この記事では、キューエネス電気(Q.ENEST)の料金が高くなりやすい理由と、賃貸住宅にお住まいの方でもできる「光熱費を安くするための具体的な解決策」について解説します。仕組みを正しく理解して、納得のいく電気代へと見直すための参考にしてください。

この記事でわかること

  • キューエネス電気の料金が高くなりやすい具体的な原因
  • SNSなどでの他の利用者の評判や、料金高騰に関する実際の声
  • 統計データに基づくキューエネス電気の平均的な電気代
  • リスクを避けるための電力会社の選び方と、今すぐできる見直しのポイント

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キューエネス電気の概要

キューエネス電気の概要

1. 提供企業

Q.ENESTでんき株式会社(キューエネス)

  • 親会社: Q.ENESTホールディングス株式会社(韓国ハンファグループ傘下)
  • 本社: 東京都港区芝
  • 設立経緯:
    2019年: 米企業Genie Energy Ltd.の日本支社として設立
    2021年: ハンファQセルズジャパン(現ハンファジャパン)傘下へ
    2022年: 「Q.ENESTでんき株式会社」に社名変更

2. 供給エリア

沖縄県および一部離島を除く、全国の電力エリアで供給可能。具体的には、北海道・東北・東京・中部・北陸・関西・中国・四国・九州の各電力エリア

3. 主なプラン

  • 「エコHomeプラン」 — 2024年9月から新たに提供開始されたプラン。基本料金が大手電力会社の半額水準で、従量料金が一律。使用量が多い家庭に向いている。実質再生可能エネルギー 100% の電気を提供。
  • 「よるトクプラン」 — 夜間に電気を多く使う生活スタイルや、オール電化住宅向けのプラン。2025年3月から提供開始。

4. 申し込み方法

公式ウェブサイト上の申し込みフォームから申し込み可能。切り替えの場合も、現在契約中の電力会社の「お客さま番号」や「供給地点特定番号」が必要(これらは検針票などで確認できる)。支払い方法は、クレジットカード・口座振替・コンビニ払いなどに対応。

5. 主なメリット

  • 基本料金が安い/従量が一律で分かりやすい — 「エコHomeプラン」では大手電力会社の半額に近い基本料金設定がある。使用量が多い家庭ほどメリットが大きい。
  • 実質再生可能エネルギー100% — プランによっては、非化石証書の活用によりCO₂排出量実質ゼロの電気を使える(環境に配慮したい人に適している)。
  • 契約の自由度が高い — 最低契約期間なし、解約金・違約金なし。気軽に申し込みや切り替え可能。

6. 主なデメリット/注意点

  • 電気の使用量が少ないと割高になる可能性 — 従量料金が一律のため、使用量が少なめの世帯だと逆に割高になる場合がある。
  • 電力調達調整費による料金変動リスク — キューエネス電気の燃料調整額は「電力調達調整費」として請求され、地域の大手電力会社の燃料費調整額とは異なる仕組みで算定される。

なぜキューエネス電気は高いのか?

なぜキューエネス電気は高いのか?

「今までと同じように使っているのに料金が高くなった」という場合、主に以下の2つの理由が考えられます。

1. 使用量が少ない場合に割高になる料金体系

キューエネス電気は電力量料金が一律という特徴的な料金体系を採用しています。

一般的な大手電力会社は、電気使用量に応じて3段階の料金単価を設定しており、使用量が少ない場合は低い単価が適用されます。しかし、キューエネス電気は一律料金のため、電気使用量が少ない家庭(特に一人暮らしなど)では、大手電力の1段階目・2段階目の安い単価の恩恵を受けられず、結果として割高になる可能性があります。

「エコHomeプラン」は基本料金が大手電力会社の50%OFFという魅力的な設定ですが、電気使用量が少ない場合、この基本料金の割引分だけでは、一律の電力量料金による増加分をカバーしきれないケースがあります。

目安として300kWh以下の使用量の場合、トータルの支払い額が大手電力より高くなるリスクがあります

2. 不動産会社経由での契約

お引越しの際、不動産会社や管理会社から案内された電力会社をそのまま契約しているケースも多いのではないでしょうか。入居時の手続きをまとめて行えるのは便利ですが、そのプランが必ずしもご自身のライフスタイルにとって最安値であるとは限りません。初期設定の契約内容を見直すことで、より安い電力会社を選べる可能性があります。

重要な視点:プランとのミスマッチ
Q.ENESTでんきが提供するサービス自体が問題なわけではありません。再生可能エネルギー比率が高いなどの環境価値もあります。しかし、新電力会社全般に言えることですが、電力調達コストが市場価格の影響を受けやすく、価格高騰時のリスクが大手電力会社より大きくなる傾向があります。そのため、「毎月の支払額を一定に保ちたい」「リスクを負いたくない」というユーザーにとって、同社のプランはミスマッチである可能性が高いといえます。

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SNSでも話題?利用者の声と評判

キューエネス電気の個人利用者口コミから、ポジティブとネガティブな声をそれぞれピックアップしました。 ただし、「口コミ」は個人の感想・状況によるものなので、「必ずこうなる」という保証ではない点をご留意ください。

ポジティブな口コミ・感想

環境・エコ面の魅力(口コミサイトからの評価)
環境に配慮したプランを用意しており、公式サイトでは電源構成を確認できます。日本より先に電力自由化が進んだアメリカ市場で培った知見を活かしていることも特徴の1つ。 (みん評)

契約・解約のハードルが低く、気軽に切り替えやすい
契約時に大きな縛り(長期契約義務や違約金)がないという説明があり、ライフスタイルが変わったときにも比較的柔軟に対応しやすいという点が、支持されています。 (でんき比較ナビ)

ネガティブ・注意されている口コミ・問題点

「電気代が高くなった」「割高になった」という声が多い
たとえば「一人暮らし」や「使用量が少ない家庭」の場合、これまでより電気代が上がった、あるいは大手電力と比べて高く感じたという声が複数。 (みん評)
また「思ったより節約できなかった」「割安どころか高く感じた」という失望の声も。特に、電気使用量が少ない家庭では割高になりがち、という指摘が明確です。 (パワー比較)

料金が変動しやすく、安定感に不安
同社が「電力調達調整費」を市場連動型で設定しており、電気代の上下が激しいという指摘があります。たとえば、ある時期は割安でも、調達コストが上がると請求額が大幅に増える可能性がある、という注意喚起があります。 (パワー比較)
この変動リスクのため、「安定して安い」という期待で契約すると、状況によっては裏切られやすい、という口コミも。 (パワー比較)

サポート・対応の不満、手続きの煩雑さ・不透明さ
ある利用者は「支払い方法を変更したのに反映されず、しかも未払い扱いになった」「その連絡もなく、契約解除された」という苦情をあげています。 (みん評)
また、請求やオプション加入の説明が不十分/不親切で、「知らぬ間にオプションが付けられていた」「キャンセル手続きが分かりづらい」という声も。 (みん評)
さらに、問い合わせ電話がつながりにくい、自動音声で放置された、メールの返信がない、などサポート体制への不満も複数報告されています。 (みん評)

「一人暮らし」や「使用量が少ない」家庭には向かない
本サービスは、使用量が多く電気をたくさん使う家庭向け、という性格が口コミでも指摘されており、逆に電気使用量が少ないと割高になりがち、との指摘があります。 (パワー比較)
実際、ワンルームや単身世帯では「従来より電気代が上がった」「期待ほど安くならなかった」という声が目立っています。 (みん評)

口コミからの総論:どんな人や家庭 に向いているか、向かないか

向いている可能性がある

  • 環境に配慮して「再エネ電気」「CO₂削減」に関心がある人。
  • 契約・解約を気軽にしたい、料金体系をシンプルに把握したい人。

向かない/注意したほうがよさそう

  • 単身世帯、ワンルームなど「電気使用量が少ない家庭」。
  • 電気代を安定させたい、料金変動リスクを嫌う人。
  • サポート対応や手続きの不透明さにストレスを感じやすい。

本当に高い?シミュレーションで確認

「高い気がするけれど、相場がわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。感覚的な不安を解消するために、お手元の請求書(またはWeb明細)を用意して、客観的な数字で確認してみましょう。

以下は、キューエネス電気「エコHomeプラン」と一般的な家庭の電気使用量に基づいた試算です。これらはあくまで目安ですが、これより大幅に高い場合はプランの見直しを検討する余地があります。

北海道電力エリア

世帯人数基本料金電力量料金調達調整費再エネ賦課金合計請求額
1人604 円8,911 円-973 円852 円9,393 円
2人604 円15,282 円-1,669 円1,461 円15,677 円
3人805 円16,989 円-1,856 円1,624 円17,562 円
4人805 円18,238 円-1,992 円1,743 円18,794 円
5人1,007 円19,529 円-2,133 円1,867 円20,269 円
6人以上1,007 円23,776 円-2,598 円2,273 円24,458 円

東北電力エリア

世帯人数基本料金電力量料金調達調整費再エネ賦課金合計請求額
1人554 円7,783 円-417 円852 円8,772 円
2人554 円13,348 円-715 円1,461 円14,647 円
3人739 円14,839 円-795 円1,624 円16,406 円
4人739 円15,930 円-854 円1,743 円17,558 円
5人924 円17,058 円-914 円1,867 円18,934 円
6人以上924 円20,767 円-1,113 円2,273 円22,850 円

東京電力エリア

世帯人数基本料金電力量料金調達調整費再エネ賦課金合計請求額
1人468 円7,790 円-502 円852 円8,606 円
2人468 円13,359 円-862 円1,461 円14,425 円
3人624 円14,851 円-958 円1,624 円16,140 円
4人624 円15,943 円-1,029 円1,743 円17,281 円
5人779 円17,072 円-1,102 円1,867 円18,615 円
6人以上779 円20,784 円-1,341 円2,273 円22,494 円

中部電力エリア

世帯人数基本料金電力量料金調達調整費再エネ賦課金合計請求額
1人482 円5,493 円1,017 円852 円7,844 円
2人482 円9,421 円1,743 円1,461 円13,107 円
3人642 円10,473 円1,938 円1,624 円14,677 円
4人642 円11,243 円2,081 円1,743 円15,709 円
5人803 円12,039 円2,228 円1,867 円16,937 円
6人以上803 円14,658 円2,712 円2,273 円20,445 円

北陸電力エリア

世帯人数基本料金電力量料金調達調整費再エネ賦課金合計請求額
1人454 円7,434 円-464 円852 円8,276 円
2人454 円12,750 円-796 円1,461 円13,868 円
3人605 円14,174 円-885 円1,624 円15,517 円
4人605 円15,216 円-950 円1,743 円16,614 円
5人756 円16,293 円-1,018 円1,867 円17,898 円
6人以上756 円19,837 円-1,239 円2,273 円21,626 円

関西電力エリア

世帯人数基本料金電力量料金調達調整費再エネ賦課金合計請求額
1人261 円5,481 円824 円852 円7,417 円
2人261 円9,399 円1,413 円1,461 円12,533 円
3人261 円10,449 円1,571 円1,624 円13,905 円
4人261 円11,217 円1,686 円1,743 円14,908 円
5人261 円12,011 円1,806 円1,867 円15,944 円
6人以上261 円14,623 円2,198 円2,273 円19,355 円

中国電力エリア

世帯人数基本料金電力量料金調達調整費再エネ賦課金合計請求額
1人380 円8,438 円-845 円852 円8,824 円
2人380 円14,471 円-1,450 円1,461 円14,862 円
3人380 円16,087 円-1,612 円1,624 円16,480 円
4人380 円17,270 円-1,730 円1,743 円17,663 円
5人380 円18,493 円-1,853 円1,867 円18,887 円
6人以上380 円22,515 円-2,255 円2,273 円22,912 円

四国電力エリア

世帯人数基本料金電力量料金調達調整費再エネ賦課金合計請求額
1人333 円7,976 円-610 円852 円8,551 円
2人333 円13,678 円-1,046 円1,461 円14,426 円
3人333 円15,206 円-1,163 円1,624 円16,000 円
4人333 円16,324 円-1,248 円1,743 円17,152 円
5人333 円17,480 円-1,337 円1,867 円18,343 円
6人以上333 円21,281 円-1,627 円2,273 円22,259 円

九州電力エリア

世帯人数基本料金電力量料金調達調整費再エネ賦課金合計請求額
1人474 円5,130 円1,423 円852 円7,878 円
2人474 円8,797 円2,441 円1,461 円13,172 円
3人632 円9,780 円2,713 円1,624 円14,749 円
4人632 円10,499 円2,913 円1,743 円15,787 円
5人791 円11,242 円3,119 円1,867 円17,018 円
6人以上791 円13,687 円3,797 円2,273 円20,548 円

【ご注意】

  • 上記はあくまでシミュレーション結果(概算)であり、実際の請求額とは異なる場合があります。
  • 電気料金は、実際のご使用状況や契約内容、電力調達調整費、再エネ賦課金の変動などにより変わります。
  • キューエネス電気の料金プランや単価は変更される可能性があります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
  • 他社の料金と比較したい場合は、エネピの「でんき料金シミュレーション」をご利用ください。あなたにピッタリの最安値プランをご提案します。

【重要】賃貸でも電力会社は切り替えられる

【重要】賃貸でも電力会社は切り替えられる

「マンションやアパートだから、勝手に電力会社を変えてはいけないのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、基本的には賃貸住宅でも電力会社の切り替えは可能です。

管理会社の許可は原則不要

各部屋ごとに個別に電力会社と契約している場合(検針票が個別に届く場合)、入居者の判断で自由に電力会社を変更できます。管理会社や大家さんへの連絡も不要なケースがほとんどです。

※建物全体で「高圧一括受電契約」をしている場合のみ、個別の切り替えはできません。

切り替え手続きは簡単

新しい電力会社へ申し込むと、現在契約中の電力会社の解約手続きは、切り替え先の会社が代行してくれます。ご自身で解約の電話をする必要はなく、ネット上の申し込みだけで手続きが完了します。

違約金について確認しましょう

プランによっては、契約期間内の解約で違約金(解約事務手数料など)が発生する場合があります。 しかし、現在の電気代が割高である場合、数ヶ月で違約金以上の節約効果が出ることも少なくありません。一度、現在の契約内容を確認してみることをおすすめします。

失敗しない乗り換え先の選び方

失敗しない乗り換え先の選び方

電気代を安定して安くするためには、以下のポイントを押さえて次の電力会社を選ぶとよいでしょう。

  • 「市場連動型」ではないプランを選ぶ:毎月の変動リスクを避けたい場合は、大手電力会社と同じ計算方式の燃料調整・電源調達費(従量電灯プランなど)を採用している会社を選ぶのが無難です。
  • セット割引を活用する:現在利用しているスマートフォン(au、ソフトバンク、楽天モバイルなど)やガス会社とのセット割がある電力会社を選ぶと、トータルの固定費を下げられる可能性があります。
  • 基本料金と従量料金のバランスを見る:使用量が少ない一人暮らしの場合、「基本料金0円」の会社が有利なケースもあります。ただしトータルでは多くの使用量帯で大手電力より高くなる場合があるため、料金体系をよく確認することが重要です。

まとめ:次の請求が来る前に見直しを!

キューエネス電気代が高いと感じる主な原因は、電力量料金が一律単価の料金体系を採用しているためです。基本料金は半額など一見安く見えるものの、使用量が増えると大手電力より高くなるケースがあります。

  • 原因: 電気使用量が少ない場合に割高になる料金体系である。
  • 対策: 目安として300kWh以下の使用量の場合、一律単価ではないプランへの切り替えが有効。
  • 実行: 賃貸でも切り替えは可能であり、Web申し込みだけで完了する。

電気代は毎月発生する固定費です。「来月も高いかもしれない」という不安を抱えたまま過ごすよりも、まずは現在の契約内容(約款)を確認し、ご自身のライフスタイルに合った電力会社へ見直すことを強く推奨します。

エネピの料金比較シミュレーションでは、お住まいの地域や世帯人数を入力するだけで、おすすめの電力会社や具体的な節約額を一括で確認できます。ぜひ、ご自身にぴったりのプランを探してみてください。

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エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。