シャワーにかかるガス代
まずはシャワーにかかるガス代を見てみましょう。
シャワーを浴びる時間は10分を想定します。
一般に、シャワー1分当たりに使用する水は10L前後です。
さらに、今回は以下の条件で計算します。
【都市ガス】
従量単価=161円/㎥ ※1
発熱量=10,750kcal/㎥ ※2
【プロパンガス】
従量単価=600円/㎥ ※3
発熱量=24,000kcal/㎥ ※4
【給湯】
水道水=20℃
お湯=40℃
熱効率=80%
出典:
※1 東京ガス/東京地区等/一般契約料金/22年9月検針分
※2 東京ガス/都市ガスの種類・熱量・圧力・成分
※3 日本エネルギー経済研究所石油情報センターのデータを基にエネピが独自で算出(東京都)
※4 経済産業省エネルギー庁/標準発熱量・炭素排出係数(総合エネルギー統計)
では、ガスの種類ごとに計算結果を見ていきましょう。
都市ガスでシャワーを使用したときのガス代
シャワー10分間のガス代を求める計算式は以下の通りです。
水量100L × (40℃ − 20℃) ÷ (10,750kcal × 熱効率80%) × ガス単価161円 ≒ 37円
したがって、都市ガスの場合、シャワー1回にかかるガス代は37円となります。
プロパンガスでシャワーを使用したときのガス代
さきほどと同様に計算してみます。
水量100L × (40℃ − 20℃) ÷ (24,000kcal × 熱効率80%) × ガス単価600円 ≒ 63円
したがって、プロパンガスの場合、シャワー1回にかかるガス代は63円となります。
お風呂にかかるガス代
続いて、お風呂を沸かすときにかかるガス代を見てみましょう。
浴槽にためる湯量は200Lを想定。そのほかの条件は前述の通りとします。
都市ガスでお風呂を沸かしたときのガス代
お湯はりのガス代を求める計算式は以下の通りです。
水量200L × (40℃ − 20℃) ÷ (10,750kcal × 熱効率80%) × ガス単価161円 ≒ 75円
したがって、都市ガスの場合、お湯はりにかかるガス代は75円となります。
プロパンガスでお風呂を沸かしたときのガス代
上と同様に計算してみます。
水量200L × (40℃ − 20℃) ÷ (24,000kcal × 熱効率80%) × ガス単価600円 ≒ 125円
したがって、プロパンガスの場合、お湯はりにかかるガス代は125円となります。
シャワーとお風呂のガス代比較
それでは、ここまでの計算結果をまとめてみます。
シャワーとお風呂のガス代を、ガスの種類ごとに比較すると以下の通りです。
シャワーのガス代 | お風呂のガス代 | |
---|---|---|
都市ガス | 37円 | 75円 |
プロパンガス | 63円 | 125円 |
このように、お風呂を沸かすよりもシャワーのみを使用したほうが、1回のガス代は節約できます。
しかし、実は「1回のガス代」というところに落とし穴があるのです。
その点については次項で詳しく解説します。
水道代もあわせたらどちらが安い?
お風呂は一度沸かしてしまえば、それ以上は水を使いません。
一方、シャワーは使用回数が増えれば、そのぶん水の消費量も増えてしまいます。
そのため、世帯人数によってガス代および水道代に差がでるのです。
そこで、シャワーとお風呂とにかかるガス代・水道代を含めた光熱費を、世帯人数別に計算してみたいと思います。
なお、水道代は以下の条件で計算します。
【水道代】
1Lあたり0.16円
出典:東京都水道局
一人暮らしのシャワー代・お風呂代
一人暮らしの場合、ガス代は上記と変わりません。
したがって、水道代のみ加算すれば光熱費が求められます。
【シャワーを使用する場合】
水道代:100L × 0.16円 = 16円
■都市ガス
光熱費:37円 + 16円 = 53円
■プロパンガス
光熱費:63円 + 16円 = 79円
【お風呂を沸かす場合】
水道代:200L × 0.16円 = 32円
■都市ガス
光熱費:75円 + 32円 = 107円
■プロパンガス
光熱費:125円 + 32円 = 157円
以上より、一人暮らしの場合はシャワーを使用したほうが光熱費を節約できます。
二人暮らしのシャワー代・お風呂代
二人暮らしの場合、シャワーの水量が一人分増えるのでガス代が変わります。
さらに水道代を加算すると、光熱費が求められます。
【シャワーを使用する場合】
水道代:200L × 0.16円 = 32円
■都市ガス
光熱費:37円 × 2 + 32円 = 106円
■プロパンガス
光熱費:63円 × 2 + 32円 = 158円
【お風呂を沸かす場合】
水道代:200L × 0.16円 = 32円
■都市ガス
光熱費:75円 + 32円 = 107円
■プロパンガス
光熱費:125円 + 32円 = 157円
以上より、二人暮らしの場合は光熱費にほとんど差はありません。
三人暮らしのシャワー代・お風呂代
三人暮らしの場合、シャワーの水量が二人分増えるのでガス代が変わります。
さらに水道代を加算すると、光熱費が求められます。
【シャワーを使用する場合】
水道代:300L × 0.16円 = 48円
■都市ガス
光熱費:37円 × 3 + 48円 = 159円
■プロパンガス
光熱費:63円 × 3 + 48円 = 237円
【お風呂を沸かす場合】
水道代:200L × 0.16円 = 32円
■都市ガス
光熱費:75円 + 32円 = 107円
■プロパンガス
光熱費:125円 + 32円 = 157円
以上より、三人暮らしの場合はお風呂を沸かしたほうが光熱費を節約できます。
このように、世帯人数によって光熱費は変化します。
世帯人数が三人以上になると、お風呂よりもシャワーのほうが光熱費を押し上げてしまうようです。
お風呂にかかるガス代を節約する方法
世帯人数が多くなるほど、お風呂を上手に活用することが節約のカギといえます。
そこで、お風呂で使えるおすすめの節約術を紹介したいと思います。
追い焚きを控える

お風呂がぬるくなると追い焚きをすることもあるでしょう。
ただ、200Lの風呂の温度を1℃上げるごとに都市ガスであれば約4円、プロパンガスであれば約7円のガス代がかかります。
1カ月で考えると100~200円のコスト増になってしまうので、なるべく追い焚きは控えましょう。
お風呂のフタをしめる

上記のガス代の計算は、お風呂を沸かすときに熱が逃げないと仮定したうえでの結果です。
しかし実際は、熱は確実に逃げていきます。ただ、お風呂にフタをすることで「熱が逃げない」という条件に近づけることはできます。
世帯人数が多いほど、お風呂の温度を下げないことは光熱費の節約につながるでしょう。
保温グッズを使用する
前述のとおり、お風呂は徐々に冷めていきますが、追い焚きを繰り返すとガス代が高くなってしまいます。
そこで、お風呂を保温してくる「保温グッズ」の使用がおすすめです。
保温グッズはいくつか種類がありますが、比較的安価で手軽に始められるのが「保温シート」でしょう。
保温シートは使い方も簡単で、お風呂のフタのように湯面に浮かべるだけで保温力をアップしてくれる優れものです。
給湯温度を下げる

前述のとおり、追い焚きでお風呂の温度を1℃上げるためには、都市ガスであれば約4円かかります。
つまり裏を返せば、給湯温度を1℃下げると約4円の節約になるのです。そして毎日継続すれば、1カ月で約120円お得になります。
特に、暑い夏場などは給湯温度を2、3℃下げてもいいかもしれませんね。
なお、ガス代の節約術については以下の記事でより詳しく解説しています。お風呂以外でも節約に取り組みたい方はぜひ参考になさってください!
ガス会社を切り替える
最後に紹介する節約方法は「ガス会社を切り替える」です。
この方法は、お風呂に限らず家庭のガス代を抜本的に安くする可能性を秘めています。
というのも、ガスの料金プランはガス会社によって差があるためです。特にプロパンガスは、自由料金制のため相場よりも大幅に高い料金プランも見受けられます。
そこでenepiでは、プロパンガス会社の料金比較サービスを提供しております。
お住まいの地域のガス会社の料金プランをWEB上で簡単に比較できるので、「プロパンガス料金を抑えたい!」「プロパンガス料金の相場が知りたい!」という方は、以下のボタンからチェックしてみてくださいね。
まとめ
ここまでの内容について、簡単に整理しておきましょう。
シャワーにかかるガス代はいくら? |
---|
シャワーを浴びる時間を10分、使用する水量を10Lと仮定した場合、都市ガスでは約37円、プロパンガスでは約63円のガス代がかかります。 |
シャワーとお風呂はどっちが高い? |
シャワーとお風呂との光熱費の比較は世帯人数によって異なります。単身世帯であればシャワーのほうが安くなりますが、三人以上の世帯であればお風呂のほうが安くなります。 |
シャワーでもお風呂でも使える節約方法とは? |
ガス代を抜本的に安くするためには「ガス会社の切り替え」がおすすめです。特にプロパンガスの場合は、ガス会社ごとの料金差が大きい傾向にあるので、節約効果も期待できます。安くて信頼できるガス会社をお探しの方は、ぜひenepiの料金比較サービスをご利用ください! |
お風呂とシャワー、それぞれにかかるガス代をよく理解すると、効果的な節約対策ができるでしょう。
日々の疲れを癒やしてくれるお風呂やシャワーを倹約しながら上手に使えれば、より気持ち良く生活できるはず! ぜひ家族構成やライフスタイルに合わせて工夫してみてくださいね。