東邦ガスの料金高騰問題に対する最適なアプローチは、自宅のインフラ環境(都市ガスかプロパンガスか)、世帯人数、そして電気とガスの消費バランスに即して個別具体的に検討する必要があります。
「今月の請求書を見て驚いた」「何も使い方は変えていないのに高くなった気がする」という悩みを抱える方は、第一段階として、自宅のガス供給が都市ガスかプロパンガスかを確認しましょう。
この記事で分かること
- 東邦ガスの料金が高くなってしまう4つの主な原因(季節要因、原料費高騰、プランの不一致、セット割の未活用)
- 東海エリアにおける世帯人数別のガス代平均相場と、ご自宅の料金との比較方法
- 東邦ガスのままで料金を下げるためのプラン見直し方法(がすてきトクトク料金、床暖トクトク料金など)
- 中部電力ミライズをはじめとする他社への乗り換えや、電気・ガスセット契約による削減効果
- ガス会社を切り替える際の注意点(違約金の有無、手続きの手間、ポイントの失効など)
まずチェック!自宅のガスは都市ガス、プロパンガス?

ガス代が高いと感じた際、まずはご自宅で契約しているガスが「都市ガス」なのか「プロパンガス(LPガス)」なのかを確認することが最優先です。実は「東邦〜」という名前がついていても、都市ガスの東邦ガスではなく、子会社の「東邦液化ガス」などが提供するプロパンガスを契約しているケースが多々あります。
一般的に、プロパンガスは都市ガスと比較して、基本料金・従量料金ともに高めに設定されている傾向にあります。都市ガスは地下に埋設された導管ネットワークを通じて集中的に供給されるのに対し、プロパンガスは各家庭にガスボンベを配送する個別供給方式を採用しています。このため、プロパンガスはボンベの配送費、人件費、保安維持費などの物流コストが上乗せされ、構造的に都市ガスよりも割高になりやすいのです。
ここがポイント!
もしご自宅がプロパンガスの場合は、東邦ガスのプラン変更ではなく、「プロパンガス会社自体の切り替え」を検討しましょう。ガス会社を比較して切り替えるだけで、毎月の料金を大きく削減できる可能性があります。
東邦ガスの料金が高いと感じる4つの原因

なぜ東邦ガスの料金が高くなってしまうのでしょうか。主な原因としては、以下の4つが考えられます。
原因①:季節要因(冬場の給湯と床暖房)
水温が低い冬場は、お湯を沸かすためにより多くのガスエネルギーを必要とします。冬は給水温度が夏より20℃前後低いため、同じ量・同じ温度のお湯を作るのに、夏の1.8〜2倍程度のガスエネルギーが必要になります(※)。
これに加え、ガス温水式床暖房やガスファンヒーターなどの暖房設備の使用が重なることで、ガスの使用量が跳ね上がり、請求額が高くなります。
※給湯に必要な熱エネルギーΔH[MJ]は、給湯量をm[kg]、水の比熱容量を4.18× 10-3[MJ/(kg·K)]、設定給湯温度をT給湯[℃]、給水温度をT給水[℃] とすると、物理式[ΔH=m·cp·(T給湯-T給水)]で求められる。
原因②:世界的な燃料費・原料費の高騰
都市ガスの従量料金単価には、輸入液化天然ガス(LNG)および液化石油ガス(LPG)の貿易統計価格に連動して毎月変動する「原料費調整額」が含まれています。これは、輸入するLNGなどの価格変動を毎月の料金に反映させる仕組みです。近年の地政学リスクや円安の進行に起因するエネルギー価格の高騰によって、使用量が同じでも請求額が上がってしまうことがあります。
原因③:契約プランが「一般料金」のままになっている
都市ガス自由化後に登場した『がすてきトクトク料金』などの割引プランに移行せず、契約時のまま一般ガス料金を使い続けている世帯は、実質的に割高な料金を払い続けている可能性があります。「がすてきトクトク料金」などの自由料金プランは、一定の使用量において「一般ガス料金(供給約款料金)」を下回るように単価が設計されています。
原因④:電気とのセット割を活用しきれていない
エネルギー各社が提供するセットプランや会員向けサービスを活用しきれていないことも、コスト高の要因です。例えば、一般的な二人暮らし世帯(月間電気使用量300kWh・ガス使用量25㎥程度)において、電気・ガスのセット割引や会員向けポイント還元を活用しない場合、年間で数千円程度の差が生じる可能性があります。
ご自宅のガス代は高い?世帯人数別の平均相場と比較

ご自宅のガス代が適正か否かを判定するには、客観的な市場統計データとの比較が有効です。東海エリア(主に愛知県)における、一般的なガス代の目安は次のとおりです。
| 世帯人数 | 東海地方における一般的なガス代目安(月額平均) | 愛知県の年間・季節別平均ガス代 |
|---|---|---|
| 1人世帯 | 約 3,000円〜4,000円 | 通年平均:6,477円 / 春季平均:5,748円 / 夏季平均:3,198円 / 秋季平均:2,787円 / 冬季平均:4,548円 |
| 2人世帯 | 約 4,500円〜6,000円 | 通年平均:8,351円 / 春季平均:7,431円 / 夏季平均:4,714円 / 秋季平均:3,750円 / 冬季平均:6,796円 |
| 3人世帯 | 約 6,000円〜8,000円 | 通年平均:8,903円 / 春季平均:7,775円 / 夏季平均:5,409円 / 秋季平均:3,962円 / 冬季平均:7,171円 |
| 4人世帯 | 約 8,000円〜10,000円超 | 通年平均:9,184円 / 春季平均:8,213円 / 夏季平均:5,178円 / 秋季平均:3,806円 / 冬季平均:7,001円 |
※出典:総務省「家計調査」および一般財団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センター等(2026年8月時点)
※統計データの特性上、愛知県の実績推移にはプロパンガス供給世帯のデータも含まれて集計されているため、都市ガス単体の目安額よりも高めの推移を示しています。
より正確にご自身の状況を把握するためには、東邦ガスの会員サービス「Club TOHOGAS」を利用してみてください。マイページを確認することで、前年同月の使用量や、似たような世帯人数のご家庭とガス代を簡単に比較することができます。
東邦ガスの料金を安くするための3つのアプローチ

ここからは、実際にガス代を安くするための具体的な方法をご紹介します。ご自身のライフスタイルに合わせて、無理なく続けられる方法を取り入れてみてください。
① 東邦ガスのままでプランを見直す
東邦ガスを使い続けたい場合は、料金プランの変更を検討してみましょう。東邦ガスの主な自由料金プランの特徴および割引条件は以下の通りです。
がすてきトクトク料金:
使用するガス機器を問わず、すべての世帯が申請可能な一般家庭向けプラン。規制料金である「一般ガス料金」と比較して従量料金単価が安く設定されており、一定以上のガス使用量において料金を抑えられる設計となっています。契約成立後の最初の定例検針日の翌日から適用が開始され、契約期間は2年間(自動更新)です。
床暖トクトク料金:
居住用住宅においてガス温水暖房(床暖房等)を居室で使用し、かつ暖房用熱源機を設置している世帯専用のプラン。このプランには「標準プラン」と、高効率給湯器エコジョーズを使用している世帯向けの「エコジョーズプラン」の2つがあります。
| 項目 | 標準プラン(2種) | エコジョーズプラン(1種) |
|---|---|---|
| 基本料金(一律) | 2,915円00銭 | 2,860円00銭 |
| 基準単位料金(1㎥あたり) | 120円89銭 | 117円84銭 |
| 一般料金に対する優位境界 | 月間28㎥以上の使用で割安 | 月間25㎥以上の使用で割安 |
| 付帯可能な割引メニュー | 浴室暖房乾燥機または衣類乾燥機利用で「乾燥割引(5%)」、コージェネ併用で「エコウィル割引(5%)」、双方併用で「エコウィル乾燥割引(10%)」が適用可能(割引上限は最大3,300円/月) | 浴室暖房乾燥機または衣類乾燥機利用で「乾燥割引(5%)」が適用可能(割引上限は最大3,300円/月) |
※適用にあたっては契約期間は1年間(自動更新)、ガス機器の設置状況を物理的に確認するための訪問調査が行われる場合があります。
あったかトクトク料金:
調理、温水、暖房の3カテゴリーすべてにおいてガス機器を常用している世帯向けのプランであり、特にガス消費量の多くなる暖房期(12月〜4月)とそれ以外の時期(5月〜11月)で料金が細分化されています。
※あったかトクトク料金のうち、エコジョーズプラン(旧・家庭用調理・温水・暖房契約1種)は2021年4月20日をもって新規申込受付を終了しました(床暖トクトク料金のエコジョーズプランとは別のプランです)
なおプラン見直しと同時に、「Club TOHOGAS」で毎月貯まる「がすてきポイント」をガス料金の支払いに充当することも地道な節約につながります。
中部電力ミライズなどの「新ガス会社」へ乗り換える
東海エリアでは中部電力ミライズ(カテエネガス)をはじめとする新ガス会社が、それぞれの優位性を押し出したプランを提供しています。
なかでも中部電力ミライズの「カテエネガスプラン1」は、東邦ガスの「一般ガス料金」「がすてきトクトク料金」「エコジョーズ料金」などからの移行に対応しており、単体のガス料金単価においても東邦ガスを全般的に下回る水準に設定されています。さらに、同社の電気とガスをまとめることで「カテエネガスセット割引」が適用され、ガス基本料金と従量料金の合計額から一律2%が割引される仕組みです。
ただし契約を一本化する「セットプラン」においては、電気とガスの使用比率によって会社ごとの優位性が変化するため注意が必要です。各世帯人数および使用量目安における、東邦ガスと中部電力ミライズのコスト比較については、以下を参考にしてください。
| 世帯属性(使用量クラス) | 料金の優位性と年間削減効果 | 構造的特徴と要因分析 |
|---|---|---|
| 一人暮らし世帯(電気:200kWh / ガス:10㎥) | 中部電力ミライズ優位(年間約2,484円お得) | 総使用量が極小であるため、ガス基本料金の低廉さとセット契約時に付与されるポイント還元率、ガス2%割引の恩恵を最大化できる中部電力ミライズに優位性がある |
| 二人暮らし世帯(電気:300kWh / ガス:25㎥) | 中部電力ミライズ優位(年間約8,424円お得) | エネルギー消費が平均的な規模の世帯では、中部電力ミライズのガス基本単価の低さとガス2%割引が、電気基本料金の差を上回る |
| 三人家族世帯(電気:350kWh / ガス:30㎥) | 中部電力ミライズ優位(年間約10,524円お得) | 中規模ファミリー層においても、中部電力ミライズのセットプランによる包括的な割引効果が機能し、全体の光熱費が圧縮される |
| 多量消費ファミリー世帯(電気:600kWh / ガス:50㎥) | 東邦ガス優位(年間約3,500円お得) | 東邦ガスの電気「ファミリープラン」は多量消費において、基本料金や電力量料金の価格設定が極めて安価に設定されている。ガスの差額よりも、電気代の削減額が支配的となるため東邦ガスが逆転する |
| 最安構成(別々契約)(全消費世帯が対象) | 最安値構成の成立(セット契約単体より安価) | 「電気は単価メリットが最大の東邦ガス(ファミリーまたはシンプル)」を契約し、「ガスは全段階で安価な中部電力ミライズ」と個別に契約する戦略である。セット割引(ガス代の2%削減)よりも、両社の最大価格メリット(電気・ガスそれぞれの基本単価の安さ)が上回り、総光熱費は最小となる |
※東邦ガスの「ファミリープラン(電気)」への加入は、同一需要場所において同グループ(東邦ガス、東邦液化ガス等)のガス契約があることが必須要件。ガス契約がない場合は「シンプルプランⅠ / Ⅱ」が代替候補となります。
③ 今日からできる!ガスの使用量を減らす即効節約術
プラン変更や乗り換えと併せて、日々の使い方を見直すことでさらに固定費を削れます。
- お風呂編: お湯が冷めるのを防ぐため、家族で間隔を空けずに入浴して追い炊きの回数を減らしましょう。また節水シャワーヘッドを導入し、使用水量を減らすことで昇温用ガス熱源エネルギーを低減する手法が有効です。
- キッチン編: コンロの火は鍋底からはみ出さない程度の「中火」を保つと無駄がありません。また熱伝導性の高い金属調理器具を多用することや、野菜の下茹でといった加熱プロセスを比熱容量効率の高い電子レンジ加熱に代替することなども、コンロ稼働時間を短縮してガス消費量を削減する実効性の高いアプローチです。
東邦ガスから他社へ乗り換える際の注意点

ガス会社の乗り換えは非常に効果的ですが、手続きの前に以下の3点を確認しておきましょう。
- 解約違約金について: 一般的な都市ガスの契約であれば、他社へ切り替える際に解約金や違約金がかからないケースがほとんどです(※一部の特別なプランやキャンペーン適用時を除く)。加えて、乗り換え先のガス会社でも契約手数料などの初期費用は原則かかりません。
- 工事や手続きの手間: 切り替えに伴うガスの配管工事などは原則不要です。また新しいガス会社へWebから申し込むだけで手続きが完結し、東邦ガスへの解約連絡も新しい会社が代行してくれます。
- ポイントの取り扱い: 解約時期によっては、貯まっている『がすてきポイント』が失効する場合があります(詳細は東邦ガス公式サイトでご確認ください)。また乗り換え先の会社では「ガス単体の契約はポイント付与の対象外」となることが多いため、ポイントを貯めたい場合は電気とのセット契約を検討しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「東邦ガスの電気」は高いのでしょうか?
A. 世帯の電気使用量(単身かファミリーか)によって評価が分かれます。一人暮らしなどで電気使用量が少ないご家庭の場合、基本料金や単価設定の構造上、中部電力ミライズ等と比較して割引メリットが出にくく、割高に感じられるケースがあります。
一方で多量消費ファミリー層の場合、東邦ガスの電気(特にガス契約者向けの「ファミリープラン」)は単価が割安に設定されているため、中部電力ミライズや他社よりも電気代を抑えられるケースが多く見られます。
Q2. 東邦ガスとTOKAI(TOKAI都市ガス/TOKAIでんき)はどちらがお得ですか?
A. ガスの使用量および電気の使用量の組み合わせによって異なります。TOKAIの都市ガス料金は東邦ガスの一般料金と比較して約3%割安な基準単価に設定されており、セット割(月200円引き等)が適用されるアドバンテージがあります。
ただし、電気使用量が少ない世帯(例:月300kWh未満)では「TOKAIでんき」の料金設定が割高になるため、総合光熱費で東邦ガスや中部電力ミライズを下回れない場合があります。月間電気使用量が350kWh以上のファミリー層であれば、TOKAIへの一本化も有力な選択肢となります。
Q3. 東邦ガスから他社へ切り替える際、解約違約金や手数料は発生しますか?
A. 一般的な都市ガス料金プランおよび電気プランの解約にあたり、解約事務手数料や解約違約金が発生することは原則ありません。手続きも新しいガス会社へのオンライン申請のみで完了し、解約連絡も代行されます。
ただし、過去に特定の長期継続割引キャンペーンや機器購入に伴う特約プランへ加入している場合は解約金が発生する可能性もあるため、念のため「Club TOHOGAS」や請求書等で事前に特約の有無を確認しておくと安心です。
まとめ:ご家庭に合った最適なプランやガス会社を選びましょう
本記事が示す通り、東邦ガスの料金高騰問題に対する最適なアプローチは、各家庭のインフラ環境(都市ガスかプロパンガスか)、世帯人数、そして電気とガスの消費バランスに即して個別具体的に検討しなければなりません。
第一段階として、自宅のガス供給が都市ガスかプロパンガスかを確認し、プロパンガスである場合は供給自体(ガス会社)を比較検討することが最優先事項となります。他社へ乗り換えることで年間数万円もの急激な料金削減を実現できる場合があります。
都市ガス供給下にある場合は、以下の2分岐による「電気・ガス契約の見直し」をおすすめします。
- 3人以下の低〜中消費世帯、または家計契約の一元化(支払い利便性)を望む世帯: ガス料金の基本単価そのものが一貫して安く、さらにセット契約時にガス料金一律2%割引がある「中部電力ミライズ(おとくプラン/ポイントプラン+カテエネガスプラン1)」にまとめることで、年間トータルでの光熱費を最小に抑えられる可能性がある。
- 4人以上の高消費ファミリー世帯、または極限まで実質価格の安さを追及する世帯: 電気・ガス双方を同一会社にまとめる「セット割」の盲点を突き、敢えて「電気は高消費帯での電力量料金単価に優位性を持つ東邦ガス(ファミリープラン)」を、そして「ガスは段階料金すべてにおいて安価な中部電力ミライズ(カテエネガスプラン)」を個別に別契約で稼働させる分離戦略を検討する。
最適な選択は各家庭のライフスタイルと消費データの中にあります。まずはお手元の検針票(請求書)を確認し、ご自宅の契約状況を把握することから始めましょう。さらに『エネピ』の料金比較サービスを利用すれば、あなたのご家庭にぴったりの最安プランをすぐに見つけることができます。最適な選択で無理のないスマートな固定費節約を実現させましょう!
