「最近、九州電力の電気料金が気になる…」
「他の地域より高いって本当?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
この記事では、九州電力の電気料金が高いと言われる理由から、具体的な料金比較、賢い節約術まで掘り下げて解説します。電気料金への不安を解消し、家計に優しい選択をするための参考になさってください。
この記事で分かること:
- 九州電力の電気料金が高いとされる背景
- 過去の料金や他社の電気料金との比較
- 最適な電気料金プランへの見直し方
- 電力会社を乗り換える際の流れと注意点
なぜ九州電力の電気料金は高いのか?
九州電力の電気料金が高いと感じられる背景には、複合的な要因が絡み合っています。国際的なエネルギー価格の変動から、国内の制度、そして九州電力独自の状況まで、多角的に見ていきましょう。
燃料価格の高騰と国際情勢
電気料金を左右する大きな要因の一つが、火力発電に使われる燃料の価格です。
燃料の輸入価格変動: 日本はエネルギー資源の多くを輸入に頼っており、石炭や液化天然ガス(LNG)などの国際的な市場価格の変動は、直接的に発電コストに影響します。近年の国際情勢の不安定化や需給バランスの変化により、これらの燃料価格が高騰する場面が見られました。例えば、LNGの輸入価格は月ごとに変動し、過去には前年同月比で上昇したことも報告されています。
国際的な紛争や供給不安: 世界各地で紛争が発生したり、エネルギー供給国で政情不安が生じたりすると、エネルギーの安定供給に対する懸念から価格が上昇しやすくなります。
為替レートの変動: 燃料の多くは外貨建てで取引されるため、円安が進むと輸入価格が上昇し、電気料金にも影響を与えることになります。過去には、燃料価格の高騰と円安のダブルパンチで、貿易赤字が拡大した時期もありました。
これらの燃料価格の変動は、電気料金の「燃料費調整額」として毎月の料金に反映されます。
再生可能エネルギー賦課金の上昇
環境に優しい再生可能エネルギーの導入を促進するため、「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」が電気料金に上乗せされています。
これは電力会社が再生可能エネルギーを買い取る費用を、電気を利用する全国民で公平に負担する仕組みです。再生可能エネルギーの導入量が増えるにつれて、賦課金の単価も上昇する傾向にあります。実際に、2024年度の再エネ賦課金単価は、前年度から上昇し、過去の高い水準に戻ったと報じられています。
九州は太陽光発電などの再生可能エネルギー導入が比較的進んでいる地域です。これは長期的にはCO2排出量削減に貢献しますが、一方で再エネ賦課金としての負担増の一因となる可能性も考えられます。
託送料金(送配電網の利用料)の値上げ
電気を送るための送配電網の利用料である「託送料金」も、電気料金を構成する要素の一つです。これは発電所で作られた電気を、電線などを通じて家庭や企業に届けるための費用です。この送配電網の維持・更新には莫大なコストがかかり、その費用は託送料金を通じて電気料金に反映されます。
近年、送配電網の老朽化対策やレジリエンス強化(災害への対応力向上)、さらには再生可能エネルギーの導入拡大に伴う系統安定化のための投資が必要となっており、これらが託送料金の値上げ要因となることがあります。九州電力送配電株式会社も、託送料金の算定方法や単価をウェブサイトで公開しています。
九州電力独自の要因
上記の全国的な要因に加え、九州電力特有の事情も料金設定に影響を与えている可能性があります。
電源構成と発電コスト: 九州電力の電源構成は、再生可能エネルギーを含む非化石電源が38%、FIT制度による電気が23%、卸電力取引所からの調達が38%、その他が1%となっています(2023年度 小売供給分実績)。このうち、卸電力取引所からの調達分には火力発電や原子力発電なども含まれるため、実質的な火力発電への依存度は依然として低くありません。火力発電は燃料価格の変動リスクを直接受けるため、これが発電コストを押し上げる一因となり得ます。
一方で、九州電力は複数の原子力発電所(玄海、川内)を保有しており、これらが稼働している期間は、燃料費が高騰している時期には特に、火力発電に比べてコストを抑制する効果があります。2025年に入ってからも、玄海・川内両原子力発電所は比較的高い設備利用率で運転されています。例えば、2025年3月には、玄海3号機が約89.8%、4号機が約101.2%、川内1号機が約107.7%、2号機が約107.6%の設備利用率を記録しました。
原子力発電所の安定稼働は、九州電力の発電コスト低減と電力供給の安定化に寄与していると言えます。しかし、定期検査や不測の事態による稼働停止は避けられず、その間の代替発電は火力発電に頼らざるを得ないため、原子力発電所の稼働状況は料金変動の一つの要因となります。実際に、2026年3月期の業績見通しでは、原子力発電所の稼働減が減益要因の一つとして挙げられています。
再生可能エネルギーに関しては、九州地方は太陽光発電の導入が進んでおり 、九州電力グループも2030年までに500万kWの再エネ開発目標を掲げています。
経営状況が料金設定に与える影響: 電力会社の経営効率や財務状況も、中長期的には料金設定に影響を及ぼします。九州電力の2025年3月期決算では、売上高は前期比10.2%増の2兆3,568億円でしたが、燃料費調整の期ずれ影響や卸電力取引価格の変動などにより、経常利益は18.3%減の1,946億円、純利益は22.6%減の1,287億円となりました。自己資本比率は17.3%へと改善しています。2026年3月期は、気温影響による需要増の反動減や原子力発電所の稼働減などにより、さらなる減収減益が見込まれています。
九州電力は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や業務効率化によるコスト削減にも取り組んでいます。また、送配電網の増強・維持、再生可能エネルギー導入拡大への対応、GX(グリーン・トランスフォーメーション)戦略に沿った低炭素化投資など、将来に向けた戦略的な設備投資も計画的に進めています。これらの投資は将来の安定供給や環境対応に不可欠ですが、短期的にはコスト増要因となり得ます。経営努力による効率化でこれらのコストを吸収しきれるかどうかが、今後の料金動向を左右するポイントの一つとなります。
このように、九州電力の料金水準は、燃料価格や国の制度といった外部環境だけでなく、原子力発電所の稼働状況を含む独自の電源構成、そして将来を見据えた投資戦略と経営効率化のバランスによって形成されています。
九州電力の最近の料金変動について
最近の九州電力の家庭向け電気料金の変動は、単一の理由によるものではなく、主に以下の複数の要因が複合的に作用した結果です。
燃料費調整額の動き: 国際的な燃料価格の変動と、それに対する国の価格激変緩和措置の導入・変更・終了が大きく影響しました。例えば、2024年7月分の電気料金における燃料費等調整単価は1.86円/kWhとなり、前月比で1.80円/kWhの上昇となるなど、依然として燃料価格の変動が電気料金に大きな影響を与えています。
再エネ賦課金の改定: 毎年度見直される再エネ賦課金単価は、当面は上昇傾向が続くと予測されています。2023年度の単価は1.40円/kWhと前年度の3.45円/kWhから大幅に低下しましたが、2024年度には3.49円/kWhへと再び大幅に上昇し、2025年度には3.98円/kWhへとさらなる上昇が決定しました。
託送料金の見直し: 2023年4月1日使用分から、送配電網の維持・更新費用を反映する託送料金が、レベニューキャップ制度導入などに伴い改定されました。この改定により、低圧部門全体の託送料金平均単価としては、0.94円/kWhの上昇となりました。
これらの要素がそれぞれ異なるタイミングと規模で変動することにより、月々の電気料金が上下しています。電気料金の変動は今後も続くと予想される中で、消費者が主体的に情報を得て、ご自身のエネルギー利用について考えることが一層重要になっています。
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※3~4人暮らしの場合の金額です
九州電力の電気料金を徹底比較・検証
「九州電力の電気料金は本当に高いのか?」この疑問を解消するため、様々な角度から料金を比較・検証してみましょう。
全国の 大手電力会社との料金比較
電気料金は地域や電力会社によって異なります。一般的に、燃料調達の状況、電源構成、設備投資の規模などが料金に影響します。
2025年5月時点の標準的な家庭モデル(世帯人数4人)で比較したデータによると、関西電力(大阪府)が16,353円であるのに対し、九州電力(福岡県)は13,922円、中部電力(愛知県)は14,605円、東京電力(東京都)は18,081円となっています。この比較では、九州電力は4社中1番目に安い水準です。
このことから、九州電力の料金が高いという印象は、過去の料金水準や個々のライフスタイルにおける絶対額に対する感覚である可能性があり、少なくとも他の大手電力会社との比較においては、必ずしも「高い」とは言えない状況が見て取れます。ただし、これはあくまで標準モデルでの比較であり、個々の契約プランや使用状況によって実際の負担感は異なります。
過去の料金との比較:値上げの歴史と背景
過去の料金改定の歴史を振り返ることで、値上げの傾向やその背景にある要因を理解する手がかりになります。九州電力も過去に料金改定を行っています。
例えば、過去の大きな料金改定としては、2015年6月に認可されたものがあり、この時は規制部門・自由化部門合計で平均8.98%の値上げとなりました。このような改定の背景には、東日本大震災後の原子力発電所の長期停止に伴う火力発電燃料費の増加などが影響していました。
近年の電気料金の変動に大きく関わっているのが燃料費調整額です。特に2022年度後半から2023年度にかけては、国際的な燃料価格の高騰により燃料費調整額が大幅に上昇しましたが、その後、政府による「電気・ガス価格激変緩和対策事業」が導入され、一時的に消費者の負担が軽減されました。
また、前述の通り、再エネ賦課金は年々上昇傾向にあり、託送料金も設備投資の必要性から値上げされています。過去の料金水準と比較して「高くなった」と感じるのは、こうした複数の要因が複合的に作用した結果と考えられます。
新電力の料金プランとの比較
2016年の電力小売全面自由化以降、多くの「新電力」と呼ばれる事業者が電力市場に参入し、多様な料金プランを提供するようになりました。九州電力エリアにおいても、消費者は九州電力以外の電力会社を選択することが可能です。
新電力に乗り換えることで、電気料金が安くなる可能性があります。また、ポイントサービスや特定のサービスとのセット割引など、ライフスタイルに合ったメリットが得られることもあります。例えば、実質再生可能エネルギー100%の電気を供給するプラン(オクトパスエナジー)、特定のポイントプログラムとの連携(TERASELでんき)、ガスやウォーターサーバーなど他のサービスとのセット割引(エネワンでんき)、あるいは自動車関連の特典(idemitsuでんき)などがあります。
一方で、新電力は契約期間や解約金、サポート体制などが従来の電力会社と異なる場合があるため、契約前には十分な比較検討が必要です。
世帯構成・ライフスタイル別で見る料金の違い
電気の使用量や使い方は、世帯構成やライフスタイルによって大きく異なります。
一般的に、世帯人数が多いほど電気使用量は増加し、それに伴い電気料金も高くなる傾向があります。単身世帯、夫婦のみの世帯、子供がいるファミリー世帯など、それぞれのライフステージで使用する電力量は大きく変わってきます。
特に大きな違いが現れるのが、オール電化住宅とガス併用住宅の比較です。オール電化住宅は、調理、給湯、暖房など家庭内のエネルギーを全て電気で賄うため、必然的に電気使用量が多くなります。
九州電力には、オール電化住宅向けの料金プランとして「電化でナイト・セレクト」があります。このプランは、夜間時間帯の電力量料金単価が割安に設定されており、エコキュート(電気給湯器)や蓄熱式暖房機など、夜間に電力を多く使用する機器との相性が良いとされています。一方、昼間の料金単価は割高になるため、日中の電気使用量が多い家庭では注意が必要です。
電気料金を安くするための具体的な対策
電気料金が高いと感じているなら、具体的な対策が必要かもしれません。有効な方法をいくつかご紹介します。
料金プランの見直し:あなたの家庭に最適なプランは?
契約している料金プランが、ご自身のライフスタイルに合っているか確認してみましょう。現在の契約プランは毎月の検針票(電気ご使用量のお知らせ)や、電力会社のウェブサイトなどで確認できます。
昼間はあまり電気を使わず、夜間に電気を多く使う家庭であれば、夜間電力がお得になる時間帯別料金プランが適している場合があります。電気使用量が少ない家庭であれば、基本料金が安く設定されているプランや、使用量に応じた段階制の単価が緩やかなプランが良いかもしれません。
九州電力では、「スマートファミリープラン」(一般的な家庭向け)、「おひさま昼トクプラン」(昼間の太陽光発電が多い時間帯がお得)、「電化でナイト・セレクト」(オール電化向け)など、多様なプランが提供されています。それぞれのプランの特徴を比較し、ご自身の電気の使い方に合ったプランを選ぶことが大切です。
電力会社の乗り換え:新電力という選択肢
電力自由化により、九州電力以外の電力会社も選択できるようになりました。インターネット上には、様々な電力会社の料金プランを比較できるサイトがあります。これらのサイトを利用する際は、料金単価だけでなく、契約期間、解約金の有無、ポイント制度、支払い方法なども確認しましょう。
新しく契約したい電力会社に申し込みを行うと、原則として現在の電力会社への解約手続きは新しい会社が行ってくれます。スマートメーターが未設置の場合は、設置工事が必要になることがあります(設置費は原則無料)。
ただし、契約中のプランによっては解約金や違約金が発生する場合があります。契約内容を事前にしっかり確認しましょう。切り替えにかかる期間は、スマートメーターの設置状況などにより異なりますが、数日から数週間程度が一般的です。
太陽光発電システムの導入と蓄電池の活用
自宅で電気を作り、使う「自家発電・自家消費」も有効な選択肢です。太陽光発電システムを導入すると、昼間の電気代を大幅に削減できる可能性があります。また、余った電気は電力会社に売電することもできます(FIT制度終了後は、自家消費や蓄電池との組み合わせが主流)。
さらに、太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、発電した電気を貯めておき、夜間や発電量の少ない時間帯に利用したり、災害時の非常用電源として活用したりすることができます。これにより、電気の自給自足率を高め、さらなる節電効果や安心感を得られます。
導入には初期費用がかかりますが、長期的に見れば電気代削減効果や売電収入で回収できる可能性があります。専門業者に見積もりを依頼し、シミュレーションを行ってみましょう。なお、国や自治体によっては太陽光発電システムや蓄電池の導入に対して補助金制度を設けている場合があります。これらの制度を上手く活用することで、初期費用を抑えることができます。
九州電力の料金プラン分析
九州電力は顧客の多様なニーズに応えるため、様々な種類の電気料金プランを提供しています 。これらのプランは、家庭の電力使用パターンやライフスタイルに合わせて選択できるよう設計されています。
九州電力の電気料金プランを比較検討する上で、まず毎月の電気料金がどのように構成されているかを理解することが重要です。検針票や請求書に記載される主な項目は以下の通りです。
基本料金:電力の使用量に関わらず、契約アンペア(A)または契約容量(kVA)に基づいて毎月固定で発生する料金です 。一般的に、一度に多くの電化製品を使用するご家庭や、契約アンペア数が大きいほど基本料金は高くなる傾向があります。
電力量料金:実際に使用した電力量(kWh)に応じて計算される料金です。多くのプランでは、使用量が増えるほど1kWhあたりの単価が高くなる「段階制料金」が採用されています 。また、電気を使用する時間帯によって単価が変動する「時間帯別料金」も存在します 。
燃料費等調整額:燃料市場の状況によって毎月単価が見直され、電気料金に加算または減算されます。注意すべき点は、従来の「従量電灯B/C」以外プランには、燃料費調整額に上限が設定されていないことです。上限のないプランでは、燃料価格が大幅に高騰した場合、その上昇分が直接電気料金に反映されます。
再生可能エネルギー発電促進賦課金:再エネ賦課金の単価は、国(経済産業大臣)が毎年度決定し、全国の電力会社で一律です。したがって、どの電力会社のどのプランを選んでも、使用電力量が同じであれば賦課金額は変わりません。
それでは、九州電力が提供する主要な家庭向け料金プランについて、それぞれの特徴や料金体系などを詳しく解説します。
スマートファミリープラン
九州電力の代表的な家庭向けプランの一つで、特に2年間の継続契約による割引を希望する家庭や、ある程度の電気使用量が見込まれる家庭に適しています。電気を使用する時間帯によって料金単価が変わらないため、日中にご在宅が多いご家庭にも向いています。
基本料金:
契約アンペア | 料金単価 |
---|---|
10A | 316.24円 |
15A | 474.36円 |
20A | 632.48円 |
30A | 948.72円 |
40A | 1264.96円 |
50A | 1581.20円 |
60A | 1897.44円 |
電力量料金:
区分 | 料金単価 |
---|---|
最初の120kWhまで | 18.37円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 23.97円 |
300kWhをこえる分 | 25.87円 |
従量電灯B
1年契約を基本とし、電気の使用量が比較的少ない家庭向けの伝統的なプランです 。24時間同一の料金単価(段階制)であるため、昼夜問わず電気を使用するスタイルで、一度に多くの電気を使わない家庭に向いています。
基本料金:
契約アンペア | 料金単価 |
---|---|
10A | 316.24円 |
15A | 474.36円 |
20A | 632.48円 |
30A | 948.72円 |
40A | 1264.96円 |
50A | 1581.20円 |
60A | 1897.44円 |
電力量料金:
区分 | 料金単価 |
---|---|
最初の120kWhまで | 18.37円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 23.97円 |
300kWhをこえる分 | 26.97円 |
電化でナイト・セレクト
オール電化住宅にお住まいのお客様向けの料金プランです。エコキュートや電気温水器など、夜間に多くの電力を使用する機器をお持ちの家庭に最適で、夜間や休日の電気料金が割安に設定されています。
基本料金:契約電力(kW)に応じて設定されます。このプランの基本料金は「実量制」であり、スマートメーターで計測された過去1年間(当月と前11ヶ月)の最大使用電力(30分値)に基づいて九州電力が決定します。ユーザー自身で基本料金を選択することはできません 。
契約電力区分 | 料金単価 |
---|---|
10kW以下の場合 | 1888.80円 |
10kWをこえ15kWまで | 4758.20円 |
上記をこえる分 1kWごと | 573.88円 |
電力量料金:
時間帯区分 | 季節区分 | 料金単価 |
---|---|---|
平日昼間(8時~22時) | 夏季・冬季 | 27.63円 |
平日昼間(8時~22時) | 春季・秋季 | 24.74円 |
休日昼間(8時~22時) | 夏季・冬季 | 22.01円 |
休日昼間(8時~22時) | 春季・秋季 | 18.61円 |
夜間(22時~翌8時) | 通年 | 14.59円 |
おひさま昼トクプラン
エコキュート、蓄電池、または電気自動車(EV)をお持ちで、これらの機器の電力使用を昼間に移行できるご家庭向けの料金プランです 。太陽光発電システムによる発電量が多くなる昼間(10時~16時)の電気料金が特に割安に設定されているのが大きな特徴です。
基本料金:契約電力(kW)に応じて設定され、「電化でナイト・セレクト」と同様に「実量制」です。
契約電力区分 | 料金単価 |
---|---|
10kW以下の場合 | 1888.80円 |
10kWをこえ15kWまで | 4758.20円 |
上記をこえる分 1kWごと | 573.88円 |
電力量料金:
時間帯区分 | 季節区分 | 料金単価 |
---|---|---|
おひさまタイム(10時~16時) | 夏季・冬季 | 13.47円 |
おひさまタイム(10時~16時) | 春季・秋季 | 12.37円 |
シフトタイム(8時~10時、16時~18時) | 夏季・冬季 | 35.02円 |
シフトタイム(8時~10時、16時~18時) | 春季・秋季 | 31.84円 |
だんらんタイム(18時~翌朝8時) | 通年 | 18.37円 |
JALでんきB
日本航空(JAL)のマイルを効率よく貯めたいご家庭向けの料金プランです 。毎月の電気料金(消費税等相当額、再エネ賦課金、延滞利息、郵送サービス料などを除く)100円につき3マイルが積算されます。また、「JALでんき」の契約開始日または料金プラン変更日から1年経過するごとに、ボーナスマイルとして1,000マイルが積算されます。
基本料金:
契約アンペア | 料金単価 |
---|---|
10A | 316.24円 |
15A | 474.36円 |
20A | 632.48円 |
30A | 948.72円 |
40A | 1264.96円 |
50A | 1581.20円 |
60A | 1897.44円 |
電力量料金:
区分 | 料金単価 |
---|---|
最初の120kWhまで | 18.35円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 23.95円 |
300kWhをこえる分 | 26.87円 |
電気・ガスセットプラン
九州電力では、電気と都市ガスをセットで契約することでお得になるプランも提供しています。
◆スマートファミリープラン[ガスセット]
九州電力の電気と「きゅうでんガス」をセットで契約するご家庭向けの料金プランです 。このプランの対象となるのは、福岡県の西部ガス株式会社の都市ガス供給区域(一部地域を除く)で、九州電力の都市ガス(きゅうでんガス)を利用しているユーザーです 。
電気とガスをセットで契約することにより、ガス料金が割引になります。電気料金自体が直接割引されるわけではない点に注意が必要です。電気の料金プランの基本的な構造は「スマートファミリープラン」と同様で、電気使用量に応じて段階的に料金単価が設定されています。
ガス料金セット契約割引額(月額、税込):
電気契約電流 | ガス使用量 0~5㎥ | ガス使用量 6~15㎥ | ガス使用量 16~30㎥ | ガス使用量 31~100㎥ | ガス使用量 101㎥~ |
---|---|---|---|---|---|
10A | 100.00円 | 200.00円 | 300.00円 | 500.00円 | 700.00円 |
15A | 100.00円 | 200.00円 | 300.00円 | 500.00円 | 700.00円 |
20A | 100.00円 | 200.00円 | 300.00円 | 500.00円 | 700.00円 |
30A | 100.00円 | 400.00円 | 600.00円 | 800.00円 | 1000.00円 |
40A | 100.00円 | 400.00円 | 700.00円 | 900.00円 | 1100.00円 |
50A | 100.00円 | 400.00円 | 800.00円 | 1000.00円 | 1200.00円 |
60A | 100.00円 | 400.00円 | 900.00円 | 1100.00円 | 1300.00円 |
付帯契約料金プラン
九州電力では、基本となる電気料金プランに加えて、特定の条件を満たすお客様や特定の目的を持つお客様向けに、様々な付帯契約プランを提供しています。これらは電気料金の割引や特定のサービスを提供するものです。
◆すくすく赤ちゃんプラン
3歳未満のお子様がいらっしゃるご家庭の経済的負担を軽減することを目的とし、毎年5月分の電気料金(一部対象外あり)を10%割引します。
対象者: 申込み時点で3歳未満のお子様がいるご家庭 。
割引対象期間: お子様が0歳の時に申し込んだ場合、最大で3回(3年間)の5月分の電気料金が割引対象となります。
◆IJUターン応援プラン
九州外から九州へ移住されたご家庭を応援するため、申込みから1年間、毎月の電気料金(一部対象外あり)を5%割引します。
◆まるごと再エネプラン
主に九州電力保有の水力・地熱発電由来の電気と、再エネ指定の非FIT非化石証書を組み合わせることで、実質的にCO2排出量ゼロの再生可能エネルギー100%の電気を利用したいと考える環境意識の高いユーザー向けのオプションプランです。毎月の電気料金に、環境価値分として月額500円(税込)の追加料金を支払うことで利用できます。
◆みらいの森を育てようプラン
毎月の電気料金に加えて一定額の寄付金(月額300円・税込)を支払うことで、公益財団法人九電みらい財団が実施する植林、育林、環境教育といった環境保全活動を支援できるプランです。本プラン加入者には、九電みらい財団から活動内容の報告と記念品(例:カレンダー)が毎年12月頃に進呈されます。
◆アビスパ福岡応援プラン
Jリーグクラブ「アビスパ福岡」を応援したいサポーター向けの付帯契約プランです。毎月の電気料金に合わせて応援金(月額300円または500円・税込)を支払うことで、チームの強化資金等を支援できます。加入者にはプラン特製の記念品が進呈されます。
◆ 福岡ソフトバンクホークス応援プラン
プロ野球球団「福岡ソフトバンクホークス」を応援したいファン向けの付帯契約プランです。年に1回プラン料金(年会費)を支払うことで、福岡ソフトバンクホークス公式ファンクラブ「クラブホークス」への入会権や、イベント限定ユニフォームなどの特典が得られます(選択するコースによって料金と特典内容が異なります)。
◆IH購入サポートプラン
現在ご家庭でガスコンロを使用しているお客様が、IHクッキングヒーターへ買い替える際に、電気料金を12ヶ月間にわたり定額で割り引くサポートプランです。
◆再エネお預かりサービス
卒FIT(固定価格買取制度による買取期間が満了した)の太陽光発電設備をお持ちのご家庭を対象としたサービスです。ご家庭で発電した太陽光発電の余剰電力を九州電力が仮想的に預かり、ユーザーの電気使用分に充当することで、あたかも蓄電池を導入したかのような効果を提供します。
◆U-NEXT for 九州電力
九州電力の電気料金と、人気の動画配信サービス「U-NEXT」の利用料金をセットにしたプランです。毎月の電気料金とU-NEXTサービス料金の合計請求額から、月々110円(税込)が割り引かれます。
このように、九州電力は一般家庭の多様なライフスタイルや個別のニーズに対応するため、非常に幅広い種類の電気料金プラン・サービスを提供しています。そのため目先の料金単価だけでなく、長期的な視点での経済性、ライフスタイルの変化への柔軟性、そしてご自身の価値観(環境貢献など)を総合的に考慮し、納得のいくプラン選びを行うことが大切です。
九州電力の料金シミュレーション
九州電力の料金シミュレーション(従量電灯Bの場合)を世帯人数別にまとめました。以下の情報には燃料費調整額、再エネ賦課金が含まれています。
世帯人数 | 基本料金 (円) | 電力量料金 (円) | 燃料費調整額 (円) | 再エネ賦課金 (円) | 月間総額 (円) |
---|---|---|---|---|---|
1人 | 948.72 | 4,457.58 | 397.04 | 851.72 | 6,655.06 |
2人 | 948.72 | 8,325.99 | 682.62 | 1,460.66 | 11,417.99 |
3人 | 1,264.96 | 9,431.76 | 758.88 | 1,623.84 | 13,079.44 |
4人 | 1,264.96 | 10,240.86 | 814.68 | 1,743.24 | 14,063.74 |
5人 | 1,581.20 | 11,076.93 | 872.34 | 1,866.62 | 15,397.09 |
6人以上 | 1,581.20 | 13,827.87 | 1,062.06 | 2,272.58 | 18,743.71 |
シュミレーション結果から、世帯人数が増加し電力使用量が多くなるにつれて、電気料金総額が上昇する傾向が見て取れます。また、使用量が増えるほど平均単価(円/kWh)も上昇する傾向が見られます。これは段階制料金体系により、使用量の多い世帯ほど料金単価の高い第2段階、第3段階での電力消費割合が増えるためです。
【ご注意】
- 上記はあくまでシミュレーション結果(概算)であり、実際の請求額とは異なる場合があります。
- 電気料金は、実際のご使用状況、契約内容、燃料費調整額や再エネ賦課金の変動などにより変わります。
- 九州電力の料金プランや単価は変更される可能性があります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
- 他社の料金と比較したい場合は、エネピの「でんき料金シミュレーション」をご利用ください。あなたにピッタリの最安値プランをご提案します。
まとめ
九州電力の電気料金が高いと感じられる背景には、国際的な燃料価格の変動、再生可能エネルギー賦課金の上昇、託送料金の値上げといった外部要因に加え、火力発電への依存度や原子力発電所の稼働状況といった九州電力独自の電源構成事情も絡み合っていると考えられます。
しかし、料金プランの見直しや電力会社の乗り換え、太陽光発電システムや蓄電池の導入といった省エネ設備投資など、私たち消費者が主体的に取り組める対策もいくつか存在します。この記事で紹介した情報を参考に、ご自身の電気使用状況やライフスタイルに最適な料金プランを見つけ、賢く電気と付き合っていくための一助となれば幸いです。