• 3~5.5合炊きの炊飯器を使用した場合、1回の炊飯の電気代は約3.0〜3.8円、また保温時は1時間あたり約0.4円です(電気代は機種や設定によって変動します)。
  • 保温機能の代わりに電子レンジを活用することで、電気代を節約できる場合があります。冷凍ご飯の場合、600Wで約2〜3分加熱します。

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炊飯器の電気代の目安

炊飯器は日常的に使用する家電の一つであり、電気代が気になる方も多いと思います。特に、IH炊飯器や高機能なモデルは消費電力が高いため、電気代への影響が懸念されます。

基本的な電気代の計算方法

一般的に電気代は以下の式で計算できます。

電気代(円) = 消費電力(kW) × 使用時間(h) × 電気料金単価(円/kWh)

消費電力(kW):家電製品の消費電力は取扱説明書や製品ラベルに記載されています。炊飯器の場合、炊飯時と保温時の消費電力が異なるため注意が必要です。

使用時間(h):炊飯器の使用時間を計測します。例えば、炊飯に1時間かかる場合、1時間分の電気代を計算します。

電気料金単価(円/kWh):契約している電力会社やプランによって異なりますが、一般的には1kWhあたり31円※程度です。

家電公取協より

平均的な炊飯器の消費電力と電気代

一般的な炊飯器の容量は、3合炊きから5.5合炊きです。省エネ型製品情報サイトによると、3合以上5.5合未満のIH式炊飯器を使用した場合、1回の炊飯にかかる消費電力の平均値は121.80Whです。また、マイコン式炊飯器の場合は96.815Whです。

計算式に当てはめると以下のとおりです。

IH炊飯器:121.80kW × 1時間 × 31円 = 約3.775円
マイコン炊飯器:96.815kW × 1時間 × 31円 = 約3.001円

以上より、3合炊きの炊飯器で1回の炊飯にかかる電気代は、約3.0〜3.8円となります。

タイプや容量による消費電力の違い

炊飯器のタイプ別の特徴

炊飯器のタイプや容量によって、消費電力や電気代は異なります。一般的に消費電力が高い順に並べると、圧力IH炊飯器・IH炊飯器・マイコン炊飯器となります。ではタイプの容量ごとに、年間電気代の目安を紹介します。

容量マイコンIH・圧力IH
3合以上5.5合未満¥1,071¥1,378
5.5合以上8合未満¥2,056¥2,277
10合以上¥3,488¥3,519

参照:省エネ性能カタログ(2025年1月1日)

炊飯器の容量が大きいほど一度に炊けるご飯の量は増えますが、電気代も比例して高くなります。ただし、一度に多めに炊いて保存する方が、少量を頻繁に炊くよりも電気代を抑えられる可能性があります。

保温時間別の電気代の比較

炊飯器の一般的な保温温度は約60度から75度で、雑菌の繁殖を防ぎつつ、ご飯が黄ばむのを防ぐために設定されています。また、保温機能は電気代も比較的低く抑えられるため、安心して使用できます。

保温中の消費電力

炊飯器の保温時の消費電力は、1時間あたり約14Wh(3合以上5.5合未満のIH式炊飯器を使用した場合)で、炊飯時と比べて9分の1程度です。このため、短時間の保温であれば電気代の心配もほぼありません。

以下に、炊飯時と保温時の消費電力を比較します。

IH式炊飯器炊飯時(Wh/回)保温時(Wh/h)
3合以上5.5合未満121.814.0
5.5合以上8合未満162.516.7
10合以上212.822.1

保温中の電気代の試算

炊飯器の保温機能は短時間であれば電気代も抑えられ、非常に便利です。しかし長時間にわたる保温は電気代が高くなるだけでなく、ご飯の品質に影響を与える可能性があるため、使用時間を考慮することが重要です。

以下に、保温時間別の電気代を比較します。ここでは、3合以上5.5合未満のIH式炊飯器の使用を仮定します。

保温時間消費電力(Wh)電気代(円)
1時間14.00.4
4時間55.81.7
24時間334.810.4

1時間の保温は非常に電気代が安く、便利に使用できます。4時間程度の保温はまだ比較的安価で、電子レンジでの解凍と比較しても保温の方が安い場合があります。

一方、長時間の保温は電気代が高くなり、炊飯1回分と同程度以上の電気代になるため、長時間保温する場合は再度炊くことを検討する価値があります。

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炊飯器の具体的な節約方法

節約のイメージ

炊飯器の電気代が高くなる理由はいくつかありますが、主な原因は以下のとおりです。

  • 炊飯回数の増加
  • 保温時間の長さ
  • 省エネ性能の低さ

したがって炊飯器の電気代を節約するためには、以上の点から対策を講じることが重要です。以下に具体的な方法を説明します。

方法①炊飯回数を減らす

炊飯器を使用する回数を減らすことで、電気代を大幅に節約できます。一般的な炊飯器は1回の炊飯に約3.0〜3.8円の電気代がかかります。例えば、毎日1回ご飯を炊く家庭が、3日に1回の炊飯に減らした場合の年間節約額は以下の通りです。

年間炊飯回数: 365回 → 122回(3日に1回)
年間電気代: 365回 × 3.4円(平均) = 1,241円
年間節約額: 1,241円 - (122回 × 3.4円) = 1,241円 - 414.8円 = 826.2円

このように、炊飯回数を減らすことで、年間で約826円の節約が可能です。一度にまとめて炊飯し、余ったご飯は必要に応じて温めなおす方法が効果的です。

方法②保温時間を短くする

炊飯器の保温機能は便利ですが、長時間使用すると電気代がかさみます。一般的な保温時の消費電力は約14Whで、1時間あたりの電気代は約0.4円です。以下に、保温時間を短縮することによる効果を示します。

保温時間を6時間から4時間に短縮:
6時間の電気代: 6時間 × 0.4円 = 2.4円
4時間の電気代: 4時間 × 0.4円 = 1.6円
年間使用日数: 365日
年間電気代の差: (2.4円 - 1.6円) × 365日 = 292円

このように、保温時間を2時間短縮することで、年間で約292円の節約が可能です。適切な保温時間は4時間以内とされており、それ以上保温する場合は冷凍保存してレンジで温める方が経済的です。

方法③省エネ性能を高める

省エネ性能の高い炊飯器を選ぶことや、エコモードを活用することで、消費電力を抑えることができます。例えば、エコモードを使用すると通常の炊飯モードよりも約15〜20%の電力を節約できる場合があります。以下に、エコモードを使用した場合の効果を示します。

通常モードの電気代: 約3.40円(1回の炊飯)
エコモードの電気代: 約2.89円(15%節約)
年間使用回数: 365回
年間電気代の差: (3.40円 - 2.89円) × 365回 = 186.15円

このように、エコモードを使用することで、年間で約186円の節約が可能です。省エネ性能の高い炊飯器については、統一省エネラベルにある「省エネ基準達成率」が高い製品を選ぶと良いです。またカタログ等で炊飯時や保温時の消費電力を比較してみてください。

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保温以外のお得な選択肢とは?

保温機能と電子レンジの比較

炊飯器の保温機能は便利ですが、長時間の保温はご飯の劣化や電気代の増加を招くことがあります。そこで、冷凍保存や電子レンジの活用について解説します。

冷凍保存のコツ

冷凍保存は、炊き立てのご飯を長期間保存するのに適しています。以下のポイントを押さえて冷凍保存を行ってください。

ご飯を冷ます:炊きたてのご飯をすぐに冷凍するのではなく、一度粗熱を取ります。これにより、ご飯の水分が適度に保たれ、再加熱時に美味しく仕上がります。具体的には約30分から1時間程度、常温で放置するのが良いとされています。

小分けにする:1食分ずつラップに包むか、冷凍用保存容器に入れます。これにより、必要な分だけ解凍・再加熱が可能です。

急速冷凍:冷凍庫の急速冷凍機能を使うか、金属製のトレイに乗せて冷凍することで、ご飯の品質を保ちます。

冷凍保存は手間がかかりますが、保温機能を使わないため電気代がかかりません。また1カ月程度保存可能で、いつでも美味しいご飯を食べられます。

電子レンジの活用法

冷凍したご飯を600Wで約2〜3分加熱することで、ふっくらとしたご飯に戻ります。さらに以下のような工夫をすることで、ご飯がよりふっくらと仕上がります。

水分を加える:ご飯が固くなっている場合は、加熱前に少量の水を振りかけると、加熱中に水分が蒸発してふっくらと仕上がります。

二段階加熱:最初に1分加熱し、一度ほぐしてから再度1分加熱する方法です。これによりムラなく温まります。

耐熱皿の使用:冷凍ご飯を耐熱皿に広げて加熱することで、均一に熱が通りやすくなります。薄く広げることで、加熱ムラを防ぐことができます。

ラップを外す:ラップをしたまま加熱すると蒸気がこもりすぎて、ご飯がべちゃべちゃになってしまうことがあります。

電子レンジは必要な分だけ加熱するため、無駄が少なく、電気代を抑えられます。例えば600Wで2分加熱すると約0.6円の電気代がかかります。

一方保温機能は、1時間あたり約0.4円の電気代がかかります。長時間保温すると電気代がかさみ、24時間保温すると約10円かかります。また、長時間保温すると、ご飯の風味や食感が落ちることがあります。

よくある質問と回答

炊飯器の使用法の見直しや電気代の節約に関する、よくある質問とその回答をまとめました。

保温と冷凍保存どちらが経済的ですか?

冷凍保存の方が経済的です。特に長時間保存する場合や、再加熱の手間をいとわない場合には、冷凍保存がおすすめです。

保温機能は何時間まで安全ですか?

12時間〜24時間程度まで保温しても安全ですが、風味や食感を考えると、4時間程度で食べきるか、冷凍保存を検討するのが良いです。

早炊きすると電気代は高くなりますか?

早炊き機能は短時間でご飯を炊くために高火力を使用しますが、トータルの電気代は通常の炊飯と大きな差はありません。ただし、機種によっては消費電力が高くなる場合もあります。

エコモードにすると電気代はいくら安くなりますか?

エコモードを使用することで、1回の炊飯あたり0.5円程度の電気代を節約できる場合があります。ただし、エコモードを使用すると炊き上がりが通常よりも硬めになることがあるため、好みに応じて使い分けることが重要です。

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まとめ

ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。

炊飯器の保温機能の電気代とは?
炊飯器の保温時の電気代は容量や機種によって変動します。例えば3合以上5.5合未満のIH式炊飯器を使用した場合、平均的な消費電力は約14Wh、電気代は1時間あたり約0.4円となります。
保温機能の上手な使い方とは?
炊飯器を効率的に使用したい場合は、以上の点を考慮してください。①一度にまとめて炊飯し、炊飯回数を減らす②保温時間は4時間以内とし、余った場合は冷凍保存してレンジで温める③エコモードを活用し、消費電力を抑える
保温機能と電子レンジの比較とは?
保温機能より電子レンジを活用する方が電気代を節約できる場合が多いです。例えば600Wで2分加熱すると約0.6円の電気代がかかります。一方保温機能は1時間あたり約0.4円の電気代がかかり、長時間保温すると電気代がかさみます。

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今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。