に時間がかかることがあります。例えば地震によりパイプラインの損傷があった場合、複数の家庭に供給ができなくなり、また修理に多くの労力・時間が必要になります。

都市ガスの利用方法

都市ガスを利用するために、押さえておくべき「3つのポイント」を紹介します。

ガス会社との契約

都市ガスを利用するためには、まず地域のガス会社と契約を結ぶ必要があります。一般的に地域ごとに異なるガス会社が存在し、その地域での供給を担当しています。

通常、ガス会社はインターネットフォームや電話で申し込みを受け付けており、契約手続きには以下のような情報が必要です。①契約者氏名②引っ越し先の住所③建物の形態(一戸建て・マンション・アパートなど)④使用開始(開栓)希望日と訪問希望時間帯⑤日中連絡のとれる電話番号(携帯電話など)。

ガス機器の選択

給湯器やガスコンロなどのガス機器は事前に用意しておきましょう。ただし、都市ガスとプロパンガス(LPガス)のガス機器は互換性がありません。都市ガスに対応したガス機器を設置する必要があります。

なお、ガス機器にはガスの種類が書かれたステッカーが貼ってあり、都市ガスに対応したガス機器は「12A」「13A」「都市ガス用」などと表記されています。

引き込み工事

都市ガスを利用するためには、自宅までガス導管を通す「引き込み工事」が必要になることがあります。引き込み工事の費用は地域やガス会社によって異なります。また工事の予約は引っ越しの2週間~10日前までに行うことをおすすめします。

都市ガスの引き込み工事の費用はいくら?補助金は使えるの?
都市ガスの引き込み工事の費用はいくら?補助金は使えるの?

まとめ

ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。

都市ガスとは?
都市ガスは主に天然ガスを原料として製造されるエネルギーです。また、地下に張り巡らされたガス導管を通じて主に都市部で暮らす人々に供給されています。
都市ガスとプロパンガスの違いとは?
都市ガスとプロパンガスの違いは、原料・供給方法・料金などです。ちなみに料金については、都市ガスは公共料金ですがプロパンガスは自由料金です。
都市ガスのメリットとデメリットとは?
都市ガスのメリットは、料金が安いことや環境にやさしいことです。一方デメリットは、利用できる地域が限定されることや、災害復旧に時間がかかることです。
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今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。