この記事では、プロパンガスの基本料金について説明し、プロパンガス料金の仕組みをわかりやすく解説します。さらに、プロパンガスと都市ガスの料金比較や、プロパンガスの節約方法も紹介します。
ちなみに、プロパンガスの基本料金は一定ではありません。ガス会社によって差があったり、地域によってばらつきが大きかったりします。なお、各地域のプロパンガスの平均料金はこちらのページから確認できます。
プロパンガスの基本料金の仕組み
プロパンガスの基本料金は契約者が毎月支払う固定料金です。この金額はガスの使用量に関わらず一定です。基本料金にはガス供給に必要な設備の保安・検針にかかる費用が含まれます。
また、私たちが毎月支払うプロパンガス料金には従量料金も含まれています。従量料金はガスの使用量に応じてかかる料金で、1立方メートルあたりの単価が設定されています。これを「従量単価」といいます。
この基本料金と従量料金を足した金額がプロパンガス料金です。これを「二部料金制」といいます。
プロパンガスの従量単価の決め方とは?
プロパンガスの従量料金には、以下の3つのタイプがあり、各タイプに応じて従量単価が決まっています。
- スライド型
- 原料費調整型
- 固定型
スライド型とは、ガスの使用量に応じて単価が変動するタイプです。一般的に、使用量が増えるほど単価が下がる仕組みになっています。これは大量に使用する顧客に対して割引を提供する形となります。
【例】
0-10m³まで:500円/m³
11-20m³まで:450円/m³
21m³以上:400円/m³
原料費調整型とは、プロパンガスの原料価格の変動に応じて、毎月または一定期間ごとに単価が変動するタイプです。国際的な原油価格やプロパンガスの輸入価格の変動を反映させることで、ガス会社のコスト変動リスクを軽減し、実際のコストに近い料金設定を可能にします。
【例】
基準単価 + 原料費調整額 = 当月の単価
固定型とは、一定期間(例:1年間)単価を固定するタイプです。使用量に関わらず常に同じ単価が適用されます。このタイプは料金の予測がしやすく、家計の管理がしやすいというメリットがあります。
【例】
1年間、400円/m³で固定
これらのタイプは、ガス会社や地域によって採用状況が異なります。また、同じ会社でも複数のプランを提供し、顧客が選択できるようにしている場合もあります。
プロパンガスの3つの料金制度
プロパンガスの料金制度には、以下の3つの方式があります。
- 二部料金制
- 三部料金制
- 最低責任使用料金制
二部料金制については前述のとおりです。基本料金と従量料金の2つの部分から構成されます。
三部料金制とは、基本料金と従量料金に加えて設備費用も含みます。設備費用は、ガス器具やメーターなどの設備の償却費用をカバーするためのものです。
最低責任使用料金制とは、毎月の最低使用量が設定されており、実際の使用量がそれを下回っても最低使用量分の料金を支払う必要があります。使用量が最低使用量を超えた場合は、超過分に対して従量料金が適用されます。
これらの料金制度は同様にガス会社や地域によって異なり、また同じ会社でも複数の料金制度を運用している場合もあります。
ちなみに、従来は二部料金制が一般的でしたが、今後は三部料金制に移行すると言われています。これはガス会社が料金に関する情報を明確に提示する取り組み、いわゆる料金透明化の対策です。
実は、プロパンガスについて長らく「料金の不透明性」が問題視されています。例えば、設備料金について消費者へ説明・通知をせずにガス料金に上乗せする、という事が起こっているのです。
そこで当社は、プロパンガス料金の情報公開を促進するため「プロパンガス料金比較サービス」を提供しております。今のガス料金は適正なのだろうか……他のガス会社の料金も気になる……など、プロパンガス料金に疑問や不安がある方はぜひ利用してみてください。
プロパンガスの基本料金の相場
プロパンガスの料金相場は基本料金が1,968円、従量単価が709円です(2024年6月 エネピ調べ)。ただし、料金相場は地域によって変動します。各地域の料金相場は以下のとおりです。
北海道・東北地方の料金相場
北海道・東北地方のプロパンガスの基本料金は約2,030円、従量単価は約805円です。なお、都道府県別の相場は以下のとおりです。
都道府県 | 基本料金 | 従量単価 |
---|---|---|
北海道 | ¥2,208 | ¥885 |
青森県 | ¥2,051 | ¥855 |
岩手県 | ¥2,059 | ¥827 |
宮城県 | ¥1,901 | ¥714 |
秋田県 | ¥1,993 | ¥796 |
山形県 | ¥2,047 | ¥808 |
福島県 | ¥1,950 | ¥748 |
関東地方の料金相場
関東地方のプロパンガスの基本料金は約1,869円、従量単価は約638円です。なお、都道府県別の相場は以下のとおりです。
都道府県 | 基本料金 | 従量単価 |
---|---|---|
茨城県 | ¥1,825 | ¥650 |
栃木県 | ¥1,806 | ¥648 |
群馬県 | ¥1,881 | ¥636 |
埼玉県 | ¥1,882 | ¥616 |
千葉県 | ¥1,862 | ¥628 |
東京都 | ¥1,904 | ¥631 |
神奈川県 | ¥1,925 | ¥658 |
中部地方の料金相場
中部地方のプロパンガスの基本料金は約1,962円、従量単価は約713円です。なお、都道府県別の相場は以下のとおりです。
都道府県 | 基本料金 | 従量単価 |
---|---|---|
新潟県 | ¥2,074 | ¥728 |
山梨県 | ¥1,837 | ¥663 |
長野県 | ¥1,887 | ¥707 |
静岡県 | ¥1,899 | ¥684 |
愛知県 | ¥1,894 | ¥683 |
岐阜県 | ¥1,929 | ¥700 |
富山県 | ¥2,173 | ¥770 |
石川県 | ¥2,042 | ¥745 |
福井県 | ¥1,924 | ¥733 |
近畿地方の料金相場
近畿地方のプロパンガスの基本料金は約1,969円、従量単価は約669円です。なお、都道府県別の相場は以下のとおりです。
都道府県 | 基本料金 | 従量単価 |
---|---|---|
三重県 | ¥1,924 | ¥682 |
滋賀県 | ¥1,993 | ¥692 |
京都府 | ¥1,995 | ¥688 |
大阪府 | ¥1,849 | ¥641 |
兵庫県 | ¥2,105 | ¥695 |
奈良県 | ¥1,887 | ¥633 |
和歌山県 | ¥2,033 | ¥651 |
中国・四国地方の料金相場
中国・四国地方のプロパンガスの基本料金は約2,063円、従量単価は約719円です。なお、都道府県別の相場は以下のとおりです。
都道府県 | 基本料金 | 従量単価 |
---|---|---|
鳥取県 | ¥2,096 | ¥768 |
島根県 | ¥2,190 | ¥787 |
岡山県 | ¥2,049 | ¥729 |
広島県 | ¥1,994 | ¥711 |
山口県 | ¥2,133 | ¥761 |
徳島県 | ¥2,080 | ¥670 |
香川県 | ¥2,028 | ¥704 |
愛媛県 | ¥1,983 | ¥686 |
高知県 | ¥2,017 | ¥654 |
九州・沖縄地方の料金相場
九州・沖縄地方のプロパンガスの基本料金は約1,899円、従量単価は約706円です。なお、都道府県別の相場は以下のとおりです。
都道府県 | 基本料金 | 従量単価 |
---|---|---|
福岡県 | ¥2,058 | ¥677 |
佐賀県 | ¥2,046 | ¥724 |
長崎県 | ¥1,883 | ¥716 |
熊本県 | ¥1,821 | ¥683 |
大分県 | ¥1,898 | ¥680 |
宮崎県 | ¥1,897 | ¥710 |
鹿児島県 | ¥1,732 | ¥730 |
沖縄県 | ¥1,854 | ¥728 |
プロパンガス料金は高い?都市ガスとの比較を紹介
一般にプロパンガスは都市ガスよりも約1.7~1.8倍高い料金です。では、なぜそのような料金差が生まれるのでしょうか。その理由は以下の4つです。
- 自由料金
- 配送コスト
- 設置工事費
- 価格競争不足
プロパンガスは価格を自由に設定できる「自由料金」の商品です。そこで一部のガス会社が不当に高い料金設定にしているため、プロパンガス料金の相場がつりあがっているのです。
また、プロパンガスはボンベに詰めて配送されるため、人件費やガソリン代が上乗せされます。ちなみに都市ガスは地中に埋設された導管を通じて各家庭に供給されるため、このようなコストがかかりません。
また、プロパンガスは特定の設備・装置によって供給されます。これには設置工事が伴い、専門的な作業や機器の設置が必要となるため、そのぶん費用がかかるのです。
また、プロパンガスは価格競争が起きにくくなっています。これは近隣のガス会社店同士が顧客を奪い合わない暗黙のルールが多いためですが、消費者がプロパンガス料金を比較しないことも一因となっています。
プロパンガス料金を節約する方法
プロパンガス料金を節約する方法は様々ですが、なかでもおすすめの節約方法は「ガス会社を切り替えること」です。なお、他の節約方法については以下の記事で詳しく解説していますので、興味がある方はぜひご覧ください。
さて、前述のとおりプロパンガスは自由料金であり、料金設定にばらつきがあります。そのため、複数のプロパンガス会社の料金を比較し、現在契約しているガス会社よりも安い会社を見つけ出すことが、効果的な節約方法といえます。
ただし、集合住宅の場合は他の世帯とガス管がつながっているので、自分の判断だけでガス会社を切り替えることはできません。賃貸の場合は大家さんの許可、分譲の場合は同物件に住む他の世帯の同意があれば、ガス会社を変更することができます。
信頼できるガス会社を見つけ出す方法
プロパンガスは料金が不透明……そんなふうに言われている中で、ガス会社を切り替えることに不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。実際に、ガス会社を切り替えた当初は料金が安くても、半年後や2年目以降に料金が急に高くなるケースもあります。
そこで当社では『エネピあんしん保証』というサービスを提供しております。これは「ガス会社変更後に値上げが行われた場合、1年以内であればいかなる理由であっても差額相当分を補償する」という内容です。
当サービスは、「エネピを通してプロパンガス新規ご契約をされた方」が対象となります。まずは下記ボタンより、エネピのプロパンガス料金比較サービスを利用してみてください。WEB上で簡単にガス会社を比較・検討することができますよ。
まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
プロパンガス料金の仕組みとは? |
---|
一般にプロパンガス料金は「基本料金」と「従量料金」を足した金額です。基本料金は契約者が毎月支払う固定料金、従量料金はガスの使用量に応じてかかる料金です。 |
プロパンガス料金の相場はいくら? |
プロパンガスの料金相場は基本料金が1,910円、従量単価が690円です。ただし、料金相場は地域によって変動します。なお、地域別(都道府県・市区町村)の料金相場はこちらのページから確認できます。 |
プロパンガス料金の節約方法とは? |
おすすめの節約方法は「ガス会社を切り替えること」です。ぜひエネピのプロパンガス料金比較サービスを利用し、現在契約しているガス会社よりも安い会社を探してみてください。 |