多くのご家庭において、毎月の家計支出を抑えるために様々な節約を行っているハズです。

一般的に節約の対象となるのが、食費・ガス・水道・通信費・電気代、
そして旦那さんのお小遣い…。

旦那さんのお小遣いは、非常に節約の対象となり易く、
率先して節約に心がける人もいます。

食費・ガス・水道は非常に節約し易い反面、効果も小さいです。
通信費の節約は、ここ2年ほど前から登場した
格安SIMで大幅な削減が可能となりました。

そして、身近な電気代ですが…
節約をしても『なかなか効果が出ない』
または『最新家電を買う余裕が無い』などといった理由から諦めがちです。

しかし、家電製品ごとの電気料金を知ることで
効率の良い電気代節約が可能なんです!

それでは、実際にどのように家電製品の電気代を調べるのかご紹介します!

家電ごとの電気代が知りたい!

家電製品ごとの電気代が知りたい方は非常に多いと思います。

しかし、家電量販店では年間電気代は表示されるものの、
どのくらいの節電に繋がるのかはなかなか分かりません。

そもそも、家電製品を買い換える際などは、比較する対象となる家電製品、
すなわち保有する製品の消費電力を知らないとどうにもなりません。

また、「2015年度省エネ130%達成」など比較対象が曖昧だったり、
販売スタッフに質問しても良い回答が得られなかったり、ということも。
それならば、自分自身で家電製品の電気代を計算できれば良いんです。

実は電気代の計算は非常に簡単なんですよ!

その家電はどれだけの電力を使うか調べよう

さて、家電製品がどれだけ電力を使用するか調べるには、
単純に、本体に貼り付けられているラベルを見るだけなんです。

例えば冷蔵庫の場合は冷蔵室ドアの内側だったり、
炊飯器なら本体の側面、液晶テレビなら本体背面にラベルがあります。

そのラベルには「定格消費電力」が表示されています。
また、詳しく「消費電力」を調べるには
取扱説明書を見るのが一番オススメです。
取扱説明書の場合、炊飯器の様に炊飯時と保温時の消費電力が異なる場合には
それぞれの消費電力を調べる上で必要な情報が記載されています。

また、最近の家電製品では、エコモードなどが搭載されているため、
エコモード運転時にどれだけの電力削減が見込めるかも分かります。

「消費電力」「定格消費電力」「年間消費電力」それぞれの意味と違い

ラベルや取扱説明書を見たとき、3つの「○○電力」という単語を
見つけたのではないでしょうか?

『消費電力』、『定格消費電力』そして『年間消費電力』といった単語です。
これらは、似ているようで微妙に異なります。

全ての値が低い家電製品が省エネ効率も良いとも言えますが、
これらを理解するとより節電効果の高い家電製品を購入出来たり、
既存の家電製品の節電に繋がったりと効果は大きくなります。

それでは、それぞれどのようなものなのか紹介したいと思います!

消費電力とは

まず、消費電力とは単純に言うと家電製品の電源ON時に消費される電力です。
基本的にはリアルタイムで消費される電力は異なっています。
そして、消費電力は『ワット(W)』と言う単位で表されます。
消費電力が低く、安定した状態が続くほど、
家電製品の電気代は下がる傾向にあります。

また、実際の電気代に影響するのはこの消費電力を
いかにコントロールするかが重要となり、エアコンやテレビなど
細かい設定が可能なものほど重要視するべき数値となります。

定格消費電力とは

次に定格消費電力とは、その家電製品の有する最大出力を示しています。
簡単に言うと、エアコンで暑い部屋を涼しくしようとした際、
エアコンはフルパワーかつ短時間で設定温度に近づけようとしますよね。
その際にエアコンは、ほぼ定格消費電力に近い電力を消費します。

また、電子レンジなども同様に機能をフル活用する使用方法では定格運転を行います。

しかし、定格消費電力は、一時的に家電製品がフルパワー状態で稼働する
最大消費電力を示すものとなります。

実際のところ、定格消費電力で家電製品同士の消費電力を比較しても、
なかなか実際の電気代を割り出すのが難しいとも言えます。
ただし、同じような製品で定格消費電力が少なければ、
フルパワー時の消費電力は抑えられていることになります。

年間消費電力とは

年間消費電力は、あくまで目安的な数値となります。
理論的な消費電力と年間使用時間から年間消費電力を算出しています。

テレビだと1日あたりの視聴時間を4.5時間、
そして待機時間を19.5時間と仮定しています。
この時間からおおよその消費電力を算出し、
年間365日に換算した消費電力が年間消費電力となります。

テレビの場合、視聴する時間により変動も大きく、
また画質設定や音量でも消費電力はことなります。
同様に365日24時間使用する冷蔵庫についても、周囲温度やドアの開閉回数、
そして冷蔵庫内の物の量でも大きく変化することになります。

この年間消費電力は、使用状況による変化が大きいため、家電製品の購入時は、
ご家庭の使用状況と当てはめて参考程度に考えるのがオススメです。

電気代の計算に必要なのは「消費電力」

さて、以上のことから、
実際に電気代を計算するのは「消費電力」だけで良いということが分かりましたよね。

最近では、家電製品には最適な運転プログラムが組み込まれており、
実際の運転状態に近い消費電力がメーカーホームページや
取扱説明書に表示されています。

この数値を使って実際に計算をすれば、簡単に電気代を算出できます。

さっそく電気代を計算してみよう

では、早速計算してみましょう!

消費電力はメーカー仕様(スペック)の数値を用いるのが
一番手っ取り早い方法です。
特に省エネ家電に買い換えたいと言う方は非常に参考になります。
また、古い家電製品でもメーカーホームページに
仕様(スペック)が掲載されているのでご安心ください。

さて、単純に必要なのは「利用する時間」です。
また、待機電力が発生する家電製品については
コンセントを挿している時間も計算に入れます。
式はこのような感じになります。

消費電力(稼働時間)[W]× 時間[H]+ 消費電力(稼働時間)[W]× 時間[H] 
= 消費電力

W→kWへの換算も忘れずに

ここで忘れちゃいけないのが、消費電力の換算です。

実際に消費電力を計算する際、消費電力をWからkWに換算する必要があります。
殆どの家電製品の消費電力は、単位がW表示になっているからです。

しかし、実際の電気代にはkWが用いられます。
そのため、各家電製品の消費電力を予め1/1000にして単位の換算を行います。

例えば、消費電力が250Wの家電製品であれば、
0.25kWと予め換算することで計算がわかりやすく出来ます。

電気代を計算する際に1/1000する方法もありますが、
予め換算することで計算間違いを防ぐことも可能です。
また、1時間あたりの消費電力を単独で計算することで、
電気代計算のシミュレーションがカンタンになります。

電気代を算出する計算式

では、実際に1時間あたりの電気代の計算方法を説明したいと思います。

消費電力を基に1時間あたりの消費電力を計算しておくことで、
稼働時間の変化による金額の差がシミュレーションし易くなります。
今回は、1時間あたりの電気料金(1kWh)を24円とします。

取扱説明書などに記載されている「消費電力」は
既に1時間あたりの消費電力となっており、計算式で表すと次の式になります。

(消費電力[W]/1000)×1時間[h]=1時間あたりの消費電力[kWh]

です。

あとは、この1時間あたりの消費電力に利用時間と電気料金を掛けます。

1時間あたりの消費電力[kW]×稼働時間[h]×電気料金[円/kWh]
=家電製品の電気代[円]

消費電力1200Wのエアコンを4時間使った時の電気代

計算式がわかったところで、実際に消費電力の計算を行ってみましょう!

では、消費電力が1200Wのエアコンで電気代を算出します。
ここで運転時間を4時間とした場合は、電気代がいくらになるか式に表します。

まずは、予め1200WをkWに換算してしまいます。
換算すると1.2kwとなります。
換算してしまえば、計算式も分かりやすくなりますね。

1.2kw×4[h]×24[円/kWh]=115.2円

計算結果は、約115円の電気代となりました。
実際には、エアコンの運転は常時運転状態では無く、
冷房の場合だと設定温度に達したら、運転がOFFとなり
温度が上昇したらONとなります。

このON・OFFの繰返しにより、差額が多少差が生じるものの、
おおよその電気代が算出できます。

消費電力(炊飯時)160Wの炊飯ジャーを50分使った時の電気代

次に炊飯器の消費電力を計算してみます。

炊飯時の消費電力が160Wの炊飯器を50分間使用した場合の電気代は、
次の計算式と結果になります。
今回も予め消費電力をWからkWに換算すると、0.12[kW]となります。
また、50分も換算すると50/60=0.8333となります。
今回は0.84[h]としましょう。

0.12[kw]×0.84[h]×24[円/kwh]=2.4192円≒2.42円

今回は、50分という時間を換算する必要がありましたが、
使用時間÷60分で計算すると何時間に相当するのか換算できます

消費電力120Wのテレビを2時間使った時の電気代

では、今度はテレビの消費電力を計算してみます。

最近の液晶テレビはLEDにより画面を発光させているため、
消費電力が更に少なくなっています。

では、消費電力が120Wのテレビを
2時間使用した場合の電気代を計算してみます。
今回も予め単位換算を行うと、消費電力は0.12kW。
電気代を計算すると、

0.12[kw]×2[h]×24[円/kWh]=5.76円

となります。

もし使用時間が増えても、あとは時間を増やすだけです。
スマートフォンの電卓機能でチョチョイのチョイで計算出来てしまいますね!

まとめ

皆さん、いかがだったでしょうか?
消費電力さえわかれば、家電製品の電気代を
簡単に算出できることが分かったと思います。

この計算式とご家庭で契約する1kWhあたりの電気代さえ覚えていれば、
家電量販店でより節電効率のよい家電製品を購入することが出来ますね。

また、ご家庭内にある家電製品で
どの家電製品が一番消費電力が多いかも分かります。
消費電力の多い製品が判明すれば、ちょっとした設定変更や
運転時間の見直しで大きな節約に繋がりますよね。

『これから節電を検討している』
または『一度節電に挫折した』という方は、
電気代計算を行ってみることとオススメします。

旦那さんのお小遣いも減らさずに済むかもしれませんよ…!




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エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。