火力発電は日本国内において
かなり重要な役割を担っている発電方法です。
一口に火力発電と言っても、燃料やその発電方法の違いで
様々な方式があることをご存知でしょうか?

今回は火力発電の持つメリットや
発電方式などについてまとめてみました。

火力発電とは?

疑問を抱いている男性

火力発電は日本国内で最も大きな割合を占める発電方法で、
石炭、石油、天然ガスなどの燃料を使用して発電を行います。

火力発電所は日本各地に存在しており、
電力会社が設置していることはもちろん、
製鉄会社や鉄道会社も火力発電所を所有しています。

火力発電の仕組み

火力発電の基本的な仕組みは、
化石燃料などの燃料を燃焼させて電力を発生させるものです。

汽力発電という、火力発電で主流の発電方式では、
まず、燃料を燃やして復水器の中の水をボイラーへ送り、沸騰させます。
それにより発生した蒸気の力で、
蒸気タービンを回転させ、電力を発生させるのです。

蒸気タービンを回転させた後の蒸気は、
復水器で冷やされて再び水になり、またボイラーへと送られ、
また高熱により蒸気へと変わるというサイクルをくり返します。

このようにタービンを回転させる発電方式が火力発電では一般的です。

火力発電は燃料の量を調節して発電量を調節することができますので、
季節や時間帯による電力消費量の変化に対応して発電する事が出来ます。

火力発電の種類

実は、火力発電には4つの種類があります。

汽力発電…
ボイラーなどで発生した蒸気で
スチームタービンを回転させて発電します。
日本国内の火力発電として主力となっている発電方式です。
発電技術の向上とともに大容量化が進んで行き、
今では1基あたりの出力が100万kW級のものもあります。

内燃発電…
ディーゼルエンジンなどの内燃機関で発電する方式です。
出力はユニット数とサイズで増減しており、
大きいものでも6万kw程度となっていて、
離島などの小規模発電で利用されます。
自家発電による発電も内燃発電のうちに入ります。

ガスタービン発電…
高温の燃焼ガスを発生させ、そのエネルギーによって
ガスタービンを回転させる発電方式です。
最新の大型ガスタービン発電設備は
電力容量が一基当たり約46万kWもの出力を発生させています。

コンバインドサイクル発電…
従来の方式による火力発電から
さらなる熱効率の向上と低co2排出量を目指した
新しい発電方式です。
コンバインドサイクル発電は
ガスタービンによる発電と
スチームタービンによる発電を組み合わせることで
高い効率を実現しています。
一基あたりの発電容量は40万kWもの出力で、
ひとつの発電所に複数のコンバインドサイクル発電を設置しています。

火力発電の分類

火力発電の燃料は、石油だけでなく、様々な燃料が使われています。
ですが、資源には限りがあるため、
日本では様々な燃料を組み合わせて、エネルギー資源の確保に努めているのです。

火力発電は、使用する燃料によって以下のように分類されます。

石油火力…
石油を使って発電する方式です。
古くからある方式ですが、石油燃料はコストが高く、
排出ガスなどの面で環境性能が見劣りしています。

石炭火力…
石炭を使って発電する方式で、
日本国内では排出ガスのクリーン化が進み、
NOx(酸化窒素化合物)、SOx(酸化硫黄化合物)は
90%もの低減に成功した発電所もあります。
ですが海外の古い発電所では、環境汚染減となっている側面もあります。
また、この発電方式は副産物として
石炭灰が発生するのでセメントなどに再利用されています。

LNG火力、その他ガス火力…
LNGは液化天然ガスのことで、シェールガスもその一種です。
環境面で他の燃料と比べて優れていることが特徴で、
燃焼時のCO2排出量が最も少なく、
石炭発電と比較すると、排出量は約6割となっています。

また光化学スモッグの原因などになるNOx(酸化窒素化合物)は
旧来の石炭発電と比べ約4割、
大気汚染の原因となっているSOx(酸化硫黄化合物)は
排出量が0となっています。

さらに、天然ガスは埋蔵量が豊富で、
世界各地で産出されているため安定的に入手できる
ということも大きな利点となっています。

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火力発電のメリット・デメリット

メリットとデメリット

メリット

<メリット1>水力発電や原子力発電と比べると発電所が大幅に設置しやすい
火力発電所の設置自体は
国家的プロジェクトレベルではない程度の規模で可能なため、
電力会社でも火力発電所を設置しているところは最も多いと言えます。
また、製鉄会社や鉄道会社でも設置・運営を行っているところが多くあります。
日本の電力のかなり多くを担っているということですね。

<メリット2>エネルギーの取り扱いが安全
火力発電に使用される、ガスや石油などのエネルギーの取り扱いも
原子力発電の核燃料に比べて安全であると言えますね。
災害が発生した時の問題も大幅に少ないこともメリットに挙げられます。

<メリット3>発電量を比較的簡単に調整できる
火力発電は燃料の量を調節すれば、発電量を調整することができるため、
季節や時間帯による電力消費量の変化に対応して
発電する量を調整する事が出来ることも大きなメリットとなっています。

デメリット

<デメリット1>主な燃料である石油の価格変動が激しい
火力発電のデメリットは石油・石炭などが、
かつての石油危機のような状態や、
産油国との情勢悪化や国際的な産油国の情勢悪化などが起こると、
石油の調達が難しくなり、
安定した発電が出来なくなってしまう事が挙げられます。

<デメリット2>大量の化石燃料を消費してしまう
石油や石炭の今後の枯渇の心配など、
燃料となる資源が無限にあるわけではない
ということも火力発電を将来にわたって使い続ける事への
デメリットとして挙げられますね。

<デメリット3>排出ガス、二酸化炭素などの公害の問題
二酸化炭素の排出量や、窒素酸化物の排出量は
低下しているとはいえ、
太陽光などの再生可能エネルギーと比べると
まだ発生量が多いということなどもあります。

また、古い火力発電所などは
発電効率が悪いだけでなく、排出ガスの面でも
最新の発電方式のものと比べると、
かなり劣っている事も問題点となっています。

日本の発電量に占める割合

円グラフ

2014年の時点で、
日本はあらゆる発電方式の発電量の合計の中で
最も多く火力発電を使用しています。

中でも割合が最も大きいものがLNGの46.1%、
次いで石炭が31.0%、石油が10.6%となっており、
火力発電での合計は、なんと87.7%も占めています。(※1)

火力発電の発電量の割合は
2009年当時は61.7%でしたが、
2011年の東日本大震災での福島第一原子力発電所の事故以来、
日本の原子力発電所のほとんどが停止されており、
その停止されている原子力発電所の発電量のほとんどを
火力発電が担っていることになります。

また、再生可能エネルギーなどの
新エネルギーなども増加傾向にはありますが、
火力発電の発電量の増加率には遠く及ばない状態です。

(※1)参照元:経済産業省「エネルギー白書2016」

まとめ

火力発電は日本の発電量の割合の中でも、
最大の数値を誇っている非常に重要な発電方式です。

様々な発電方式があり、
火力発電所は日本に最も多く存在する発電所でもあり、
離島などの生活には
切り離すことができない重要なものとなっています。

石油資源の問題や、二酸化炭素の排出など環境の問題などが
火力発電の課題ではありますが、
コンバインドサイクル方式による大幅な熱効率の向上や、
各発電方式での排出ガスのクリーン化も日々進んでいます。

太陽光発電などのクリーンエネルギーが注目されている今、
火力発電も今後さらなるクリーン化が求められます。

ところで、最近はクリーンエネルギーの観点から、火力発電になるべく頼らない家庭もあるようです。
それこそ太陽光発電で電気をつくったり、また蓄電池で電気をためたりすれば、電気の自給自足が叶えられます。
ただ、それらの設備は高額であるため、検討するのであれば「初期費用を抑えること」が肝要でしょう。
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エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。