バイオマス発電の仕組みとメリット・デメリット

平成24年7月から始まった、再生可能エネルギー固定買取制度を境にバイオマス発電に注目が集っています。

バイオマス発電は、これまで捨てるしかなかった、木材や動物の糞尿をエネルギー源とした発電方法です。

バイオマス発電は、以前なら捨てられていた物からエネルギーを取り出せるので、社会全体から見るとエネルギーを効率良く取り出せる有効な発電方法として期待されています。

再生可能エネルギーの中でもよく目にする太陽光発電とは違い、普段なかなか目にする機会が無いバイオマス発電ですが、日本の新しいエネルギー生成手段として既に動きだしています。

今回はそんなバイオマス発電を解説していきます。

バイオマスとは、生物が生み出した生物資源の総称です。そして、バイオマス発電とは、生物が生み出した生物資源を利用した発電方法の事です。

バイオマス発電は、燃料源によって大きく5種の発電方法に分類されます。

• 動物の糞尿を発酵させて発生したガスを利用するメタン発酵ガス発電
• 間伐材を利用した木質バイオマス発電
• 廃材を利用した建設資材廃棄物発電
• 建築資材の端や輸入材、もみ殻等を利用した一般木質バイオマス・農作物残さ発電
• ゴミや動物の糞尿等をガスにせずに、直接燃焼させて発電する、一般廃棄その他のバイオマス発電

それぞれのバイオマス発電の方式によって、バイオマス発電効率が違います。バイオマス発電事業者が発電効率の良い方に偏らないように、バイオマス発電買取価格は、細かく発電方法毎に設定されています。

バイオマスによって発電するメリットは、大きく分けて3つあります。

日本はエネルギー資源に乏しい国です。日本国内で採取できるバイオマスを使った発電方法は、日本の中だけで完結する数少ない発電方法です。

また、各地で今まで捨てていた物を国内で資源として採取するので地域活性化にも貢献しますし、捨てる物からエネルギーを取り出し、そこからまたエネルギーを生み出すという循環型社会を実現できます。

カーボンニュートラルとは、植物が生育する過程で消費する二酸化炭素量と、発電する時に発生する二酸化炭素量が同じ位になるので、全体で見ると二酸化炭素が増加しないという考え方の事です。

バイオマス発電の発電割合を増やす事で、地球温暖化防止にもなるので、バイオマス発電は地球にも優しい発電方法と言えます。

バイオマス発電には火力発電と同じ技術が利用されています。つまり、火力発電と同じように安定した電力を生み出す事ができます。

一方で、バイオマス発電のデメリットは大きく2つあります。

バイオマス発電の発動機の価格は高価です。そして、バイオマス発電設備も高価です。

また、バイオマス発電の資源は森林等にあるので、資源を集める為に道路やバイオマス発電施設を新しく建設する必要があります。つまり、バイオマス発電システム全体を整備するには多くの費用が必要です。

トウモロコシやサトウキビといった食料をバイオマス発電では、燃料として使用できます。

燃料として使用する事は多くの量を必要とします。多くの食料を燃料として消費するとその結果、食料の値段が上がり多くの地域で食料不足になるのでは無いかと懸念されています。

バイオマス発電は資源の乏しい日本で数少ない国内で燃料を賄える発電方法です。

他国に頼らないエネルギー循環型社会の実現、そして地球温暖化防止の為にも、今後はバイオマス発電などの再生可能エネルギーが増えていくことが期待されています。

では、日本の全電源のうち再生可能エネルギーはどれくらいの割合を占めているのでしょうか。

環境エネルギー政策研究所「2021年の自然エネルギー電力の割合」によると、再生可能エネルギーは全電源の2割程度です。ちなみに、最も多く発電している再生可能エネルギーは太陽光発電です。

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