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プロパンガス(LPガス)は、
現代の日本において欠かせない
エネルギーの1つとなっています。

今回はプロパンの輸入、
供給体制、備蓄体制についてご紹介します。

プロパンガス(LPガス)の生産方法

まず、私たちの生活に欠かせない
プロパンガス(LPガス)は
どのように生産されているのでしょうか。

プロパンを生産する方法は、
油田と天然ガスの中に存在する
メタン・エタンなどのガスと
混在した状態になっているために、
一度原料となるガスを地上設備に
移送した上で、
プロパンガス・ブタンガスを
分離・回収します。

その時に硫黄・水銀と言った
不純物を取り除き、製品化されていきます。

油田・天然ガス田にある
随伴ガスを分離・抽出する方法を
天然ガス随伴方法と言い、
原油を精製する過程において
分離・抽出する方法を原油随伴方法と言います。

原油からの生産方法

もうひとつの生産方法として
挙げられるのが、原油からの
精製による生産方法です。

原油は沸点の差を利用することで、
成分別に分離濃縮する方法を用いています。

これを加熱することで
常圧蒸留装置の塔内の棚段において、
沸点の低い物質の順に
軽油・灯油・ナフサ・ガスと分離されて、
底部より抽出されていきます。
さらに硫黄分などの不純物を除去して
製品化されていきます。

比率としては、油田からの分離・抽出する
生産方法が24%、
天然ガス田分離・抽出する
生産方法が35%で
合わせて59%となっていて、
原油からの精製による生産方法が
41%となっている現状です。

日本のプロパンガス(LPガス)輸入量

日本のプロパンガス(LPガス)輸入量

では、日本のプロパンの輸入状況は
どのようになっているのでしょうか。

現在日本のプロパンガス(LPガス)
需要量は年間1,600万トンで、
輸入量は1,200万トンと
全体の4分の3の量を海外からの
輸入に頼っています。

のこりの400万トンについても、
国内の製油所で輸入した石油の精製から
生産されています。

輸入量1,200万トンと言う数字は
世界最大の輸入国で、
第2位の韓国の輸入量が
600万トンと言う数字を見ると、
日本のプロパンガス(LPガス)の
輸入量がいかに突出して多いかがわかります。

プロパンガス(LPガス)の輸入経路

では、プロパンガス(LPガス)は
どのような経路をたどって
輸入されているのでしょうか。

プロパンを輸入している国を見てみると、
サウジアラビア・カタール・UAEと
中東産のガス国からの輸入に
頼っている比率が非常に高く、
なんと9割を超える比率になっています。

中東情勢は国際的に見ても
常に不安定な状況にあるために、
供給体制の脆弱さが以前より
指摘されていました。

シェールガスへの期待

しかし、その後アメリカでシェール革命とよばれる、今まで困難だったシェール層からの安価なプロパンガス(LPガス)抽出が可能になった事で、状況が大きく変わりつつあり、中東依存度が極めて高いプロパンガス(LPガス)の輸入比率が少しずつ下がってきています。

国際情勢に不安定な中東からの依存度は下がりつつあるとは言っても、依然として高い比率で輸入している状況なので、さらに中東以外からの供給地の多様化が期待されています。

プロパンの供給体制

プロパンの供給体制

プロパンガス(LPガス)の日本における
供給体制は、4分の3を
産ガス国からの輸入と、
国内の製油所で輸入した石油の
精製から生産とする2つの方法で
行われています。

石油の精製から生産した
ガスの保存をするところを
『石油精製基地』と呼ばれ、
一方の産ガス国から輸入したガスを
保存する施設を輸入基地と呼ばれ、
総称して『一次基地』と呼ばれています。

これらを所有している輸入業者と
販売業者は、石油備蓄法によって
供給連携計画の策定が
義務化されていて、災害時には、
計画に基づいて情報の共有・
設備共同利用・輸送への協力などが
行われるように取り決められています。

プロパンガス(LPガス)の備蓄体制

では、プロパンガス(LPガス)の
備蓄体制はどうなっているのでしょうか。

日本国内において、
現在法律で定められている
備蓄エネルギーは、
石油とプロパンガス(LPガス)になっています。

日本のプロパンの輸入は、
国内の供給量の大半を
中東から輸入しているため、
中東情勢の影響で国民生活や
国民経済に大きな影響を
及ぼしかねないことから、
安定供給が出来るようにするために、
国家備蓄と民間備蓄の整備が進められています。

国家備蓄とは何か?

プロパンガス(LPガス)の場合、
輸入量の50日分が民間施設での備蓄、
いわゆる民間備蓄が行われていて、
40日分に当たる150万トンは
国による備蓄、
いわゆる国家備蓄がなされています。

2013年の時点で、国内には、
茨城県神栖基地・石川県七尾基地・
岡山県倉敷基地・愛媛県波方基地・
長崎県福島基地の
5カ所の国家備蓄基地があり、
150万トンのプロパンが備蓄されています。

民間備蓄とは何か

民間備蓄とは何か

一方、民間の備蓄基地には
大きく分けて一次基地・二次基地、
そして三次基地と呼ばれることもある
充てん所が全国各地に多数あり、
備蓄合計が160万トンとなっていて、
国家・民間備蓄合わせて
310万トンとなります。

この量は、海外からの輸入量の
90日分に相当します。

では、それぞれの基地は
どんな役割を果たしているのでしょうか。

一次基地(輸入基地)

日本国内に輸入されてきた
プロパンガス(LPガス)は、
輸入基地と呼ばれる場所に、
液体のまま貯蔵されます。

このような輸入基地や原油を
精製してプロパンを生産出荷する施設、
石油化学工場タンク設備基地などの総称を、
一次基地と呼んでいます。

プロパンガス(LPガス)は
一般家庭用のほかに、
自動車用、工業用、都市ガス用、
電力用、化学原料用などとして
幅広く利用されているため、
現在、一次基地が全国に63カ所あります。

このような基地を所有している
輸入事業者と販売事業者は、
石油備蓄法で供給連携計画の
取り交わしが義務付けられています。

これに基づき供給連携計画は、
全国9地域において作成されていて、
災害時には計画に基づいて
それぞれの事業者間で情報共有・
設備の共同利用・輸送に係る協力などを
行うことになっています。

東日本大震災を教訓とし、
供給の途絶を防止しつつ、
被災地及び避難所等へのプロパンガス(LPガス)供給が
迅速かつ確実に実施できるように
整備されています。

日本の一次基地(輸入基地)の所在地

輸入基地は全国35カ所にあります。
北海道東北地方/釧路・石狩・勇払・函館・八戸・仙台 
関東地方/根岸・扇島・東扇島・袖ケ浦・富津・日立
中部地方/東新潟・上越・直江津・清水袖師・知多・四日市・川越
関西地方/泉北・堺・姫路
中国四国地方/水島・岡山・廿日市・柳井・坂出・高松・松山
九州沖縄地方/戸畑・福岡・長崎・大分・鹿児島・吉の浦

上記の35カ所に約150万トンを常時備蓄しています。

出荷機能の強化を図るために、4基地に移動式電源車、7基地に専用受電設備を設置して、
大規模災害などの停電時にもプロパンガス(LPガス)が安定して供給されるようにされています。

二次基地

二次基地とは、
輸入基地(一次基地)と呼ばれる、
産ガス国から輸入されてきた
プロパンを貯蔵する施設から、
充てん所と呼ばれるガスボンベ容器に
充てんされる施設までの、
中継基地のことを言います。

沿岸や内陸に配置されていて、
全国の二次基地の数は
48カ所になっています。

輸入基地から二次基地への
輸送には、コースタルタンカーと
呼ばれる沿海船を中心として、
500トン~10,000トン級の
タンカーを利用して、
運搬されています。
形状は球状と枕状のタイプがあり、
二次基地に採用されているのは
球状が主流です。

充てん所(三次基地)

プロパンガス(LPガス)は
二次基地では常温・高圧タンクで
貯蔵されていて、
ここからタンクローリーなどに
積み込まれて、全国各地にある
充てん所へと輸送されます。

全国2,100カ所の充てん所に
運ばれたプロパンは、
ここでガス容器などに充てんされて、
一般家庭用・工業と配送されていきます。

充てん所はプロパンガス(LPガス)を
2~500kgのボンベ容器に
小分けする機能があり、一般的には、
卸業者が充てん所を所有している
ケースが多いようです。

充てん所は1990年代には、
全国で2700カ所以上ありましたが、
流通コストを削減のために統合再編がされ、
現在、全国で約2100カ所存在します。

配送センター

充てん所でガスボンベ容器にプロパンガス(LPガス)を充てんした物は、その後配送センターと呼ばれる所に専用トラックなどで配送されていきます。家庭などの需要家へ届けられる拠点となっています。

震災時に活躍したプロパンガス(LPガス)

このような備蓄により、
不測の事態によって海外からの
輸入が途絶えたり、地震などの
大規模災害発生時にも
対応できるような、備えがされています。

実際、東日本大震災の時には、
東北・関東地域においての
プロパン供給体制の乱れが発生したために、
国家備蓄基地のひとつでもある
茨城県の神栖基地に備蓄してある
プロパンガス(LPガス)が放出され、
被災地を中心に供給し、緊急時に
対応したという事がありました。

大規模災害発生時などの
非常に有効なエネルギーとして
注目されているプロパンだけに、
あらためて国家備蓄体制の意義も高まっています。

まとめ

我が国のプロパンガス(LPガス)は約7割が海外からの輸入に頼っていて、残りについても輸入した原油から作られている状況ですので、実質的には、ほぼ100%を輸入に頼っている状況です。そんな状況を考慮して、年々備蓄量も増やされていき、現在では90日間の蓄えがされているのですね。
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今村 一優の写真

エネルギー事業部責任者

今村 一優

新卒で太陽光発電事業を行うベンチャー企業に入社。商社部門の仲卸営業として、国内外の太陽光発電メーカーの商品を取り扱い、全国の販売施工会社を担当。その後、太陽光発電の一括見積もりサイト運営にも携わる。
2015年にはプロパンガス料金比較サービスenepi(エネピ)の立ち上げを行い、数万人のプロパンガス代削減のサポートをするサービスへ成長させる。
エネルギー領域で10年以上携わった経験と知識を活かして、じげんエネルギー事業のマネージャーにて事業開発を行なっている。

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ライター

藤巻 創

電気・プロパンガスに関する記事のライティングを担当。
制作ポリシーに基づいてエネルギー全般の記事作成・管理を行う。