イギリスの事例に学ぶ電力自由化

イギリスの事例に学ぶ電力自由化イギリスの事例に学ぶ電力自由化

日本でもいよいよ2016年より電力小売事業の全面自由化が始まり、私たちは自分でどの事業者から電力を買うかを選べるようになりました。どのような状況になっていくのかまだイメージがつかない方も多いかもしれませんね。海外ではすでに電力自由化が行われている国がいくつもありますが、今回は、その中でも先駆けとなったイギリスに焦点を当ててみたいと思います。イギリスではどのように電力自由化が行われたのでしょうか。

イギリスにおける電力自由化の歴史

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イギリスにおける電力自由化は、1990年に始まりました。

当時、電力価格が高騰していたことを受け、電力自由化によって新しい市場改革を実現し、消費者の負担を減らそうという目的でした。
もともと発電と送電を独占していた国営の発送電局を、3つの発電会社と1つの送電会社に分割・民営化し、同様に国営配電局も民営化されて地域配電会社として運営体制を変更。
電力の小売市場の自由化は、工場などの大きな需要家から徐々にスタートされました。

家庭用の電気を含めた全面的な電力自由化は1999年に行われ、それ以来、顧客獲得に向けた各社間の競争は熾烈をきわめていきます。
外資企業を含む新規参入が相次ぎ、競争が進むにつれて企業間買収やグループ化も進みました。

現在では、電力自由化を開始した当初とは大きく様子が変わり、Big6(※)と呼ばれる6大グループが小売市場で9割以上、発電市場で7割のシェアを占めています。
また、イギリスでは電力自由化よりも先にガス市場の自由化が行われていたため、多くの電力小売会社は電力とガスのセット販売を行っていることも特徴的です。

※Big6…エーオンUK(ドイツ)、RWEエヌパワー(ドイツ)、EDFエナジー(フランス)、スコティッシュパワー(スペイン)、スコティッシュ・アンド・サザン・エナジー(英国)、ブリティッシュ・ガス(英国)の6社

電力自由化がイギリスの電力卸売価格に与えた影響

電力自由化がイギリスの電力卸売価格に与えた影響について、具体的に見ていきましょう。

冒頭で述べた通り、イギリスの電力自由化の目的は、電力卸売価格を低減することにより消費者の負担を減らすことでした。
一般社団法人日本エネルギー経済研究所の調査レポート「英国:電力自由化、規制改革と企業戦略」によれば、
電力自由化が行われた初期段階である1998年から2002年にかけて、電力の卸売価格は40%下落しましたが、その後しばらく上昇に転じています。

というのも、最初に卸売価格が下落したのは新規参入が増えたことによる一時的な競争の拡大が主な原因であり、根本的な市場改革が実現したわけではなかったのです。
皮肉なことに、消費者の負担を減らすどころか、さらに増やす結果となってしまったのです。

卸売価格が上昇に転じた要因としては、発電に使われる燃料費の高騰が挙げられます。
イギリスの発電用燃料シェアの大部分を占める、天然ガスの価格が特に影響したのです。

消費者は切り替えを行ったか

イギリスの規制当局であるOfgem(Office of Gas and Electricity Markets=電力・ガス市場局)の調査レポート「Retail Market Review 2015 Survey Report prepared for Ofgem」によれば、イギリスでは約40%のユーザーが、現在までに電力会社の切り替えを行っています。
半数近くの人が、契約会社の切り替えは当然だと認識したようですね。
この内の7割以上の方が、「電気料金が安くなるから」という理由で契約会社を乗り換えました。

ところが2013年、主要な電力会社であるBig6が、燃料費の変動幅以上の金額に値上げしたことがあります。
月々の電気代だけを基準にして切り替えてしまった人達は、きっと納得がいかなかったことでしょう。

一方で、さまざまな業界が電力自由化のビジネスに参入していき、電気料金以外のメリットも含むサービスを提案し続けています。
例えば通信業系の事業者では、インターネットの接続や携帯電話の割引というプランが追加されます。
各企業が実行していく独自の電気料金設定・電気以外の付帯サービスの中から、需給者は最もライフスタイルに合ったものを選び、電力を購入しているのです。

競争の激化による料金の複雑化、そして電力比較サイトの発達

各社間の競争が激化するにつれ、電気の料金メニューが多様化し、内容が複雑になりました。
色とりどりの情報量の中から、需要家側が自分に最適なサービスを探し出すのは難しいものです。
そのような状況で、消費者が料金メニューを選びやすくなるように、多くの電力比較サイトが発達していきました。

Ofgemは、消費者によるサービス選択のしやすさをより向上させるため、電力比較サイトの中から信頼性の高いサイトを認定しリストアップしています。

イギリスにおける電力比較サイト

UKPower

「UKPower」は、イギリスの規制当局であるOfgem(Office of Gas and Electricity Markets=電力・ガス市場局)から信頼性が高いとして認定を受けている電力比較サイトのひとつです。
認定を受けたのは2001年で、老舗サイトのひとつだと言えるでしょう。
UKPowerでは電力・ガス会社32社の料金プランを比較することができ、その内25社については、同サイト上から契約の切り替えも行えます。
イギリスの全ての主要電力会社(Big6)への切替が可能であることも特徴です。

MoneySuperMarket

「MoneySuperMarket」は、電力・ガス料金に限らず、各種ローンなどの金融商品から自動車などの保険、さらに航空券やホテルの宿泊料金、携帯電話の使用料金など幅広い商品の価格や料金を比較できるウェブサイトです。
電力・ガスに関してはUKPowerと同じく、Ofgemの認定を受けています。
MoneySupermarketでは、電力・ガス会社31社の料金プランを比較することができ、その内21社はサイト上から契約の切り替えもできます。
取り扱っている会社の数ではUKPowerにやや劣るものの、MoneySupermarket でしか取り扱っていない会社もあるため、UKPowerと併用して使うユーザーも多いようです。

Compare The Market

「Compare The Market」も、MoneySupermarketと同様にさまざまな商品の価格や料金を比較できるウェブサイトです。
Ofgemの認定を受けてはいませんが、、取り扱っている電力・ガス会社は44社と多く、しかもすべての会社が同サイト経由で契約切り替え可能のため、利便性が高いです。
さらに、iOSやAndroidで利用できる電力比較アプリがあることも特長と言えます。

まとめ

消費者の負担を軽減すべく進められたイギリスの電力自由化は導入から25年を経て、転換点を迎えています。
日本でも電力小売全面自由化が始まりましたが、火力燃料の9割を輸入に頼っている現状において、多くの課題が発生しそうです。
すでに電力自由化を進めている国々の事例やその歴史から、多くのことを学んでいきたいですね。

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