ENEOSでんきは「やばい」？評判の理由と契約前に確認すべきメリット・デメリット

「ENEOSでんきへの切り替えを検討しているけれど、本当に安くなるのだろうか」
「ガソリン割引は魅力的だけれど、何かデメリットはないのだろうか」
「悪い評判も耳にするため、切り替えるのが少し不安…」
このようなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、ENEOSでんきに関する評判や口コミを徹底的に調査し、料金プランの仕組みから、多くの方が最も関心を持つガソリン割引の具体的なお得度、そして見落としがちなデメリットや注意点まで、分かりやすく解説します。

ENEOSでんきは、ENEOSグループが提供する電力小売サービスです。JXTGエネルギー株式会社（現在のENEOS株式会社）が運営し、ガソリンスタンドで有名なENEOSブランドによる電力事業として展開されています。

ENEOSでんきは、全国の以下の地域で電力供給を行っています。

• 北海道エリア：北海道全域
• 東北エリア：青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、新潟県
• 関東エリア：東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、静岡県の一部
• 中部エリア：愛知県、岐阜県、三重県の一部、静岡県の一部、長野県
• 北陸エリア：富山県、石川県、福井県の一部、岐阜県の一部
• 関西エリア：大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県、三重県の一部、福井県の一部
• 中国エリア：鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、兵庫県の一部
• 四国エリア：徳島県、高知県、香川県、愛媛県
• 九州エリア：福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県

ENEOSでんきの料金プランでは、各エリアごとに以下のプランを提供しています。

家庭向けプラン：

• 北海道Vプラン（北海道エリア）
• 東北Vプラン（東北エリア）
• 東京Vプラン（関東エリア）
• 中部Vプラン（中部エリア）
• 北陸Vプラン（北陸エリア）
• 関西Aプラン/関西Bプラン（関西エリア）
• 中国Aプラン/中国Bプラン（中国エリア）
• 四国Aプラン/四国Bプラン（四国エリア）
• 九州Vプラン（九州エリア）

特殊プラン：

• EV夜とくプラン：電気自動車・プラグインハイブリッド車所有者向け
• オール電化プラン：オール電化住宅向け
• 動力プラン：業務用大型機器向け

特典・割引：

• にねん とく2割：2年契約による割引（2年目以降最大0.20円/kWh割引）
• ENEOS都市ガスとのセット割引（年間1,200円割引）

ENEOSでんき公式サイトから24時間申し込み可能です。

申し込みに必要な情報：

• 現在の電力会社の検針票
• 口座情報またはクレジットカード
• 本人確認書類（運転免許証など）

申し込み手順：

• 公式サイトでプラン選択
• 必要事項の入力
• 現在の電力会社からの切り替え手続き（ENEOSでんき側で実施）
• 切り替え完了（約2-4週間）

料金面では、電気使用量が多い家庭ほど節約効果が大きく、基本料金は大手電力会社と同水準、従量料金が安いとされています。また、特典・サービスでは、ガソリン代割引（ENEOSカードでガソリン・軽油代が割引）やVポイント還元（電気料金の支払いでVポイントが貯まる）などがあります。

料金面では、一人暮らしなど電気使用量が少ない家庭では節約効果が少ない、あるいは基本料金が高いため使用量が少ないと割高になる場合があります。また、契約面では、オール電化向けプランの選択肢が限られる、一部地域では供給エリア外などが挙げられます。

基本的に解約手数料はありません。ただし、「にねん とく2割」加入者は以下の条件で解約手数料1,100円（税込）が発生します。

• 更新月（適用開始から23ヶ月目・24ヶ月目）以外での解約
• 契約期間中の解約

解約方法：

• ENEOSでんき公式サイトから手続き
• 解約希望日の3日前までに手続き推奨
• 引越しの場合は早めの手続きが必要

電力会社を切り替える上で、実際に利用している方の「生の声」は非常に重要な判断材料となります。しかし、インターネット上には様々な情報が溢れており、どの口コミを信じれば良いか分からない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでエネピでは、ENEOSでんきの利用者を対象に独自のアンケート調査を実施しました。個人の体験に基づいたリアルな声を通じて、ENEOSでんきの実態に迫ります。

これらの口コミからENEOSでんきの評価を判断するのは難しいですが、一つ言えるのは「口コミ件数が他の電力会社と比べて少ない」ということです。したがって、ENEOSでんきは「比較的多くの方に選ばれているわけではない」と言えるかもしれません。

なおENEOSでんきを選んだ理由については、「不動産会社・管理会社からの紹介」「SNS（Instagram など）の広告・投稿」「たまたまＴＶで見て、公式サイトから申込」など様々です。また「電力比較サイトからの紹介」という方もいらっしゃいます。電力比較サイトの利用には、以下のような多くの利点があります。

電力比較サイトは、複雑な料金プランを効率的に比較検討でき、電気料金の節約や、より付加価値の高いサービスを発見するための有効なツールです。特に「エネピ」は、電気だけでなくガス料金も含めた光熱費全体の見直しをしたい場合に非常に役立ちます。ぜひ一度利用してみてください。

「やばい」という言葉には、料金面でのリスクや勧誘に対する不満など、いくつかの要因が含まれていると考えられます。 ここでは、主な3つの理由について解説します。

最も大きな要因として挙げられるのが、「燃料費調整額」の上限撤廃です。

昨今のエネルギー価格高騰を受け、ENEOSでんきを含む多くの新電力会社で、燃料費調整額の上限が撤廃されました。これにより、燃料価格が極端に高騰した月においては、上限設定のある地域電力会社（規制料金プラン）よりも、電気代が高くなってしまうリスクが生じています。

「電気代を安くするために切り替えたのに、逆に高くなった」という事態を避けるためにも、燃料価格の動向には注意が必要です。

燃料費調整額のメカニズムと影響：

• 仕組み: 燃料費調整制度は、発電に使用する燃料（原油、LNG、石炭）の価格変動を電気料金に反映させるためのものです。
• 決定的な違い: ENEOSでんきの自由料金プランは「上限なし」、地域電力の規制料金プラン（例：東京電力「従量電灯B」など）は「上限あり」です。
• 想定される影響:
  燃料価格安定または下落時: ENEOSでんき利用者は、上限がないことによるデメリットを受けず、各種割引の恩恵を最大限に享受できます。
  燃料価格高騰時: ENEOSでんきの料金は上限なく上昇し続ける可能性があります。これにより、ガソリン割引などのメリットがすべて相殺され、結果的に大手電力会社の規制料金プランよりも高額になるリスクを内包しています。

2つ目の理由は、契約期間の縛りです。 ENEOSでんきの割引プランである「にねん とく2割」に加入している場合、更新月以外の解約には1,100円（税込）の解約手数料が発生します。

「違約金がかかることを知らずに契約してしまった」「急な引越しで解約することになり、無駄な出費が発生した」といったケースが、「やばい（損をした）」という評判に繋がっているようです。

ただし、この解約手数料は「引越しが理由で、かつ引越し先でも継続してENEOSでんきを契約する場合」には免除されます。転勤が多い方や、短期間での引越しが予想される方は、契約内容を事前によく確認しておきましょう。

3つ目は、サービスステーション（ガソリンスタンド）やショッピングモールなどで行われる勧誘活動です。

スタッフによる熱心な声かけに対し、「しつこい」「必死すぎて怪しい」と感じる方もいらっしゃるようです。しかし、これは営業活動の一環であり、ENEOSでんきのサービス品質や電力の供給安定性に問題があるわけではありません。

運営元はエネルギー業界大手のENEOS株式会社であり、倒産や突然の供給停止といったリスクは極めて低いと言えるでしょう。

ここまでデメリットやリスクについて触れてきましたが、条件に合う家庭にとっては、ENEOSでんきはメリットをもたらす可能性があります。

ENEOSでんきの主要なメリットは「燃料油割引」です。この特典がなければ電気料金単体での競争力は著しく低下するため、ENEOSでんきへの切り替えは燃料コストの削減とセットで考えるべきであり、電気料金の節約は二次的なメリットと位置づけるのが妥当でしょう。

例えば、Vプランの基本的な電気料金は、東京電力の規制料金プラン（従量電灯B）と比較してわずかに安い程度です。「にねんとく2割」による割引も、例えば月間400kWh利用世帯で年間960円程度と、その効果は限定的です。

このため、実質的なメリットを享受するには燃料油割引が不可欠となり、ENEOSカードの保有は単なる選択肢ではなく必須要件となります。

割引の仕組みを正確に理解することが重要です。割引はENEOSカード自体が持つ特典と、ENEOSでんき契約者として上乗せされる特典の二階建て構造になっています。

ENEOSでんき契約の核となる特典は、対象のENEOSカード（S・P・C・NICOS）で電気料金を支払うことにより、カード本来の割引に加えて、ガソリン・軽油・灯油がさらに1リットルあたり1円引きになるというものです。この追加割引は月間150リットルまでという上限が設定されています。

カードの種類によって特典内容が異なるため、以下の表に整理します。特にENEOSカードCBは、燃料油割引ではなく電気料金からの直接割引となる点が特徴的です。

その他（燃料油割引以外）の割引やメリットについて詳しく解説します。

「にねん とく2割」割引：
2年間の継続利用を約束するこのオプション契約は、ささやかながらも着実な割引を提供します。

• 割引額: 契約から2年間は1kWhあたり0.20円、3年目以降は0.30円が割り引かれます。
• 具体例: 月間400kWhを利用する家庭の場合、最初の2年間は年間960円 (0.20×400kWh×12ヶ月)、3年目以降は年間1,440円 (0.30×400kWh×12ヶ月) の節約に相当します。これは大きな金額ではありませんが、長期利用者にとっては確実なメリットです。

Tポイント（現Vポイント）連携：

• 還元率: 電気料金200円（税抜）につき1ポイントが付与されます。これは実質的に0.5%の還元率に相当します。
• 具体例: 月額1万円の電気料金であれば50ポイント（50円相当）となり、すでにTポイント（Vポイント）経済圏にいるユーザーにとっては嬉しい特典ですが、これ自体が切り替えの主要な動機となるほどのインパクトはありません。
• 条件: このポイント付与は、ENEOSカード割引や特別提携カードの特典とは併用できません。

特別提携カード特典：
ENEOSでんきは、ENEOSカード以外のクレジットカードとも提携し、ポイント還元率を高める特典を用意しています。これは、特定のポイントプログラムを積極的に利用している消費者にとって、ENEOSカードを持たずに価値を享受できる代替ルートとなります。

• 例: ANAカード（200円で1マイル）、dカード（還元率1.0%→1.5%へ向上）、ビューカード（還元率0.5%→1.0%へ向上）などがあります

ENEOSでんきが提供する主要な家庭向けプランを紹介します。

• Vプラン: 大手電力会社の従量電灯プランに相当する標準的なプラン。電気使用量に応じて料金単価が3段階に変動します。
• オール電化プラン: 夜間の電力量料金が割安に設定されており、夜間に給湯器などを稼働させる家庭にお得です。北海道・東北・関東エリア限定で提供されています。
• その他プラン: 上記に加え、電気自動車（EV）保有者向けの「EV夜とくプラン」や、商店・飲食店向けの「動力プラン」など、特定のニーズに対応したプランも存在します。

電気料金そのものの価格差を明確にするため、東京エリアにおける「Vプラン」と東京電力の「従量電灯B」の料金単価を比較します。この比較から、電気料金単体での節約効果は限定的であり、やはり燃料油割引が経済的メリットの中核であることがわかります。

※料金は税込
※燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まず

ENEOSでんきの標準プラン「Vプラン」について、月額料金がどのように変わるのかをシミュレーションします。以下は、一般的な家庭の電気使用量に基づいた試算です。

◆北海道電力エリア

◆東北電力エリア

◆東京電力エリア

◆中部電力エリア

◆北陸電力エリア

◆関西電力エリア

◆中国電力エリア

◆四国電力エリア

◆九州電力エリア

【ご注意】

• 上記はあくまでシミュレーション結果（概算）であり、実際の請求額とは異なる場合があります。
• 電気料金は、実際のご使用状況や契約内容、燃料費調整額、再エネ賦課金の変動などにより変わります。
• ENEOSでんきの料金プランや単価は変更される可能性があります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
• 他社の料金と比較したい場合は、エネピの「でんき料金シミュレーション」をご利用ください。あなたにピッタリの最安値プランをご提案します。

本記事の分析結果をまとめると、ENEOSでんきの理想的な顧客像は、自動車の走行距離が多く、電力消費量も多い（例：複数のドライバーがいる郊外のファミリー世帯など）。またENEOSカードの経済圏に参加している、あるいは参加することに抵抗がなく、かつ燃料費調整額の上限がないことによる価格変動リスクに対しての許容度を持つ方です。

一方で、ENEOSでんきが最適とは言えない顧客層も存在します。これには自動車の利用頻度が低く、電力消費量が少ない（例：一人暮らし世帯）、何よりも予算の予測可能性を重視する。または他のクレジットカードのポイントプログラム（例：航空会社のマイル、楽天ポイント）を主軸にしている方が含まれます。

ENEOSでんきへの切り替えを推奨するケース:

• 日常的に自動車を利用し、走行距離が多い。
• 月間の電力消費量が300～400kWh以上である。
• 支払い方法としてENEOSカードを利用することに抵抗がない。
• 燃料価格の変動による電気料金の上昇リスクを理解し、許容できる。

ENEOSでんきを推奨しないケース:

• 自動車の利用頻度が低い、または保有していない。
• 電力消費量が少ない（例：一人暮らし）。
• 潜在的な節約よりも、毎月の支出の安定性・予測可能性を最優先する。
• 楽天ポイントや航空会社のマイルなど、競合するリワードプログラムに深く関与している。

最終的な行動喚起:
切り替えを検討するすべての方に、ご自身の直近の検針票を用いた料金シミュレーションを強く推奨します。ただし、その際は以下の点を心に留めてください。

シミュレーションは過去のデータに基づいた潜在的な節約額を示すものであり、将来の燃料費調整額の変動は考慮されていません。実際の節約額は、今後の世界的なエネルギー市場の動向に大きく左右されます。

また、ENEOSでんきは時期によって様々な新規申し込みキャンペーンを実施しています 。契約前には必ず公式サイトで最新のキャンペーン情報を確認し、最大限の利益を確保することが賢明です。