ガスの消し忘れも安心!集中監視システムとは?

集中監視システムとは、各家庭のガスメータと集中監視センターをネットワークにより接続することで、ガス利用状況を遠隔で集中的に監視するシステムです。これにより、ガス使用に関する異常事態をいち早く検知することができます。

例えばガスの消し忘れで外出をしてしまった場合、また自宅に戻り確認をする必要がありますが、集中監視システムと繋がっていれば遠隔でガスを停止することができたり、ガス会社に駆けつけてもらうことが可能になります。

都市ガスにも集中監視システムはあるが、導入率は…

異常事態や緊急事態に備えて集中監視システムがあると安心できますよね。
しかし、ガスの契約をしているだけでは集中監視システムを利用することはできません。
集中監視システムと連携をしている機器を取り付けなければならないのですが、
その集中監視システムを導入している家庭や企業はどれくらいいるのでしょうか、
都市ガスにも集中監視システムはあるが、導入率は…

都市ガスの集中監視システム導入率

都市ガスの集中監視システム導入率は、都市ガス3社の聞き取りによると5%程度(※1)です。
従来の集中監視システムの目的は安全対策を中心としたものでしたが、
現在はIoT技術の進展により現在は少し形を変えています。

2017年4月から始まるガスの小売自由化を契機として、
ガス事業者は質の高いサービス提供が求められています。
それに伴い、需要家の情報を管理するための手段として集中監視システムを導入するようになってきています。

現在東京ガスは、需要家との双方向通信による新たな価値創造を求めて
スマートメーターの技術開発を行なっており、全戸導入を目指しています。
このように、都市ガスの集中監視システムの導入率は今後高まることが予想されます。

プロパンガス(LPガス)の集中監視システム導入率

一方、プロパンガス(LPガス)の集中監視システム導入率は25%程度です。

1990年代のマイコンメーターの普及から始まり、現在まで徐々に導入率が増加しています。また、2016年に施行された「認定LPガス販売業社制度」により、集中監視システムを導入している事業者が”保安認定事業者”として公認されるようになり、さらに導入が進んでいます。

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都市ガス設備の管理責任は誰にある?

ガスの製造段階、供給段階の設備(ガス工作物)については、ガス事業者に管理責任があります。また、家庭に設置されたガスメータはガス事業者の所有物となります。

これに対し、敷地内のガス缶やガス消費機器については消費者に管理責任があります。

消費者側の消費機器に関する周知義務とは?

ガス事業者は、消費者の保有する機器の危険利用を防止するために

必要な事項を消費者に周知する義務として「消費機器に関する周知義務」が課せられています。

消費機器の点検や換気の必要性、災害時の連絡先などの事項については、すべての利用者に書面を配布して周知を行い、

その後も地下室等の利用者に関しては1年度に1回、その他の利用者に対しては3年度に1回以上の頻度で同様の周知を行うこととされています。

より安全を強化!集中監視システムの新バージョン開発計画

HEMSのような多頻度の通信サービスを実現するためには、従来の通信方式を利用した集中監視システムを新たにする必要が生じており、集中監視システム新バージョンが開発されています。新バージョンは、超低消費電力無線通信による多頻度通信への対応や国際標準化による機器の低コスト化を実現することを目的としています。用いられる通信インターフェースは、「Uバス(複数の通信機器を並列配線することで共同利用を可能にする方式)」と「Uバス(無線端末間で多段中継通信を可能にする方式)」に統一されています。

集中監視システムにはどんな商品がある?

「集中監視システム」と聞くと、一手に引き受ける管理会社のようなものがあるように思われますが、
大手企業より集中監視システムの商品が出されております。

ここでは有名な商品を二つご紹介します。

NTTテレコン株式会社の「テレコンスマートサービス24」

NTTテレコン株式会社の「テレコンスマートサービス24」

NTTテレコン株式会社はプロパンガス(LPガス)の集中監視サービスでは業界最大手であり、「テレコンスマートサービス24」というサービスを提供しています。これはプロパンや都市ガスだけでなく、水道・電気の使用量・警戒情報等を通信回線を利用して提供しており、全国で350万世帯以上に使用(※1)されています。

都市ガスに関しては、ハイセキュリティな家庭の難検診問題の解消や検診コストの削減が可能になるだけでなく、センタからメータを制御することで緊急時に迅速に対策することができます。

※1…NTTテレコン株式会社「自動検針・集中監視「テレコンスマートサービス24」」より参照


東京ガスの「くらし見守りサービス」

東京ガスの「くらし見守りサービス」

また、都市ガス大手の東京ガスも集中監視システムである「くらし見守りサービス」を提供しています(2017年2月1日より受付開始)。

これは、ガス使用に関する自動通報サービスや遠隔遮断サービスだけでなく、ガス・電気の使用量をメールで通知するサービスも提供しています。

このように集中監視システムによって、エネルギー使用に関してより便利になるサービスが提供されています。

まとめ

IoT技術の発展に伴い、様々なエネルギーサービスが提供される中、ガスの集中監視システムも導入率が高まりサービスの質も向上しています。

従来の安全管理という目的以上に、HEMSに見られるような新たなエネルギーソリューションの一環としての集中監視システムに注目が集まると考えられます。

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エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。