「東京電力の検針票がお手元にあれば、電気代が安くなります」 このような電話がかかってきて、戸惑っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

電話口で「ストエネ」という社名を聞いても、あまり馴染みがないため、「本当に信用できる会社なのか?」「東京電力と何か関係があるのか?」と不安を感じるのは無理もありません。

この記事では、ストエネと東京電力の関係や、実際に契約した場合のメリット・デメリットについて詳しく解説します。電気代の見直しを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること

  • ストエネと東京電力の正確な関係性(子会社や関連会社ではない事実)
  • 東京電力と比較して電気代が安くなる可能性、逆に高くなるリスク
  • 契約トラブルを防ぐために確認すべき「解約金(違約金)」や「契約期間」のリスク
  • 意図せず契約してしまった場合のクーリングオフの手順や元の会社に戻す方法

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ストエネと東京電力の関係は?「関係会社」の真相

ストエネと東京電力の関係は?「関係会社」の真相

まず、多くの方が疑問に感じる「東京電力との関係」について解説します。

ストエネは東京電力の子会社ではありません

ストエネは、電力自由化以降に参入した「新電力(PPS)」と呼ばれる会社の一つであり、東京電力の子会社やパートナー企業ではありません。

では、なぜ勧誘の電話で「東京電力」の名前が頻繁に出るのでしょうか。それには主に2つの理由が考えられます。

  • 送電網は東京電力のものを使用するため:新電力は、自前の電線を持っていません。東京電力パワーグリッドの送配電設備を借りて電気を届けるため、「電気の品質や停電のリスクは東京電力と同じです」という説明がなされます。これは事実です。
  • 検針票(お客様番号)を確認するため:電力会社の切り替えには、現在契約している電力会社の「お客様番号」などの情報が必要です。そのため、「東京電力の検針票を見れば安くなるか診断できる」という切り口で情報を聞き出そうとするケースがあります。

【注意】「東京電力からの委託で電話している」と誤認させるような表現があった場合は注意が必要です。あくまで「別の会社への切り替え勧誘」であることを理解しておきましょう。

料金シミュレーション:東電より本当に安くなる?

次に、気になる料金面についてです。ストエネに切り替えることで、電気代は本当に安くなるのでしょうか。

結論からお伝えすると、ストエネの料金プランは、特定の市場条件下(JEPX価格が極めて低い時期)では東京電力より安くなる可能性があるものの、現在の市場環境においては逆に高くなるリスクが高い設計となっています。

最大のリスク要因:市場価格調整額

ストエネの料金が高騰する最大の要因は、「燃料費調整額」の代わりに採用されている「市場価格調整額」にあります。

  • 燃料費調整額(東京電力): 過去3〜5ヶ月間の貿易統計価格(原油・LNG・石炭)の平均に基づいて算出。変動は緩やかであり、急激な値上がりは抑制される傾向にある。
  • 市場価格調整額(ストエネ): 日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格をベースに算出。過去平均ではなく、電気を使った期間のJEPX価格が直接反映されるため、短期的な価格高騰局面では調整額が急騰しやすい。

2025年のデータに基づき両社の調整単価を比較すると、格差が明らかになります。

  • 東京電力EP 燃料費調整単価: -6.19円/kWh
  • ストエネ 市場価格調整単価: +9.61円/kWh
  • 単価差: 15.80円/kWh

この15.8円という差がどれほどのインパクトを持つか、一般的な家庭(月間使用量300kWh〜400kWh)で試算します。

月間使用量東京電力EPの調整額ストエネの調整額調整額のみの差額(月額)
300 kWh-1,857円+2,883円ストエネが 4,740円 高い
400 kWh-2,476円+3,844円ストエネが 6,320円 高い
500 kWh-3,095円+4,805円ストエネが 7,900円 高い

このように、基本料金や使用量単価が多少安かったとしても、この調整額の差を埋めることは難しいでしょう。これが、「安くなると言われたのに、請求書を見たら高くなっていた」というトラブルの主たる原因です。

世帯別シュミレーション:電気代の月額比較

まず、本シミュレーションの基盤となる2026年1月時点の料金単価を整理します。

東京電力(従量電灯B):東京電力の料金は、契約アンペア数に応じた基本料金と、使用量に応じた三段階の単価で構成されます。

項目単位単価・料金(税込)
基本料金 (30A)1契約935.25円
基本料金 (40A)1契約1,247.00円
基本料金 (50A)1契約1,558.75円
第1段階(~120kWh)1kWh29.80円
第2段階(120~300kWh)1kWh36.40円
第3段階(300kWh~)1kWh40.49円
燃料費調整単価1kWh▲7.72円

東京電力の燃料費調整単価が▲7.72円という大幅なマイナスを示している点は、今回の比較において重要な要素です。これは、数ヶ月前の国際的な燃料価格が安定していたことによる還付的な調整として機能しています。

ストエネ(Pプラン/Fプラン):ストエネの価格体系は、基本料金および電力量料金に加え、市場価格調整額と容量拠出金が加算されます。

項目単位Pプラン(税込)Fプラン(税込)
基本料金 (30A)1契約885.72円0円
基本料金 (40A)1契約1,180.96円0円
基本料金 (50A)1契約1,476.20円0円
電力量料金単価1kWh24.90円30.00円
市場価格調整単価1kWh9.240円9.240円
容量拠出金反映額1契約87円87円

ストエネの市場価格調整単価は9.240円(税込)であり、東京電力の燃料費調整単価(▲7.72円)と比較して、1kWhあたり実質的に16.96円もの価格差が生じています。この調整額の逆転現象は、新電力の料金設計における市場依存度の高さを現しています。

共通項目(再エネ賦課金):再エネ賦課金は、経済産業省の決定に基づき全国一律で適用されます。

  • 再エネ賦課金(2025年度):3.98円/kWh

それでは、以上の料金単価に基づいた全世帯のシミュレーション結果を以下にまとめます。ストエネについては全ケースで最安となったPプランの数値を採用しています。

世帯人数東京電力 (円)ストエネ (円)差額 (東電比)
1人7,1339,130+1,997
2人12,40414,966+2,562
3人14,22216,821+2,599
4人15,32517,965+2,640
5人16,77619,441+2,665
6人以上20,52423,330+2,806

今回のシミュレーション結果から、2026年1月においてストエネが東京電力に対して一貫して割高(約2,000円~2,800円の差)であることが分かります。

勧誘電話の「電気代が安くなる」という売り文句を鵜吞みにせず、ご自身の検針票を確認し、現在の使用量でシミュレーションを行ってみることを強くおすすめします。

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契約前に知っておくべき「3つの注意点」

契約前に知っておくべき「3つの注意点」

もし契約を検討する場合は、以下の3つのポイントを必ず確認してください。これらを見落とすと、後悔する大きな原因となります。

1. 高額な解約金(違約金)の有無

最も注意すべき点です。一部の契約プランでは、「2年契約」などの期間の縛りが設けられていることがあります。更新月以外に解約すると、数千円単位の解約金(違約金)が発生するケースも珍しくありません。 「安くなる」という話だけでなく、「辞めるときにお金がかかるか」を必ず確認しましょう。

2. 不要なオプション契約

電気の契約とセットで、生活サポートなどの有料オプションが付加されていないか確認しましょう。「初月無料」であっても、解約手続きを忘れると月々の支払いが増えてしまい、節約効果が薄れてしまいます。

3. セット割の複雑さ

ガスやインターネット回線とのセット割引を提案されることもあります。一見お得に見えますが、一度セットで契約すると、「ネット回線だけ解約したい」という場合に違約金が発生するなど、契約の自由度が下がる可能性があります。

もし契約してしまったら?クーリングオフと解約方法

もし契約してしまったら?クーリングオフと解約方法

「電話で言われるがままに契約してしまったが、やっぱりキャンセルしたい」 そのような場合でも、焦る必要はありません。

クーリングオフ制度の活用

電話勧誘や訪問販売で契約をした場合、契約書面を受け取ってから8日以内であれば、クーリングオフ(無条件解約)が可能です。ハガキなどの書面やメール、Webフォームで通知を行うことで適用されます。

元の電力会社に戻す方法

クーリングオフ期間を過ぎてしまった場合でも、通常の解約手続きは可能です。 基本的には、元の電力会社(東京電力など)や、新しく契約したい電力会社に申し込みを行えば、自動的にストエネとの契約は解約されます。

※ただし、前述の通り解約金が発生する可能性があるため、その点だけは事前にご確認ください。

まとめ

ストエネと東京電力の関係、および契約の判断基準について解説しました。 今回のポイントをまとめると以下のとおりです。

  • ストエネは東京電力とは別の会社であり、子会社ではない
  • 契約期間の縛りや、解約金(違約金)がないか必ず確認する
  • 訪問・電話勧誘で即決せず、一度シミュレーションを行うのが安全

電気代の節約には、電力会社の切り替えは非常に有効な手段です。しかし、訪問・電話勧誘だけで決めるのではなく、複数の会社を比較して、ご自身の生活に最適なプランを選ぶことが、失敗しないための近道といえるでしょう。

「自分の家の場合、どの電力会社が一番安くなるの?」
「勧誘からではなく、公平な目線で電力会社を選びたい」

そうお考えの方は、ぜひエネピの無料診断をご利用してみてください。専門家が厳選した優良な電力会社の中から、あなたのライフスタイルにぴったりのプランを一括で比較できます。無理な勧誘はありませんので、まずは現在の電気代がどれくらい安くなるのか、確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

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エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。