健康や美肌に効果的と人気が高まっている炭酸風呂をご存じですか。
炭酸風呂は、炭酸ガス(二酸化炭素)が溶け込んだお湯のことです。
ヨーロッパでは、古来から炭酸風呂が美容や健康に効果的だとして入浴療法が行われてきました。
しかし残念ながら、温泉大国と言われる日本には天然の炭酸泉はほとんどありません。
では、気軽に炭酸風呂を楽しむことができないのでしょうか?
いいえ、実は炭酸風呂は自分でも簡単につくることができ、誰でも自宅で炭酸風呂に入ることができるのです。
これから炭酸風呂の効果や効能、そして炭酸風呂の作り方を解説していきます。
炭酸風呂って知ってる?
これまで、日本で炭酸風呂を楽しむのは難しいとされてきました。
日本には、天然の炭酸泉がほとんど存在しないからです。
しかし、炭酸泉を人工的に製造する装置が開発されてきたおかげで、最近ではスーパー銭湯や地域の銭湯でも「話題の炭酸風呂」と謳っているのをよく見かけるようになりました。
炭酸泉は、お湯1リットルに対して二酸化炭素が250ppm以上含まれるものをいいます。
また、1000ppmを超えるものを、
「高濃度炭酸泉」といい、炭酸風呂の魅力をより体感しやすいようです。
炭酸風呂に入浴すると、身体が細かい泡にシュワシュワと包まれます。
皮膚がほんのりピンク色になり、ホカホカして気持ちがいいと銭湯でも人気を博しています。
炭酸風呂の効果と効能
一般的に、入浴には体を温めて血行を促進する効果や効能があります。
では、炭酸風呂ならではの効果や効能にはどのようなものがあるでしょうか。
・血行促進
血圧低下炭酸風呂は、皮膚の毛穴から二酸化炭素を吸収することで血管が拡張し、血流が増します。
血圧が急激に上がる通常の入浴とは異なり、炭酸風呂は徐々に血圧が下がるために身体への負担が減ります。
また、冷え性やむくみなど血流障害による症状の改善も期待できます。
・疲労回復
入浴すると、私たちの身体の中でヒートショックプロテインというタンパク質が増えます。
ヒートショックプロテインは細胞の修復作用があり、疲労回復にも役立ちます。
炭酸風呂は、普通のお風呂よりもヒートショックプロテインが多く現れるので、より疲労回復の効果があるのです。
・ハリのあるやわらかい肌
美肌炭酸が古い角質を吸着し、毛穴の汚れを取ってくれるため、ハリのあるやわらかい肌になります。
また血行促進作用があるため新陳代謝が活発になり、目の下のクマやくすみ、肌荒れなどの肌トラブルを予防してくれます。
炭酸風呂は自宅で作れる!
「健康や美容に効果的な炭酸風呂を毎日のように楽しみたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、天然の炭酸泉を探すのも、たびたび通うのも大変です。
だからといって、炭酸泉を作り出す装置は高価だから躊躇してしまいますね。
実は、炭酸風呂は簡単に手作りできるので、自宅でも手軽に炭酸風呂が楽しめるのです。
スーパーやドラッグストアで手に入れられる材料を混ぜるだけで、あっという間に人気の炭酸風呂になります。
さっそく、自宅で簡単にできる炭酸風呂の作り方をご紹介します。
材料
必要な材料は、たった2つです。
「重曹」と「クエン酸」。以上です。
分量はそれぞれ下記容量で用意してください。
重曹:150g
クエン酸:100g
(掃除用のものと食品用のものがあるので、食品用を購入しましょう!)
スーパーやドラッグストアなどの身近なお店で、比較的安価で手に入ります。
作り方
まずお湯は150リットルにはっておきましょう。
次にクエン酸をお湯に混ぜ、
しっかりと溶かします。
そして湯船につかる直前に重曹を混ぜましょう。
すると、シュワシュワーという音とともにたくさんの小さな泡が発生し、あっという間に炭酸風呂ができあがります。
材料を別々に入れるのが面倒な方は、
あらかじめ2つの材料を混ぜて数日分作っておくやり方もあります。
ただし、湿気を含むので早めに使い切りましょう。
効果を高める入り方
炭酸風呂が効果を発揮しやすいお湯の温度は38度くらいが適温です。
あまりにお湯の温度が高いと、すぐに炭酸ガスが抜けてしまいます。
普通のお湯だと少しぬるめだなと感じるかもしれませんが、炭酸の効果があるので温かく感じます。
また、炭酸風呂は古い角質を取る効果があるので、あまりに低い温度では不要な皮脂が取れにくく、高すぎると今度は必要な皮脂まで損なわれてしまいます。
炭酸を強く感じるのは初めの10分程度なので、材料を湯船に入れるのはお湯に浸かる直前がおすすめです。
材料を入れた直後は炭酸ガスの濃度が高いので、より健康効果や美容効果を得ることができます。
お風呂に浸かっている間、お湯を激しくかき回したりすると、振動でせっかくの炭酸ガスが抜けてしまいます。
あまりお湯を動かさないようにしましょう。
足湯やハンド浴でも効果絶大!
毎日ゆっくりお風呂に浸かる時間がない方や、手足の冷えが気になる方は、足湯やハンド浴を試してみましょう。
時短にもなりますし、服を脱がず手軽にできるのでオススメです。
【炭酸風呂の作り方】
足湯は自宅にあるバケツに、ハンド浴は洗面器にお湯を入れます。
その中にクエン酸を7~8グラムほど入れてよく溶かします。
そして重曹を10グラムほど溶かします。手や足を入れて10分ほど温めましょう。
身体の末端にある足先や指先を炭酸のお湯で温めるだけで、身体全体の血行が促進され、代謝もアップします。
しかも、炭酸湯の効果で指やかかとの古い角質が取れるので、ガサガサ予防にもなります。
足湯もハンド浴も手軽にできるので、ぜひ毎日でも続けてもらいたい美容法です。
お風呂の掃除にも役立つ炭酸風呂!
重曹風呂をした翌日の朝に水抜きをすると、薄い茶色の汚れがバスタブの底にうっすらと貯まっていることがあります。
これは、重曹が不要な皮脂やバスタブにこびりついていた汚れを落としたからです。
つまり、重曹風呂の残り湯はお風呂の掃除にも使えるのです。
重曹風呂をした後は、お湯が温かいうちにバスタブを掃除してしまいましょう。
バスタブは皮脂汚れがメインなので、重曹風呂の残り湯で少しこすれば、たちまち汚れが落ちます。
また、クエン酸は石けんカスや水垢に強いので、残り湯で壁や床の汚れも落としてしまいましょう。
注意事項
・重曹風呂には、必ず重曹を使いましょう。
重曹の代わりに、炭酸ソーダやセスキ炭酸ソーダを用いるのはお勧めしません。
重曹は弱アルカリ性ですが、炭酸ソーダやセスキはそれよりもアルカリが強いので、取り扱いに注意が必要です。
名前は似ていますが、お間違えのないようにしてくださいね。
・重曹とクエン酸は、食品グレード以上のものを用意しましょう
薬用、食用、工業用と3段階のグレードに分かれていますが、肌に直接触れるものですので工業用はやめておくのが無難です。
・しっかりと換気を行いましょう。
炭酸風呂をすると、浴室の中が炭酸ガスで充満します。体調を崩す原因となりかねませんので、換気を怠らないようにしましょう。
・追い炊きはしないようにしましょう。
重曹やクエン酸を入れたお湯で追い炊きをすると、風呂釜の材質によっては炭酸銅の生成が起こる可能性があります。
まとめ
風呂は、健康と美容に効果的なだけでなく、お風呂の掃除にも役立つなんて一石三鳥ですよね。
しかも、コストパフォーマンスも抜群なんて、最高です。
いいことづくしの手作り炭酸風呂、お手軽にできるのでぜひ今日から試してみてくださいね。