水力発電の仕組みとは?メリット・デメリットも解説!

水力発電とは

水力発電の仕組み

発電所では電気を起こすために発電機を回していますが、これは水力、火力、原子力、風力など、どのような発電方式であっても基本的に変わりません。
何を利用して発電機を回しているかが違う程度です。例外は、発電機ではなく太陽電池を使用する太陽光発電くらいのものです。
水力発電の場合は、発電機を回すために「水流」を用います。
水が高い所から低い所に落ちるときの高速・高圧な力を利用し、発電機の先に取り付けた水車を回すことで電気を起こしているのです。

水力発電の種類

水力発電の種類には大きく分けると、「水路式」「ダム式」「ダム水路式」があります。

「水路式」は上流河川から下流の発電所までの水路を設け、河川の勾配による落差によって生じる水流で発電機を回すものです。
川の上流に小さなえん堤を造るだけなので、設置場所の制約が少なく建設コストも抑えることができます。
しかしその半面、河川を流れる水を貯めるわけではないので水の勢いが弱く、発電量が少なくなるというデメリットがあります。
このため、比較的小規模な水力発電所に使用されています。

「ダム式」は、河川を横断してダムを設置し、水をせき止めて人工湖をつくります。
ダムの上流側の水位を上昇させることによって大きな落差が生じるため、勢いのある水流によって発電機を回すことができます。
両岸の岩が高く切り立った、幅の狭い川を利用します。水位変動が大きいため、対応できる取水設備も用いられます。

発電方式(水の利用方法)との組合せによる区分
水路式に比べて流れが速く、大きな発電機を回せるため発電量が大きくなるのがメリットです。
デメリットは、ダムの設置やメンテナンスにコストがかかってしまうことです。
「ダム水路式」は、水路式とダム式を組み合わせたものです。ダムで一時的に貯めた水を下流へ引き込み、大きな落差が得られる場所で発電を行います。
下流河川の勾配による落差と、ダム水位の上昇による落差と、どちらの力も利用できるのが特徴で、ダム直下に発電所を設けるよりも、さらに勢いのある水流を得ることが出来ます。 
当然、設置費用やメンテナンス費も高額になってしまいます。さらに広大な設置スペースを確保することも大変です。
国内の大規模な発電所では、このダム水路式を採用していると考えて良いでしょう。

水力発電の方式

また発電の方式としては、「流れ込み式(自流式)」「調整池式」「貯水池式」「揚水式」の4タイプに分けることができます。

「流れ込み式(自流式)」は、川の水をそのまま発電所に誘導して発電します。豊水期・渇水期などの水量変化に伴って、発電できる量が変動します。
基本的には水を貯めることができないため、豊水時期にすべての水を利用することは困難であり、渇水期は発電量が減少するという欠点がありますが、建設費を抑えられることができます。

「調整池式」は、調整池に貯水して、水量(発電量)を調節しながら発電することができます。
短期間の天候の変化に対応できるので、流れ込み式の水力発電所よりも効率的に発電を行えます。
日本では、昼間の電力需要・消費量が夜間の2倍になってしまうことがあるため、電力の供給不足を補うためには調整池式の発電はかなり有用とされています。

「貯水池式」は、梅雨・台風・雪解け時などの豊水期に、河川の水をダムで完全にせき止めて貯めておき、渇水期に放流する方式です。
放水路から流された水は河川に戻り、最終的には海へ注ぎます。
水の流れを自由にコントロール可能で、長期にわたる河川の水量変化に対応できます。
四季の変化に合わせられる方式ではありますが、河川が短い日本ではそもそも建設できる場所が少ないという問題があります。
水力発電の中では、もっとも環境負荷が大きいというデメリットもあります。

「揚水式」では、発電所の上・下部それぞれに大きな調整池を築きます。
電力需要量が多い昼間は上から下の調整池へ水を落として発電し、発電時に使用した水は下部の調整池にそのまま貯めておきます。
消費される電力が少ない夜間に、余裕が出来た火力・原子力発電所の電力を応用して、揚水発電の下部調整池から上部調整池へ発電用の水を汲み上げます。
汲み上げられた水は、昼間になると再び下部調整池へ落とされ、発電します。

水力発電のメリット・デメリット

メリット

水力発電のメリットは、再生可能エネルギーを使用するため衛生的なことです。
火力発電や原子力発電では水を沸騰させて作る高圧水蒸気によって発電機を回しますが、火力の場合は石油やLNGを燃焼させるため、どうしても二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが発生してしまうという問題点があります。
原子力の場合は、火力発電と比べると温室効果ガスの発生は少ないですが、特に福島第1原発事故以降、安全性に不安を抱いている人が少なくないため、満足に稼働できていないという問題があります。

しかし水力発電は、発電機を回すために水流を使うので、水蒸気を作るためのエネルギーは必要ありません。
温室効果ガスなどを発生させることがないため体に優しい上、水資源に富んだ日本においては優秀な純国産のエネルギーと呼んで良いでしょう。

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デメリット

ただ、水力発電が環境に優しいのは、あくまでも運用開始後のことです。
大規模な水力発電所を建設するためにはダムの建設が欠かせないわけですが、このダムの建設が環境に影響を与える可能性があるのです。
ダムは、山奥など自然豊かな場所にしか建設することができません。ダム設置のために自然を切り開いてしまうと、山や川の生態系が大きく変わります。
狭小スペースにダムを新設することも不可能であることから、これから新たに水力発電場所を設立するとしても、発電できる量が少ない水路式しか採用できないと考えられます。

また、河川のある場所でしか運用できないことから建設できる場所が限られてしまうこと、発電の種類によっては降雨量で発電量が左右されやすいという点もデメリットと言って良いでしょう。
そして、発電量は決して高くないというのも、水力発電のデメリットです。
一般水力において最大出力数が日本一なのは、奥只見発電所です。この奥只見発電所の最大出力数は、56万キロワットに過ぎません。
これに対し、川内原発12号機は定格電気出力数が各89万キロワットです。こう考えると、水力発電量の少なさを理解してもらえるのではないでしょうか。

日本の発電量に占める割合

エネルギー庁の資料によると国内の2013年の発電量の内、水力発電が占める割合は9%程度です。
1960年代には水力発電はトップシェアだったのですが、前述したようなデメリットから発電量を増やすことができず、その後の電力消費量の増大に伴ってシェアを落としていったのです。
ただ、2010年以降は電力供給量自体が減少傾向にあり、もともと大きな発電量を求められていなかった水力発電のシェアはわずかに伸びています。
最近では水路式による「小水力発電」が注目されていますが、2012年の再生エネルギー特別措置法の施行後に認定された施設は14件に過ぎず、思うように伸びていないのが実情です。

まとめ

水力発電は再生可能エネルギーを利用した発電方法ではありますが、デメリットも少なくありません。
日本では大規模な水力発電所の増設は難しいですが、地域の電力をまかなう小規模な施設については多少なりとも注目を集めているというのが現状のようです。