電力自由化は、私たちに電気料金の選択肢を増やしてくれたり、サービス面での可能性を増やしてくれたりと明るい面が注目されがちですが、必ずしもメリットばかりをもたらすとは限りません。そこで、今回は電力自由化が先行する欧米が経験した大停電についてまとめます。

電力自由化の弊害?アメリカ・ヨーロッパの大停電

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北米北東部大停電(2003年8月)

北米北東部大停電の概要

200381413時、オハイオ州にあるFirst Energy社の石炭火力発電所が停止したあと、送電線や発電所の停止が相次ぎ、最終的には5316,180kWが停止しました。

停電は米国東海岸8州およびカナダのオンタリオ州という広域にわたり、全域での電力供給が再開したのは1611時になってからのことでした。およそ5,000万人に影響がおよび、被害総額は40億ドル以上と言われています。

北米北東部大停電の原因

送電線のうち、はじめに停止したものは樹木に接触したことが原因でした。First Energy社の系統監視が不十分で、状況を正確に把握できなかったことから事態が悪化したとみられています。

北米北東部大停電の解決策

北米北東部大停電を受けて、系統運用者の権限・責任の明確化や、樹木管理を含めた送電系統の安定運用にかかわる基準が見直されました。

イタリア大停電(2003年9月)

イタリア大停電の概要

2003928日未明、スイスからの送電系統が樹木に接触して停止し、その後連鎖的に他の送電線も停止し、イタリアの系統が孤立したことで全国的に最長19時間にわたる大停電となりました。

イタリア大停電の原因

当時、イタリアは電力総需要の4分の1を輸入に依存しており、その大部分をスイスに頼っていました。イタリアでは20世紀末に脱原発が進められたことで、火力発電比率が高く、卸電力価格が欧州の主要国と比べ4割ほど高いことが背景にあります。そのため、自国の発電所を部分的に停止し、周辺国から割安の電力を輸入していたのです。

イタリア大停電のその後の対策

イタリア大停電を受けて、電力の安定供給維持への国の関与が強化され、輸入依存度が15%程度に低減されました。さらに、政府が主導して、電力の安定供給や価格引き下げのために原子力開発の再開を目指していましたが、福島原発事故の余波で撤回されています。

西欧大停電(2006年11月)

西欧大停電の概要

200611422時、送電線が連鎖的に停止し、西欧全域で約2時間にわたり停電が発生しました。フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、ポルトガルなど11か国で、約1,500万軒に影響が出ました。

西欧大停電の原因

ドイツで船舶通航のために送電線を停止したことがきっかけとなりましたが、停止する際に供給への影響についての確認が不十分で、他の送電線に過負荷がかかったことが直接的な原因です。また、風力発電やコジェネレーションなどの分散型電源が自動的に系統から外れ、これらをつなぎ直す作業に時間がかかったことから停電が長引きました。

西欧大停電のその後の対策

西欧大停電を受けて、送電線の運用が正しく行われるよう広域送電機関や広域データベースがEU主導のもと整備されました。また、分散型電源が自動的に系統から外れないようにするための議論も行われています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?必ずしも電力小売自由化が、停電の直接的な原因というわけではありませんが、各社の監視体制の問題など、ヒューマンエラーによって大規模な停電が引き起こされていることが分かります。電気代というコスト面も重要ですが、自由化後の電力会社には、電気の安定的な運用についてもしっかり取り組んで頂きたいですね。

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