夏の暑さを心地よい風で和らげてくれる扇風機。本記事では、涼しい居住空間を確保しつつ、電気代を抑えるために、どのように扇風機を利用すればよいかを解説します。扇風機の電気代や節約方法、モーターの選択やエアコンとの併用に至るまで、具体的なアドバイスを提供します。家計への負担を軽減しながら快適な夏を楽しむために、ぜひ参考になさってください。
扇風機の電気代の目安
一般に扇風機の電気代は以下の式で計算できます。
このように扇風機の電気代は、消費電力・使用時間・電力量料金の3つの要因によって変動します。これらの要因の目安は以下のとおりです。
①消費電力:
一般的な扇風機の消費電力は30〜40W程度です。消費電力が高いほど電気代も増加します。
②使用時間:
扇風機の使用時間は、1日あたり8〜12時間程度と考えられます。使用時間が長ければ長いほど、電気代も増えます。
③電力量料金:
電力量料金は電気料金の単価を指します。地域や契約プランによって異なりますが、一般に1kWhあたり30〜40円程度です。
以上を考慮すると、一般的な扇風機の電気代の目安は以下になります。
期間 | 電気代 |
---|---|
1時間 | 約0.9〜1.6円 |
1日 | 約7〜19円 |
1カ月 | 約210〜570円 |
このように、扇風機の電気代の目安は1日あたり約7円〜19円程度となります。仮に24時間つけっぱなしすると約22円〜38円程度となります。
扇風機のモーターによる電気代の違い
扇風機に使われるモーターには、主にACモーターとDCモーターの2種類があります。では一体どんな違いがあるのか、それぞれの特徴を整理してみます。
ACモーターとは
ACモーターは交流電源を使用し、風量は大まかに「弱・中・強」の3段階で調整されます。ただし風量を細かく調整することはできません。また消費電力が高く、運転音も大きい特徴があります。
DCモーターとは
DCモーターは直流電源を使用し、風量を細かく調整できます。超低速回転でも風を送ることができ、体にかかる負担を減らせるのが特徴です。さらに消費電力が少なく、静音性に優れています。
つまり、扇風機で同じ風量を提供する場合、DCモーターの方がACモーターよりも電気代が安くなることが多いです。これはDCモーターが効率的な速度制御が可能なためであり、必要な風量に合わせてモーターの回転速度を調整できるためです。
【比較】扇風機とエアコンの電気代、安いのはどっち?
エアコンは冷房能力が高く、一度に広い範囲を冷やすことができますが、その代わりに消費電力も高くなります。一方、扇風機は消費電力が比較的低く、部屋の特定の場所で涼しさを与えます。
では、扇風機とエアコンの電気代は一体どれくらい違うのでしょうか。
今回は以下の条件で、扇風機とエアコンの電気代を比較してみます。
【扇風機】
機種:コイズミ KLF-3037(DCモータータイプ)
消費電力:25W
【エアコン】
機種:パナソニック エオリア(4人家族、14畳用)
消費電力:830W
【共通】
使用時間:1日8時間
電力量料金:40.49円
参照:
KLF-3037
エオリア 2023年モデル LXシリーズ
東京電力 スタンダードプラン(関東) 2024年4月1日以降
比較結果は以下のとおりです。
期間 | 扇風機 | エアコン |
---|---|---|
1時間 | 約1.0円 | 約33.6円 |
1日 | 約8.0円 | 約268.9円 |
1カ月 | 約243円 | 約8,065円 |
このように、扇風機の電気代はエアコンよりも格段に安いです。暑い日々に節電を心掛ける際には、扇風機を効果的に活用することがおすすめです。
扇風機とエアコンの併用は効率的なの?
扇風機はエアコンの風を循環させ、冷房の効果を向上させることができます。これにより、エアコンの設定温度を少し上げても快適さを保つことが可能です。つまり、扇風機を併用することでエアコンの消費電力を削減し、冷房にかかる電気代を節約できる可能性があります。
ところで、部屋の中でエアコンの風を循環させたい場合、「扇風機とサーキュレーターのどちらが適しているのか気になる」という方がいるかもしれません。そこで、扇風機とサーキュレーターの違いについて説明します。
扇風機とサーキュレーターの違い
扇風機は近距離に広範囲に広がるやわらかい風を送ります。そのため直接身体に浴びて涼をとることが目的です。一方、サーキュレーターは遠距離に強く直線的な風を送ります。そのため、部屋の空気を循環させることにより適しています。
要するに、エアコンの風を循環させるためにはサーキュレーターが適していますが、扇風機でも代用できます。なお、正しい置き方と向きを選ぶことで、より効果的に部屋の空気を循環させることができます。
扇風機(サーキュレーター)とエアコンを併用する方法
扇風機(サーキュレーター)とエアコンを併用するときには、それぞれの風向きと扇風機の位置が大切になります。冷気は下に行く特性があるため、温かい空気が上に残ります。そこでエアコンの風が届きにくい上部に扇風機の風を当てることによって、部屋全体に冷やされた空気を循環させます。
まずは、エアコンから出る風と向かい合わせになるように扇風機を置きます。そして、できるだけ低い位置から風を上に向かって送れるように、扇風機の首の角度は上向きにします。冷たい風は自然と下へ降りてきますから、エアコンの風向きはなるべく水平に、かつ扇風機の風と対向する角度にしてください。
しばらく経ったら、今度は扇風機の背中をエアコンに向けると、部屋の空気を循環させるには効率的です。心地よい冷気が部屋全体にまんべんなく行き渡り、涼しく快適な状態をキープできるでしょう。
扇風機の効率的な使用法と節約術
扇風機を効率的に使用するためのポイントを紹介します。
一つは時間帯別の使い方です。気温が比較的低い朝や夜の時間帯には、窓のそばに扇風機を置きます。窓側から部屋向きに風を送ると、涼しい外気を室内に取り入れやすくなります。さらに、対角線上の窓も開けると効果的です。
もう一つは就寝時の使い方です。扇風機を直接体に当たらないような場所に置き、壁に向かって運転すると、部屋の中の空気を効率的に循環できます。さらにタイマー機能を活用すると、電気代を抑えつつ快適な睡眠をサポートできます。
おまけ:エアコンの節約術
エアコンの節約術はいくつかありますが、ここでは基本的なポイントを紹介します。それは、フィルターの掃除です。エアコンのフィルターが汚れていると空気の流れが悪くなり冷房効果が低下するため、定期的な掃除が必要です。
掃除の頻度については、1カ月に1〜2回が目安といわれています。毎日稼働している場合は、2週間に1回が理想です。ただし「お掃除機能」が付いているエアコンでは、そこまでこまめに掃除する必要はありません。1シーズンに1〜2回程度で問題ないでしょう。
省エネ性能の扇風機の選び方
省エネ性能が高い扇風機は、以下の点で判断することができます。
- 静音性が高い
- 風量調節ができる
- 風向きが調節できる
- DCモーターを搭載している
この中で特に重要なのが「DCモーターを搭載している」です。DCモーターは従来のACモーターに比べて細かい回転数制御が可能なので、微風から強風までの風量調節が可能です。風量調節段階が多いほど適切な風量で使用できるため、無駄な消費電力を抑えられます。
ちなみに、扇風機のエネルギー消費効率は「省エネ基準」によって定められています。扇風機の省エネ基準は、「消費電力(W)/送風能力(m³/min)」という式で表すことができ、この値が小さいほど省エネ性能が高いとされています。
おまけ:省エネ性能のエアコンの選び方
エアコンのエネルギー消費効率は「省エネ基準」と「JIS規格」によって定められています。省エネ基準は「消費電力(W)/冷房能力(W)」という式で表すことができ、この値が小さいほど省エネ性能が高いとされています。
JIS規格は日本産業規格(JIS)によって定められた省エネ性能基準です。JIS規格に適合した製品には「JISマーク」が付いています。
まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
扇風機の電気代の目安とは? |
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扇風機の電気代の目安は1日あたり約7円〜19円程度となります。仮に24時間つけっぱなしすると約22円〜38円程度となります。ただし電気代は、扇風機の機種やモーターの種類によって異なります。 |
扇風機とエアコンの電気代の違いとは? |
扇風機とエアコンの電気代には大きな差があります。例えば、DCモーターの扇風機と4人家族向け(14畳用)のエアコンの電気代を比較すると、エアコンの電気代は扇風機の数十倍も高くなります。 |
扇風機の効果的な使い方とは? |
扇風機の効果的な使い方は、エアコンと併用することです。扇風機はエアコンの風を循環させ、冷房の効果を向上させることができます。これにより、エアコンの消費電力を削減し、冷房にかかる電気代を節約できる可能性があります。 |
最後に、自宅の電気代が高いとお困りの方に朗報です。
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※3~4人暮らしの場合の金額です