家庭の光熱費の中でも、特にガス代の高騰は多くの家庭にとって深刻な問題となっています。本記事では、ガス代の高騰に悩むすべての方々に向けて、その原因を解明し、実践的な解決策を提示することを目的としています。
まず、自分のガス代が本当に高いのかを判断する基準を提供します。次に、ガス代を押し上げる主要因を掘り下げ、それぞれの背景を解説します。その上で、すぐに実践できる具体的な節約術をさまざまな観点から紹介します。
この記事で分かること
1. 自分のガス代が高いかどうかの判断基準:全国の世帯人数別の平均ガス代データと比較することで、自身のガス代が客観的に高いかどうかを把握できます。
2. 今日から実践できる具体的な節約術:
- 日常生活における工夫:お風呂、キッチン、暖房の3つのエリアで、給湯温度を少し下げる、追い焚きの回数を減らす、調理時に鍋のフタを活用するなど、すぐに取り組める具体的な節約テクニックを紹介しています。
- 高効率給湯器への交換:古い給湯器を「エコジョーズ」に交換することで、ガス使用量を約12%~15%削減でき、長期的に見れば初期投資を上回る節約効果が期待できます。
- ガス会社の切り替え:ガス自由化により、消費者は工事不要で簡単にガス会社を切り替えられます 。電気とのセット割引などを比較検討することで、料金を大幅に削減できる可能性があります。
いまのガス代は本当に高い?全国平均データで比較
自宅のガス代が高いかどうかを判断する際、ガスの使用量と料金の平均値が有用な情報となります。ただし、平均値は世帯人数や地域、ガスの種類によって異なります。
以下に、それぞれの平均値を紹介します。
都市ガスの平均料金
都市ガスの平均使用量および平均料金は以下のとおりです。
【北海道エリア】
| 世帯人数 | 使用量 | 平均料金 |
|---|---|---|
| 1人 | 19㎥ | ¥4,592 |
| 2人 | 31㎥ | ¥6,580 |
| 3人 | 39㎥ | ¥7,905 |
| 4人 | 40㎥ | ¥8,070 |
【東北エリア】
| 世帯人数 | 使用量 | 平均料金 |
|---|---|---|
| 1人 | 19㎥ | ¥5,241 |
| 2人 | 31㎥ | ¥7,890 |
| 3人 | 39㎥ | ¥9,597 |
| 4人 | 40㎥ | ¥9,805 |
【関東エリア】
| 世帯人数 | 使用量 | 平均料金 |
|---|---|---|
| 1人 | 19㎥ | ¥3,286 |
| 2人 | 31㎥ | ¥4,779 |
| 3人 | 39㎥ | ¥5,766 |
| 4人 | 40㎥ | ¥5,890 |
【中部エリア】
| 世帯人数 | 使用量 | 平均料金 |
|---|---|---|
| 1人 | 19㎥ | ¥4,901 |
| 2人 | 31㎥ | ¥7,200 |
| 3人 | 39㎥ | ¥8,694 |
| 4人 | 40㎥ | ¥8,881 |
【近畿エリア】
| 世帯人数 | 使用量 | 平均料金 |
|---|---|---|
| 1人 | 19㎥ | ¥3,856 |
| 2人 | 31㎥ | ¥5,527 |
| 3人 | 39㎥ | ¥6,623 |
| 4人 | 40㎥ | ¥6,759 |
【中国エリア】
| 世帯人数 | 使用量 | 平均料金 |
|---|---|---|
| 1人 | 19㎥ | ¥5,297 |
| 2人 | 31㎥ | ¥7,822 |
| 3人 | 39㎥ | ¥9,445 |
| 4人 | 40㎥ | ¥9,646 |
【四国エリア】
| 世帯人数 | 使用量 | 平均料金 |
|---|---|---|
| 1人 | 19㎥ | ¥6,463 |
| 2人 | 31㎥ | ¥8,893 |
| 3人 | 39㎥ | ¥10,461 |
| 4人 | 40㎥ | ¥10,657 |
【九州エリア】
| 世帯人数 | 使用量 | 平均料金 |
|---|---|---|
| 1人 | 19㎥ | ¥6,034 |
| 2人 | 31㎥ | ¥8,998 |
| 3人 | 39㎥ | ¥10,908 |
| 4人 | 40㎥ | ¥11,147 |
【沖縄エリア】
| 世帯人数 | 使用量 | 平均料金 |
|---|---|---|
| 1人 | 19㎥ | ¥5,067 |
| 2人 | 31㎥ | ¥7,617 |
| 3人 | 39㎥ | ¥9,218 |
| 4人 | 40㎥ | ¥9,418 |
※エネピ調べ
プロパンガスの平均料金
プロパンガスの平均使用量および平均料金は以下のとおりです。
【北海道エリア】
| 世帯人数 | 使用量(夏季) | 平均料金(夏季) | 使用量(冬季) | 平均料金(冬季) |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | 3.6㎥ | ¥4,466 | 4.5㎥ | ¥5,524 |
| 2人 | 4.5㎥ | ¥5,583 | 5.6㎥ | ¥6,905 |
| 3人 | 6.3㎥ | ¥7,797 | 7.8㎥ | ¥9,643 |
| 4人 | 9.4㎥ | ¥11,551 | 11.6㎥ | ¥14,286 |
【東北エリア】
| 世帯人数 | 使用量(夏季) | 平均料金(夏季) | 使用量(冬季) | 平均料金(冬季) |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | 5.8㎥ | ¥5,492 | 10.2㎥ | ¥9,638 |
| 2人 | 7.2㎥ | ¥6,865 | 12.7㎥ | ¥12,047 |
| 3人 | 9.2㎥ | ¥8,675 | 16.2㎥ | ¥15,307 |
| 4人 | 12.6㎥ | ¥11,944 | 22.2㎥ | ¥21,003 |
【関東エリア】
| 世帯人数 | 使用量(夏季) | 平均料金(夏季) | 使用量(冬季) | 平均料金(冬季) |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | 6.3㎥ | ¥4,850 | 11.9㎥ | ¥9,123 |
| 2人 | 7.9㎥ | ¥6,062 | 14.9㎥ | ¥11,404 |
| 3人 | 11.5㎥ | ¥8,809 | 21.6㎥ | ¥16,587 |
| 4人 | 13.1㎥ | ¥10,046 | 24.7㎥ | ¥18,906 |
【中部エリア】
| 世帯人数 | 使用量(夏季) | 平均料金(夏季) | 使用量(冬季) | 平均料金(冬季) |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | 5.8㎥ | ¥4,960 | 10.2㎥ | ¥8,748 |
| 2人 | 7.2㎥ | ¥6,200 | 12.8㎥ | ¥10,935 |
| 3人 | 10.8㎥ | ¥9,269 | 19.0㎥ | ¥16,318 |
| 4人 | 12.4㎥ | ¥10,687 | 22.0㎥ | ¥18,854 |
【近畿エリア】
| 世帯人数 | 使用量(夏季) | 平均料金(夏季) | 使用量(冬季) | 平均料金(冬季) |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | 5.7㎥ | ¥4,552 | 11.0㎥ | ¥8,889 |
| 2人 | 7.1㎥ | ¥5,690 | 13.8㎥ | ¥11,112 |
| 3人 | 10.7㎥ | ¥8,601 | 20.9㎥ | ¥16,808 |
| 4人 | 12.7㎥ | ¥10,211 | 24.6㎥ | ¥19,829 |
【中国エリア】
| 世帯人数 | 使用量(夏季) | 平均料金(夏季) | 使用量(冬季) | 平均料金(冬季) |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | 4.8㎥ | ¥4,397 | 10.0㎥ | ¥9,106 |
| 2人 | 6.1㎥ | ¥5,497 | 12.5㎥ | ¥11,383 |
| 3人 | 9.1㎥ | ¥8,271 | 18.7㎥ | ¥16,970 |
| 4人 | 10.6㎥ | ¥9,606 | 21.6㎥ | ¥19,556 |
【四国エリア】
| 世帯人数 | 使用量(夏季) | 平均料金(夏季) | 使用量(冬季) | 平均料金(冬季) |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | 5.2㎥ | ¥4,289 | 10.0㎥ | ¥8,280 |
| 2人 | 6.5㎥ | ¥5,362 | 12.5㎥ | ¥10,350 |
| 3人 | 9.0㎥ | ¥7,425 | 17.3㎥ | ¥14,285 |
| 4人 | 12.8㎥ | ¥10,580 | 24.7㎥ | ¥20,438 |
【九州エリア】
| 世帯人数 | 使用量(夏季) | 平均料金(夏季) | 使用量(冬季) | 平均料金(冬季) |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | 4.9㎥ | ¥4,085 | 9.9㎥ | ¥8,338 |
| 2人 | 6.1㎥ | ¥5,106 | 12.4㎥ | ¥10,423 |
| 3人 | 9.6㎥ | ¥8,105 | 19.6㎥ | ¥16,489 |
| 4人 | 11.3㎥ | ¥9,506 | 23.1㎥ | ¥19,425 |
【沖縄エリア】
| 世帯人数 | 使用量(夏季) | 平均料金(夏季) | 使用量(冬季) | 平均料金(冬季) |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | 4.1㎥ | ¥3,832 | 6.6㎥ | ¥6,084 |
| 2人 | 5.2㎥ | ¥4,790 | 8.2㎥ | ¥7,604 |
| 3人 | 7.8㎥ | ¥7,185 | 12.3㎥ | ¥11,407 |
| 4人 | 10.0㎥ | ¥9,281 | 15.9㎥ | ¥14,734 |
※エネピ調べ
平均と適正価格の違い
自宅のガス料金が平均よりも高い場合、「適正価格」を基準に見直すことが重要です。適正価格はガスの供給に必要なコストを考慮した上で設定されており、消費者が不当に高い料金を支払わないようにするための基準となります。
つまり、平均料金は実際に消費者が支払っている料金の傾向を示すものであり、適正価格は消費者が合理的な料金でガスを利用できるようにするための指標です。
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なぜ高いのか?ガス代を押し上げる4つの根本原因
自身のガス代が平均よりも高いことを確認できた、あるいは平均的でもなお負担に感じている場合、次はその原因を特定することが重要です。ガス代の高騰は単一の理由で起こるものではなく、複数の要因が複雑に絡み合っています。ここでは、ガス代を押し上げる4つの主要な原因について解説します。
原因1:家庭内のガス使用量そのものの増加
ガス代を押し上げる直接的な原因となるのは、家庭内でのガス使用量の増加です。特に以下のようなライフスタイルの変化は、ガス消費量に顕著な影響を与えます。
- 家族構成の変化:家族が増えれば、入浴や調理の回数が増え、必然的にガス使用量は増加します。
- 在宅時間の増加:リモートワークの普及などにより在宅時間が増えると、日中の調理や暖房、給湯の使用機会が増え、ガス代を押し上げる要因となります。
- 季節的要因:前述の通り、冬場は水温が低いため給湯に必要なガス量が増えるほか、ガス暖房器具の使用も加わり、ガス消費量はピークに達します。
これらの変化に自覚的でない場合、「何も変えていないのにガス代が上がった」と感じてしまうことがあります。まずは直近数ヶ月の生活習慣の変化を振り返ってみてください。
原因2:給湯器の経年劣化による熱効率の低下
家庭におけるガス消費の大部分を占めるのが、お湯を作り出す「給湯器」です。この給湯器が、知らず知らずのうちにガス代を増大させる大きな原因となっている場合があります。
ガス給湯器の設計上の標準使用期間、すなわち寿命は、一般的に約10年とされています 。長年使用された給湯器は、内部の部品が劣化し、「熱効率」が著しく低下します 。熱効率が低いということは、同じ量のお湯を沸かすためにより多くのガスを燃焼させる必要があることを意味し、これが直接的にガス代の増加につながります。
もし、ガスの使い方を特に変えていないにもかかわらず、ガス代が年々上昇していると感じる場合は、給湯器の経年劣化を疑うべきです。診断は非常に簡単です。給湯器本体の表面には、製造年月が記載されたラベルが貼られています 。例えば「16.05-123456」とあれば、2016年5月製造を意味します。この日付を確認し、設置から10年以上が経過している場合は、給湯器の交換がより効果的なガス代削減策となる可能性が高いです。
原因3:都市ガスとプロパンガス(LPガス)の価格差
現在契約しているガスの種類が「都市ガス」か「プロパンガス(LPガス)」かによって、料金水準は大きく異なります。一般的に、プロパンガスは都市ガスに比べて料金が1.5倍から2倍程度高いとされています 。この価格差は、両者の供給インフラと料金制度の根本的な違いに起因します。
- インフラと配送コストの違い:都市ガスは、道路の下に埋設されたガス導管網を通じて各家庭に直接供給されます。一度インフラが整備されれば、維持管理コストは比較的安定しています。一方、プロパンガスは、ガスボンベをトラックで各家庭まで個別に配送し、設置・交換する必要があります。この配送にかかる人件費や輸送費が、料金に上乗せされるため、構造的にコストが高くなります。
- 料金制度の違い:都市ガス料金は、ある程度の公的な規制の下で設定されていますが、プロパンガスは「自由料金制」です。これは、各ガス会社が自由に価格を設定できることを意味します。特に競争が少ない地域では、価格競争が働きにくく、料金が高止まりする傾向があります。
引っ越しなどでプロパンガスの物件に移った際に、ガス代が急に高くなったと感じるのは、この構造的な価格差が原因です。ただし、プロパンガスは料金設定に縛りがないぶん、ガス会社によって料金が大きく変わることがあります。
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効果を実感!今日から始められるガス代節約術
ガス代高騰の原因が分かったところで、次はいよいよ具体的な対策です。高額な設備投資や契約変更の前に、まずは日々の生活習慣を見直すだけで、ガス代を大幅に削減することが可能です。ここでは、家庭内でガスの消費量が多い「お風呂」「キッチン」「暖房」の3つのエリアに分け、即効性が高く、誰でも今日から始められる「25の節約テクニック」を紹介します。
【お風呂】給湯エネルギーを徹底的に削減する
家庭のガス消費量のうち、最も大きな割合を占めるのが給湯、特にお風呂です。ここでの小さな工夫が、月々のガス代に大きな差を生み出します。
1. 給湯温度を1~2℃下げる:給湯器のリモコン設定温度を、例えば40℃から38℃に下げるだけで、年間約1,500円の節約につながるという試算があります 。必要以上に高い温度で給湯し、水で薄めて適温にするのはエネルギーの無駄です。
2. 追い焚きの回数を最小限に:追い焚きは冷めたお湯を温め直すため、多くのガスを消費します。家族がいる場合は、入浴間隔を空けず、連続して入ることを心がけましょう。2時間放置して4~5℃温度が低下した200Lの浴槽を追い焚きする場合、年間で約6000円ものコストがかかるとされています。
3. 浴槽のフタを徹底活用:お湯を張ったらすぐにフタをする、体を洗っている間もフタをする、といった習慣をつけましょう。フタをすることで放熱を防ぎ、お湯の温度低下を緩やかにして追い焚きの頻度を減らせます。
4. 浴槽に張るお湯の量を減らす:肩まで浸かってもお湯が溢れない程度に、湯量を少し減らすだけでも、沸かすガスの量を節約できます。
5. シャワー時間を1分短縮:シャワーは1分間流しっぱなしにすると約12Lものお湯を消費します 。毎日1分シャワー時間を短縮するだけで、年間約2,000円のガス代節約になります。
6. シャワーはこまめに止める:髪や体を洗っている間、シャワーを出しっぱなしにするのはやめましょう。こまめに止める習慣が、ガス代と水道代の両方を節約します。
7. 節水シャワーヘッドに交換する:これは低コストながら効果の高い投資です。お湯の勢いを保ちながらも使用水量を削減できるため、無理なくお湯の使用量を減らし、ガス代を節約できます。
8. 給湯システムの電源をオフに:入浴時間外は、給湯器のリモコンパネルの電源をオフにしましょう。機種によっては、電源がオンになっているだけで自動保温機能が働き、無駄なガスを消費することがあります。
【キッチン】調理のガス代を賢くカットする
お風呂の次にガスを多く使うのがキッチンです。調理方法や後片付けの工夫で、ここでも大きな節約が可能です。
9. 食器洗いは低温で:油汚れがひどいもの以外は、給湯温度を少し下げて洗いましょう。手洗いの場合、給湯器の設定を40℃から38℃に下げるだけで年間約1,400円の節約効果が見込めます。
10. 食洗機を有効活用:食器洗い乾燥機を持っている場合、手洗いよりも効率的に洗浄できるため、ガス代と水道代のトータルコストを抑えられることが多いです。
11. 調理の火加減は「中火」を基本に:炎が鍋底からはみ出すほどの強火は、エネルギーの無駄遣いです。炎の先端がちょうど鍋底に当たるくらいの中火が最も熱効率が良いとされています。
12. 鍋には必ずフタをする:調理中にフタをすることで熱が逃げるのを防ぎ、食材に早く火が通るため、調理時間を短縮しガスの使用量を減らせます 。落し蓋の活用も同様に効果的です。
13. 圧力鍋・保温調理鍋を活用:煮込み料理など、加熱時間が長い調理には圧力鍋や保温調理鍋が絶大な効果を発揮します。ガスの使用時間を劇的に短縮できます。
14. 電子レンジとの連携プレー:ジャガイモやニンジンなどの硬い根菜の下ごしらえは、ガスで茹でるのではなく電子レンジで加熱しましょう。時間もガス代も大幅に節約できます。
15. 冷凍食材は自然解凍:凍ったままの食材をガスコンロで加熱すると、解凍にもエネルギーを使うため、調理時間が長引きます。事前に自然解凍や電子レンジの解凍機能を使うことで、ガスの使用を抑えられます。
16. お湯は給湯器や電気ケトルから:やかんで水からお湯を沸かすよりも、給湯器から直接お湯を使ったり、電気ケトルで沸かしたりする方が効率的な場合があります。
17. 鍋底の水滴は拭き取る:鍋の外側に水滴がついたまま火にかけると、水を蒸発させるために余分なエネルギーが使われてしまいます。火にかける前に拭き取る一手間が節約につながります。
18. 調理器具やコンロは清潔に:ガスコンロのバーナーの目詰まりや、鍋底のすす汚れは熱効率を低下させます。定期的な掃除を心がけましょう。
19. まとめて調理・ゆで汁の再利用:複数の料理を一つの鍋で同時に調理したり、パスタのゆで汁をスープに再利用したりするなど、一度使った熱を無駄にしない工夫も有効です。
【暖房】熱を逃さず効率的に運用する
ガスファンヒーターやガス温水床暖房など、ガスを暖房に利用している家庭では、冬場のガス代が跳ね上がります。以下の工夫で効率を高めましょう。
20. 設定温度を無理なく下げる:暖房の設定温度を1℃下げるだけでも、大きな省エネ効果があります 。厚着をするなど服装で調整しましょう。
21. 窓からの熱の流出を防ぐ:家の中で最も熱が逃げやすいのは窓です。厚手のカーテンや断熱シートを活用して、窓の断熱性を高めましょう。これにより、暖房器具の稼働時間を減らすことができます。
22. 必要な時だけ使用する:タイマー機能を活用し、人がいない時間帯や就寝中は暖房をオフにするなど、必要な時にだけ使用することを徹底しましょう。
23. フィルターの定期的な清掃:ガスファンヒーターのフィルターにホコリが詰まると、暖房効率が低下し、余分なガスを消費します。シーズン前とシーズン中に定期的な掃除を行いましょう。
24. 石油ストーブとの併用:もし石油ストーブがあれば、暖房と同時に天板で煮込み料理をするなど、熱を有効活用することでガス代を節約するという方法もあります。
25. 支払い方法の見直し:ガス料金の支払い方法をクレジットカード払いに変更することで、ポイント還元を受けられる場合があります。直接的なガス使用量の削減ではありませんが、実質的な負担を軽減する一つの方法です。
これらの節約術は、一つひとつは小さなものかもしれませんが、組み合わせることで月々、そして年間のガス代に大きな違いとなって現れます。まずはできそうなことから、今日から始めてみましょう。
長期的な節約を実現!ガス会社を切り替える方法
ガス会社を切り替えることで、より安価なプランに変更できるかもしれません。例えば、電気とガスをセットにしたプランを利用すると割引が適用されることがあります。なお、プロパンガスは都市ガスよりも料金が高いため、可能であれば都市ガスを選択します。プロパンガスを使用する場合は、複数のガス会社を比較検討し、適正価格のガス会社を選ぶことが重要です。
料金プランの比較:
各ガス会社は異なる料金プランを提供しています。自分の使用量に基づいて、基本料金や従量料金を比較することが重要です。特に、電気とガスをセットで契約することで割引が適用されるプランもあるため、これも考慮に入れるべきです。
キャンペーンや特典の確認:
ガス会社によっては、契約時にキャッシュバックやポイント還元などのキャンペーンを行っている場合があります。これらの特典を利用することで、実質的なコストを削減できる可能性があります。
オンライン比較ツールの利用:
WEB完結型の専門の比較サイトを利用することで、郵便番号や現在のガス代を入力するだけで、最適なガス会社を見つけることができます。手間をかけずに複数の会社を比較できるため、ぜひ利用してみてください。
ガス会社を切り替える際の注意点
ガス会社の切り替えを進める上で、いくつか気を付けるべきポイントがあります。以下に、主な注意点を説明します。
契約内容の確認:
現在の契約に解約金が発生する場合があるため、契約内容をよく確認しておくことが大切です。特に、キャンペーンなどで契約期間が設定されている場合は注意が必要です。
供給エリアの確認:
新しいガス会社が自宅の供給エリア内でサービスを提供しているか確認する必要があります。都市ガスとプロパンガスでは供給エリアが異なるため、事前に調査しておくことが重要です。
切り替え手続きの流れ:
ガス会社の切り替えは、通常、現在の会社の解約手続きと新しい会社への契約申し込みを同時に行います。新しい会社が解約手続きを代行してくれることが多いですが、手続きにかかる時間や必要な書類を確認しておくと安心です。
都市ガスとプロパンガスの切り替えについて
都市ガスは料金が安い一方で、供給エリアが限られているため、利用できない地域もあります。まず都市ガスの供給エリアであることを確認し、次に新しいガス会社を選定します。その後、見積もりを取り、契約を行います。
切り替えにはガス導管の引き込み工事が必要になる場合があり、これには費用がかかることがあります。また、ガス器具が都市ガス用でない場合は新たに購入する必要があるため、総合的なコストを計算することが重要です。
以上の情報を参考に、ガス会社の切り替えを検討してみてください。
ガス代の料金構成と注意点
ガス代についての理解を深めるために、以下のポイントを詳しく解説します。
- 料金の構成要素と計算方法
- 二部料金制と三部料金制の違い
- 都市ガスとプロパンガスの違い
料金の構成要素と計算方法
ガス料金は主に3つの要素で構成されています。
基本料金:ガスメーターや供給配管などの設備費用、点検調査、事務手数料などを含む固定費用です。
従量料金:ガスの使用量に応じて変動する料金です。使用量に従量単価を掛けて算出します。
設備料金:一部の契約で適用される追加料金です。
では、ガス料金の基本的な計算式を示します。
なお、従量単価は燃料価格の変動に応じて毎月見直されます。
二部料金制と三部料金制の違い
ガス料金の体系には主に二部料金制と三部料金制があります。
二部料金制は基本料金と従量料金から構成されます。これまで多くのガス会社で採用されてきた最も一般的な料金体系です。
三部料金制は基本料金・従量料金に加え、設備料金が別途加算される仕組みです。基本料金に含まれていたガス漏れ警報器の使用料やガス設備の維持管理費用などが別途請求されるため、請求内容の透明性が上がります。
なお、法令により今後ガス会社は三部料金制を徹底することになります。
都市ガスとプロパンガスの違い
都市ガスとプロパンガス(LPガス)には以下のような重要な違いがあります。
料金の違い:
都市ガスは規制料金が適用されるため、一般的に料金が安く、価格が安定しています。一方、プロパンガスは自由料金制であり、各プロパンガス会社が独自に料金を設定します。そのため、同じ地域でも料金に大きな差が生じることがあります。
供給方法の違い:
都市ガスは地下の導管を通じて供給されます。導管設備の初期費用がかかるため、主に都市部や人口密集地域に限定されます。一方、プロパンガスはボンベに詰められ配送されるため、幅広いエリアに供給可能です。
以上のポイントを理解することで、ガス料金の見直しや節約方法を考える際に適切な選択がしやすくなります。
まとめ
今回は、ガス代が高くなる原因と、具体的な対策について解説しました。最後に、重要なポイントを振り返ります。
- 原因の把握:ガス代が高くなっているのは使用量の増加だけでなく、ガス機器の老朽化や契約プランのミスマッチなど複数の要因が考えられる。
- 日々の節約:お風呂やキッチンでのガスの使い方を少し工夫するだけでも着実な節約効果が期待できる。また冬場は暖房の使い方を見直すことも大切。
- 根本的な対策:最も効果的な対策の一つは、より条件の良いガス会社・料金プランへ切り替えること。特にプロパンガスは複数のガス会社を比較検討することが重要。
「高いな」と感じた今こそ、ご家庭の光熱費を見直す絶好の機会です。まずはエネピの料金比較サービスで、ご家庭のガス代がどのくらい安くなる可能性があるのか診断してみてはいかがでしょうか。ご自身の状況に合った選択肢を知ることで、家計にやさしく快適な暮らしを実現してください。


