お鍋が美味しい季節になりました。家族で囲むお鍋は一家団欒の象徴ですね。
それを実現するにはテーブルの真ん中で鍋を加熱する必要があります。
ガスカセットコンロがあれば土鍋でも鉄鍋でも鍋の種類を問わず加熱できます。
ところが卓上IHクッキングヒーターの場合には使える鍋の種類が限定されます。
IH用の鍋を前提に買いそろえたご家庭では問題ありませんが、
そうでないと新たにIH用の鍋を買い足す必要もでてきます。
これが卓上で加熱する器具を選ぶ上で重要なポイントになります。

カセットガスコンロとは

カセットガスコンロとは

ガスカセットコンロとはLPガスボンベのような大型のボンベでなく
小型のカセットコンロ内部に収納できる小さなボンベを使用するガスコンロです。
デザインは大きさはカセットボンベの一部がはみ出す小さなタイプから
完全にガスボンベを収納できる通常の大きさのものまであります。

着火方式は圧電素子を使うタイプが増えています。
今はガスボンベの中になるべくガスを残さないように余熱の一部で
ガスボンベを少しだけ加熱してガスボンベに残るガスの量が
最小限になるように工夫されています。

カセットガスボンベは1本百円程度でスーパーマーケットなどで販売されています。
1本あれば通常の鍋なら十分に加熱し続ける事ができます。
ボンベは規格品ですから専用のボンベでなくても問題無く使えます。

カセットガスコンロのメリット

【火力がある】
火力に即効性があり、着火した直後に強火で温めることができます。
火加減の大きさは無段階に調整が可能で、弱火から強火まで自由自在に調整できます。

【どこでも使える】
ガス配管不要・電気コードもなく単独で使用できるため、調理をする場所が限定されずに済みます。
コンセントが無い屋外やキャンプ場でも使えるので大変便利です。

【ほとんどの器で対応可能】
鍋の種類を選びませんから昔から使っている土鍋でも使えますし、銅の鍋でも使えます。

【非常事態のときにいつでも使える】
万が一、停電したときでもカセットコンロとガスボンベがあれば
いつでも調理をすることができます。
手のひらサイズのカセットコンロもあるので、
避難用具と併せて買い揃えておけば強い味方になります。

カセットガスコンロのデメリット

【ガスの補充が必要】
カセットボンベのガスが切れると都度取り換えが発生し、余分にストックもしておかなければなりません。

【消し忘れによる危険性】
とろ火などで調理していた場合に火の消し忘れがあり、火事に繋がる可能性があります。

【風にもろく消えやすい】
扇風機やエアコンなどの強い風や吹きこぼれで火が消えてしまう可能性があります。

【廃棄が面倒】
ガスカセットコンロを使用するデメリットはガスボンベの廃棄が若干面倒なことです。
自治体によっては穴開けなしで廃棄できるところもありますが、
大阪など多くの都市ではボンベに穴を開けて残ったガスを放出してから捨てる事が義務づけられています。
この作業をガスがまだボンベに液体で残った状態でするともの凄い勢いでガスが噴出し危険です。
ボンベに充填されているガスは引火する濃度範囲が広く、
火元となるコンロの火などがなくても冷蔵庫の内部スイッチの中で起こる小さな火花でさえ引火する危険があります。
換気するには窓を開けて自然に換気するのを待つしかありません。
完全に使い切っていて安全に穴を開ける工具を使っても、
自然に臭いが消えるには外気に一昼夜以上さらしておく必要があります。

カセットガスコンロのランニングコスト

カセットガスコンロのランニングコスト

カセットコンロは電気を使いませんから、
使用時にかかるコストはカセットボンベ代のみになります。
ガスボンベの価格はメーカーにより差がありますが、安いメーカーのものなら1本73円程度です。

その火力は使用するガスカセットコンロのタイプなどで変わりますが最大で1.5KWほどです。
ガスボンベ1本の燃焼時間は強火で約1時間ぐらいですが、
火加減を調整しながら使用すれば2時間程度の団らんを1本で済ます事も可能です。

古いタイプのカセットガスコンロはガスの残量が少なくなると火が早々と弱くなり、
上手に使い切る事が難しかったのですが余熱でボンベを暖めるタイプのものは
残量が減っても火の勢いがなかなか衰えないので無駄無く使い切る事ができるようになっています。

鍋の季節は寒い日が多いのですが、ガスカセットコンロは部屋全体を暖めるので
食卓のある部屋を別に暖房する必要は鍋をしている間ありません。

卓上IHとは

卓上IHとは

卓上IHはテーブルの上で使えるIHクッキングヒーターです。
IHは誘導加熱を意味する英単語のイニシャルで、電気を熱に変える仕組みの1つです。
通常の白熱灯などでは電気抵抗で生じる熱がそのまま光や熱に変わりますが、
IHの場合には渦電流による発熱を利用します。
この渦電流は使用している電気器具のコードを束ねて使うと
熱くなる仕組みを鍋の金属内部で起こす事で発熱させるので、金属がなければ発熱しません。
金属も従来は磁石がつく金属に限定されていましたが、
最近のIHでは銅の鍋でも使えるタイプのものも開発されています。
電気の力を鍋底の金属に伝えて発熱させるので仕組みは高周波のコイルを使うなど複雑ですが熱効率は高くなります。

卓上IHのメリット

卓上IHのメリット

【火を使わないから火事の心配がなく安全】
卓上IHを使う最大のメリットは火を使わない事です。
テーブルで調理をする場合、キッチンペーパーやふきん、紙皿など色々と置いてある場合がありますが、
カセットコンロなら燃え移る危険があります。
そういった火を使う危険がないのは安心です。

【自動でブレーカーの安全装置が働く】
卓上IHは商品にもよりますが電気を使いすぎた場合、
ブレーカーが自動的に安全に切ってくれるので他の電気器具との併用もできます。

【ゴミが出ない】
ガスボンベのような手間のかかる廃棄物が出ないのもメリットです。

【圧倒的低コスト】
1回の鍋料理(1時間程度)につき、かかる電気代は11円〜40円程度。
1時間でカセットボンベ(1本約100円)が消化することを考えると
かなり安く済みます。

【お手入れがラク】
万が一吹きこぼれたり、汚れでもIHの場合が凹凸が無く、
フラットデザインなので、お手入れが楽チンです。

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卓上IHのデメリット

卓上IHのデメリット

【即効性のある火力が無い】
IHの場合はスイッチを入れてから徐々に温まってくるため、
ガスコンロのような速攻性のある火力が弱いです。

【使用できる場所が限定される】
電気なので、コンセントが無いと使用できません。
そのため、屋外で使用するのは難しいです。

【コードが邪魔になる】
子どものいる家庭で一番心配なのは電気コードを子どもが触ったり
足に引っ掛けたりして鍋がこぼれる危険性があります。
コンセントなど電極がむき出しの部分に水分がかかるとブレーカーが落ちたりショートして火災の原因になる危険もあります。

【使用できる調理器具が限定される】
昔から使っている土鍋など、多くの鍋は使用できません。
新しくIH対応の調理器具を買いそろえる手間があります。

卓上IHのランニングコスト

卓上IHのランニングコスト

カセットガスコンロの1.5KWと同程度の火力で25円/KWhで1時間加熱すると、

1.5KWh × 25円 =37.5円になります。

これはカセットボンベ 73円に対して、
卓上IHの電気代は約38円と約半分くらいのコストに抑えられています。

ランニングコストの中には見え難いのですが、
ガスボンベの廃棄にかかる手間などがかからないことも隠れたコストといえます。
ただイニシャルコストとしてかかる専用鍋の購入費用は一部ランニングコストにも影響します。

IHで料理をするのに対応できる新しい鍋を購入しなければならないため、
従来から使っていた鍋がIH非対応の場合等はイニシャルコストとして別枠で考えるべきではないでしょう。
その料理を1回きりしかしない、、なんてことはないでしょうから、
ランニングコストで計算すると結果的にIHのほうがお得になる可能性が高いです。

まとめ

カセットガスコンロにもIHクッキングヒーターにもメリットもデメリットもあります。
本体価格では圧倒的にIHクッキングヒーターの方が高く、
鍋まで新調するとイニシャルコストが更に高くつくので、
台所もIHでなければ卓上の調理器具だけIHにするのは無理があります。

また停電になった時にも使えるカセットガスコンロは
1台あると非常に心強い加熱器具ですからIHクッキングヒーターをお使いのご家庭でも
防災用品としてボンベとともに準備しておく価値はあります。

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エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。