「新日本エネルギーに切り替えてから、なんだか電気代が高くなった気がする…」「これから契約したいけれど、『高い』という評判が気になって迷っている…」こうした電気料金に関する不安や疑問を抱えていませんか?

電力自由化以降、多くの新電力会社が登場し、魅力的な料金プランを提示していますが、その料金体系は複雑化しており、消費者にとっては理解しにくい状況も生まれています。この記事では、新日本エネルギーの電気代が高いと感じる根本的な原因から、他社との具体的な料金比較、ご自身の状況に合わせた解決策まで、分かりやすく解説します。

この記事でわかること:

  • 新日本エネルギーの電気代が高いと感じる最大の原因
  • 大手電力会社や他の新電力と比較した場合、料金が割高になるのか
  • 電気代を安くするための根本的な対策(電力会社の乗り換え)
  • 乗り換えを検討する際の注意点(高額な解約金が発生する可能性)

結論を先に述べると、新日本エネルギーの電気代が「高い」と感じられる背景には、同社独自の複雑な料金システム、特に複数の調整費の存在が大きく関わっています。新日本エネルギーの料金の仕組みを深く理解し、ご自身の状況に合った最適なアクションを見つけるために、ぜひ本記事をご活用ください。

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新日本エネルギーの電気代が高くなる原因を徹底解明!

新日本エネルギーの電気料金が「高い」と感じられる背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。特に、同社独自の料金計算方法と、電力市場の価格変動が大きく影響していると考えられます。

独自の料金システム:「市場連動」の正体と複数の調整費

電気代が高いと感じる最大の要因は、新日本エネルギーの料金プラン、特に現在主流の「スタンダードプラン」 に組み込まれた独自の料金調整の仕組みにあります。一般的に「市場連動型」と説明されることがありますが、その実態は、大手電力会社の一般的な「燃料費調整額」とは大きく異なる、複数の調整費から成り立っています。

電源調達調整費: この費用は、新日本エネルギーがスポット市場(JEPX)以外から調達する電力、例えばベースロード電源(常時安定的に低コストで発電できる原子力、石炭火力、水力、地熱発電など)や、相対契約(特定の発電事業者と特定の小売電気事業者間で、事前に決められた条件で電力を売買する契約)などのコストを電気料金に反映させるためのものです 。

計算式は「電源コスト + 容量拠出金相当額 - エリア基準値」とされており 、このうち「電源コスト」は、同社の調達固定電源単価(過去のJEPX価格平均や当月・前月の固定契約単価の高い方など、複雑な方法で決定される)に基づいており、消費者が直接検証することは困難です 。この費用は毎月変動し、ウェブサイトで告知されます。

市場調整費: この費用は、新日本エネルギーがJEPXから調達する電力コストのうち、JEPXのエリアプライス平均価格が同社の定める請求基準値(調達固定電源単価-0.5円)を超えた場合に発生し、加算されます。

計算式は「(エリアプライス平均価格 × 1.20 - 請求基準値) × 市場調達割合係数」となっており、市場調達割合係数によってJEPXへの依存度に応じて割引が適用されます 。つまり、JEPX価格が高騰した際に、そのリスクの一部が消費者に転嫁される仕組みです。

容量拠出金相当額: これは、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が電力の安定供給に必要な発電容量(供給力)を確保するために設けられた容量市場制度に基づき、小売電気事業者が負担する費用を消費者に転嫁するものです 。これも電気料金を押し上げる一因となります。

これらの複数の調整費は、大手電力会社などが採用する、主に燃料の輸入価格の変動を反映する「燃料費調整額」とは根本的に異なります。新日本エネルギーのシステムは、同社独自の電力調達戦略やコスト構造をより直接的に反映するものであり、その複雑さゆえに消費者にとっては料金が予測しにくく、結果として「高い」という印象に繋がる可能性があります。

特に、「電源調達調整費」に含まれる「電源コスト」や「市場調整費」の「請求基準値」の算定根拠となる「調達固定電源単価」は、新日本エネルギー内部の契約価格や過去の市場価格に基づいており、消費者からはその妥当性を確認しづらいという不透明さも指摘できます。この料金システムの複雑性と不透明性が、消費者の理解を妨げ、予期せぬ料金上昇への不安を高めていると言えるでしょう。

料金項目概要・算定根拠最新単価例 (参考)
基本料金契約アンペアに基づく固定料金 30A契約の場合:885.72円/月
電力量料金使用電力量に応じた段階制料金 120kWhまで:30.00円/kWhなど
電源調達調整費スポット市場以外の調達コスト等を反映。毎月変動。「電源コスト + 容量拠出金相当額 - エリア基準値」で計算 。電源コストは調達固定電源単価に連動 。新日本エネルギー公式サイトにて毎月発表
市場調整費JEPX価格が一定基準を超えた場合に発生。「(エリアプライス平均価格 × 1.20 - 請求基準値) × 市場調達割合係数」で計算 。請求基準値は調達固定電源単価に連動。新日本エネルギー公式サイトにて毎月発表
容量拠出金相当額電源調達調整費に内包または別途記載の可能性あり 。上記「電源調達調整費」に含まれる形で反映
再生可能エネルギー発電促進賦課金国が定める単価。全電力会社共通。3.49円/kWh(2024年5月~2025年4月適用)

JEPX(日本卸電力取引所)の価格高騰とその影響

日本の電力取引の中心であるJEPXのスポット価格は、特に2022年に歴史的な高騰を記録しました。例えば、2022年8月のシステムプライス平均は約26円/kWhに達し、これは前年同月の2倍以上の水準でした。

年間平均価格で見ても、2021年度の13.45円/kWhに対し、2022年度は20.38円/kWhへと大幅に上昇しました。時には30円/kWhを超える時間帯も発生するなど、極めて不安定な状況が続きました。

このようなJEPX価格の急騰は、新日本エネルギーの「市場調整費」を通じて、利用者の電気料金に直接的な影響を与えたと考えられます。この費用は、JEPX価格が一定の基準値を超えた場合に加算される仕組みであるため 、市場が高騰した局面では、この調整費が大幅に増加し、請求額を押し上げた可能性が高いです。

また、「電源調達調整費」についても、その算定根拠の一つである「調達固定電源単価」が、一部エリアでは前年のJEPX平均価格に基づいて設定される場合があるため 、間接的に影響を受けた可能性もあります。

一般的な「燃料費調整額」の高騰との違いと比較

大手電力会社(例:東京電力)が採用している「燃料費調整額」は、主に原油、LNG(液化天然ガス)、石炭といった火力発電用燃料の輸入価格の変動を、3~5ヶ月程度の時間差を置いて電気料金に反映させる制度です。

2022年には、これらの燃料価格も世界的に高騰し、例えば東京電力の燃料費調整額(低圧供給)は、2022年12月には+ 12.99円/kWh(国の負担軽減策適用前)に達しました 。その後、燃料価格の安定化や国の負担軽減策により、この調整額は低下傾向にあります。

ここで重要なのは、新日本エネルギーの「電源調達調整費」や「市場調整費」は、この一般的な「燃料費調整額」とは仕組みが異なるという点です。新日本エネルギーの調整費は、燃料輸入価格だけでなく、JEPXのスポット価格や同社独自の電力調達コスト(固定契約など)をより直接的かつ複雑に反映します。

新日本エネルギーは、この仕組みによって電力調達リスクを低減し、顧客への影響を抑えることを目指すとしていますが 、JEPX価格が高騰した際には、一般的な燃料費調整額(特に上限のある規制料金プラン)よりも大きな価格変動リスクを消費者が負う可能性が考えられます。

つまり、新日本エネルギーの利用者は、国際的な燃料価格の変動リスクに加え、国内の電力取引市場の変動リスクや、新日本エネルギー自身の調達戦略の良し悪しによるリスクも、より直接的に負担する構造になっていると言えます。これが、同じ「調整費」という名称でも、料金変動の度合いが異なる理由の一つです。

注意すべきその他の項目:キャンペーン終了・追加オプション等

新日本エネルギーの料金プランが「高い」と感じられる要因として、これまで述べてきた独自の調整費以外にも、いくつかの点が考えられます。

まず、契約している料金プランとライフスタイルのミスマッチです。現在、新日本エネルギーが新規申込を受け付けているのは主に「スタンダードプラン」であり、過去に提供されていた「新ネクストバリュープラン」などの固定単価プランや、特定のライフスタイルに特化したプランの選択肢は限られています 。スタンダードプランは市場価格の影響を受けるため、安定した料金を求める消費者にとっては、そもそも不向きな可能性があります。

次に、契約当初に適用されていたキャンペーン割引が終了し、本来の料金に戻ったことで「高くなった」と感じるケースです。これはどの電力会社でも起こりうることですが、長期間の割引が適用されていた場合、その終了は大きな価格差として認識されることがあります。

また、意図しないオプションサービスによる追加料金の発生も考えられます。新日本エネルギーの料金明細には、「容量拠出金相当額」など、聞き慣れない項目が含まれている可能性があり 、これらが十分に理解されないまま請求されていると、「知らないうちに追加料金が発生している」と感じるかもしれません。契約内容や毎月の請求明細を改めて確認し、不要なサービスや不明な費用項目がないかチェックすることが大切です。

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他社と徹底比較!新日本エネルギーは本当に高い?

新日本エネルギーの電気料金が「高い」という評判は本当なのでしょうか。ここでは客観的なデータをもとに、その真偽を検証します。特に、大手電力会社や他の新電力との料金比較を通じて、新日本エネルギーの価格競争力と、その料金体系が消費者に与える影響を明らかにします。

大手電力会社との料金比較

まず、代表的な大手電力会社である東京電力エナジーパートナー(TEPCO)の標準的なプラン「スタンダードS」と、新日本エネルギーの「スタンダードプラン」を比較してみましょう。

料金シミュレーション条件:

  • エリア:東京電力エリア
  • 契約アンペア:30A
  • 月間使用電力量:400kWh
  • 燃料費調整額・電源調達調整費等:最新の公表値または代表的な値を参考に記載(実際の請求額は市場状況により大きく変動します)
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金:3.49円/kWh(2024年5月~2025年4月適用単価)
項目新日本エネルギー (スタンダードプラン)東京電力EP (スタンダードS)
基本料金 (30A)885.72円 935.25円
電力量料金 (400kWh)(120 kWh × 30.00円) + (180 kWh × 36.23円) + (100 kWh × 39.46円) = 14,067.4円 (120 kWh × 29.80円) + (180 kWh × 36.40円) + (100 kWh × 40.49円) = 14,177円
燃料費調整額適用なし (下記独自調整費に内包)400 kWh × (-5.80円/kWh) = -2,320円 (2024年6月単価例)
電源調達調整費変動 (仮に+5.00円/kWhとすると 400 kWh × 5.00円 = +2,000円) 適用なし
市場調整費変動 (仮に+3.00円/kWhとすると 400 kWh × 3.00円 = +1,200円) 適用なし
容量拠出金相当額上記「電源調達調整費」等に影響適用なし (または料金に織り込み済み)
再エネ賦課金400 kWh × 3.49円/kWh = 1,396円400 kWh × 3.49円/kWh = 1,396円
合計目安(上記仮定の場合)約19,549円約14,188円

このシミュレーションはあくまで一例ですが、新日本エネルギーの基本料金や電力量料金単価自体は東京電力EPと大きく変わらないものの、「電源調達調整費」や「市場調整費」といった独自の調整費が加わることで、合計金額が大手電力会社を上回る可能性を示しています。

特に電力市場が不安定な時期には、これらの調整費が高騰し、料金差がさらに拡大するリスクがあります。東京電力EPの燃料費調整額がマイナス調整(料金からの割引)となる局面では、その差はより顕著になります。消費者は、表面的な単価だけでなく、これらの変動要素を含む総支払額で比較検討する必要があります。

他の人気新電力との料金比較

次に、他の新電力会社として、Looopでんきと楽天でんきと比較してみましょう。これらの新電力も市場連動型プランや独自の調整費を導入しています。

料金シミュレーション条件:同様

項目新日本エネルギー (スタンダードプラン)Looopでんき (スマートタイムONE) 楽天でんき (プランS)
基本料金885.72円 574.18円 (30A相当の2kW契約時) 0円
電力量料金 (400kWh)14,067.4円 JEPX価格に30分毎に連動するため常に変動。仮に平均30円/kWhとすると 12,000円。400 kWh × 36.85円/kWh = 14,740円
燃料費調整額/市場調整費等電源調達調整費 (仮 +2,000円)、市場調整費 (仮 +1,200円) 燃料費調整なし (JEPX価格に直接連動) 市場価格調整額: 400 kWh × (+0.06円/kWh) = +24円 (2024年11月東京エリア単価例)
再エネ賦課金1,396円1,396円1,396円
合計目安(上記仮定の場合)約19,549円約13,970円 (ただしJEPX価格次第で大幅変動)約16,160円 (市場価格調整額により変動)

他の新電力と比較しても、新日本エネルギーの料金は、独自の調整費の動向次第で割高になる可能性があることがうかがえます。Looopでんきは基本料金が比較的安く、JEPX価格が安定していれば安価になる可能性がありますが、価格高騰リスクを直接負うことになります 。楽天でんきは基本料金0円が魅力ですが、「市場価格調整額」という独自の調整費があり 、これも市場価格に連動して変動します。

重要なのは、同じ「市場連動」や「調整費」という言葉でも、各社でその仕組みや消費者が負うリスクの度合いが異なるという点です。LooopでんきはJEPX価格への直接連動型、楽天でんきは独自の市場価格調整、そして新日本エネルギーは複数の複雑な調整費の組み合わせと、それぞれ特徴があります。新日本エネルギーの料金体系は、これらの中でも特に内訳が複雑で、消費者にとってコストの予測が難しいと言えるでしょう。

新日本エネルギーの電気代を安くする解決策

新日本エネルギーの電気料金が高いと感じる原因と現状を把握したところで、ここからは具体的な解決策を提案します。ご自身の状況に合わせて最適な方法を検討しましょう。

解決策①:プラン変更の検討(ただし期待は薄い)

現在契約中のプランよりも安定した料金体系のプラン(例えば、市場価格に左右されない固定料金プラン)に変更できないか検討してみることは一つの手段です。しかし、新日本エネルギーの公式サイトのFAQには「現在はスタンダードプランのみお申込みが可能となります」との記載があり 、他プランへの変更は困難である可能性が高いです。特に、過去に提供されていた「新ネクストバリュープラン」のような固定単価のプランが既に新規受付を終了している場合、選択肢は極めて限られるでしょう。

解決策②:思い切って電力会社を乗り換える

毎月の電気代の変動に不安を感じる方や、現在の料金に納得がいかない方は、電力会社の乗り換えを積極的に検討すべきです。

安定した料金を求めるなら「大手電力会社」
料金の安定性を最も重視するなら、お住まいのエリアの大手電力会社の規制料金プラン(例:東京電力「従量電灯B」プラン)に切り替えるのが堅実な選択肢です。これらの規制料金プランは、燃料費調整額に上限が設けられている場合があり 、市場価格が急騰した際のリスクを一定程度抑えることができます。

お得感を重視するなら「キャンペーンが豊富な新電力」
多くの新電力が、魅力的な乗り換えキャンペーン(キャッシュバック、ポイント還元など)を実施しています。また、基本料金0円のプランや、ガスとのセット割引を提供している会社もあります。

ただし、市場の状況によっては新日本エネルギーと同様に料金が大きく変動するリスクを伴う会社もあります。乗り換え先を選ぶ際には、キャンペーン内容だけでなく、料金体系の透明性、調整費の有無とその仕組み、解約条件などを十分に比較検討することが重要です。

実際に乗り換えるなら「料金比較サービス」が便利
無料で利用できる「電力・ガス料金比較サービス」は、多数の電力会社の中から自分に合ったプランを探す上で有益なツールです 。郵便番号や現在の電気使用状況などを入力するだけで、おすすめのプランを提示してくれます。

エネピでは、お客様一人ひとりの家族構成やライフスタイルに適した電気料金プランの無料相談を実施しております。これまでにも毎月1万名のお客様に提案させていただいており、平均で年間21,071円※の電気代を削減しています。ぜひこの機会に相談してみてください。

※エネピのユーザー様の削減実績データから算出した金額です
※3~4人暮らしの場合の金額です

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【乗り換え検討者向け】解約・乗り換えの手順と注意点

電力会社の乗り換えを決めた場合の、具体的な手順と特に注意すべき点について解説します。

解約手続きの流れ: 基本的には、新しく契約したい電力会社にウェブサイトや電話で申し込むだけで、現在の電力会社の解約手続きも新しい電力会社が代行してくれるケースがほとんどです 。そのため、ご自身で新日本エネルギーに解約の連絡をする必要は原則ありません。ただし、引越しに伴う解約の場合は、事前に新日本エネルギーのカスタマーセンターへの連絡が必要となる場合があります。

【重要】解約金・違約金: 新日本エネルギーを解約する際に最も注意すべき点は、高額な解約金が発生する可能性があることです。新日本エネルギーの契約期間は多くの場合3年間(36ヶ月)の自動更新となっており 、契約プランによっては、この期間内に解約すると9,000円から9,900円程度の解約金が発生する場合があります。ただし、解約金の具体的な金額や条件はプランによって異なる可能性があるため、必ずご自身の契約書や重要事項説明書、マイページなどで確認してください。

更新月の確認: 解約金が発生しない「更新月」(契約満了月とその翌月など、契約によって定義が異なります)が設定されている場合があります 。この期間内に解約手続きを行えば、解約金を支払う必要はありません。ご自身の更新月がいつなのかを正確に把握することが非常に重要です。

この解約金は、乗り換えによるメリットを大きく損なう可能性があるため、乗り換えを検討する際には、解約金の有無と金額、そして更新月のタイミングを必ず事前に確認しましょう。解約金を支払ってでも乗り換えた方が長期的に得になるか、慎重な計算が必要です。

新日本エネルギーの料金プラン分析

新日本エネルギーは、これまでいくつかの料金プランを提供してきましたが、現在新規で申し込めるプランは限定的です。ここでは、現在契約可能なプランと、過去に提供されていた主要なプランを分析し、それぞれの特徴と注意点を解説します。

現行主力プラン:「スタンダードプラン」の構造とリスク

現在、新日本エネルギーが新規申込を受け付けている唯一のプランが「スタンダードプラン」です 。このプランは、一見すると大手電力会社の従量電灯プランに似た構成をしています。契約アンペアに応じた「基本料金」と、電力使用量に応じて3段階で単価が上がる「電力量料金」から成り立っています。

しかし、このプランの最大の特徴であり、最も注意すべき点は、本記事で繰り返し指摘してきた「電源調達調整費」と「市場調整費」という2つの独自調整費が加わることです 。これにより、「スタンダードプラン」は実質的に市場価格と連動するプランとなっており、以下のようなリスクを内包しています。

  • 価格変動リスク: 電力卸売市場(JEPX)の価格が高騰すると、これらの調整費が大幅に上昇し、電気代が予期せず高額になる可能性があります。
  • 複雑性と不透明性: 料金の計算方法が非常に複雑で、複数の変動要素が絡み合うため、消費者が月々の電気代を正確に予測することは困難です。

大手電力会社の一般的なプランと同じような感覚で契約すると、市場の状況によっては大きな差額に驚く可能性があるため、このリスクを十分に理解することが不可欠です。

過去のプラン①:「新ネクストバリュープラン」(新規受付終了)

「新ネクストバリュープラン」は、過去に新日本エネルギーが主力として提供していたプランで、現在は新規の申し込みを停止しています。このプランの最大の特徴は、電力使用量にかかわらず電力量料金単価が一定であることでした。

毎月多くの電気を使用する家庭にとっては、3段階目の料金が適用される従量制プランよりも割安になる可能性がありましたが、電気使用量が少ない家庭では、大手電力会社の1段階目の安い単価の恩恵を受けられないため、かえって割高になるケースもありました。

過去のプラン②:「オール電化プラン」(新規受付終了)

新日本エネルギーは、かつて「スマートネクストプラン」といった名称で、夜間の電気料金が割安になるオール電化住宅向けのプランも提供していました 。オール電化住宅では、エコキュートなど夜間に電力を多く消費する設備が使われるため、こうした時間帯別料金プランは光熱費を抑える上で非常に重要です。

しかし、これらのオール電化向けプランも、現在では新規の申し込みを全面的に停止しています。これにより、新日本エネルギーは現在、オール電化住宅の消費者のニーズに応えることができない状況です。オール電化住宅にお住まいの方が電力会社の見直しを検討する際は、オクトパスエナジーなど他の新電力が提供するオール電化向けプランを比較検討する必要があります。

プラン選択の要点まとめ

以上の分析から、現在の新日本エネルギーの料金プランには以下の特徴があると言えます。

  • 選択肢の限定: 新規契約者が選べるのは、実質的に市場連動型のリスクを持つ「スタンダードプラン」のみです。
  • 安定志向には不向き: 料金が固定されたプランや、分かりやすさを重視したプランは現在提供されていません。
  • オール電化非対応: オール電化住宅向けのプランがなく、また特定のライフスタイルには対応できていません。

結論として、新日本エネルギーを新たに検討する場合、選択肢は一つしかなく、そのプランが持つ価格変動リスクと複雑な料金体系を十分に理解した上で、慎重に判断する必要があります。

新日本エネルギーの料金シミュレーション

新日本エネルギーの料金シミュレーションを、地域ごとに世帯人数別でまとめました。以下の情報には、調整費および再生可能エネルギー賦課金が含まれています。

◆北海道電力エリア

世帯人数基本料金 (円)電力量料金 (円)再エネ賦課金 (円)調整費 (円)月額合計 (円)
1人1,122.007,370.34851.72543.569,887.62
2人1,122.0013,767.171,460.66932.1817,282.01
3人1,496.0015,570.441,623.841,036.3219,726.60
4人1,496.0016,892.841,743.241,112.5221,244.60
5人1,870.0018,259.321,866.621,191.2623,187.20
6人以上1,870.0022,767.882,272.581,450.3428,360.80

◆東北電力エリア

世帯人数基本料金 (円)電力量料金 (円)再エネ賦課金 (円)調整費 (円)月額合計 (円)
1人1,108.805,931.06851.721,726.989,618.56
2人1,108.8011,561.231,460.662,961.6917,092.38
3人1,478.4013,130.681,623.843,292.5619,525.48
4人1,478.4014,306.381,743.243,534.6621,062.68
5人1,848.0015,521.271,866.623,784.8323,020.72
6人以上1,848.0019,519.492,272.584,607.9728,248.04

◆東京電力エリア

世帯人数基本料金 (円)電力量料金 (円)再エネ賦課金 (円)調整費 (円)月額合計 (円)
1人885.726,022.02851.721,703.449,462.90
2人885.7211,884.011,460.662,921.3217,151.71
3人1,180.9613,501.481,623.843,247.6819,553.96
4人1,180.9614,689.681,743.243,486.4821,100.36
5人1,476.2015,917.341,866.623,733.2422,993.40
6人以上1,476.2019,960.262,272.584,545.1628,254.20

◆中部電力エリア

世帯人数基本料金 (円)電力量料金 (円)再エネ賦課金 (円)調整費 (円)月額合計 (円)
1人891.004,942.36851.723,560.9610,246.04
2人891.008,367.781,460.666,106.8816,826.32
3人1,188.009,425.641,623.846,789.1219,026.60
4人1,188.0010,261.441,743.247,286.7220,479.40
5人1,485.0011,131.021,866.627,804.1622,286.80
6人以上1,485.0013,959.882,272.589,501.4427,218.90

◆北陸電力エリア

世帯人数基本料金 (円)電力量料金 (円)再エネ賦課金 (円)調整費 (円)月額合計 (円)
1人907.506,885.78851.72933.049,578.04
2人907.5012,059.191,460.661,599.9216,027.27
3人1,210.0013,492.641,623.841,778.8818,105.36
4人1,210.0014,552.241,743.241,909.6819,415.16
5人1,512.5015,646.971,866.622,044.8421,070.93
6人以上1,512.5019,275.532,272.582,489.5625,550.17

◆関西電力エリア

世帯人数最低/電力量料金 (円)再エネ賦課金 (円)調整費 (円)月額合計 (円)
1人4,958.26851.724,400.7010,210.68
2人9,011.571,460.667,541.8518,014.08
3人10,152.601,623.848,384.4020,160.84
4人10,987.501,743.249,000.9021,731.64
5人11,850.231,866.629,637.9523,354.80
6人以上14,688.892,272.5811,734.0528,695.52

◆中国電力エリア

世帯人数最低/電力量料金 (円)再エネ賦課金 (円)電源調達調整費 (円)月額合計 (円)
1人7,836.16851.721,941.9810,629.86
2人13,905.081,460.663,328.4918,694.23
3人15,560.661,623.843,700.5620,885.06
4人16,772.061,743.243,970.8622,486.16
5人18,023.841,866.624,253.8324,144.29
6人以上22,142.602,272.585,178.9729,594.15

◆四国電力エリア

世帯人数最低/電力量料金 (円)再エネ賦課金 (円)電源調達調整費 (円)月額合計 (円)
1人7,477.54851.721,808.3010,137.56
2人13,301.461,460.663,101.1517,863.27
3人14,923.421,623.843,447.6019,994.86
4人16,110.221,743.243,701.1021,554.56
5人17,336.581,866.623,963.0523,166.25
6人以上21,371.702,272.584,824.9528,469.23

◆九州電力エリア

世帯人数基本料金 (円)電力量料金 (円)再エネ賦課金 (円)電源調達調整費 (円)月額合計 (円)
1人948.724,415.76851.723,708.829,925.02
2人948.728,195.491,460.666,360.1116,964.98
3人1,264.969,264.361,623.847,070.6419,223.80
4人1,264.9610,046.461,743.247,590.5420,645.20
5人1,581.2010,854.631,866.628,127.7722,430.22
6人以上1,581.2013,513.772,272.589,895.4327,262.98

【ご注意】

  • 上記はあくまでシミュレーション結果(概算)であり、実際の請求額とは異なる場合があります。
  • 電気料金は、実際のご使用状況、契約内容、調整費、再エネ賦課金の変動などにより変わります。
  • 新日本エネルギーの料金プランや単価は変更される可能性があります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
  • 他社の料金と比較したい場合は、エネピの「でんき料金シミュレーション」をご利用ください。あなたにピッタリの最安値プランをご提案します。

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まとめ

本記事では、新日本エネルギーの電気代が「高い」と感じられる原因と、その具体的な解決策について解説しました。最後に、重要なポイントを改めて整理します。

料金が高く感じる最大の原因は、独自の複雑な料金システム: 新日本エネルギーの電気料金が「高い」あるいは「予測しにくい」と感じられる主な原因は、基本料金や電力量料金に加えて、「電源調達調整費」と「市場調整費」という二つの主要な調整費、さらに「容量拠出金相当額」が上乗せされる独自の料金体系にあります。

これらは、一般的な大手電力会社の「燃料費調整額」とは異なり、JEPXの市場価格や新日本エネルギー自身の電力調達コストをより直接的かつ複雑に反映するものです。このため、特に電力市場価格が高騰した際には、請求額が大幅に上昇するリスクを伴います。

一般的な「燃料費調整額」との違い: 「燃料費調整額」は主に燃料の輸入価格の変動を反映しますが、新日本エネルギーの調整費は、これに加えて国内の電力取引市場の価格変動や同社の調達戦略の結果も影響します。この違いが、同じ時期でも料金変動の仕方が異なる理由の一つです。

解決策のポイント

  • 料金プランの変更: 新日本エネルギー内で料金プランの変更は現状困難である可能性が高いです。
  • 電力会社の乗り換え: より安定した料金を求めるなら大手電力会社の規制料金プラン、新たなメリットを求めるなら他の新電力が有力な選択肢となります。
  • 解約時の注意点: 新日本エネルギーは3年契約で、更新月以外の解約には9,000円〜9,900円の解約金が発生する可能性があるため、注意が必要です。

電気代は毎月かかり続ける重要な固定費です。新日本エネルギーの契約者の方も、これから検討される方も、まずはご自身の契約プランの内容、特に各種調整費の仕組みをしっかりと理解することが重要です。

その上で、現在の契約を続けるのか、それとも料金の変動リスクが少ない、あるいはより安価な電力会社へ乗り換えるのか、ご自身にとって最適な選択をすることが大切です。この機会に電力契約を慎重に見直し、納得のいく電力会社選びを実現してください。

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今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。