プロパンガス(LPガス)の販売量は都道府県によって大きく差があります。

というのも、都道府県ごとに需要の差があるということはもちろんですが、もう少し掘り下げると、どういった用途の需要があるか、都市ガスと比べた際の優位性はどうか等、さまざまな要因があります。

それでは、具体的にどの都道府県でプロパンガス(LPガス)の販売量が多いのかを見ていきましょう。

プロパンガス(LPガス)販売量1位は東京都

プロパンガス(LPガス)販売量1位は東京都

プロパンガス(LPガス)の販売量が一番多いのは東京都(95,091トン)、次いで千葉県(82,096トン)、そして愛知県(68,433トン)が首都圏に食い込み、神奈川県(83.133トン)、大分県(43,723)が続きます。茨城県(42,793トン)となりました。

この上位6都県の合計だけでガス販売量の全体の41.6%を占めているのです。

千葉県、神奈川県、東京都の首都圏3都県が上位に入っていることは予想通りかもしれませんが、大阪府など関西圏の府県ではなく愛知県がそれに次いでいることは意外ではないでしょうか?

逆に最も販売量が少なかったのは鳥取県(1,892トン)でした。

家庭向けは1位東京都、2位は神奈川県

家庭向けは1位東京都、2位は神奈川県

それでは家庭向けに限ってみるとどうなるのでしょうか?

先ほどご紹介した順位は家庭業務用、工業用、産業用(都市ガス用、自動車用、化学原料用、電力用)の合計でした。

この中で都市ガス用というのが引っかかるかもしれませんが、実はプロパンは都市ガスの熱量を調整するためにも使われるのです※。

さて、家庭業務用に限ると1位は東京都(38,650トン)、次いで神奈川県(37,799トン)、愛知県(35,871トン)となり、総合で2位だった千葉県(17,207トン)は8位となっています。

千葉県は化学原料用が占める割合が高いのです。京葉工業地帯に石油化学コンビナートが広がっていることを考えると納得ですね。

販売量が多いと料金が安くなる傾向に

さて、LPガス販売量が多い都道府県には何かメリットはあるのでしょうか?
実はLPガス販売量はプロパンガス(LPガス)の価格に大きく関係するのです。

まず、LPガス価格の全国平均は13,285円です。

一番高いのは北海道(16,686円)、一番安いのは神奈川県(11,978円)となりました。

LPガス販売量が多い都道府県を見ていくと、千葉県(12,154円)は4位、東京都(12,156円)は5位となっており、愛知県(12,568円)も全国平均より安くなっています。

ちなみに、東京都は伊豆諸島を除くと12,010円となり、神奈川県に次ぐ安さとなります。

一方で、LPガス販売量が最も少ない鳥取県は全国平均より高い14,120円となりました。

以上より、プロパンの販売量が増えるほど、価格は安くなると言えます。

各地のプロパンガス料金をさらに詳しく知りたい方はコチラ↓
うちのプロパンガス料金は妥当?【全国47都道府県】ガス代の平均価格相場を大公開!もご覧ください。

プロパンガス(LPガス)の販売量が増えると価格が安くなる理由

それではなぜプロパンガス(LPガス)の販売量が増えると価格が安くなるのでしょうか?

答えはシンプルです。

販売量が増えると生産・供給の規模が大きくなります。

そうなると原料となるガスを大量購入することができて、単価あたりの原価を下げることができるのです。

このことを経済用語で「スケールメリット」と言います。

まとめ

プロパンガスの販売量は都道府県により大きく異なり、その違いは価格にも影響することがわかりました。

みなさんもご家庭で使うガスについて考える際は、お住まいの都道府県の販売量に注目してみると新たな発見があるかもしれません。

参考資料:(LPガス(プロパンガス)の販売量は日本LPガス協会「都道府県別販売量 2014年度」より。LPガス料金は(一財)日本エネルギー経済研究所 石油情報センター「LPガス月別価格(2015年8月、20m3)」より)

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