毎月のガス代が高いと感じ、家計の負担を少しでも減らしたいと考えている方も多いはずです。そこで、テレビCMなどでよく目にする「ニチガス」への切り替えを検討しつつも、「本当に安くなるのか」「手続きが面倒ではないか」という不安をお持ちかもしれません。
本記事では、ニチガスの都市ガス料金と東京ガスの比較、ガス料金以外のメリットとデメリット、そして切り替え時の注意点を分かりやすく解説します。読み終わる頃には、あなたのご家庭でガス会社を切り替えるべきかどうかがはっきりと判断できるようになるでしょう。
この記事で分かること
- ニチガスの都市ガスへの切り替えで、ガス代が安くなる人の特徴が分かります。
- 東京ガスの一般プランと比較した際の、世帯人数別の節約目安を確認できます。
- 専用アプリやセット割引といった、料金面以外のメリットについても網羅しています。
- 供給エリアの制限や、既存の暖房割引プランとの兼ね合いなど、契約前に注意すべきデメリットを判断できます。
- 現在契約中のガス会社への解約連絡が不要なことなど、具体的な切り替え手順が分かります。
- 自身の家庭に最適なガス会社を判断するために活用すべき、最終的な行動の指針を整理できます。
【結論】ニチガスの都市ガスがおすすめな人

まず、ニチガスへの切り替えでメリットを享受できるのは、以下のような方です。
- 東京ガスの「一般料金」を契約している方
- ガスの使用量が平均的、または多い世帯(ファミリー層など)
- 電気やネット回線をまとめて、家計管理をラクにしたい方
【注意】高くなるケースもあります
すでに東京ガスの「暖らんプラン(床暖房割引)」など、ガス機器に応じたお得なプランを契約している場合、ニチガスに切り替えると割高になる可能性があります。現在の契約プラン名を確認してから検討しましょう。
【徹底比較】ニチガス vs 東京ガスの料金シミュレーション
多くの方が最も気になるのは、「実際にいくら安くなるのか」という点だと思います。そこで、東京ガスとニチガスのプランを比較してみます。
料金体系の違い
ガス料金の比較において重要なのは、まず計算式の内訳を理解することです。月々の都市ガス料金は、基本的に以下の式で算出されます。
ガス料金 = 基本料金 + (従量単価 ± 原料費調整額) × ガス使用量(㎥)
- 基本料金: ガスメーター、ガス管などの設備コスト、検針・保安などの固定費に充当される。使用量区分に応じて段階的に設定される。
- 従量単価: 1m³あたりのガス単価。使用量が増えるほど単価が下がる逓減制が一般的である。
- 原料費調整額: 為替レートや原油・LNG価格の変動を毎月料金に反映させる仕組み。
ニチガスの都市ガス料金では、東京ガスの一般料金よりも「基本料金」および「従量単価」が割安となります。具体的には、それぞれの料金が約5%低く設定されています。以下の表は、標準家庭(月間30m³使用)における料金構造の比較です。
| 項目 | 東京ガス | ニチガス | 差異 |
|---|---|---|---|
| 基本料金 | 約 1,056 円 | 約 1,003 円 | ▲5.0% |
| 単位料金 | 約 140 円/m³ | 約 133 円/m³ | ▲5.0% |
| 使用量 (30m³) | 4,200 円 | 3,990 円 | ▲210 円 |
| 原料費調整額 | +9.11 円/m³ | +9.11 円/m³ | 同額調整 |
| 合計 (推定) | 5,529 円 | 5,266 円 | ▲263 円 (約4.8%減) |
世帯別の節約目安(シミュレーション)
東京ガスの「一般料金」と、ニチガスの「プレミアム5+プラン」の基本料金・従量料金(単価)の差を反映した世帯別比較表を作成しました。使用量が増えるほど、基本料金と単価の両方の差が効いてくるため、ファミリー層ほど節約効果を実感しやすくなります。
| 世帯区分 | 1ヶ月の使用量 | 東京ガス | ニチガス | 月間の差額 | 年間の節約額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1人暮らし | 15㎥ | 約2,938円 | 約2,791円 | ▲ 147円 | 約 1,764円 |
| 2人暮らし | 30㎥ | 約4,969円 | 約4,721円 | ▲ 248円 | 約 2,976円 |
| 3人家族 | 40㎥ | 約6,274円 | 約5,960円 | ▲ 314円 | 約 3,768円 |
| 4人家族 | 50㎥ | 約7,579円 | 約7,200円 | ▲ 379円 | 約 4,548円 |
| 5人家族以上 | 60㎥ | 約8,883円 | 約8,439円 | ▲ 444円 | 約 5,328円 |
※上記は原料費調整額を含まない概算です(2025年時点の標準価格を参考)
実際の節約額は使用状況や契約内容により変動します。詳細な金額を知りたい方は、お手元に検針票を用意して、エネピの料金シミュレーションを利用してみてください。
ニチガスに切り替える2つのメリット

料金の安さ以外にも、ニチガスが選ばれる理由があります。特に、ニチガスの最大のメリットは、他のインフラサービスと組み合わせることで「月々の固定費を直接値引き」できる点にあります。
① セット割で固定費を一気に削減
「ニチガスのでんき」や提携インターネット回線、宅配水(ウォーターサーバーレンタル)などとセット契約することで、ガス代以外の固定費もまとめて安くすることが可能です。特に、ニチガスが推進する「でガ割」は、ガスと電気(ニチガスでんき)をセットで契約することで、光熱費全体を圧縮できます。
| サービス名 | 内容 | セット割引額 (月額/税込) |
|---|---|---|
| ニチガスのでんき | ガスと電気をまとめて契約 | 300円 割引 |
| ニチガス光 | NTT東・西の回線を利用したネット | 300円 割引 |
| アクアクララ | 宅配水サービスとのセット | 300円 割引 |
| お買い物優待サービス | 各種優待が受けられるサービス | 100円 割引 |
| USEN Home | 自宅でBGMを楽しめるサービス | 初回3,000円 割引 |
仮に「電気+ネット+宅配水」を全てニチガスにまとめると、月々900円、年間で10,800円もガス代が安くなります。先ほどのガス料金自体の節約額(4人家族なら約4,500円)と合わせると、年間で約15,000円以上の固定費削減に繋がります。
② アプリ「マイニチガス」で支出を可視化
「マイニチガス」は、ニチガス利用者向けの会員アプリで、ガス・電気・各種セットプランの利用状況や料金をまとめて管理できます。毎月の使用量や料金推移をグラフで簡単にチェックできるため、「先月より使いすぎたかな?」がひと目で分かり、自然と節約意識が高まります。
知っておくべき注意点とデメリット

契約後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、以下の3点は必ず確認してください。
- 東京ガス「暖らんぷらん」: 東京ガスはガス床暖房やエコジョーズを導入している住宅向けに、一般料金よりも大幅に割安な特別プランを提供しています。
- 供給エリアの限定: ニチガスの都市ガスは、神奈川・東京・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬・山梨・静岡に限られます。
- キャンペーンによる違約金: 原則、解約違約金はありませんが、特定のキャンペーンを適用して申し込んだ場合に限り、短期間での解約で違約金が発生することがあります。
東京ガス「暖らんぷらん」の優位性
最も注意すべきリスク要因は、東京ガスの「暖らんぷらん」からの切り替えです。もし、「暖らんぷらん」を契約している家庭がニチガスの「プレミアムプラン」に切り替えた場合、 月々の支払額が増加する可能性が高いです。なぜなら、「暖らんぷらん」による割引幅(特に冬季の従量単価割引)は、ニチガスの一般料金割引(約5%)を上回るケースが多いためです。
ガス機器のトラブルはどうなる?
「安いガス会社に変えると、ガスの品質が落ちたり、災害時の復旧が遅れたりするのではないか?」という懸念を抱く方がいるかもしれません。しかし、そのような心配は不要です。ガスの品質や安全性、緊急時の対応は国で定められた基準があり、ニチガスでも24時間365日の受付体制を整えています。
- ガス品質: 導管の中を流れるガスは、東京ガスが供給するものと全く同一(メタンを主成分とする13Aガス)である。ニチガス契約者専用のガスが流れているわけではない。
- 災害時対応: 地震などの災害時におけるガス供給停止や復旧作業は、導管事業者が地域一帯に対して一律に行う。契約している小売会社によって復旧順位が変わることは法的にあり得ない。
ただし、ニチガスに切り替えた場合、4年に1度の法定保安点検(ガス漏れ検査等)は、ニチガス(または委託を受けた認定保安機関)が実施することになります。ここでのサービス品質や作業員の質については、ニチガスの責任領域となります。
切り替えの手続きは簡単?

「手続きが面倒そう……」というイメージがあるかもしれませんが、実際はWebで3分ほどで完了します。
1. 検針票を用意する: 「お客様番号」や「供給地点特定番号」を確認します。
2. Webから申し込む: 公式サイトのフォームに入力するだけ。
3. 自動で切り替わるのを待つ: 今のガス会社への解約連絡はニチガスが代行してくれます。配管もそのまま使うため、工事の立ち会いも原則不要です。
まとめ

最後に、ニチガス(都市ガス)への切り替えに関する最終的な結論を提示します。
結論① : 切り替えを強く推奨する家庭
- 対象: 東京ガス「一般契約」を利用中の、2〜4人世帯(標準的なガス使用)。床暖房なし。
- 理由: 約5%の料金削減は確実であり、サービス品質(ガスの質)は変わらない。年間数千円の固定費削減が、申し込み手続きのみで完了する。
- 結論: 訪問販売は無視し、Webサイトから「プレミアムプラン」または「でガ割」を申し込む。
結論② : 切り替えに慎重であるべき家庭
- 対象: ガス温水床暖房、エコジョーズ、エネファームを利用中の世帯。
- 理由: 東京ガスの「暖らんぷらん」等の割引率が高いため、ニチガスの一般プランに変えると高くなるリスクがある。
- 結論: ニチガスの「床暖房専用プラン」の詳細な見積もりを取り、東京ガスの現在の割引後価格と比較シミュレーションを行う。多くの場合、東京ガス維持が安全策となる。
まずは検針票でシミュレーションを!
ニチガスへの切り替えは「東京ガスの一般プラン」を利用している家庭にとって固定費を削れる有効な手段ですが、諸条件によって結論は異なります。まずは検針票をお手元に用意して、実際にどのくらい安くなるのか比較してみるのがよいでしょう。
「自分の家で一番安くなる会社を今すぐ知りたい!」という方は、複数のガス会社を一度に比較できる、エネピの料金シミュレーションを活用して、最適なプランを見つけてみてください。
