お引越しやリフォームの折、「ガスコンロとIHクッキングヒーター、どちらを選ぶべきだろう?」と悩まれる方は多いのではないでしょうか。

もちろん、「早々にどちらにするか決まった!」という方もいらっしゃるでしょう。ただ、その場合は「それぞれのメリット、デメリットを理解した上で決めた」のかどうかを確認してほしいのです。

もし「よく理解せずに直感で決めた」のであれば、後悔してしまうかもしれません。

本記事では、IHクッキングヒーターとガスコンロをさまざまな観点から徹底比較し、両者の違いを分かりやすく解説していますので、ご参考にしていただければ幸いです。

IH・ガスの光熱費比較

「IHにすれば電気代が高くなる!」
「都市ガスの方が絶対お得だ!」
このように考えている方は多いかもしれません。

ただ、「高い」や「お得」の基準は人それぞれ違いますよね。

ここでは光熱費の観点から、明確な数字をもとにIHクッキングヒーターとガスコンロを比較していきます。ぜひご自身の基準と引き比べてみてください。

【光熱費比較】プロパンガス(LPガス)の場合

プロパンガス

まずは、IHクッキングヒーターと、プロパンガス(LPガス)を使用したガスコンロとを比較してみましょう。

それぞれの「1kWhあたり」の光熱費は以下の通りです。

調理器具 光熱費/kWh
IHクッキングヒーター ※1 25.80円
(午前6時〜翌午前1時)
17.78円
(午前1時〜午前6時)
ガスコンロ ※2 20.5円

出典:
※1 東京電力/スマートライフS
※2 一般社団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターのデータを基にエネピが独自で算出

【光熱費比較】都市ガスの場合

都市ガス

続いて、IHクッキングヒーターと、都市ガスを使用したガスコンロとを比較してみましょう。

それぞれの「1kWhあたり」の光熱費は以下の通りです。

調理器具 光熱費/kWh
IHクッキングヒーター ※1 25.80円
(午前6時〜翌午前1時)
17.78円
(午前1時〜午前6時)
ガスコンロ ※2 12.4円

出典:
※1 東京電力/スマートライフS
※2 東京ガス/一般料金/東京地区/20m3をこえ80m3まで/22年8月検針分


以上のように、光熱費の観点で比較すると一番低コストなのは「都市ガスを使用したガスコンロ」です。

そして次点は「IHクッキングヒーター」と「プロパンガスを使用したガスコンロ」のどちらかですが、これはIHクッキングヒーターを使用する時間帯によって変わります。

ただ、明け方や深夜に使用するご家庭は比較的少ないと思いますので、概ねIHクッキングヒーターの方が低コストと言えるでしょう。

プロパンガス代を節約する方法

ここまでで、プロパンガスは最も光熱費がかかることが分かりました。
では、そんな高いプロンパンガスを安くするにはどうすればよいのでしょうか。

じつはプロパンガスはガス会社によって料金プランが大きく変わります。そのため「ガス会社の切り替え」を行うことで、ガス代を大幅に節約できる可能性があります。

では一体どれくらいガス代が安くなるのか、以下の表で見てみましょう。

              
ガス使用量/月 ガス代/月
切り替え前 切り替え後
2人世帯 12㎥ 9,400円 5,800円
4人世帯 20㎥ 12,500円 7,700円

このように、ガス会社を切り替えるだけで毎月4,000~5,000円の節約が期待できます。

ちなみに上記は、enepiで「ガス会社の切り替え」を行った場合の試算です。
enepiとは、当社が運営するプロパンガス料金比較サービスです。

「ガス会社の切り替え」を検討してみたい。
そう思った方は、ぜひ下記ボタンよりenepiをお試しください!

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どちらでガスを使用しますか?

IHクッキングヒーターとは

IHクッキングヒーターとは

なかには「IHクッキングヒーターってなに?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

IHクッキングヒーターとは、内部に配置されたコイルに電気を流すことで発熱し、加熱を行う調理器具です。ちなみに、「IH」とは「Induction(誘導)」と「Heating(加熱)」の頭文字を取ったものです。

ガスコンロとの違いについては、まず以下の点を理解しておきましょう。

調理器具 加熱方法
IHクッキングヒーター 電気を使用し発熱する
ガスコンロ ガスを使用し燃焼する

もう少し詳しく説明すると、IHクッキングヒーターは天板上に適切な材質のフライパン等を配置すると、底板が発熱し、加熱を始めます。

つまり、加熱や調理という目的を知っていて発熱するのがIHクッキングヒーター。一方で加熱や調理という目的を知らずに燃焼するのがガスコンロ、という解釈が適しているでしょう。

ちなみに「IH調理器と電磁調理器の違いは?」というご質問をよく見かけますが、これらは同じものです。

IHクッキングヒーターの電気代

電気代

続いて、IHクッキングヒーターの電気代について解説していきます。

標準的なIHクッキングヒーターの電気代は、4人家族で1カ月あたり約1020円といわれています。

ただし、IHクッキングヒーターの電気代は契約している電気料金プランや調理をする時間帯、使用する調理器具、IHクッキングヒーターの性能など、さまざまな要因によって決まります。

したがって、IHクッキングヒーターの電気代を見積もるためには、ある程度条件を定めておく必要があるのです。以下でその一例を紹介したいと思います。

出典:日本電機工業会/電気をムダなく活かすIH_2018年10月改定版

カレーを作るときの電気代はどれくらい?

お家でカレーを作るとしたら、IHクッキングヒーターの電気代はいくらかかるのか、考えてみたいと思います。

契約している電気料金プランは、東京電力のオール電化向けプラン「スマートライフS」。さらに、使用時間は「30分」、IHクッキングヒーターの消費電力は「3kW」を想定します。

ちなみに、電気代は以下の式で求められます。

消費電力(kW) × 使用時間(h) × 従量単価 = 電気代

では、結果を見てみましょう。

時間帯 電気代
午前6時〜翌午前1時 38.70円
午前1時〜午前6時 26.67円

このように、オール電化向けの電気料金プランでは、時間帯によって電気代が変わるのが一般的です。また時間帯の区分や従量単価は電気料金プランによって異なります。

そのため、IHクッキングヒーターの電気代について、一概に「高い」もしくは「低い」と言えないのが実情なのです。

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IHクッキングヒーターのメリット

<IHのメリット2>手入れが楽

IHクッキングヒーターといえば、そのスタイリッシュな外観も魅力の一つです。
各種メーカーごとに種類も豊富で、商品選びの時はわくわくする方も多いでしょう。

ただ、IHクッキングヒーターには外観以外にも様々なメリットがありますので、ここで紹介したいと思います。

<IHのメリット1>安全性が高い

IHクッキングヒーターのメリットといえば、まずは何といっても安全性です。

火を使わないため、火災のリスクを抑えられます。衣類や食料品の包装紙などに火がついたり、立ち消えたりする心配もありません。

したがって、大きな火傷につながる危険性もガスコンロと比べて少ないと言えるでしょう。

<IHのメリット2>お手入れが簡単

毎日キッチンに立つ方にとっては、「お手入れ簡単」が最大の利点かもしれません。

ガスコンロにありがちな、時間のかかるやっかいな清掃が、IHクッキングヒーターではなくなります。フラットな形状なので、サッと拭くだけで清掃が完了します。

そのため、キッチンを清潔に保ちやすくなり、突然の来客者の目を気にする心配もなくなるでしょう。

なお、IHクッキングヒーターの場合、油によって生じるベタベタとした汚れが激減します。これは、IHクッキングヒーターでは水蒸気が発生しにくく、油と水蒸気が結合することが減るためです。

<IHのメリット3>空気が汚れない

IHクッキングヒーターは二酸化炭素を発生させないので、室内の空気をクリーンに保ちます。

これは、人体に有害な窒素酸化物が溜まらないので「安全性」にもつながります。

そして、キッチンの壁面に汚れが付きにくくなるため「お手入れ簡単」にもつながるのです。

ただし、IHクッキングヒーターでも換気扇は使用します。調理の際に発生する水蒸気や油煙などは排気が必要です。

ちなみに、「レンジフード」という換気扇があります。これは、上昇気流を補うために換気扇自体から風を出して吸い込みやすくしているのが特徴で、IHクッキングヒーターと相性が良いとされています。ただ、通常の換気扇を使用してもそれほどの違いはないという意見も多いようです。「お金を余分に掛けたくない」という方は、通常の換気扇でも問題ないと言えるでしょう。

なお、換気扇の汚れに関してもガスコンロと比べると少ないので、お掃除の手間も省けるでしょう。

<IHのメリット4>室内に熱がこもらない

IHクッキングヒーターは火を使わないので、キッチンの温度上昇が比較的小さいです。

夏場の調理時でも暑さを抑えてくれるでしょう。

例えるなら、ガスコンロは石油ストーブのじんわりとした暑さ、IHクッキングヒーターは電気ヒーターのさっぱりとした暑さ、という感覚に近いでしょう。

IHクッキングヒーターのデメリット

IH対応の調理器具

続いて、IHクッキングヒーターのデメリットを紹介します。ご購入をお考えの方は、メリットとデメリットを天秤にかけた上で、検討を進めてみてください。

ちなみに、デメリットに関しては回避可能な部分もありますので、その辺りも詳しく解説していきます。

<IHのデメリット1>調理器具に制限がある

IHクッキングヒーターでは全ての調理器具が使えるわけではありません。フライパンや鍋はIH対応のものを選ぶ必要がります。

例えば、使用できる鍋とは、鉄や鉄鋳物、鉄ホーロー、ステンレス製です。

一方、使用できない鍋とは、多層鍋(鍋底に磁石がつかないもの)や土鍋、銅やアルミなどの非磁性金属鍋、耐熱ガラス製、セラミック製です。

ただし、IHクッキングヒーターにはオールメタル対応と通常タイプがあり、前者ならほとんどの鍋が使用できます。

「ややこしいなあ」という方は、一般財団法人製品安全協会のSGマーク「IH」「CH・IH」の記載のある鍋を選べば間違いありません。

またIHクッキングヒーターに対応できる調理器具には、メーカーが「IH対応」と記載するのが通例です。そのため、記載がなければ使えない、と判断して間違いないでしょう。

<IHのデメリット2>微妙な火力調節が難しい

IHクッキングヒーターはボタン一つで火力の調節ができますが、これは微妙な火加減を行うには適していません。

目で火の強さを見ながら調節することに慣れていれば尚更、「とろ火」や「弱火」などをボタン操作のみで行うのは難しいかもしれません。

ただ、使用回数を重ねれば、だんだん感覚がつかめてくるでしょう。また、取扱説明書に「火加減の調節」についても記載があるので参考になるはずです。

ガスコンロのメリット

ガスコンロを使用したフライパンによる調理

家庭だけでなく飲食店でも使われているガスコンロ。
火力が強く、炒め物などが美味しく出来るイメージがありますよね。

では、実際はどんなメリットがあるのか見ていきましょう。

<ガスコンロのメリット1>均等な味付けがしやすい

ガスコンロは強火で炒ることができ、フライパンを振ってかき混ぜる料理などを美味しく調理することができます。

そのため、まんべんなく食材に味を行き渡らせ、均等に味付けをすることができます。

また、程よい焦げ付きができるのもガスコンロならでは。料理にこだわりたい方はガスコンロがおすすめです。

<ガスコンロのメリット2>頑丈で壊れにくい

ガスコンロには調理道具を置くために「ゴトク」と呼ばれる金属の器具が付いています。

そのため、多少乱暴にフライパンを振ったり、鍋を強く置いたりしても大丈夫です。

IHクッキングヒーターのように「天板が割れてしまうかも」という心配は無用です。

<ガスコンロのメリット3>調理器具を選ばない

IHクッキングヒーターと違い、ガスコンロはどんな調理器具でも使用できます。

これは都市ガスであってもプロパンガスであっても同様です。

したがって、引っ越した先がガスコンロであれば、調理器具を新たに購入する必要もありません。

<ガスコンロのメリット4>停電に強い

ガスと電気は当然ながら供給元が異なります。

そのため停電が起きてしまった場合でも、ガスコンロであれば普段通り調理をすることが可能です。

ガスコンロのデメリット

<ガスコンロのデメリット2>お手入れが面倒
続いて、ガスコンロのデメリットを紹介します。

<ガスコンロのデメリット1>火事やガス漏れの危険性がある

ガスコンロは火を使い、直接調理器具に当てているので、周りに燃えやすいものがあると火事を起こす可能性があります。

また、ガスを消したと思っても、不完全燃焼でガス漏れを起こしている場合があるので取り扱いには注意が必要です。

ただ、最近は「Siセンサー」という安全装置が搭載されているガスコンロがほとんどで、消し忘れがあったときも自動で消し止めてくれるので、昔よりは危険が少ないです。

<ガスコンロのデメリット2>お手入れが面倒

IHクッキングヒーターの場合は、汚れが付いてもフラットな天板をサッと拭き取れば済みますが、ガスコンロの場合はそう簡単にはいきません。

「ゴトク」やその周辺に調理中の汚れが付いた場合、焦げ付きが出たりするので、汚れを落とすには手間がかかります。

<ガスコンロデメリット3> 熱がこもりやすい

ガスコンロはいわば火を焚いている状態なので、コンロ周辺は熱がこもりやすくなります。

そのため、例えば、近くに調味料のプラスチック容器などを置いておくと変形してしまう恐れがあります。

また、換気扇を回してもどうしても熱はこもるので、特に夏場の調理は熱気との戦いになるでしょう。

これだけは知っておきたい!ガスコンロの光熱費を安くする方法

節約に成功した人

最後に、ガスコンロの光熱費を安くする方法を紹介したいと思います。

一般に言われている方法は「ガスの使用量を減らす」でしょう。

しかし、ガスは毎日使うものですし、生活に必要不可欠なので、なかなか節約を続けることは難しいですよね。

そこでおすすめしたい方法が「ガス会社を切り替える」です。

前述のとおり、プロパンガスはガス会社によって料金が変わります。質も量も同じガスが異なる料金で供給されているのです。

そのため、より安いガス会社に切り替えることで、ガスの使用量を減らさずにガス代を節約できるのです!

まずは、お住まいの地域にあるプロパンガス会社の料金を知り、ご自宅のプロパンガス料金が高いかどうか確認してみましょう。

ちなみにenepiなら、WEB上で複数のプロパンガス会社の料金プランを一括比較できますので、是非一度試してみてください。

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まとめ

ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。

IHクッキングヒーターとガスコンロはどちらが安い?
光熱費で比較すると「都市ガスを使用したガスコンロ」が最もで安いです。光熱費を重視するのであれば、都市ガスがある地域ではガスコンロ、都市ガスがない地域ではIHクッキングヒーターを選ぶとよいでしょう。
IHクッキングヒーターのメリットとデメリットは?
IHクッキングヒーターは「安全性が高い」「お手入れが簡単」「空気が汚れない」などのメリットがあります。一方で「使用できる調理器具が限られる」などのデメリットもあります。
ガスコンロの光熱費を安くする方法は?
プロパンガスの場合は「ガス会社の切り替え」が効果的でしょう。プロパンガスはガス会社によって料金設定が大きく異なります。ぜひenepiを活用し、いまより安いガス会社を探してみてくださいね。
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今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。