普段何気なく使っているガスですが、実は種類によって料金などが異なります。ガスの種類は、都市ガスとプロパンガス(LPガス)に分かれます。本記事ではガスの種類、すなわち都市ガスとプロパンガスを見分ける方法について解説します。
都市ガスとプロパンガス(LPガス)の見分け方
都市ガスとプロパンガス(LPガス)を見分けるポイントはいくつかありますが、今回は分かりやすい3つのポイントを紹介したいと思います。
見分けるポイント①ガスボンベ
一番簡単な見分け方は、ガスの供給方法を確認することです。プロパンガスはそれぞれの住宅に配置されたガスボンベから供給されています。一方、都市ガスは地下の配管を通じて供給されるため、ガスボンベがありません。したがって、下の写真のようなガスボンベが家の外に置いてあれば、使用しているガスの種類はプロパンガスです。

ただし、ガスボンベの置き場所が分かりづらい住宅もあります。例えば集合住宅の場合は、ガスボンベと自宅との距離が離れていることがあります。もしガスボンベが家の付近に置いてなくても、すぐに都市ガスだと決めつけず、これから紹介するポイントも確認してみてください。
見分けるポイント②ガスコンロ
ガスコンロには、都市ガス用とプロパンガス用の2種類があり、ガスコンロに貼ってあるシールによって、どちらのガスを使用しているか分かります。都市ガス用の場合は「12A」や「13A」といったシールが貼ってあります。一方、プロパンガス用の場合は「LPG」というシールが貼ってあります。ただし、これらのシールが貼ってないガスコンロもあります。
見分けるポイント③ガス警報器
ガス警報器は、ガス漏れなどが起きた時にそのガスを検知して、警報を流す安全装置です。都市ガスの警報機は上(天井近く)に、プロパンガスの警報機は下(床近く)に設置されています。
これはガスの重さに関係しています。都市ガスは空気よりも軽いため、ガス漏れが起きた場合には、どんどん天井付近に溜まっていきます。一方、プロパンガスは空気よりも重いため、ガス漏れが起きた場合には、どんどん下に溜まっていきます。
したがって、下の図のような警報器の位置の違いにより、都市ガスかプロパンガスかを見分けることができるのです。
【都市ガス用警報器】

【プロパンガス用警報器】

出典:ガス警報器工業会
都市ガスとプロパンガス(LPガス)の違いとは?
都市ガスとプロパンガス(LPガス)の主な違いは以下の3点です。
- 供給範囲
- 発熱量
- 料金設定
では、それぞれの違いについて詳しく説明します。
供給範囲の違い
都市ガスは主に人口密度の高い都市部で供給されます。地下に埋設されたガス管を通じて供給されるため、都市ガスを利用できるのはガス導管が整備されている地域に限られます。日本の都市ガス普及率は約50%で、特に東京や大阪などの大都市での利用が多いです。
一方、プロパンガスは全国どこでも供給可能です。ガスボンベを使用して各家庭に配送されるため、都市部だけでなく地方や山間部でも利用できます。このため都市ガスが供給されていない地域ではプロパンガスが主に使用されています。
発熱量の違い
都市ガスの発熱量は約10,750 kcal/m³です。一方プロパンガスの発熱量は約24,000 kcal/m³で、都市ガスの約2.2倍の熱量を持っています。つまりプロパンガスは同じ量を使用した場合、より多くの熱を得ることができます。このため、強い火力が必要な中華料理店などでは、都市ガス供給エリアでもプロパンガスを選ぶ場合があります。
料金設定の違い
都市ガスは公共料金として設定されており、料金は比較的安定しています。一方プロパンガスは自由料金制であり、各ガス会社が独自に料金を設定します。このため料金にばらつきがあり、都市ガスよりも高くなる傾向があります。ただし適正価格のガス会社を選択することで、都市ガスとの料金差を最小限に抑えることができます。
都市ガスとプロパンガス(LPガス)のメリット・デメリット

都市ガスとプロパンガスは、それぞれ異なるメリットとデメリットを持っています。
都市ガスは一般的にプロパンガスよりも料金が安価です。基本料金や従量料金が安定しており、長期的に見るとコストを抑えやすいです。また、都市ガスは主成分がメタンであり、燃焼時の二酸化炭素排出量が少なく、クリーンエネルギーとされています。
しかし、都市ガスは地下の導管を通じて供給されるため、導管が敷設されている地域に限られます。これにより、地方や人口密度の低い地域では利用できないことがあります。また、自然災害などにより地下配管が破損した場合、復旧には時間がかかることがあります。過去の大震災では復旧までに数ヶ月を要した地域もあります。
プロパンガスはボンベ配送方式であるため、都市部だけでなく山間部や離島などでも利用できます。また、ボンベを交換するだけで再利用できるため、災害時でも迅速に復旧できる利点があります。また、プロパンガスは発熱量が高いため、調理時間が短縮でき、強火を必要とする料理に適しています。
しかし、プロパンガスは都市ガスと比較して月々のガス料金が高くなります。さらに、ガス会社が自由に料金を決められるため、将来的に料金が上がる可能性もあります。また、ガスボンベを設置するためのスペースを確保する必要があります。
プロパンガス(LPガス)をお得に使う方法
前述のとおりプロパンガス(LPガス)と都市ガスの料金には大きな差があります。一般にプロパンガスは都市ガスの1.5~2倍の料金です。ただしプロパンガスはガス会社によって料金が大きく変わるため、より安いガス会社に切り替えることでガス代を大幅に節約できるかもしれません。実際に年間ガス代が8万円以上安くなった家庭もあります。
ガス会社を切り替える方法
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まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
都市ガスとプロパンガス(LPガス)の見分け方とは? |
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都市ガスとプロパンガスの見分け方は次のとおりです。①ガスボンベの有無で見分ける、②ガスコンロのシール表記で見分ける、③ガス警報器の位置で見分ける。 |
都市ガスとプロパンガス(LPガス)の違いとは? |
都市ガスとプロパンガスは様々な点において違いますが、消費者にとって特に大きな違いは「料金」でしょう。一般的に、プロパンガスは都市ガスよりも料金が高いです。 |
プロパンガス(LPガス)の料金を下げる方法とは? |
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