中部電力ミライズには様々な料金プランがあり、どれが最適なのか迷ってしまいがちです。この記事では、中部電力ミライズが提供する料金プランの中から、ライフスタイルに合った「おすすめプラン」を見つける方法を解説します。

結論からお伝えすると、電気を使う時間帯や量によって最適なプランは異なります。まずは「料金シミュレーション」で現在のプランとどれだけ変わるかチェックすることが、電気代節約につながると考えられます。

この記事で分かること

  • 中部電力の電気料金プランについて、どれがおすすめかの目安がタイプ別に分かります。
  • 「従量電灯B」「おとくプラン」「スマートライフプラン」といった主要プランの違いを、比較表で確認できます。
  • 中部電力で料金プランを変更する際の具体的な手順や、よくある質問(Q&A)を紹介しています。
  • 中部電力以外の「新電力」という選択肢についても触れており、そのメリットや注意点が分かります。

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【結論】おすすめプランはどれ?簡単タイプ別診断

プラン名基本料金電力量料金主な特徴こんな人におすすめ
従量電灯B契約アンペアで変動3段階制(使うほど単価UP)最も標準的なプラン電気使用量が少ない
ポイントプラン従量電灯Bと同額従量電灯Bと同額支払額に応じてポイントが貯まる契約変更の手間なくポイントを貯めたい
おとくプラン従量電灯Bより高い第3段階(300kWh超)が割安ポイントも貯まる電気使用量が多い世帯
スマートライフプラン契約容量で変動昼間は割高 / 夜間は割安ポイントも貯まるオール電化住宅向け

中部電力ミライズのプランは多岐にわたるため、まずはご自身の暮らしに近いタイプから、おすすめのプラン候補を確認してみてください。

  • タイプA:一人暮らし・共働き世帯
    特徴:日中は不在がち、電気使用量は少なめ~普通
    → おすすめ候補:「ポイントプラン」「従量電灯B」
  • タイプB:ファミリー世帯・在宅ワーク
    特徴:日中も在宅で電気を使う、電気使用量が多い
    → おすすめ候補:「おとくプラン」「for APプラン」(※提携先サービス利用者向け)
  • タイプC:オール電化住宅
    特徴:給湯(エコキュートなど)や調理(IH)も電気
    → おすすめ候補:「スマートライフプラン」
  • タイプD:ガスも中部電力にまとめたい
    特徴:光熱費をまとめて管理し、割引を受けたい
    → おすすめ候補:「カテエネガスセット割」(各電気料金プランと併用)

中部電力の主な料金プラン一覧と比較

中部電力ミライズの代表的なプランの特徴を一覧表にまとめました。それぞれのプランがどのような方向けなのか、全体像を把握する参考にしてください。

プラン名対象ユーザー像契約容量料金体系特徴・メリット燃料費調整額の上限
従量電灯B/C安定性を最優先するすべての家庭10A~60A / 6kVA~基本料金+3段階電力量料金燃料費調整額の上限による価格安定性あり
ポイントプラン電力使用量が少ない家庭(~30A)10A~30A基本料金+3段階電力量料金カテエネポイント付与なし
おとくプラン標準的な家庭(40A~60A)40A~60A基本料金+3段階電力量料金カテエネポイント付与なし
とくとくプラン電力使用量が多い家庭(7kVA~)7kVA~基本料金+3段階電力量料金カテエネポイント付与、毎月の割引なし
スマートライフプランオール電化、EV保有、夜間電力多消費家庭10kVAまで定額、超過分は従量基本料金+3区分時間帯別料金特に安価な夜間電力料金なし
昼とくプラン太陽光発電・蓄電池保有家庭10kVAまで定額、超過分は従量基本料金+季節・曜日別時間帯料金季節により非常に安価な昼間電力料金なし

※上記は代表的なプランの概要です。最新の料金単価や適用条件は、中部電力ミライズ公式サイトで確認する必要があります。

伝統的な「規制料金」プラン:従量電灯B・C

「従量電灯B」および「従量電灯C」は、2016年の電力小売全面自由化以前から存在する、いわゆる「規制料金」プランです。これらのプランは、国の認可を受けた料金体系であり、すべての自由料金プランを評価する上での重要な基準点となります。

従量電灯Bは、契約電流が10Aから60Aまでの一般家庭を対象としています。料金体系は契約アンペアごとに設定された基本料金と、3段階の電力量料金で構成されています。従量電灯Cは、契約容量が6kVA以上の、電力使用量が多い家庭や商店などを対象としたプランです。基本的な構造は従量電灯Bと同様ですが、基本料金が契約容量(kVA)単位で計算される点が異なります。

これらのプランの最も重要な特徴は、燃料費調整制度において法律に基づいた「上限」が設定されている点です。これは世界的な燃料価格がどれほど高騰しても、消費者が負担する調整額には一定の歯止めがかかることを意味します。

つまり規制料金プランは、その安定性こそが最大の利点です。特典やポイント付与といったメリットはありませんが、予測不能なエネルギー市場の激変から消費者を保護する価格保険として機能します。

標準的な自由料金プラン:ポイントプラン・おとくプラン・とくとくプラン

これらは、中部電力ミライズが提供する主要な「自由料金」プランであり、契約容量に応じて3種類が用意されています。

  • ポイントプラン:契約電流が10A〜30Aの、使用量が比較的少ない家庭向け
  • おとくプラン:契約電流が40A〜60Aの、標準的な家庭向け
  • とくとくプラン:契約容量が7kVA以上の、使用量が特に多い家庭向け

「ポイントプラン」と「おとくプラン」の基本料金および電力量料金の単価は、規制料金プランの「従量電灯B」と全く同一です。一方「とくとくプラン」の料金単価は「従量電灯C」と比較して第1段階がわずかに高く、第3段階が安く設定されています。

では、料金単価が同等であるにもかかわらず、なぜこれらのプランが提供されているのか。主な差別化要因は、中部電力ミライズのWeb会員サービス「カテエネ」のポイントが付与される点にあります。例えば、料金支払額200円につき1ポイントが付与されるなどの特典が用意されています。

また、これらの自由料金プランには燃料費調整額の上限が存在しません。つまり、中部電力ミライズは規制料金プランを再パッケージ化し、価格安定化機能(燃料費調整額の上限)を取り除き、その見返りとしてポイントを付与している、と解釈できます。

したがって燃料価格が安定している時期には、ポイント分だけ自由料金プランの方がお得になります。しかし燃料価格が高騰すれば、上限のない燃料費調整額が請求額を押し上げ、ポイントによる利益では埋まらないほどの経済的損失をもたらす可能性があります。

現代のライフスタイルに対応:スマートライフプラン

「スマートライフプラン」はオール電化住宅、電気自動車(EV)、エコキュート(夜間蓄熱式給湯器)などを利用する家庭をターゲットとした時間帯別料金プランです。このプランは、電気を使う「時間」によって料金単価が大きく変動するのが特徴です。

料金体系は従来のプランとは異なり、比較的高めの基本料金と、3つの時間帯区分で設定された電力量料金から構成されます。

  • デイタイム(平日10時〜17時):38.80円/kWhと最も高額
  • ホームタイム(デイタイム、ナイトタイムを除く時間帯):28.61 円/kWhと中間的
  • ナイトタイム(毎日22時〜翌8時など):16.52円/kWhと非常に安価

このプランの魅力は、デイタイムとナイトタイムで1kWhあたり22円以上という価格差にあります。利用者はライフスタイルを意識的に調整し、電力消費を安価な夜間帯にシフトさせることで、大幅な電気料金の節約を実現できる可能性があります。

さらに、このプランは利用者の生活パターンに合わせて、割安な「ナイトタイム」の時間帯を以下の3つから選択できる柔軟性を備えています。

  • 標準プラン:22時〜翌8時
  • 朝とくプラン:23時〜翌9時
  • 夜とくプラン:21時〜翌7時

ただし、このプランも自由料金プランであるため、燃料費調整額の上限は適用されません。したがって、夜間電力の大きなメリットを享受できる一方で、燃料価格高騰のリスクはすべての利用者が負うことになります。

特化型プランと付加価値オプション

中部電力ミライズは、より特定のニーズに応えるためのプランやオプションも提供しています。

昼とくプランは、さらに複雑な時間帯別料金プランです。特に太陽光発電設備や蓄電池を設置している家庭を想定しており、季節や曜日によって料金単価が細かく変動します。特筆すべきは、春・秋季の昼間(デイタイム)の料金が16.42円/kWhと、スマートライフプランのナイトタイムに匹敵する安さになる点です。これは、昼間の太陽光発電による余剰電力を有効活用することを促すための設計です。

その他、電気料金プランに付随する「セットメニュー」として、以下のような付加価値オプションが存在します。

  • for APプラン:Amazonプライムの年会費が割引価格で利用できるオプション
  • 暮らしサポートセット:月額300円で水回りや鍵の紛失といった日常のトラブルに対応する駆けつけサービス。

これらは独立した電気料金プランではなく、あくまで基本となるプランに付加するサービスです。

ライフスタイル別!おすすめプラン徹底解説

冒頭のタイプ別診断で挙げたおすすめプランについて、その理由を具体的に解説します。先に解説した各プランの特徴を踏まえることで、さらに理解が深まるはずです。

一人暮らし・共働き世帯向け:日中の電気使用量が少なく、全体の電気使用量も比較的少ない世帯の場合、「従量電灯B」または「ポイントプラン」が選択肢となります。

  • 従量電灯B: 従来型の最も標準的なプランです。電気使用量が少ない場合、複雑な時間帯別プランを選ぶよりもシンプルで分かりやすい選択肢となります。
  • ポイントプラン: 料金単価は「従量電灯B」と全く同じですが、電気料金の支払額に応じてカテエネポイントが貯まる点が特徴です 。Web会員の登録が必要ですが、電気使用量が少なくてもポイントのメリットが受けられます。

ファミリー世帯・在宅ワーク向け:日中も在宅者がおり、月々の電気使用量がコンスタントに多い(目安として300kWhを超える)世帯には「おとくプラン」をおすすめします。

  • おとくプラン: 基本料金は「従量電灯B」より少し高めに設定されていますが、電気をたくさん使った場合の第3段階料金(300kWhを超える部分)の単価が割安に設定されています 。 使えば使うほど「従量電灯B」よりお得になりやすく、カテエネポイントも貯まります。

オール電化住宅向け:エコキュートやIHクッキングヒーターなどを利用しているオール電化住宅の場合は、専用プランである「スマートライフプラン」が基本の選択肢となります。

  • スマートライフプラン: 特徴は、時間帯によって電力量料金の単価が大きく異なる点です。エコキュートが主に稼働する夜間の電気代を大幅に抑えられるメリットがあります。一方で、日中の電気代は割高になるため、日中の電気の使い方にも注意が必要です。

ガスもセットでまとめたい場合:中部電力エリアで都市ガスを利用している場合、「カテエネガス」を契約し、電気とセットにすることで「ガスセット割」が適用される可能性があります。光熱費をトータルで安くしたい、支払いを一本化したい場合に適した選択肢と考えられます。

【補足】中部電力以外の選択肢は?新電力との比較

ここまで中部電力内のプラン変更について解説しましたが、「そもそも電力会社を切り替える」という選択肢もあります。2016年の電力自由化以降、「新電力(しんでんりょく)」と呼ばれる様々な事業者が電力販売に参入しています。

新電力のメリットとデメリット

メリット

  • 中部電力のプランより電気料金自体が安くなる可能性がある
  • ガス会社・携帯電話会社・ガソリンスタンドなど他サービスとのセット割が豊富な場合がある

デメリット・注意点

  • プランが多様であるため比較検討が難しい
  • ライフスタイルに合わないプランを選ぶと逆に高くなる可能性もある
  • 事業者によっては燃料価格高騰時に価格が大きく変動する場合がある

「中部電力と新電力、結局どちらが自分に合っているのか分からない」という場合には、複数の電力会社をまとめて比較できるサービスを活用してみることをおすすめします。

料金比較サイト「エネピ」では、お住まいの地域や現在の電気・ガスの使い方に関する簡単な質問に答えるだけで、おすすめの電力会社やガス会社をまとめて比較・診断することが可能です。

中部電力のプランが最適なのか、それとも新電力にもっとお得なプランがあるのか、中立的な視点で比較検討するために活用してみてください。
>>エネピで電気・ガス料金をまとめて比較してみる

中部エリアにおける主要な競合会社の分析

企業名代表的なプラン基準料金(従量電灯B)との比較 燃料費調整の仕組み主な付加価値・特徴
中部電力ミライズポイントプラン同等上限なしカテエネポイント、ガスセット割引、大手電力の信頼性
オクトパスエナジーグリーンオクトパス安価独自の仕組み(燃料費調整額なしの場合も)実質再エネ100%、業界トップクラスの安さ
ENEOSでんきVプランやや安価上限なしガソリン・灯油割引、Vポイント還元
LooopでんきスマートタイムONE比較困難(市場連動)なし(市場価格が直接反映)昼間の電気が安い傾向、節約行動の促進
東邦ガスファミリープランなどやや安価上限なし電気・ガスのセット契約による割引

数多くの新電力が存在する中で、特に中部エリアで存在感を示している企業には、以下のような特徴が見られます。

オクトパスエナジー:英国発のエネルギー企業と東京ガスの合弁会社 。再生可能エネルギー100%の実質的な供給を掲げつつ、基本料金が0円であったり、燃料費調整額の仕組みが大手電力とは異なるなど、革新的な料金体系で注目されています 。料金の安さを重視する層から強い支持を得ています。

ENEOSでんき:国内最大のエネルギー企業であるENEOSグループが展開する電力サービス。絶大なブランド認知度を背景に、ガソリン代の割引や提携ポイント(Vポイントなど)の付与といった、グループのシナジーを活かした特典が強みです 。安心感と付加価値を両立させたい層に訴求しています。

Looopでんき:基本料金0円というシンプルな料金体系で市場にインパクトを与えた新電力のパイオニアの一つ 。近年は、電力市場価格に連動して30分ごとに料金単価が変動する「スマートタイムONE」のような、より市場メカニズムに近いプランを提供しており、消費者の積極的な節電行動を促します。

東邦ガス:中部エリアを地盤とする大手都市ガス会社。既存の広範なガス顧客基盤を活かし、電気とガスのセット契約による割引を強力な武器としています 。光熱費を一本化したいというニーズに応え、中部電力ミライズにとって最大の地域競合と目されています。

新電力への乗り換えは、潜在的なメリットがある一方で、慎重な検討が必要です。シミュレーションの結果、見込まれる年間の節約額は、乗り換えの手間や潜在的なリスクを上回るほど大きいか。契約期間の縛りや、期間内解約に伴う違約金は存在するか。企業の経営基盤は安定しているか、あるいは顧客サポート体制は充実しているか。複数の観点から総合的な判断を下すことが重要です。

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プラン変更・新規申し込みの手順と注意点

実際にプラン変更を行う際の、具体的な方法を説明します。

  • Web(カテエネ)から手続き:中部電力の会員サービス「カテエネ」にログインし、プラン変更ページから手続きを進めるのが最もスムーズです。
  • 電話で手続き:Webでの操作が不安な場合は、カスタマーセンター(0120-921-697)への電話でも申し込みが可能です。受付時間は、平日9時から17時までです。

必要な情報(事前に準備するもの)

  • お客様番号
  • 供給地点特定番号

(どちらも「検針票」に記載されています)

よくある疑問(Q&A)

  • Q. プラン変更にお金はかかる?
    A. 原則として、事務手数料や工事費などはかかりません。
  • Q. いつから新しいプランに切り替わる?
    A. 手続き完了後、原則として次回の検針日から新しいプランが適用されます。
  • Q. 賃貸住宅でも変更できる?
    A. 電力会社との契約名義がご自身であれば、賃貸住宅でもプラン変更は可能です。

まとめ

最後に、この記事で解説した「中部電力の最適なプラン」を見つけるための重要なポイントをまとめます。

  • 電気代の節約には、ご自身のライフスタイル(電気を使う量や時間帯)に合ったプランを選ぶことが重要です。
  • オール電化住宅は「スマートライフプラン」、電気使用量が多い家庭は「おとくプラン」が候補となります。
  • おすすめ情報は参考にしつつ、最終判断は公式サイトの料金シミュレーション、または専門の料金比較サイトで行うことをおすすめします。
  • 中部電力内のプラン変更だけでなく、「新電力への切り替えも」電気代削減の有効な選択肢の一つです。

最終的に、すべてのご家庭にとっての唯一絶対の正解は存在しません。最適なプランとは、個々の電力使用パターンやライフスタイルをよく理解し、それらを各プランの特徴に照らし合わせることで初めて見出されます。

もし「新電力も含めて自分に一番合うプランを比較検討したい」と感じたら、ぜひエネピの無料比較診断を活用してみてください。

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今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。