欲しいものを買うため、家族と旅行に行くため、子どもの学費のため……様々な目的で節約に精を出す方は多いでしょう。中には「どこを節約すれば貯金ができるだろう」と思いながら、毎日のように家計簿と睨めっこをしている方もいるかもしれませんね。
そこで今回は、家計のやりくりに悩む方はもちろん、節約をしてもっと貯金を増やしたい!と願う方々に向けて「節約のルール」を紹介します。より効率的な生活を実現するために、ぜひ参考にしてみてください。
節約に必要な「3つの基本」
家計を黒字に保ち、快適な暮らしを実現させるため、常に家計のやりくりを気にしながら生活をしている主婦がほとんどのはず。しかし、その努力とは裏腹になかなか貯金が貯まらないとお悩みの方もいらっしゃると思います。
原因はいろいろと考えられますが、多いものとして挙げられるのは「節約できる習慣が身についていないこと」です。
では、節約に成功している方々は、どのような習慣が身についているのでしょうか?
「貯金ができない!」「お金が出ていく一方だ!」と悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
節約の基本①生活費より貯金を優先させる
毎月のやりくりというのは、基本的に収入と支出の2つで成り立っています。収入とはお給料のこと、支出とは家賃や食費などの生活費のことですね。注目すべきは、この2つのバランスです。
①収入>支出
手元に残るお金の方が多いので、使わず貯金をすれば自然と貯まっていきます。
②収入=支出
生活はしていけますが、手元に残るお金がないため、貯金は一向に貯まりません。
③収入<支出
手元のお金だけでは足りない状態なので、貯金を崩したり借金をしたりなどして補填しなければ生活が回りません。
「こんな当たり前のこと分かっています!」と言われそうですが、実際に貯金ができないと悩んでいる方は②や③のパターンが多いのです。まずはこの事実を受け止めましょう。
そして、貯金ができている方が①の習慣を実現させているのですが、これには毎月のやりくりの仕方にポイントがあります。それは「生活費より貯金を優先させること」です。
生活費というのは毎月かかるものですが、定額ではありません。つまり、使えば多額になり、節約すれば少額に抑えられる費用なのです。
生活費を優先し、余ったら貯金をするというやり方では、手元のお金を使いきって貯金に回せなくなる状況が容易に想像できます。では、その順番を逆にしてみたらどうでしょう?
最初から貯金分のお金を取っておき、残りのお金で生活をやりくりするのです。すると、確実に貯金を確保した状態になるので、貯金ができるようになるだけでなく、生活費の無駄遣いも防げます。
節約の基本②前月・前年の家計と比較する
「無駄を省けば貯金ができる」というのは恐らく誰もが理解しているでしょう。しかし、結果として貯金ができている人とできていない人に分かれてしまう……これって不思議なことだと思いませんか?
実は、この分岐点には1つの課題が設けられているのです。それは「無駄な支出の正体を理解しているかどうか」。無駄な支出というのは、嗜好品の購入などに限ったことではありません。月々かかる食費や光熱費にも多くの無駄が潜んでいます。
試しに、毎月届く検針票や買い物レシートに目を通してみてください。前月や前年の同月と比べると値段が大幅に上がっているものはありませんか?
「きちんと家計簿をつけているのに、上手くお金が貯められない」と悩んでいる方は、支出額の変動から原因を見出すところまでができていない可能性があります。試しに、水道代と食費の変動を例に挙げてみましょう。
年 | 前年 | 今年 |
---|---|---|
家族 | 大人2人 | 大人2人、子ども1人 |
水道代 | 4,500円 | 5,200円 |
食費 | 15,000円 | 16,000円 |
たった1,000円程度ですが、水道代と食費どちらも今年の方が上回っていますよね。これは、家族が1人増えたことが要因と考えられます。
家族が増えれば生活費が増えるのも当然のこと。だからこそ、増え幅をこれ以上大きくしないために、どう節約をしなければならないのかを考えることが大切なのです。
貯金ができる方は、
「赤ちゃんの洗濯物が多いから、水道代節約のためにお風呂の残り湯を使おう」
「離乳食はレトルトに頼らず極力作って食費の節約をしよう」
というように、対策を講じることができます。
しかし、貯金ができない方は「家族が増えたから生活費が増えるのも仕方ない」と鵜呑みにしてしまいます。この差が、貯金の可否を分ける分岐点となるのです。
ここで間違ったルートに進まないようにするために、家計簿をつける時は必ず比較対象を作りましょう。前月との差を見てもよいですし、ガス代や電気代はどうしても季節によって差が出るため前年と比較しても構いません。
どれくらいの差があるかを理解し、その差が生まれる原因を見出すことができれば、節約もしやすくなるはず。もし比較対象より金額が減っていれば、それだけ節約の効果が出ている証拠にもなるので、モチベーションアップにも繋がりますよ。
節約の基本③家族全員に協力してもらう
家計の内容を、家族全員に見せている方はどれくらいいるでしょうか? 夫には話しているという方もいれば、自分以外誰も知らないという方もいるでしょう。
しかし、それではいつまでも節約による貯金はできません。なぜなら、その家で生活をしているのはあなただけではないからです。
家計の無駄を見出し節約しようと努力しても、あなた以外の人が更なる無駄を生み出していてはプラマイゼロ。場合によってはマイナスが増えてしまう可能性もあるでしょう。確実に結果を出したいのであれば、家計を管理している人だけでなく、家族全員で協力することが大切です。
節約のルール①一番かさむ出費から減らす
次はどんなところに無駄な出費が生まれやすいのかについて詳しく見ていきます。生活費の中で大きな割合を占める出費を3つ挙げ、それぞれの節約方法を紹介します。
一番かさむ「食費」は日々のちょっとした工夫が鍵
食費は必ず毎日かかるもの。そのぶん工夫次第でしっかりと節約することが可能です。
例えば以下のような、日常生活のちょっとした工夫によって食費を節約することができます。
・夫や子どものお弁当を作ってランチ代を浮かせる
・クーポンを使って食材を安く買う
・割引シールがつくタイミングを狙って買い物に行く
・外食は特別な日だけにして極力行かない
このような工夫をするだけで数十円~数百円違いますし、外食をしないだけで数千円も家計を楽にできます。これからの時代、増税や物価上昇などが懸念されます。そんな中、インフレを意識したこれらの節約は大きな効果が期待できるでしょう。
心身の健康に欠かせない「娯楽費」は上限を決める
絶対にないと生活ができないわけではありませんが、心身ともに健康的な生活を送るためには、娯楽費の存在が必要不可欠。趣味に費やしたり、ストレス発散のためのアイテムを買ったりなど、お金をかける矛先や金額は人によって様々でしょう。
一般的な娯楽費として挙げられるのは、以下のようなものです。
・旅行費
・飲酒費
・被服費
「カフェ巡りが好きでよくランチを食べに行く」という場合などもここに分類されるでしょう。
娯楽費を節約するためには、はじめから上限を決めておくのが有効です。月10,000円とあらかじめ決めておけば、それをオーバーする使い方をしなくなります。
もし旅行のように出費が多い娯楽であれば、毎月の娯楽費を使わず貯めておき、必要額に達してから旅行にいくようにしましょう。また、毎月どれくらいの金額を娯楽費に費やしているかを見直し、多い方は少なめに設定するだけでも節約ができます。
ただ、節約のためとはいえ無理に娯楽を断つのはNG。一切の娯楽を断ってしまうと、ストレスがたまって心の健康を害する恐れがあります。できるだけ娯楽費を抑えた方が節約になるのは確かですが、心の健康とバランスが取れるよう配慮することも大切です。
維持費がかかる「車関連費」も工夫次第で節約できる
車を持っていると日々のガソリン代だけでなく、保険や税金など何かとかかるのが維持費ですよね。年間で計算すると結構な金額になってしまうでしょう。それを節約するためには、それぞれを分けて考える必要があります。
ガソリン代の節約方法
ガソリンの価格は常に一定ではありませんし、車の燃費によってもガソリンの消費量が異なります。そのため、ガソリン代を節約する方法としては以下のようなものがあります。
・できるだけガソリン価格が安い時期に給油する
・ガソリンスタンドのクーポンを利用する(1Lあたり2円引き等)
・長距離の運転を控える
・燃費を良くするため、エンジンオイルを定期的に交換する
クーポンは、ガソリンスタンドの会員になったり、投函されるチラシについていたりします。中には、ガソリンを入れた後のレシートにクーポン券がついているものもあるため、捨てずに置いておくようにしましょう。
また、エンジンオイルに関してですが、1回の交換で数千円かかるため「また今度にしよう」と先延ばしにしてしまう方も多いのではないでしょうか? しかし、これでは燃費がどんどん悪くなり、ガソリンを無駄に消費することに繋がります。
日々の出費を節約し、愛車を長く乗れるようにするため、小まめに走行距離とエンジンオイルの交換時期をチェックしておきましょう。
保険料の節約方法
自賠責保険と違い、任意保険は自分で保険会社を選ぶことができます。補償内容も料金も保険会社によって様々ですが、節約を考えるのであればネット損保がおすすめです。
ネット損保は実店舗を持たない保険会社のため、その分保険料を抑えやすい傾向があります。ただし、必ず安いとは限らないため比較サイトなどを利用して見積もりを出した方が安心でしょう。
その他の工夫
車関連費の節約は基本的にガソリン代と保険料に焦点を当てますが、その他にも以下のような点で節約できます。
・普通車より軽自動車を選ぶ
・車の購入は極力ローンを組まない
・車内の荷物を軽くする
・急発進急ブレーキをせず一定のスピードで走る
また、車は日常的に維持費がかかるのでローンの利息は大きな痛手となります。そのため車の購入は極力ローンを組まないのが原則。「車=ローンで買うもの」と思っていた方は、次の購入からは自己資金で購入できるようしっかり貯金をしておきましょう。
節約のルール②変動がない固定費こそ見直す
毎月ほぼ決まった金額でかかる固定費。変動がないぶん節約は難しいと思っている方もいるでしょう。しかし、実はやり方次第で大幅な節約が可能です。では具体的にどういった方法があるのか、いくつか紹介していきます。
なお固定費の節約効果は毎月持続するため、タイムパフォーマンス(時間対効果)も抜群ですよ!
住宅ローンや家賃などの居住費を見直そう
月々の出費は家庭によって様々ですが、大部分を占めるのが住宅ローンや家賃などの居住費でしょう。これが減らせると家計が一気に楽になるはずです。居住費を節約するには以下のような方法があります。
持ち家の場合
住宅ローンは何十年もかけて返していくという方がほとんどでしょう。もちろん常に一定の収入があれば問題ありませんが、中には病気や怪我で働けなくなったり、妊娠や出産で仕事を休んだりなど、様々な出来事で収入が減る可能性がありますよね。
早くローンを終わらせたい気持ちは分かりますが、無理な返済は家計を圧迫するだけです。多少期間が延びるとしても、月々の返済額を減らしたい気持ちが強いのであれば、借入会社に相談してプランを見直しましょう。
なお、固定金利型は安定した返済ができるメリットがありますが、金利水準が変動金利より高くなる傾向があります。多少返済計画が立てづらくても、変動金利型の方が借入負担を減らせる可能性があるため、家計の状況やライフスタイルに応じてどんな返済計画にすべきかを見直しましょう。
賃貸の場合
毎月決まった金額を支払うだけで住める賃貸は、管理費などの大きな出費を求められることもないので安心して住むことができます。しかし賃貸は自分の資産ではないため、住み続ける限り一生家賃を払っていかなければなりません。
そんな賃貸で節約をするのであれば、一番簡単なのが家賃が安い場所に引っ越すことです。生活水準が少し下がる可能性はありますが、毎月の支出を間違いなく抑えることができ、大幅な節約も可能です。
また、現在の場所に住み続けるのであれば大家さんに交渉するのも一つの手段。成功率は決して高いとは言えませんが、上手くいけば毎月の支払いから数千円を節約することができるでしょう。
ガス・電気などの光熱費を見直そう
毎日の生活に欠かせない光熱費。エアコンの使用を控える、調理時間を短くする、シャワーの温度を下げる、といった方法で節約を実践している方も多いのではないでしょうか?
しかし、このような節約方法で光熱費を下げるのは限界がありますよね。そこで試してほしいのが「ガス・電気の料金プランの見直し」です。
当たり前のように契約しているガス・電気ですが、実は様々な料金プランがあります。ライフスタイルに合わせて料金プランを変更すれば、それだけで大幅に光熱費をカットできるかもしれません。
ちなみに、当社ではプロパンガス料金比較サービス『enepi(エネピ)』を提供しております。こちらはWEB上で複数のプロパンガス会社の料金プランを比較し、今よりも安い料金プランに切り替えるための簡単なチェックツールです。
年間で約8万円もガス代が安くなったケースもありますので、プロパンガスユーザーのみなさんはぜひ一度利用してみてください。
保険を見直して保険料を抑えよう
保険のことはよく分からないからと、なんとなく有名な保険会社を選んだり、営業マンが勧めるとおりに契約をしたりしていませんか?
確かに保険の内容は難しいですし、最近は補償内容が充実した商品が多いため、万が一に備えてたくさんの補償があるものを選んでしまうのも無理はありません。
しかし、実際は高い保険料を払わなくても健康保険や遺族年金などでまかなえるものも多く、備えすぎて無駄をしている場合があるのです。
「担当の方が親切に対応してくれるから大丈夫」と鵜呑みにするのではなく、一度保険内容を見直してみることをおすすめします。本当に必要なものは何かを明確にすると、数千円あるいは数万円の節約に繋がる可能性もありますよ。
スマホ・携帯などの通信費を見直そう
携帯業界は頻繁に新しいプランを発表しています。契約して何年も経っている方の場合、プランの見直しをするだけでも月々の携帯代を安くすることが可能です。
また、近年格安スマホというものが注目を集めています。通常のスマホより安く持つことができ、料金システムが分かりやすいものが多いです。ただし、契約前に「故障した際などに対応してくれる店舗があるのか」といった点を確認しておくことをお忘れなく。
節約のルール③無理な節約方法はやめる
節約はバランスが大切です。無理な節約がストレスや不満を引き起こし、生活の質を低下させたり、家庭の雰囲気を悪化させたりすることがあります。ここでは、そのような避けるべきいくつかの節約方法について説明します。
食事の質を犠牲にする
食事から必要な栄養素を削減してしまうと、健康に悪影響を与える可能性があります。バランスの取れた食事は、将来の医療費を節約する効果があります。
必要な医療を受けない
健康に関連する節約は、将来にわたって大きな問題を引き起こす可能性があります。予防医療や定期的な健康診断は、将来の医療費を減らす効果があります。
教育に投資しない
自己成長やスキル向上のための教育に投資しないことは、将来のキャリアや収入に悪影響を与える可能性があります。
また、子供の教育についても同様です。総じて、子供の教育への投資は将来の経済的な成功や安定に直結するため、その重要性は大きいです。
必要以上に安い製品を購入する
安い製品は良い場合もありますが、品質や耐久性を無視してまで購入すると、結局は買い替えや修理によって余分な出費を生む可能性があります。長期的な視点で製品を選ぶことが重要です。
以上のように、節約は賢明な判断とバランスが必要であり、生活の質を犠牲にしないことが大切といえます。
まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
節約の「3つの基本」とは? |
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節約の基本は次のとおりです。①生活費より貯金を優先させる②前月・前年の家計と比較する③家族全員に協力してもらう。以上の3点を踏まえ、持続的な節約生活を目指しましょう。 |
節約の「3つのルール」とは? |
節約のルールは次のとおりです。①一番かさむ出費から減らす②変動がない固定費こそ見直す③無理な節約方法はやめる。以上の3ルールを守ることで、効率的な節約と快適な生活を両立できるはずです。 |
やってはいけない節約方法とは? |
やってはいけない節約方法(無理な節約方法)は次のとおりです。①食事の質を犠牲にする②必要な医療を受けない③教育に投資しない④必要以上に安い製品を購入する。 |
さて、上記で様々な節約術を紹介してきましたが、節約術は大きく分けて2種類あります。
①日々の工夫で節約ができるもの
②プランなどの見直しで節約できるもの
②を実行するのが面倒という理由から、多くの方が①にばかり目を向けている傾向があります。しかし、それだけでは節約にも限界があります。
まずは②を検討し、その上で①を実行すると、より効果的な節約ができるでしょう。
なお、①の節約術については以下の記事でより細かく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。