ご自宅のプロパンガスの請求書を見て、「うちのガス代、もしかして高い?」と感じたことはありませんか。プロパンガスは都市ガスと異なり、料金が自由化されているため、同じ地域にお住まいでも契約するガス会社によって料金が大きく異なるケースは少なくありません。
この記事では、プロパンガス1m³あたりの適正価格がどのくらいなのか、そしてご自身のガス料金が高いのか安いのかを判断する方法を解説します 。さらに、ガス料金を安くするための具体的な方法を説明します。ぜひ参考になさってください。
この記事でわかること:
- プロパンガス1m³あたりの料金相場と、支払うべき「適正価格」の目安
- プロパンガス料金が高くなりやすい仕組みと、その主な2つの理由
- お手元の検針票(請求書)を使って、ご自身のガス料金が適正かを確認する具体的な方法
- ガス代を年間数万円単位で節約できる、最も効果的な方法(ガス会社の切り替え)
プロパンガス1m³あたりの価格相場
まず、プロパンガスの料金構造について説明します。料金は「基本料金」と、使用量に応じて変動する「従量料金」で構成されており、以下の計算式で算出されます。
ガス料金 = 基本料金 +(従量単価 × ガス使用量)
- 基本料金:ガスの使用量にかかわらず毎月発生する固定費
- 従量料金:ガスの使用量に応じて支払う費用
この料金構造をふまえ、プロパンガスの料金相場について詳しく見ていきましょう。
| 地域 | 平均基本料金 | 適正基本料金 | 平均従量単価 | 適正従量単価 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道地方 | 2240 | 1745 | 904 | 350~450 |
| 東北地方 | 2045 | 1702 | 804 | 350~450 |
| 関東地方 | 1882 | 1659 | 590 | 350~450 |
| 中部地方 | 1925 | 1723 | 620 | 350~450 |
| 北陸地方 | 2049 | 1797 | 762 | 350~450 |
| 近畿地方 | 1989 | 1878 | 610 | 350~450 |
| 中国地方 | 2097 | 1775 | 760 | 350~450 |
| 四国地方 | 2051 | 1781 | 693 | 350~450 |
| 九州地方 | 1998 | 1726 | 650 | 350~450 |
| 沖縄地方 | 1976 | 1726 | 748 | 350~450 |
- 平均価格 : 石油情報センターなどの公的機関が、全国のガス会社から報告された価格を基に集計した、消費者が「実際に支払っている」料金の統計的な平均値
- 適正価格 : ガス供給にかかる実際のコスト(原料費、配送費、人件費など)を基に、消費生活センターや専門機関が算出する、公正で競争力のある市場価格
上記の表から、多くの方が支払っている「平均価格」と、本来あるべき「適正価格」には差があることがわかります。また、プロパンガスは配送コストなどの影響で、地域によっても価格差が見られます。
さて、お住まいの地域と比較していかがでしょうか。もしご自宅のガス料金が「平均価格」に近い場合、適正価格のガス会社に切り替えることで、ガス代を大幅に節約できる可能性があります。
なぜプロパンガスは高い?料金が決まる仕組みと2つの理由
ここでは、なぜプロパンガスの料金が都市ガスと比較して割高になりがちなのか、という疑問にお答えします。料金が高くなりやすい背景には、主に2つの理由があります。
理由1:公共料金ではない「自由料金制」
都市ガスが公共料金として料金設定に国の認可が必要なのに対し、プロパンガスは販売店が自由に価格を設定できる「自由料金制」です。そのため、適正価格に近づけようとするインセンティブが働きにくく、料金が高止まりしやすい傾向にあります。
理由2:避けられない「配送コスト」
プロパンガスは、各家庭にガスボンベを配送し、設置・交換する必要があります 。この人件費や車両の燃料費といった配送コストがガス料金に上乗せされるため、地下導管で供給される都市ガスに比べて割高になります。
自宅のガス料金は適正?検針票でできる簡単チェック方法
自身のガス料金が割高かどうかを判断するためには、1㎥あたりの「従量単価」を正確に算出する必要があります。これは、ガス会社を比較検討する上で最も重要な指標となります。
まずは、最新のガス料金請求書(検針票)を手元に用意してください。そして以下のポイントを確認します。
1. 基本料金:請求額の内訳に記載されているか確認します。
2. ガス使用量(m³):当月の使用量を確認します。
3. 請求額:当月の合計請求額を確認します。
もし検針票に基本料金や従量単価が明記されていない場合は、以下の計算式でご自身の1m³あたりの従量単価を算出できます。
(請求額 - 基本料金) ÷ ガス使用量 = ご自宅の従量単価
算出した単価を、先に紹介した適正価格と比較してみてください。もしお住まいの地域の価格、あるいは全国平均の価格帯(618~895円/1㎥あたり)を上回っている場合は、ガス会社を見直すことをおすすめします。
プロパンガス料金を安くする最も効果的な方法
プロパンガス料金を根本的に、そして大幅に削減するための最も効果的な手段は、契約するガス会社を切り替えることです。これには、以下のようなメリットがあります。
- 年間で数万円単位の節約が期待できる
- 切り替え手続きは簡単で、工事費や手数料は原則かからない
- 現在のガス会社への解約連絡も、新しいガス会社が代行してくれる
優良なガス会社を効率的に見つけるには、専門の一括見積もりサービスを活用するとよいでしょう。お住まいの地域で、より安く、信頼できるガス会社を複数比較した上で、ご自身に最適なプランを見つけることができます。
エネピでは、お住まいのエリアで供給可能なガス会社の中から、Web上で簡単に料金比較ができます。まずは無料の料金シミュレーションを利用して、どのくらいガス代が安くなるかを確認してみてください。
よくある質問(Q&A)
Q. 賃貸アパートやマンションでもガス会社は変更できますか?
A. 物件所有者である大家さんや管理会社の許可が必要になる場合がほとんどです。しかし、料金見直しによるメリットを伝えることで、交渉に応じてくれる可能性もあります。まずは管理会社などに相談してみてください。
Q. 切り替えに費用や違約金はかかりますか?
A. 切り替え自体に費用はかからないのが一般的です 。ただし、現在のガス会社と「無償貸与契約」を結んでいる場合、契約期間によっては違約金が発生する可能性があります。新しいガス会社がその費用を負担してくれるケースも多いため、見積もり時に確認しておきましょう。
Q. 切り替えるとガスの品質が落ちたり、供給が不安定になったりしませんか?
A. プロパンガスは法律で品質が規格化されており、どの会社から供給を受けても品質は同じです 。また、保安体制も法律で厳しく定められているため、供給が不安定になる心配もありません。
まとめ
今回はプロパンガスの料金相場や料金を安くする方法について解説しました。最後に重要なポイントを振り返ります。
- プロパンガスには「平均価格」と、より安い「適正価格」が存在する
- 料金が高い主な理由は、価格の上限がない「自由料金制」と「配送コスト」
- まずは自身の従量単価が適正価格より高いかチェックすることが重要
- ガス料金を最も効果的に安くする方法は「ガス会社の切り替え」である
高いガス料金をそのままにしておくのは、非常にもったいないことです。まずは、エネピの「一括見積もりサービス」を利用して、ご自身のガス料金がどれだけ安くなるのかをチェックすることから始めてみてはいかがでしょうか。
