今年4月から電力小売が自由化され、
来年4月には都市ガス小売も自由化されるなど、
エネルギー業界は大競争時代に突入します。

これまでにもプロパンガスは、都市ガスやオール電化との
需要獲得競争を繰り広げてきましたが、
今後あらゆるエネルギーの小売が自由化されると、
消費者の信頼を得るためにも価格を透明化することが避けて通れません。

電力や都市ガスがオープン価格であるのに対し、
プロパンガスは業者や地域・顧客によって価格が異なり、
安売り業者による顧客獲得競争でトラブルになることもしばしばあります。

このため価格を透明化すれば、顧客からの信頼が得られるとともに、
他の業者からの顧客防衛、さらに電気・都市ガスなどとの
競争にも対抗できる一つのアイテムとすることができます。

プロパンガス料金透明化の概要

プロパンガスは電気や都市ガスと異なり、
既に料金設定が自由化されている市場ですが、
料金が自由に決められるために、
販売事業者や地域、顧客別に販売単価が異なります。

このため、安売り業者の売り込みや、
最近はインターネットの書き込みなどにより
価格差が消費者の知るところとなるほか、
単価を巡ってトラブルとなることもあります。

また、エネルギー小売自由化時代を控え、
価格競争力を付けていかなければならない背景もあります。

このため国の主導で価格透明化の議論が行われ、
ホームページを使った価格の公表、賃貸住宅入居者に対する料金説明促進、
値上げ・請求時の説明などによる透明化が具体的施策として提言されました。

経産省が主要販売事業者50社に行ったヒアリングでは、
半数以上が今年7月までに
ホームページなどで料金を公表すると回答しています。

プロパンガス料金透明化の目的と背景

プロパンガスは全国2400万世帯が利用するなど
国民生活に密着したエネルギーです。

分散型エネルギーの特性から災害時は「最後の砦」と位置付けられています。
しかし、近年は主力の家庭用をはじめ需要が減少傾向にあり、
既に価格が自由化されているため、
販売業者の安売り競争が過熱しています。

同一商品でありながら価格体系が複数あるため、
消費者からプロパンガス(LPガス)小売価格の不透明性や
取引方法に対する問題点が指摘されていました。

こうした中、電力小売が今年4月から自由化され
来年4月には都市ガス小売も自由化されるなど、
エネルギー自由化時代を目前に、
価格透明性に対する消費者の目が厳しくなっていることから、
このほど、国が主導する形でプロパンガスの価格透明化が本格的に動き出したわけです。

なぜ多くのプロパンガス会社は料金を透明化したがらないのか?

プロパンガスは業界内で利益率の高い商材と位置付けられ、
このほど小売自由化された電力などと比べても
「非常に儲かる」と認識されています。

このため、料金透明化が進めば値下げ圧力が強まり、
販売各社の利潤も低下する可能性が高いといえます。

また、料金を公開することで競争相手に手の内をさらすことになり、
企業規模に勝る安売り事業者が低価格競争を仕掛けてくれば、
需要喪失と業績悪化につながり存立基盤が危うくなります。

さらに、エネルギー自由化により
今後は異業種からの参入も増えることが予想され、
生き残りが難しくなってくるからです。

プロパンガス料金透明化のメリット

料金透明化は消費者の要望でもあるわけですから、
当然ながら料金を公表すれば消費者からの信用が増し、
顧客離れ防止につながります。

また、電力などとセット販売を行う場合でも、
プロパンガスを含めた全ての商品・サービスの価格がオープンならば、
切り替えを希望する顧客の判断材料になります。

逆に言えば、価格透明性がない商品・サービスは判断材料がないため、
顧客も切り替えに二の足を踏むことが予想されます。
さらに、セット販売に必要な異業種との連携でも、
パートナーから信頼を得られやすくなります。

まとめ

プロパンガスは電気や都市ガスとの競争により、
じりじりと需要が後退しているので、
少子高齢化社会を迎え成長産業とは言えない面もあります。

こうした中、エネルギー自由化時代で競争も激しくなりますが、
料金透明化をうまく活用すれば顧客からの信頼を得て、
少なくとも現状をキープしていくことは決して難しいことではありません。

もちろん価格競争力の強化が必須ですが、
料金透明化による信頼度アップに顧客密着度の高さなど、
本来持つ特性を生かしていけば生き残ることは可能です。

文化的生活を送る上でガスは欠かせないものです。
縮小しても消滅することはありません。
プロパンガス(LPガス)会社が競争を勝ち抜くためには
価格透明化をうまく活用することを考えていく必要があるということですね。

私たち消費者にとっても、
料金が透明化されれば、前述したようにメリットがたくさんあります。
この機会に、ご自宅で契約中のプロパンガス(LPガス)会社が信頼できる会社かどうか
確かめてみるのもいいかもしれません。

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今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。