東京電力をご利用の場合、毎月の電気代が高い…と感じている方も多いのではないでしょうか。これは料金体系の複雑さや近年の価格高騰など、さまざまな要因が考えられます。

この記事では、東京電力の電気料金が高いと感じる背景から、今すぐ実践できる具体的な節約方法まで、専門的な視点から分かりやすく解説します。電気料金に関する疑問や不満を解消し、家計に優しい生活を送るための一助となれば幸いです。

この記事でわかること:

  • 東京電力の電気料金が高いと感じられる主な原因
  • 契約アンペアや料金プランの見直しによる最適化の方法
  • 電力会社を乗り換える際の比較ポイントや注意点

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なぜ東京電力の電気料金は高いのか?考えられる主な原因

電気料金が高くなる背景には、複数の要因が絡み合っていると考えられます。まずは、その主な原因を見ていきましょう。

電気料金の内訳を徹底解剖!複雑な料金体系の仕組み

毎月の電気料金は、主に以下の3つの要素で構成されています。

  • 基本料金・電力量料金: 基本料金は契約アンペア数によって異なり、電力量料金は使用した電力量に応じて変動します。料金プランによって単価や計算方法が異なるため、ご自身の契約内容を確認することが重要です。他の電力会社と比較してみるのもよいでしょう。
  • 燃料費調整額: 発電に使われる原油や天然ガスなどの燃料価格の変動を電気料金に反映させるものです。近年の世界的な燃料価格高騰は、この調整額の上昇を通じて電気料金全体を押し上げる大きな要因となっています。今後の価格動向にも注視が必要です。
  • 再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金): 太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーの普及を支えるために、電気を利用するすべての方が負担するものです。この賦課金は年々増加傾向にあり、電気料金の一因となっています。

ご契約中の電気料金プラン、本当に最適でしょうか?

現在契約している電気料金プランが、ご自身のライフスタイルに合っているかを見直すことも大切です。

  • 現在の契約プランの確認: まずは、ご自身の電気の使い方(日中と夜間の使用量のバランス、電気を多く使う時間帯など)を把握しましょう。
  • プラン変更の検討: 東京電力には、時間帯によって料金単価が変わるプランなど、複数の選択肢があります。シミュレーションツールなどを活用し、プラン変更によって電気代が安くなる可能性があるかを確認してみることをおすすめします。
  • 料金改定による見直し: オール電化住宅向けの「電化上手」プランは、2025年4月1日から大幅な料金改定(値上げ)が実施されることが発表されており、契約者にとってはプランの見直しが急務となっています。

季節やライフスタイルの変化も見逃せない要因

電気の使用量は、季節や生活習慣の変化によっても大きく変動します。

  • 季節的要因: 夏場の冷房や冬場の暖房は、特に電気使用量を増加させます。過去の同月の電気使用量と比較してみることで、季節的な変動を把握できるでしょう。
  • 生活スタイルの変化: テレワークの導入などによる在宅時間の増加は、家庭での電気使用量を押し上げる一因となります。また古い家電製品や消費電力の大きな家電を使い続けている場合も、電気代が高くなる可能性があります。また家族構成の変化(人数の増減、お子様の成長など)も、全体の電気使用量に影響を与えることがあります。

他の電力会社と比べてどうなのでしょうか?

2016年の電力小売全面自由化により、消費者は東京電力以外の電力会社(新電力)も自由に選べるようになりました。新電力は独自の料金プランやサービスを提供しており、東京電力よりも割安になるケースもあります 。乗り換えのメリット・デメリットを比較検討してみる価値はあるでしょう。

他の地域の大手電力会社の料金体系とも比較してみましょう。例えば、30A契約で月に300kWh使用した場合の基本料金と電力量料金(燃料費調整額、再エネ賦課金を除く単純計算)を比較すると、以下のようになります(2025年時点の代表的プランに基づく試算)。

東京電力「従量電灯B」: 基本料金935.25円 + 電力量料金 (120kWh × 29.80円 + 180kWh × 36.40円) = 935.25円 + 3576.00円 + 6552.00円 = 11,063.25円

関西電力「ベースプランA-G(従量電灯A相当)」: 最低料金(最初の15kWhまで)466.57円 + 電力量料金 (105kWh × 20.21円 + 180kWh × 24.80円) = 466.57円 + 2122.05円 + 4464.00円 = 7,052.62円 (関西電力はアンペア契約ではなく最低料金制が基本で、料金体系が大きく異なるため単純比較は難しいですが、使用量に応じた料金部分の単価は比較的安価です)

中部電力「従量電灯B」 : 基本料金963.42円 + 電力量料金 (120kWh × 21.20円 + 180kWh × 25.67円) = 963.42円 + 2544.00円 + 4620.60円 = 8,128.02円

この試算からもわかるように、地域の大手電力会社間でも料金設定には差があります。これは、各社の発電設備構成(火力、原子力、水力などの比率)、燃料調達コスト、送配電網の維持管理費用、管内の需要密度などが異なるためです。

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東京電力の最近の料金変動について

電気料金は、社会情勢や国の政策など、様々な要因によって変動します。ここでは、東京電力の電気料金に関する最近の主な動きについて解説します。

燃料費調整額の推移と政府の激変緩和措置

電気料金を構成する要素の一つである「燃料費調整額」は、火力発電に用いる燃料(原油、LNG(液化天然ガス)、石炭)の価格変動を反映するものです。2021年以降、世界的な燃料価格の高騰により、この燃料費調整額が上昇し、電気料金全体を押し上げる大きな要因となりました。

この状況を受け、政府は2023年1月使用分(2月検針分)から「電気・ガス価格激変緩和対策事業」として、電気料金の負担軽減策を開始しました。これにより、燃料費調整額の一部が補助され、一時的に電気料金の上昇が抑制されました

。 しかし、この補助は段階的に縮小・終了する方針が示されており、例えば2024年5月使用分で一度補助が縮小された後、2024年6月使用分でさらに縮小、そして2024年7月使用分では補助が一旦終了し、電気料金が上昇する要因となりました。

その後、物価高対策として、2024年9月使用分から2025年1月使用分まで、再度補助が実施されました。そして、2025年2月使用分(3月検針分)から2025年4月使用分(5月検針分)についても、値引き単価は変動しつつ補助が継続されることになりましたが、今後の動向には注意が必要です。

東京電力の公式サイトでは、最新の燃料費調整単価や政府の支援策に関する情報が公開されていますので、定期的に確認することをおすすめします。

出典:
燃料費調整単価等一覧 - 東京電力
国による電気・ガス料金支援について|燃料費調整制度(個人)2 - 東京電力

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)の上昇

再生可能エネルギーの普及を目的とした「再エネ賦課金」も、電気料金に影響を与える要素です。この再エネ賦課金の単価は、毎年国によって見直されます。

2024年度(2024年5月分から2025年4月分まで)の再エネ賦課金単価は、1kWhあたり3.49円となりました。これは2023年度の1.40円/kWhから大幅な上昇です。

さらに、2025年度(2025年5月分から2026年4月分まで)の再エネ賦課金単価は、1kWhあたり3.98円に上昇することが経済産業省より発表されています。再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、この賦課金の負担も増加傾向にあると言えるでしょう。

出典: 賦課金等について|再生可能エネルギーの固定価格買取制度 - 東京電力

このように、電気料金は様々な要因で変動します。最新情報をこまめにチェックし、家計への影響を把握するとともに、ご自身のライフスタイルに合ったプランを選択することが重要です。

契約内容を見直そう!「料金プラン」の最適化

現在契約している料金プランが最適でない場合、見直しによって電気代を削減できる可能性があります。

ご自身の電力使用パターン(時間帯別、季節別など)を分析し、最適なプランを診断してみましょう。東京電力の公式サイトなどで提供されているシミュレーションツールを活用するのも有効です。

契約アンペア数が必要以上に大きい場合、下げることで基本料金を抑えられる可能性があります。ただし、頻繁にブレーカーが落ちるようでは困りますので、生活に必要な電力量を考慮して慎重に検討しましょう。

思い切って乗り換えも!「電力会社」の変更


電力自由化により、消費者は電力会社を自由に選べるようになりました。 料金比較サイトなどを活用し、複数の新電力の料金プランやサービス内容を比較検討してみましょう。その際は、表面的な料金だけでなく、契約期間の縛りや解約金の有無なども確認することが大切です。また、ガスやインターネット回線などとのセット割引や、期間限定のキャンペーンなどもチェックポイントです。 実際に契約している方の口コミや評判も参考になりますが、個人の感想であることを踏まえ、多角的な情報収集を心がけましょう。

乗り換え手続きの方法・注意点:
乗り換え手続きは、多くの場合、新しい電力会社への申し込みだけで完了し、現在の電力会社への解約連絡は不要です。ただし、解約金や違約金が発生するケースもあるため、契約前に必ず確認しておきましょう。

電力会社の乗り換え完全ガイド!お得な料金プランの選び方とは?
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環境にもお財布にも優しい?「再生可能エネルギー」の導入

初期費用はかかりますが、長期的な視点で見ると、再生可能エネルギーの導入も選択肢の一つです。

  • 太陽光発電システム: 自宅の屋根などに太陽光パネルを設置し、発電した電気を自家消費したり、余った電気を電力会社に売電したりすることができます。導入コストやメンテナンス費用、予想される売電収入などを総合的に検討する必要があります。
  • 蓄電池との組み合わせ: 太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせることで、昼間に発電した電気を夜間や天候の悪い日に利用できるようになり、自家消費率を高めることができます。また、災害時の非常用電源としても役立ちます。

東京電力の料金プラン分析

東京電力が提供している一般家庭向けの主な電気料金プランは以下の通りです。ただし、新規加入の受付状況や詳細な条件は変更される可能性があるため、最新の情報は必ず東京電力エナジーパートナーの公式サイトでご確認ください。

従量電灯B

従来からある最も基本的なプランの一つです。電気の使用量に応じて料金単価が3段階に変わります。 時間帯による料金変動はありません。契約アンペア数(10A~60A)によって基本料金が異なります。

項目詳細料金単価(参考)
基本料金10A / 1契約311.75円
15A / 1契約467.63円
20A / 1契約623.50円
30A / 1契約935.25円
40A / 1契約1,247.00円
50A / 1契約1,558.75円
60A / 1契約1,870.50円
電力量料金〜120kWhまで (1kWhあたり)29.80円
20kWhをこえ300kWhまで (1kWhあたり)36.40円
00kWhをこえる (1kWhあたり)40.49円
最低月額料金1契約328.08円

スタンダードS

一般家庭向けのプランで、電気の使用量に応じて料金単価が3段階に変わります。従量電灯Bと似ていますが、自由料金プランとなります。また、ポイントサービスなどが付帯する場合があります。

項目詳細料金単価(参考)
基本料金10A / 1契約311.75円
15A / 1契約467.63円
20A / 1契約623.50円
30A / 1契約935.25円
40A / 1契約1,247.00円
50A / 1契約1,558.75円
60A / 1契約1,870.50円
電力量料金〜120kWhまで (1kWhあたり)29.80円
120kWhをこえ300kWhまで (1kWhあたり)36.40円
300kWhをこえる (1kWhあたり)40.49円
最低月額料金1契約328.08円

プレミアムS

電気を多く使う家庭向けのプランです。月々の電気使用量が一定量(例:400kWh)までは定額料金で、それを超えた分は従量料金となります。

項目詳細料金単価(参考)
基本料金10A / 1契約311.75円
15A / 1契約467.63円
20A / 1契約623.50円
30A / 1契約935.25円
40A / 1契約1,247.00円
50A / 1契約1,558.75円
60A / 1契約1,870.50円
電力量料金〜400kWhまで (定額)13,847.63円
400kWhをこえる分 (1kWhあたり)39.50円

夜トクプラン(夜トク8・夜トク12など)

夜間の電気料金が割安になるプランです。夜間に電気を多く使用するライフスタイルの方(例:夜型の生活、夜間に家電を多く使うなど)に適しています。「夜トク8」は午後11時~翌午前7時、「夜トク12」は午後9時~翌午前9時など、プランによって割安になる時間帯が異なります。

夜トク8:

項目詳細料金単価(参考)
基本料金1kWあたり255.69円
電力量料金昼間時間 (午前7時~午後11時 / 1kWhあたり)42.60円
夜間時間 (午後11時~翌午前7時 / 1kWhあたり)31.64円
最低月額料金1契約328.08円

夜トク12:

項目詳細料金単価(参考)
基本料金1kWあたり255.69円
電力量料金昼間時間 (午前9時~午後9時 / 1kWhあたり)44.16円
夜間時間 (午後9時~翌午前9時 / 1kWhあたり)33.33円
最低月額料金1契約328.08円

スマートライフS

エコキュートや電気温水器など、夜間蓄熱式機器を利用しているオール電化住宅向けのプランです。夜間時間帯の電力量料金が割安に設定されています。

項目詳細料金単価(参考)
基本料金10A / 1契約 (アンペア契約)311.75円
15A / 1契約 (アンペア契約)467.63円
... (各アンペア契約に応じて)...
60A / 1契約 (アンペア契約)1,870.50円
1kVAあたり (kVA契約)311.75円
電力量料金昼間時間 (午前6時~翌午前1時 / 1kWhあたり)35.76円
夜間時間 (午前1時~午前6時 / 1kWhあたり)27.86円
最低月額料金1契約328.08円

くらし上手S

太陽光発電設備などを設置している家庭向けのプランです。

項目詳細料金単価(参考)
基本料金1契約2,654.50円
電力量料金〜120kWhまで (定額)3,670.40円
120kWhをこえる分 (1kWhあたり)30.72円

これらの要素を考慮して、ご自身のライフスタイルに合ったプランを選択することが重要です。各プランの詳細な料金単価や適用条件などについては、必ず東京電力エナジーパートナーの公式サイトで最新情報をご確認いただくか、直接お問い合わせください。

なお、実際の電気料金には燃料費調整額再エネ賦課金が別途加算または減算されます。これらの単価は毎月変動します。

東京電力の料金シミュレーション

東京電力の料金シミュレーション(関東エリア、スタンダードSの場合)を世帯人数別にまとめました。以下の情報には燃料費調整額、再エネ賦課金が含まれています。

世帯人数基本料金(円)電力量料金(円)燃料費調整額(円)再エネ賦課金(円)月額電気料金目安(円)
1人935.256,997.60-1,324.66851.727,460
2人935.2512,840.83-2,271.731,460.6612,965
3人1,247.0014,500.92-2,525.521,623.8414,846
4人1,247.0015,715.62-2,711.221,743.2415,995
5人1,558.7516,970.81-2,903.111,866.6217,493
6人以上1,558.7521,100.79-3,534.492,272.5821,398

シミュレーション結果が示す通り、世帯人数が増加するにつれて電力使用量と契約アンペアが増加し、それに伴い電気料金も上昇します。これは基本料金の上昇と、電力量料金の増加が複合的に作用するためです。

【ご注意】

  • 上記はあくまでシミュレーション結果(概算)であり、実際の請求額とは異なる場合があります。
  • 電気料金は、実際のご使用状況、契約内容、燃料費調整額や再エネ賦課金の変動などにより変わります。
  • 東京電力の料金プランや単価は変更される可能性があります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
  • 他社の料金と比較したい場合は、エネピの「でんき料金シミュレーション」をご利用ください。あなたにピッタリの最安値プランをご提案します。

まとめ:高い電気料金を軽減し、家計にやさしい生活を


東京電力の電気料金が高いと感じる背景には、燃料価格の変動、料金体系の複雑さ、季節やライフスタイルの影響など、さまざまな要因が絡み合っていることが考えられます。

まずは、ご自身の電気の使い方や契約プランを正確に把握することから始めてみましょう。そして、必要に応じて料金プランの見直しや電力会社の乗り換えも検討してみてください。

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※3~4人暮らしの場合の金額です

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今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。