近年、ガス代の高騰が多くの家庭の家計を圧迫し、大きな問題となっています。そこで今回は、ガス代が高くなっている背景を明らかにするとともに、一般家庭の平均的なガス代や、今すぐ実践すべき節約対策など、ガス代の見直しを検討している方にとって必要な情報をお届けします。

  • 自宅のガス料金は適正価格を基準に見直すことが重要です。適正価格はガスの供給に必要な最低限の料金を現します。
  • 近年のガス代高騰の要因は燃料価格の上昇です。これは国際情勢や円安など複数の原因が影響しています。
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世帯人数別の平均使用量と料金

自宅のガス代が高いかどうかを判断する際、ガスの使用量と料金の平均値が有用な情報となります。ただし、平均値は世帯人数や地域、ガスの種類によって異なります。

以下に、それぞれの平均値を紹介します。

都市ガスの平均料金

都市ガスの平均使用量および平均料金は以下のとおりです。

【北海道エリア】

世帯人数使用量平均料金
1人19㎥¥4,592
2人31㎥¥6,580
3人39㎥¥7,905
4人40㎥¥8,070

【東北エリア】

世帯人数使用量平均料金
1人19㎥¥5,241
2人31㎥¥7,890
3人39㎥¥9,597
4人40㎥¥9,805

【関東エリア】

世帯人数使用量平均料金
1人19㎥¥3,286
2人31㎥¥4,779
3人39㎥¥5,766
4人40㎥¥5,890

【中部エリア】

世帯人数使用量平均料金
1人19㎥¥4,901
2人31㎥¥7,200
3人39㎥¥8,694
4人40㎥¥8,881

【近畿エリア】

世帯人数使用量平均料金
1人19㎥¥3,856
2人31㎥¥5,527
3人39㎥¥6,623
4人40㎥¥6,759

【中国エリア】

世帯人数使用量平均料金
1人19㎥¥5,297
2人31㎥¥7,822
3人39㎥¥9,445
4人40㎥¥9,646

【四国エリア】

世帯人数使用量平均料金
1人19㎥¥6,463
2人31㎥¥8,893
3人39㎥¥10,461
4人40㎥¥10,657

【九州エリア】

世帯人数使用量平均料金
1人19㎥¥6,034
2人31㎥¥8,998
3人39㎥¥10,908
4人40㎥¥11,147

【沖縄エリア】

世帯人数使用量平均料金
1人19㎥¥5,067
2人31㎥¥7,617
3人39㎥¥9,218
4人40㎥¥9,418

※エネピ調べ

プロパンガスの平均料金

プロパンガスの平均使用量および平均料金は以下のとおりです。

【北海道エリア】

世帯人数使用量(夏季)平均料金(夏季)使用量(冬季)平均料金(冬季)
1人3.6㎥¥4,4664.5㎥¥5,524
2人4.5㎥¥5,5835.6㎥¥6,905
3人6.3㎥¥7,7977.8㎥¥9,643
4人9.4㎥¥11,55111.6㎥¥14,286

【東北エリア】

世帯人数使用量(夏季)平均料金(夏季)使用量(冬季)平均料金(冬季)
1人5.8㎥¥5,49210.2㎥¥9,638
2人7.2㎥¥6,86512.7㎥¥12,047
3人9.2㎥¥8,67516.2㎥¥15,307
4人12.6㎥¥11,94422.2㎥¥21,003

【関東エリア】

世帯人数使用量(夏季)平均料金(夏季)使用量(冬季)平均料金(冬季)
1人6.3㎥¥4,85011.9㎥¥9,123
2人7.9㎥¥6,06214.9㎥¥11,404
3人11.5㎥¥8,80921.6㎥¥16,587
4人13.1㎥¥10,04624.7㎥¥18,906

【中部エリア】

世帯人数使用量(夏季)平均料金(夏季)使用量(冬季)平均料金(冬季)
1人5.8㎥¥4,96010.2㎥¥8,748
2人7.2㎥¥6,20012.8㎥¥10,935
3人10.8㎥¥9,26919.0㎥¥16,318
4人12.4㎥¥10,68722.0㎥¥18,854

【近畿エリア】

世帯人数使用量(夏季)平均料金(夏季)使用量(冬季)平均料金(冬季)
1人5.7㎥¥4,55211.0㎥¥8,889
2人7.1㎥¥5,69013.8㎥¥11,112
3人10.7㎥¥8,60120.9㎥¥16,808
4人12.7㎥¥10,21124.6㎥¥19,829

【中国エリア】

世帯人数使用量(夏季)平均料金(夏季)使用量(冬季)平均料金(冬季)
1人4.8㎥¥4,39710.0㎥¥9,106
2人6.1㎥¥5,49712.5㎥¥11,383
3人9.1㎥¥8,27118.7㎥¥16,970
4人10.6㎥¥9,60621.6㎥¥19,556

【四国エリア】

世帯人数使用量(夏季)平均料金(夏季)使用量(冬季)平均料金(冬季)
1人5.2㎥¥4,28910.0㎥¥8,280
2人6.5㎥¥5,36212.5㎥¥10,350
3人9.0㎥¥7,42517.3㎥¥14,285
4人12.8㎥¥10,58024.7㎥¥20,438

【九州エリア】

世帯人数使用量(夏季)平均料金(夏季)使用量(冬季)平均料金(冬季)
1人4.9㎥¥4,0859.9㎥¥8,338
2人6.1㎥¥5,10612.4㎥¥10,423
3人9.6㎥¥8,10519.6㎥¥16,489
4人11.3㎥¥9,50623.1㎥¥19,425

【沖縄エリア】

世帯人数使用量(夏季)平均料金(夏季)使用量(冬季)平均料金(冬季)
1人4.1㎥¥3,8326.6㎥¥6,084
2人5.2㎥¥4,7908.2㎥¥7,604
3人7.8㎥¥7,18512.3㎥¥11,407
4人10.0㎥¥9,28115.9㎥¥14,734

※エネピ調べ

都市ガスとプロパンガス(LPガス)の見分け方!あなたはどっち?
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平均と適正価格の違い

自宅のガス料金が平均よりも高い場合、「適正価格」を基準に見直すことが重要です。適正価格はガスの供給に必要なコストを考慮した上で設定されており、消費者が不当に高い料金を支払わないようにするための基準となります。

つまり、平均料金は実際に消費者が支払っている料金の傾向を示すものであり、適正価格は消費者が合理的な料金でガスを利用できるようにするための指標です。

>>都市ガスの適正価格が知りたい方はコチラ
>>プロパンガスの適正価格が知りたい方はコチラ

ガス代高騰の原因とは

近年、ガス代の高騰は多くの家庭にとって大きな経済的負担となっています。以下に、ガス代高騰の原因を近年の状況と一般的な要因に分けて詳しく説明します。

近年考えられる原因

近年、特に2021年以降、液化天然ガス(LNG)などの燃料価格が急騰しています。これは、ロシアのウクライナ侵攻や世界的なエネルギー需要の回復、人手不足による物流コストの増加、円安などが影響しています。

日本はLNGのほとんどを輸入に依存しているため、国際市場での価格上昇が直接的に国内のガス料金に反映されます。特に燃料費調整額の影響が大きく、燃料価格が高騰するとガス料金に加算されるため、毎月の請求額が増加します。

参考:ダイヤモンド・オンライン

一般的に考えられる原因

ガス代が高くなる一般的な原因には、以下のようなものがあります。

ガスの使用量が多い:
家庭でのガス使用量が増えることも、ガス代が高くなる主要な要因です。特に冬季には暖房やお風呂の使用頻度が増加し、ガスの消費量が増える傾向があります。家族の人数が増えたり、生活スタイルが変わったりすることも、使用量の増加に繋がります。

ガス機器の効率が悪い:
古い給湯器やガス機器は熱効率が低く、同じ量のお湯を沸かすのに多くのガスを消費します。そのため、古い機器を使用している家庭ではガス代が高くなる可能性があります。新しい省エネ型の給湯器に切り替えることでガス代を削減できるかもしれません。

ガス料金の単価が高い:
ガス会社によって料金体系が異なり、単価が高い場合があります。複数のガス会社の料金を比較し、より安い料金プランに切り替えることで節約できる可能性があります。

プロパンガスを使用している:
プロパンガスは都市ガスと比べて一般的に料金が高くなります。プロパンガスは自由料金制のため、会社によって大きく料金が異なる場合があり、なかには適正価格を大きく上回る悪徳会社も存在します。

プロパンガス(LPガス)とは?初心者でも分かる基礎知識と料金を安くする方法
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ガス代の料金構成と注意点

料金計算のイメージ

ガス代についての理解を深めるために、以下のポイントを詳しく解説します。

  • 料金の構成要素と計算方法
  • 二部料金制と三部料金制の違い
  • 都市ガスとプロパンガスの違い

料金の構成要素と計算方法

ガス料金は主に3つの要素で構成されています。

基本料金:ガスメーターや供給配管などの設備費用、点検調査、事務手数料などを含む固定費用です。

従量料金:ガスの使用量に応じて変動する料金です。使用量に従量単価を掛けて算出します。

設備料金:一部の契約で適用される追加料金です。

では、ガス料金の基本的な計算式を示します。

ガス料金 = 基本料金 + 従量料金(+ 設備料金)


なお、従量単価は燃料価格の変動に応じて毎月見直されます。

二部料金制と三部料金制の違い

ガス料金の体系には主に二部料金制と三部料金制があります。

二部料金制は基本料金と従量料金から構成されます。これまで多くのガス会社で採用されてきた最も一般的な料金体系です。

三部料金制は基本料金・従量料金に加え、設備料金が別途加算される仕組みです。基本料金に含まれていたガス漏れ警報器の使用料やガス設備の維持管理費用などが別途請求されるため、請求内容の透明性が上がります。

なお、法令により今後ガス会社は三部料金制を徹底することになります。

都市ガスとプロパンガスの違い

都市ガスとプロパンガス(LPガス)には以下のような重要な違いがあります。

料金の違い:
都市ガスは規制料金が適用されるため、一般的に料金が安く、価格が安定しています。一方、プロパンガスは自由料金制であり、各プロパンガス会社が独自に料金を設定します。そのため、同じ地域でも料金に大きな差が生じることがあります。

供給方法の違い:
都市ガスは地下の導管を通じて供給されます。導管設備の初期費用がかかるため、主に都市部や人口密集地域に限定されます。一方、プロパンガスはボンベに詰められ配送されるため、幅広いエリアに供給可能です。

以上のポイントを理解することで、ガス料金の見直しや節約方法を考える際に適切な選択がしやすくなります。

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ガス代を節約するための具体的な方法

ガス代を節約するための具体的な方法を4つ紹介します。

  • シャワーやお風呂で使用量を減らす
  • 料理や洗い物で使用量を減らす
  • ガス機器を買い替える
  • ガス会社を切り替える

シャワーやお風呂で使用量を減らす

お風呂の設定温度を下げることで、ガスの使用量を減らします。例えば42℃から40℃に下げることで、1回の入浴あたり約7.2円※の節約が可能です。シャワーの温度も同様に下げることでガス代を抑えることができます。また、シャワーの使用時間を1分減らすだけで、約26.6円※の節約になります。タイマーを使って時間を管理するのも効果的です。

東京ガス

料理や洗い物で使用量を減らす

料理の際は強火ではなく中火を使用することで、ガスの無駄遣いを防ぎます。強火を使い鍋底から火がはみ出ると、無駄にエネルギーを消費することになります。また、食器を洗う際にお湯を使うのではなく、水で洗うことを検討してください。汚れが少ない場合は、水でも十分洗い流すことができます。

ガス機器を買い替える

古い給湯器は熱効率が低いため、最新の省エネ型給湯器に交換することでガス代を削減できます。新しい給湯器は熱効率が90%を超えるものもあり、同じ量のお湯を沸かすのに必要なガス量が少なくなります。また、熱効率が高いガスコンロは調理時間を短縮でき、ガス代の節約につながります。

ガス会社を切り替える

ガス会社を切り替えることで、より安価なプランに変更できるかもしれません。例えば、電気とガスをセットにしたプランを利用すると割引が適用されることがあります。なお、プロパンガスは都市ガスよりも料金が高いため、可能であれば都市ガスを選択します。プロパンガスを使用する場合は、複数のガス会社を比較検討し、適正価格のガス会社を選ぶことが重要です。

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ガス会社・料金プランの比較について

ガス会社・料金プランを切り替える際は、複数の選択肢を比較することが重要です。以下に、ガス会社を比較する際のポイントを説明します。

ガス会社の比較ポイント

料金プランの比較:
各ガス会社は異なる料金プランを提供しています。自分の使用量に基づいて、基本料金や従量料金を比較することが重要です。特に、電気とガスをセットで契約することで割引が適用されるプランもあるため、これも考慮に入れるべきです。

キャンペーンや特典の確認:
ガス会社によっては、契約時にキャッシュバックやポイント還元などのキャンペーンを行っている場合があります。これらの特典を利用することで、実質的なコストを削減できる可能性があります。

オンライン比較ツールの利用:
WEB完結型の専門の比較サイトを利用することで、郵便番号や現在のガス代を入力するだけで、最適なガス会社を見つけることができます。手間をかけずに複数の会社を比較できるため、ぜひ利用してみてください。

ガス会社を切り替える際の注意点

ガス会社の切り替えを進める上で、いくつか気を付けるべきポイントがあります。以下に、主な注意点を説明します。

契約内容の確認:
現在の契約に解約金が発生する場合があるため、契約内容をよく確認しておくことが大切です。特に、キャンペーンなどで契約期間が設定されている場合は注意が必要です。

供給エリアの確認:
新しいガス会社が自宅の供給エリア内でサービスを提供しているか確認する必要があります。都市ガスとプロパンガスでは供給エリアが異なるため、事前に調査しておくことが重要です。

切り替え手続きの流れ:
ガス会社の切り替えは、通常、現在の会社の解約手続きと新しい会社への契約申し込みを同時に行います。新しい会社が解約手続きを代行してくれることが多いですが、手続きにかかる時間や必要な書類を確認しておくと安心です。

都市ガスとプロパンガスの切り替えについて

都市ガスは料金が安い一方で、供給エリアが限られているため、利用できない地域もあります。まず都市ガスの供給エリアであることを確認し、次に新しいガス会社を選定します。その後、見積もりを取り、契約を行います。

切り替えにはガス導管の引き込み工事が必要になる場合があり、これには費用がかかることがあります。また、ガス器具が都市ガス用でない場合は新たに購入する必要があるため、総合的なコストを計算することが重要です。

以上の情報を参考に、ガス会社の切り替えを検討してみてください。

まとめ

ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。

ガス代が高い理由とは?
ガス代が高くなる原因には以下のようなものがあります。ガスの使用量が多い、ガス機器の効率が悪い、ガス料金の単価が高い、プロパンガスを使用している。プロパンガスは都市ガスと比べて一般的に料金が高くなります。
ガスの平均料金とは?
ガス料金は世帯人数や地域、ガスの種類などによって異なります。自宅エリアのガスの適正価格が知りたい場合は、エネピの料金比較サービスをご利用ください。都市ガスはコチラ プロパンガスはコチラ
ガス代の節約方法とは?
ガス代を節約方法には以下のようなものがあります。シャワーやお風呂で使用量を減らす、料理や洗い物で使用量を減らす、ガス機器を買い替える、ガス会社を切り替える。ぜひ複数のガス会社を比較し、より安価なプランを探してみてください。
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エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。