エアコンのドライ機能とは

エアコンのドライをつける女性

ドライと冷房との仕組みの違い

エアコンのドライ機能は、室内の湿度を下げることを目的にしています。一方、冷房は、室内の温度を下げることを優先した機能です。

冷房は、室内の空気を吸収し、空気中の熱を取り除いて冷やした空気を室内に循環させます。一方、ドライ機能は、室内の空気中の水分を取り除くことに特化しています。

ドライ機能が温度調節に与える影響

ドライ機能によって湿度が下がることで、設定温度がそのままでも涼しく感じられるようになります。たとえば湿度が20%変わると、体感温度は4℃変わるといわれています。

出典:ダイキン/熱中症の困りごとと解決法

弱冷房除湿と再熱除湿との違い

エアコンのドライ機能には、「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類があります。

「弱冷房除湿」は、室内の空気を吸い込んで、微弱な冷房運転を続けることで、湿度を下げる機能です。

「再熱除湿」は、室内の空気を吸い込んで、冷房運転を行い、その後、温風で再び加熱することで、湿度を下げる機能です。

「再熱除湿」は「弱冷房除湿」に比べてより速く湿度を下げることができますが、そのぶん消費電力が大きくなり電気代がかかります。

なお、搭載されているドライ機能が「弱冷房除湿」か「再熱除湿」かは、エアコンのグレードによって異なります。

一般的に、標準機種は「弱冷房除湿」のみ、上位機種は「2種切り替え可能」もしくは「再熱除湿」のみです。

ちなみに、「弱冷房除湿」や「冷房」は一定の室温を下回ると効果がかなり落ちてしまいます。一方、「再熱除湿」は常に室温をキープできるため、高性能の上位機種で導入していることが多いのです。

エアコンのドライ機能の利点

利点(メリット)と書かれたブロック

利点1:快適さ

ドライ機能を使うことで、室内の湿度を快適なレベルに保つことができます。湿度が高いと、空気が蒸し暑く感じられたり、カビやダニなどの発生源になったりすることがあります。

またドライ機能は、冷房機能よりも静かに動作するため、就寝時などにも利用しやすいです。

利点2:省エネ

ドライ機能は、冷房機能よりも電力消費量が少ないため、省エネにつながります。

またドライ機能を使うことで、室内の湿度を下げることができるため、冷房機能を使う頻度を減らすことができます。

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エアコンのドライ機能の適切な使用方法

エアコンのリモコン

室内湿度の目安と測定方法

室内の適正な湿度は一般的に40%〜60%とされています。

ちなみに湿度が高すぎるとカビやダニが発生しやすく、低すぎると乾燥して肌荒れやのどの渇きなどの健康被害が出ることがあります。

湿度を測定する方法は、湿度計を使う方法が一般的です。湿度計は、電子式とアナログ式があります。電子式は正確で読み取りやすいため、現在では一般的に使用されています。

出典:ダイキン/熱中症の困りごとと解決法

ドライ機能の効果的な活用法

ドライ機能は季節や天候に応じて適切な設定をすることで、効果的に活用することができます。

例えば、「ドライ機能を長時間使いつつ電気代はあまりかけたくない」「部屋干しした洗濯物を早く乾かしたい」といったときは弱冷房除湿を使うのがおすすめです。また、「湿度が高くて気温が高めの日」も弱冷房除湿が適しています。

ちなみに、エアコンをクリーニングすることで、アルミフィンのホコリ汚れが除去でき熱交換率も向上するため、より効果的なドライ機能を保つことができます。

ドライ機能の注意点

ドライ機能を使用する場合は、窓やドアを閉め切って使用することが望ましいです。窓やドアを開けてしまうと、外気が室内に入り込んでしまい、湿度を下げる効果が低下してしまいます。

また室温が低い場合や湿度が低い場合には、ドライ機能を使用しても効果が得られないことがあります。

エアコンのドライ機能の電気代

電気代の請求書

冷房・弱冷房除湿・再熱除湿のどれが電気代が高い?

一般家庭における冷房、弱冷房除湿、再熱除湿の電気代を比較すると、弱冷房除湿が最も電気代が安く、再熱除湿が最も電気代が高いです。

弱冷房除湿は、湿度を基準に運転するため消費電力が少なく、1時間あたり約5.3円
再熱除湿は、空気を加熱するため消費電力が多く、1時間あたり約14.9円
冷房は弱冷房除湿よりも消費電力が多く、1時間あたり約10.6円

ただし、実際の電気代は設定温度やエアコンの種類によって異なるため、目安として参考にしてください。
ちなみに上記の電気代は、設定温度が24℃の場合です。

出典:東京電力/エアコンの「冷房」と「除湿」の上手な使い方について/別紙1

まとめ

ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。

エアコンのドライとは?
エアコンのドライは、室内の空気中の水分を取り除くことで湿度を下げる機能です。ちなみに、エアコンのドライには「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類がありますが、標準機種は「弱冷房除湿」を採用していることが多いです。
エアコンのドライと冷房、電気代が安いのはどっち?
冷房とドライのどちらが節電対策になるのかは、「弱冷房除湿」か「再熱除湿」によって変わります。「弱冷房除湿」を使用すると、冷房を使用するよりも電気代の節約になります。
エアコンのドライの適切な活用方法とは?
エアコンのドライは「部屋干しした洗濯物を早く乾かしたい時」や「湿度が高くて気温が高めの日」に適しています。一方、室温や湿度が低い場合はドライの効果が得られないことがあります。

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今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。