- ガス式床暖房の1日あたりのランニングコストは、使用状況により異なりますが、約184円が目安です。使用時間、ガスの種類、部屋の広さによって大きく変動します。
- 一般的に、ガス式床暖房は電気式よりもランニングコストを抑えられる傾向にありますが、導入時の初期費用は高めです。
床暖房の特徴 - ガス式と電気式の違い
ガス式床暖房はガスを熱源として利用し、熱源機で加熱した温水を床下に設置されたパイプで循環させることによって部屋を暖める仕組みです。この温水が配管を通じて床全体に熱を伝え、室内空間を心地よく温めます。
ガスを使用することにより、直ちに高温の熱を発生させることができ、エネルギー効率も高く、部屋がすぐに暖かくなるのが特徴です。特に立ち上がりが早く、冷え込んだ時でも短時間で快適な温度に到達します。
ガス式と電気式の違いについて
床暖房には大きく分けて温水式と電気式があります。温水式床暖房は前述の通り、ガスを用いて温水を循環させて床を温めます。一方、電気式床暖房は電気ヒーターが直接床を加熱する方式です。
そのため、ガス式は導入時の初期費用が比較的高めになります。しかし、長時間使用する場合には、光熱費を抑えられることが多いです。一方、電気式は設置が比較的容易で初期費用を抑えやすいというメリットがありますが、長時間使用すると光熱費が高くなる傾向があります。
ガス式床暖房のメリットとデメリット
ガス温水床暖房のメリットとデメリットを確認します。
メリット
立ち上がりが早い:
温水を直接床に循環させるため立ち上がりが早く、部屋がすぐに暖まります。
均一な暖かさ:
床全体が均一に暖まるため、部屋の隅々まで快適な温度を保つことができます。
快適な室内環境:
空気を直接暖めないため、乾燥を防ぎます。またエアコンと違い気流を作らないため、ホコリを舞い上げません。
デメリット
初期費用が高い:
ガス温水床暖房の設置には熱源機や配管工事が必要なため、初期費用が高くなります。
設置工事が必要:
床下に温水パイプを設置するため、リフォームや新築時に工事が必要です。パイプの配管工事には時間がかかります。
メンテナンスが必要:
定期的なメンテナンスが必要であり、特に熱源機の点検や交換が必要となります。
これらの特徴を考慮すると、ガス温水床暖房は迅速かつ効率的な暖房を提供する一方で、初期投資や設置工事の手間がかかることがわかります。
床暖房のガス代の目安
ガス温水式床暖房の1日あたりのランニングコストは、使用状況によって異なりますが、約184円が目安です。(立ち上がりから8時間運転した場合)※
※出典:東京ガス「ヌック」
お部屋の広さ | 月額料金目安(都市ガス使用時) |
---|---|
8畳 | 約3,194円 |
10畳 | 約3,833円 |
12畳 | 約4,600円 |
これらは都市ガスを基準とした場合の目安で、プロパンガスの場合は上記料金よりも高くなることが多いです。
また、床暖房のガス代は地域の気候や外気温によっても大きく変わります。寒い地域では暖房の使用時間が長くなり、ガス代が高くなる傾向があります。また、ガスは地域によって料金が異なるため、住んでいる地域のガス会社の料金プランを確認することが重要です。
このように、床暖房のガス代は様々な要因によって変動するため、一般的な目安を参考にしつつ、自宅の条件やライフスタイルに合わせて計算することをおすすめします。
電気式床暖房とのコスト比較
電気式床暖房のランニングコストは、発熱方式によって大きく異なります。例えば、PTCヒーター式床暖房の場合、月額約3,800円~8,400円が目安です。※ただし、実際のランニングコストは、床暖房の面積や電力会社の料金プランによって変動します。
床暖房の方式 | 月額料金目安(都市ガス使用時) |
---|---|
ガス温水式 | 約3,833円 |
電気PTCヒーター式 | 約3,800~8,400円 |
※部屋の広さ:10畳
※出典:パナソニック「フリーほっと」
初期費用、メンテナンス費用を含めた比較
初期費用に関しては、ガス温水床暖房は設置に高い初期投資が必要となります。リフォーム時に床下に温水パイプを設置する際の工事費用がかかるため、総じて設置コストは電気式より高くつくことが多いです。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
床暖房のリフォーム費用 | 1畳あたり5~11万円 |
温水式タイプの新設費用 | 別途25~100万円程度 |
メンテナンス費用については、ガス温水床暖房は定期的なメンテナンスが必要です。特に、熱源機の交換やガス設備の点検が必要になります。一方、電気式は基本的にメンテナンスフリーです。熱源の耐久性にもよりますが、電気式は30年ほど持つとされる場合が多いです。
結論として、広い面積や複数の部屋に床暖房を設置する場合は、初期費用は高くてもランニングコストの安いガス温水床暖房が有利です。一方、部分的な設置や小さな面積の場合は、初期費用の安い電気式床暖房が適しています。
ガス代が高くなってしまう原因とは?

ガス温水床暖房のガス代が高くなる原因はいくつかあります。以下に主な要因について説明します。
断熱性能が低い:
断熱性能が低い住宅では外気温の影響を受けやすくなります。具体的には窓や壁、天井から熱が逃げることで、床暖房をつけてもすぐに室温が低下し、エネルギーを追加で投入しなければならないため、ガス代が高くなる要因となります。
適切な温度設定ができていない:
床暖房の温度設定が高すぎる場合は必要以上にガスを消費することになります。快適な温度として一般的なのは25℃前後ですが、これを超える設定にすると、部屋が早く暖まるものの、その分ガス代が増えます。
こまめにオンオフを繰り返す:
床暖房は起動時に多くのエネルギーを消費する特性があります。頻繁にオンオフを繰り返すと初期の暖房費用が増加し、料金がかかる原因になります。連続運転で設定温度を維持する方が効率的です。
ガス会社の選択:
ガス料金は供給会社によって異なり、特にプロパンガスは自由料金制のため会社によって割高になる恐れがあります。ガス会社を見直し、より安価なプランに切り替えることで、長期的にガス代を節約できる可能性があります。
ガス代を抑える節約テクニック
ガス温水床暖房は足元から快適な生活空間を作りますが、ガス代が気になるところです。以下に、ガス代を抑えるための具体的な方法を紹介します。
- 設定温度を見直す
- 断熱対策をする
- タイマー活用のコツ
- 併用する暖房器具の選び方
- メンテナンスの重要性
設定温度を見直す:
外気温に応じて温水温度を調整することで、効率的な運転が可能になります。快適な室内環境をつくるためには、床表面温度を25〜30℃※に保つのが理想です。
※電気かんり東京
断熱対策をする:
窓に断熱シートを貼ったり、厚手のカーテンを使用したりすることが効果的です。これにより外部の冷気が室内に侵入しにくくなり、暖房効率が向上します。
タイマー活用のコツ:
起床時間や帰宅時間の30〜60分前に「入タイマー」を設定すると、効率よく部屋を暖められます。また、就寝30分前に「切タイマー」を設定すれば無駄な運転を防げます。
併用する暖房器具の選び方:
他の暖房器具を併用することで床暖房の負担を軽減し、ガス代を抑えることができます。特にエアコンと併用することで、部屋全体の空気を早く暖めた後、快適な足元の暖かさを維持できるため、効率的に暖房が可能です。
メンテナンスの重要性:
給湯器や配管の寿命(通常10~15年)に注意し、劣化した場合は早めに交換することでエネルギー効率を保つことができます。特に、配管に漏れや詰まりがある場合は効率が悪化し、ガス代が増加します。
これらの方法を実践することで、ガス温水床暖房の快適さを維持しながら、ガス代を効果的に抑えることができます。
よくある質問と回答
ガス温水床暖房の利用について、よくある質問とその回答をまとめました。
床暖房は24時間つけっぱなしの方がお得?
外出時や就寝時には切った方が節約できる場合が多いです。
短時間の外出であれば、つけっぱなしにしておいた方が効率的な場合もありますが、長時間外出する際は切った方が経済的です。タイマー機能を活用して必要な時間帯のみ運転することで、ガス代を抑えることができます。
ガス式床暖房のデメリットは?電気式と比べてどちらがよい?
ガス式床暖房のデメリットには、初期コストが高いことや、メンテナンスの必要性が挙げられます。
電気式床暖房と比較すると、ランニングコストは一般的に低いとされていますが、どちらがよいかは使用状況や地域のエネルギーコストによります。
ペットを飼っていても床暖房は使える?
ペットを飼っている家庭でも使用可能ですが、安全対策が必要です。
ペットが低温やけどを負わないよう、設定温度は低めに設定したり、ペットが長時間同じ場所にいないよう注意が必要です。また、ペットが涼めるスペースを用意することも重要です。
床暖房の温度設定は季節や気候によって変えるべき?
温度設定は季節や気候によって調整するのが望ましいです。
外気温が低い冬季には暖房を強め、春や秋などの温暖な時期には温度設定を見直すことで、より経済的に使用できます。
カーペットやラグを敷くと床暖房の効果が低くなる?
カーペットやラグは輻射熱を遮ってしまい、暖房効率を低下させる可能性があります。
カーペットやラグを敷く場合は、薄手のものを選んだり、床暖房対応の製品を使用するなどの工夫が必要です。
まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
床暖房のガス代の目安とは? |
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ガス温水式床暖房の1日あたりのランニングコストは、使用状況によって異なりますが、立ち上がりから8時間運転した場合で約184円がです。ただしこれは都市ガスの目安で、プロパンガスはこれよりも高くなることが多いです。 |
床暖房のガス代と電気代の比較とは? |
ガス温水床暖房は電気式床暖房と比べて初期費用が高くつきますが、長期的なランニングコストは安くなります。そのため広い面積や複数の部屋に設置する場合には、ガス温水床暖房の方がコストパフォーマンスが良くなることが多いです。 |
床暖房のガス代の節約方法とは? |
ガス温水床暖房のガス代を効果的に抑えるためには、以下のポイントを考慮することが重要です。①設定温度を見直す②断熱対策をする③タイマーを活用する④他の暖房器具と併用する⑤定期的にメンテナンスを行う。 |