ガスの消し忘れも安心!集中監視システムとは?
集中監視システムとは、各家庭のガスメータと集中監視センターをネットワークにより接続することで、ガス利用状況を遠隔で集中的に監視するシステムです。これにより、ガス使用に関する異常事態をいち早く検知することができます。
例えばガスの消し忘れで外出をしてしまった場合、また自宅に戻り確認をする必要がありますが、集中監視システムと繋がっていれば遠隔でガスを停止することができたり、ガス会社に駆けつけてもらうことが可能になります。
都市ガスにも集中監視システムはあるが、導入率は…

都市ガスの集中監視システム導入率
プロパンガス(LPガス)の集中監視システム導入率
一方、プロパンガス(LPガス)の集中監視システム導入率は25%程度です。
1990年代のマイコンメーターの普及から始まり、現在まで徐々に導入率が増加しています。また、2016年に施行された「認定LPガス販売業社制度」により、集中監視システムを導入している事業者が”保安認定事業者”として公認されるようになり、さらに導入が進んでいます。
都市ガス設備の管理責任は誰にある?
ガスの製造段階、供給段階の設備(ガス工作物)については、ガス事業者に管理責任があります。また、家庭に設置されたガスメータはガス事業者の所有物となります。
これに対し、敷地内のガス缶やガス消費機器については消費者に管理責任があります。
消費者側の消費機器に関する周知義務とは?
ガス事業者は、消費者の保有する機器の危険利用を防止するために
必要な事項を消費者に周知する義務として「消費機器に関する周知義務」が課せられています。
消費機器の点検や換気の必要性、災害時の連絡先などの事項については、すべての利用者に書面を配布して周知を行い、
その後も地下室等の利用者に関しては1年度に1回、その他の利用者に対しては3年度に1回以上の頻度で同様の周知を行うこととされています。
より安全を強化!集中監視システムの新バージョン開発計画
HEMSのような多頻度の通信サービスを実現するためには、従来の通信方式を利用した集中監視システムを新たにする必要が生じており、集中監視システム新バージョンが開発されています。新バージョンは、超低消費電力無線通信による多頻度通信への対応や国際標準化による機器の低コスト化を実現することを目的としています。用いられる通信インターフェースは、「Uバス(複数の通信機器を並列配線することで共同利用を可能にする方式)」と「Uバス(無線端末間で多段中継通信を可能にする方式)」に統一されています。
集中監視システムにはどんな商品がある?
NTTテレコン株式会社の「テレコンスマートサービス24」

NTTテレコン株式会社はプロパンガス(LPガス)の集中監視サービスでは業界最大手であり、「テレコンスマートサービス24」というサービスを提供しています。これはプロパンや都市ガスだけでなく、水道・電気の使用量・警戒情報等を通信回線を利用して提供しており、全国で350万世帯以上に使用(※1)されています。
都市ガスに関しては、ハイセキュリティな家庭の難検診問題の解消や検診コストの削減が可能になるだけでなく、センタからメータを制御することで緊急時に迅速に対策することができます。
※1…NTTテレコン株式会社「自動検針・集中監視「テレコンスマートサービス24」」より参照
東京ガスの「くらし見守りサービス」

また、都市ガス大手の東京ガスも集中監視システムである「くらし見守りサービス」を提供しています(2017年2月1日より受付開始)。
これは、ガス使用に関する自動通報サービスや遠隔遮断サービスだけでなく、ガス・電気の使用量をメールで通知するサービスも提供しています。
このように集中監視システムによって、エネルギー使用に関してより便利になるサービスが提供されています。
まとめ
IoT技術の発展に伴い、様々なエネルギーサービスが提供される中、ガスの集中監視システムも導入率が高まりサービスの質も向上しています。
従来の安全管理という目的以上に、HEMSに見られるような新たなエネルギーソリューションの一環としての集中監視システムに注目が集まると考えられます。